朝は晴れていたのに、夕方になり急に雨が降り出し、洗濯物が濡れてしまった…という場面はよくあることです。雨に濡れた洗濯物は、洗い直すべきかどうか、悩んだ経験がある方は多いことでしょう。洗い直した方がすっきりしますが、手間がかかってしまうので悩ましいですよね。
今回は、雨に濡れた洗濯物を洗い直した方がよい理由、実際に濡れた時の対処方法について詳しく紹介しています。ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
雨に濡れた洗濯物をそのまま干してはいけない理由

洗濯物が雨に濡れてしまったとき、そのまま乾かすのか、洗い直すのか、悩まれることがあるでしょう。
洗濯物が雨で濡れた場合には「すぐに洗い直して室内で乾燥させる」が正解です。まずは、雨に濡れた物をそのまま干すのがなぜよくないのか、その理由について紹介します。
雨自体に大気中の汚れが含まれているから
雨水には、待機中に浮遊するさまざまな汚れが含まれています。工場や自動車から排出される排気ガス、花粉、黄砂など、目に見えない微粒子が雨水に取り込まれているのです。
雨で濡れた洗濯物には、これらの汚れが付着してしまっています。洗い直さずにそのまま乾燥させると、汚れが衣服に定着したままクローゼットやタンスに戻ることとなり、衛生的ではありません。少し雨がかかってしまった程度なら乾かすだけでもよいかもしれませんが、本格的に濡れた場合は洗い直した方がよいでしょう。
酸性雨により繊維がダメージを受けるから
雨には、「酸性雨」の原因となる化学物質も含まれています。酸性雨とは、人為起源の酸性物質を空気中で取り込み酸性化した雨のことを呼びます。工場や自動車から排出される硫黄酸化物や窒素酸化物が雨水に溶け込むことで、雨の水が酸性に傾くのです。
洗濯物が長時間酸性雨にさらされると、繊維がダメージを受けて傷み、色落ちや変色が起こりやすくなります。衣服を長もちさせるためにも、できるだけ早く原因となる成分を洗い流しましょう。
菌の繁殖が進み生乾きの臭いにつながるから
雨に濡れた洗濯物をそのまま干していると、雑菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。
雨の日に濡れた状態のままベランダで干していても洗濯物は乾きにくく、長時間湿った状態が続くことで、カビや細菌が増殖します。雑菌が増えれば増えるほど、生乾き臭が発生しやすくなります。一度雨に濡れた洗濯物は洗い直し、洗濯機の脱水機能で脱水したのちにしっかりと乾かしましょう。
泥汚れが付着している可能性があるから
ゲリラ豪雨のように勢いの強い雨が降った場合、ベランダや庭の泥や砂を跳ね上げて、洗濯物が汚れてしまっていることもあります。ベランダの柵やエアコンの室外機に付着していたホコリが飛ぶこともあるでしょう。
泥汚れに気が付かず、長期間汚れが付着したままになってしまうと、シミや変色のもととなります。衣類を大切に長く使い続けるためにも、雨に濡れたあとの対処は重要です。
雨に濡れた洗濯物の対処法

洗濯物が雨にさらされ濡れてしまった場合、すぐに対処が必要です。ここからは、実際に洗濯物が雨に濡れてしまった場合に行う対処法について、具体的な洗い方や干し方を解説していきます。
すぐに洗い直す
洗濯物が濡れてしまったら、できるだけすぐに洗濯機で洗い直しましょう。汚れがついたり湿っている時間が長くなればなるほど、生乾き臭やシミの原因となります。洗い直しの目的は、洗濯物を雨に濡れる前の、汚れが落ちた状態に戻すことです。
基本はすすぎ1回で軽く洗う
干している最中に雨で濡れた洗濯物は、一度しっかりと洗ったものです。泥水が飛んだ汚れが目立っている場合や明らかなシミがある場合など、よほどのことがなければ軽く洗うだけで十分です。時短のためにも洗濯機の「すすぎ1回コース」で洗濯しましょう。
なお、このときに使用する洗剤は、すすぎ1回に対応しているものを選ぶようにしてください。
生乾き臭の発生が気になる場合
生乾き臭の発生が気になる場合には、臭いの原因である雑菌の増殖を抑える抗菌作用のある洗剤がおすすめです。
また、洗濯時に洗濯洗剤と一緒に酸素系漂白剤を加えてもよいでしょう。酸素系漂白剤は、繊維を過度に傷めることなく汚れや汚れの色素を落とす、除菌・殺菌力のある洗剤です。色柄ものの衣服に使用しても洗濯時に色落ちしにくい特徴があります。
雨が続いている場合は部屋干しで乾かす
洗濯物を洗い直した後も雨が続いている場合は外に干さず、部屋干ししましょう。乾かす時間を短縮するために、エアコンや除湿機、扇風機などを使用してスピーディに乾かすようにすることがポイントです。
以降の見出しでは、部屋干しの方法について具体的に解説していきます。
雨が多い時期でも洗濯物に困らない、部屋干しのポイント

