ボロボロのエアコンを新品に交換しました。その費用を大家さんに請求したいのですが。
入居時から部屋に設置されたエアコンはかなりの年代物でボロボロ、しかもかなりうるさかったので、自腹で最新のものに入れ替えました。これで少なくとも住みやすくなったわけだから、交換費用を大家さんに請求したいと思います。悪い話ではないと思うし、問題ないですよね?
Answer
本件の古くてうるさいエアコンを新品に交換するというように、部屋に新たに何らかの手を加えることで利便性を向上させることを「造作」と呼びます。ただし、トイレやキッチンのように建物と一体化して取り外しが事実上不可能なものは含まれません。
エアコン交換によって部屋の利便性が増したのは確かなので、交換費用を請求するのは筋が通っているようですが、裁判所は大家側が事前に同意をしたかどうかで請求が可能か否かを判断しています。ポイントは「判断の機会」で、事前に通知し許可を得た上でやったことか、それともそうではないのか、で変わってくるのです。事前に通知されていれば、もし交換は不要だと大家側で判断したなら拒否する機会がありましたが、事後で報告された場合は大家側にその機会が与えられなかったことになります。よって、請求は認められず自腹となる可能性はあります。
なお、上記の対処方法はあくまでも一例として挙げましたが、実際は交換費用の請求自体は出来ないでしょう。というのも、今の賃貸借契約は特約の中に「造作買取をしない」という趣旨の条項がほぼ確実に入っています。つまり、上記の請求自体はそもそも出来ないようになっているのです。