エアコンを使い始める季節になると、どうしても気になってくるのは「電気代」。電気料金のお知らせを見るたびに、「来月こそは節約しよう!」と思う方も多いのではないでしょうか?
今回は、節約につながるエアコンの使い方を具体的に解説します。過度な我慢をするのではなく、簡単な工夫で無理なく電気代を節約しましょう。
まずは知っておきたい!エアコン電気代の計算方法

電気料金のお知らせや請求書が届くと、真っ先に見るのは請求額ですね。しかし、詳しい計算方法までご存じの方は少ないのではないでしょうか?たとえば、1時間当たりの電気代は以下の式で求められます。
消費電力(kW)×電気代単価(円)=1時間の電気代(円)
消費電力はエアコンの能力によって異なります。たとえば、エアコンの消費電力が800W(0.8kW)で、電気代単価を27円とした場合、以下のような計算で答えが出ます。
- 0.8kW×27円=21.6円/h
これに使用時間をかけると、1日分の電気代が算出できます。
【1日5時間使用した場合】
- 21.6円×5時間=108円/日
- 108円×30日=3,240円(1ヶ月)
上記の式を使えば毎月の電気代がわかるので、自身のケースに合わせて計算してみてください。次項から、消費電力と電気代単価の確認方法を見ていきましょう。
消費電力及び電気代単価の確認方法
一般的に、消費電力はエアコンのカタログや取扱説明書に記載されています。また、エアコン本体の品番などが記載されているシールなどにも消費電力が記載されているため、このうちどちらかをチェックしてエアコンの消費電力をご確認ください。
電気代単価についても、契約している電力会社やプランによって異なります。電気代使用量のお知らせや、ご請求書などでご確認ください。
年1万円浮かすためのエアコン電気代節約方法