雨が降っている時は、室内で洗濯物を干すことをおすすめします。屋根つきのベランダに干したとしても洗濯物が十分に乾かなかったり、風で舞い込んだ雨水にさらされたりすることがあるためです。
ここからは、雨が多い時期に便利な部屋干しの方法について解説します。
エアコンの除湿設定や除湿機を使って部屋の湿度を下げる
雨の日は、部屋の湿度自体が上昇しています。湿度が高い環境では乾燥に時間がかかり、カビや雑菌の繁殖スピードが上がってしまいます。効率よく洗濯物を乾かすには部屋の湿度自体を下げる必要があるのです。部屋干しをする際には、エアコンの除湿設定や除湿機を使用して、意識的に湿度を下げましょう。
なお、真冬など気温の低い時期であれば、除湿機を使用しなくてもエアコンの暖房の風のみでしっかり乾きます。気温や湿度に応じて使い分けるとよいでしょう。
洗濯物同士の隙間をあける
部屋干しで洗濯物を乾かす際には、洗濯物同士の隙間をあけて干すようにしてください。洗濯物を密集させると空気の流れが悪くなり、乾燥に時間がかかってしまうためです。スペースに余裕があるならば、洗濯物同士の間を10cm程度空けましょう。
スペースの問題で10cmの隙間を開けることが難しい場合でも、均等に干すためのアイテムを使用したり、あえて厚みのあるハンガーを使用して風の通りをよくしたりと工夫してみましょう。部屋干し専用のアイデアグッズとしてさまざまなものが市販されているため、ライフスタイルに合わせて取り入れてみるのもおすすめです。
扇風機(サーキュレーター)の風をあててみる
扇風機やサーキュレーターを利用すると、より効率よく乾かすことができます。部屋の空気を循環させることで、洗濯物から出た湿った空気を拡散させ、乾きやすい環境を作り出せるのです。空気の通り道を作れるような場所に扇風機やサーキュレーターを設置しましょう。
浴室乾燥機や室内物干機がある場合は活用する
浴室乾燥機のあるお家では、浴室で洗濯物を乾かすのも手軽な方法です。狭い空間で集中的に乾燥した空気を洗濯物にあてることができるため、スムーズに乾きます。
また、室内物干し機のあるお部屋では、そちらを活用すると便利です。室内物干し機を使用する場合にも、空気の通り道を意識して扇風機やサーキュレーターを使用したり、湿度を下げたりと、乾きやすい環境を作る工夫をしましょう。
雨に濡れた洗濯物を洗い直す時間がない場合はとにかく早く乾かすように工夫する
ここまで、雨に濡れた洗濯物の対処法について解説してきました。洗濯物が雨で濡れてしまった場合は、できるだけ早く洗い直し、室内干しで素早く乾かすことが重要です。
しかし、出かける用事があったり、仕事があったりと、洗濯物が濡れていることに気づいても洗い直す時間が取れない場面もあることでしょう。洗い直す時間がどうしてもないときは、少しでも嫌なにおいの発生を抑えるためにも、とにかく早く乾かすようにしてみてください。
濡れた洗濯物を取り込み、エアコンの除湿機能や除湿機で湿度を下げて、空気の通り道ができるように工夫しながら室内に干しておきます。さらに扇風機やサーキュレーターの風を当て、乾燥スピードが早まるよう工夫しましょう。水が滴るほど雨に濡れている場合には、先に洗濯機で脱水のみ行うのもひとつの方法です。
雨に濡れたままの洗濯物はそのまま乾かさず、丁寧に洗い直そう!
今回は、雨に濡れた洗濯物を洗い直した方がよい理由、実際に濡れた時の対処方法について紹介しました。
雨に濡れた洗濯物は、できるだけすぐに洗いましょう。雨水に含まれている大気中の汚れや酸性雨の成分が洗濯物に付着しています。また、濡れた状態で放置すると雑菌が繁殖し、生乾き臭の原因となるのです。
洗い直した洗濯物は、部屋干しで乾燥させることも重要なポイントです。普段から洗濯物の干し方を意識することで、衣服や寝具を長持ちさせることにもつながるでしょう。