エアコンの電気代は、日々の使い方やちょっとした工夫によって節約できます。
- 節約方法①:温度設定を意識する
- 節約方法②:電源のオンオフを繰り返さない
- 節約方法③:自動運転モードを活用する
- 節約方法④:断熱シートを活用する
- 節約方法⑤:エアコンの掃除をこまめに行う
- 節約方法⑥:扇風機やサーキュレーターを活用する
- 節約方法⑦:省エネ効果が高いエアコンを選ぶ
上記7つの節約術について、詳しく見ていきましょう。
節約方法①:温度設定を意識する
環境省によると、夏の冷房時の温度設定を1℃高くすると約13%(約70W)の消費電力の削減になり、冬の暖房時の温度設定を1℃低くすると約10%の消費電力の削減になるそうです。
たとえば、先ほど計算した1ヶ月分のエアコンの電気代が3,240円の場合、概算ですが以下のとおり節約できます。
- 夏 3,240円×13%×4ヶ月=1,685円(四捨五入)
- 冬 3,240円×10%×4ヶ月=1,296円
上記のように、1年間で合計2,981円の節約が可能です。もちろん、エアコンの使用期間は地域によって異なりますので、ご家庭の使用状況に合わせて計算してみてください。
ちなみに、環境省が推奨しているエアコンの設定温度は夏場が28℃、冬場が20℃のため、こちらを目安に無理のない範囲で実践しましょう。
※参考 環境省 「空調設定温度・温度の適正化」
※参考 環境省 「オフィスでできる節電アクション」
節約方法②:電源のオンオフを繰り返さない
室内温度と設定温度が離れている場合、早く設定温度に近づけるために大きなエネルギーを使います。このため、短時間でスイッチのオンオフを繰り返すと余計に電気代がかかるとされています。30分など比較的短時間の外出であれば、オフにしない方が賢明といえるでしょう。
また、室内が適温になった場合でもエアコンはオフにせず、温度を調節し、運転を続けた方が節約につながります。
節約方法③:自動運転モードを活用する
エアコンの電気代を節約しようとして、微風や弱モードなど弱い運転で使用すると、設定気温になるまでに時間がかかり、かえって電気代が高くなってしまうことがあります。このようなときは、「自動運転モード」を活用しましょう。設定温度になるまでの間は強風で運転し、効率的なタイミングで微風運転に切り替えてくれます。
節約方法④:断熱シートを活用する
せっかくエアコンで室内を快適な温度にしても、窓の隙間から外気が入ってくる可能性があります。設定温度を保つために余計なエネルギーを使ってしまうため、このようなときは断熱シートを窓に貼りましょう。こちらは近所のホームセンターで簡単に購入することができ、施工も難しくありません。
また、意外と見落としがちなのが室外機です。室外機に日が当たってしまうと冷房が効きづらくなるため、屋根になるようなカバーを設置して対処しましょう。
節約方法⑤:エアコンの掃除をこまめに行う
エアコンのフィルターはこまめに掃除していますか?ゴミやホコリが溜まると運転効率が低下してしまい、余計な電力を必要とします。消費する電気が増えれば電気代は余計にかかります。
掃除する場合はフィルターをはずし、掃除機で優しく吸い取りましょう。その後、水洗いをしたら陰干しします。本体や羽の部分は軽く水拭きして、ホコリを取り除いてください。
節約方法⑥:扇風機やサーキュレーターを活用する
暖かい空気は上に移動し、冷たい空気は下に溜まります。室内に温度のムラがあると、電気代のロスにつながるため、エアコンと一緒に扇風機やサーキュレーターを利用し、エアコンの電気代を節約しましょう。
エアコンとサーキュレーターをダブルで使用すると「電気代が高くなるのでは?」と思う方も多いでしょう。しかし、エアコンに比べてサーキュレーターや扇風機の消費電力は小さいため、エアコンをフル活動するよりも省エネにつながります。
夏場であれば、エアコンの風向きは上向きにし、サーキュレーターはエアコンの下に置きます。エアコンと同じ方向に風を送り、室内の空気を循環させましょう。
対して冬場であれば、エアコンの風向きは真下にします。サーキュレーターはエアコンと対角線上に置き、上向きに風を送り、暖かい空気を循環させてみてください。
節約方法⑦:省エネ効果が高いエアコンを選ぶ
もしエアコンが10年以上前のものである場合や、調子が悪いと感じたら、エアコン本体の買替えを検討しましょう。最新のモデルであれば省エネ機能に優れているため、余計な電力を消費することがありません。
たとえば、消費電力が800W(0.8kW)から760W(0.76kW)になれば、以下のような節約に期待できます。
【0.8kW のエアコンを1日5時間使用した場合】
- 0.8kW×27円=21.6円/h
- 21.6円/h×5×30=3,240円
【0.76kWのエアコンを1日5時間使用した場合】
- 0.76kW×27円=20.5円/h
- 20.5円/h×5×30=3,078円
1ヶ月の差額は162円です。1年間でエアコンを使用する期間が8ヶ月とすると、1,296円の節約ができます。
ただし、賃貸物件に住んでいる場合は、エアコンを買い替えることができない場合が多いので、内見の際に設置されているエアコンの製造年や消費電力を確認することをおすすめします。
エアコン電気代の節約方法として電力会社を見直すのもひとつの手!

ここまでさまざまな節約術を紹介してきましたが、電力会社を見直してみるというのもひとつの手です。電気とガスを合算できる電力会社や、ポイントが付与される電力会社もありますので、自分に合った電力会社を見つけてみてください。
ただし、賃貸物件の場合は制約がある場合が多いです。電力会社の変更は比較的しやすいものの、ガス会社の変更は難しいとされています。勝手に変更するとトラブルになってしまうため、まずは不動産会社や管理会社に相談してみましょう。
なお、エアコンだけでなく家電一式が揃っている物件もあります。家電の購入にかかる手間や費用を抑えられるので、気になる方は家電付きの部屋を探してみてはいかがでしょうか。
エアコンの電気代を節約して家計に余裕を持たせよう!
電気代は、自分の工夫次第で節約することができます。しかし、過度な我慢や無理な節約はおすすめできないため、比較的簡単にできて無理なく続けられる節約方法をお試しください。
今回ご紹介した節約方法を一通り実践すれば、年間で1万円以上節約することも夢ではありません。もちろん、エアコンの性能や使用頻度によって異なってくるため、「1ヶ月100円節約する!」など小さな目標から始めることも重要です。ぜひ賢く節約して、家計にゆとりを持たせましょう。