【獣医監修】猫の多頭飼いを考えている人向け!知っておきたい5つの知識と住まいの環境づくりのポイント

目次

「猫を1匹飼っているけど、新しい子を迎え入れたい」「子猫を2匹以上引き取って飼いたい」と、猫の多頭飼いを考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、猫の多頭飼いの注意点や気をつけるべきポイントを知らないため、なかなか多頭飼いを決断できない…という方もいらっしゃいますよね。

そこで今回は、猫の多頭飼いを考えている方が知っておくべきことやおすすめの環境づくりのポイントをご紹介します。実際にあった猫の多頭飼いでのトラブルについても紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。

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猫の多頭飼いを考えている人が絶対知るべき5つのポイント

猫の多頭飼いを始める前に、絶対に知っておくべきポイントが5つあります。

・「一頭飼い」と「多頭飼い」の違い

・猫同士の相性がある

・飼育スペースとして十分な広さが必要

・飼い主の時間と経済的余裕が必要

・猫の多頭飼いで起こりやすい病気やトラブルがあることを把握しておく

これらのポイントを知らずに多頭飼いを行なってしまうと、後で後悔することになるかもしれませんし、猫の幸せを奪ってしまう可能性もあるため、飼い主さんは絶対に知っておきましょう。

それぞれについて詳しく解説していきます。

「一頭飼い」と「多頭飼い」の違い

現在猫を一頭飼っている人が多頭飼いを考えるとき、「猫が一頭増えるだけで特に何も変わらないだろう」と考えることも多いですが、これは危険です。

猫は、社会性が低く、縄張り意識の強い動物です。そのため、多頭飼いにより他の猫がいきなり縄張りに入ってくると先住猫は非常にストレスを感じ、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。

猫の多頭飼いは、飼い主さんが思っているより先住猫と新しい猫の双方にとってストレスがかかることだと認識しましょう。

猫同士の相性がある

猫の多頭飼いを行う時には、猫同士の相性が非常に重要です。先住猫が飼い主さんに執着していたり、警戒心が強い猫だったりする場合は、新しく迎えた猫を嫌ってしまうかもしれません。

多頭飼いをする時に比較的うまくいきやすい組み合わせとしては、以下のような場合が良いでしょう。

・子猫同士

・同年代の猫

・縄張り意識の低いメス

すでに一頭飼っており、多頭飼いを考えている飼い主さんは、先住猫と新しく迎え入れる猫の相性をしっかり考えてあげましょう。

飼育スペースとして十分な広さが必要

猫にはパーソナルスペースが必要です。そのため、飼育スペースは十分な広さを確保するようにしましょう。

また、何かあった時に隔離できる部屋が必要であるため、猫の飼育頭数の上限は、「部屋数-1頭」までが適切です。部屋数が3部屋しかない場合には、多頭飼いを行うとしても2頭までにとどめてあげるようにしましょう。

飼い主の時間と経済的余裕が必要

飼い主さんには、複数頭の猫の面倒をしっかりみれる時間と経済的余裕が必要です。

多頭飼いをすると猫の数だけ、体調管理や食事管理、部屋の掃除が増えていきます。そして、何より飼育費用も増加します。

多頭飼いによるトラブルが起こる可能性も考えると倍以上の費用や時間が必要になると考えてください。

猫の多頭飼いで起こりやすい病気やトラブルがあることを把握しておく

猫の多頭飼いでは、さまざまな病気やトラブルが発生しやすくなる可能性も考えなければなりません。

・感染症(猫エイズ、猫風邪、寄生虫など)

・ストレスによる下痢・脱毛・膀胱炎・尿管結石

・喧嘩

飼い主さんは、こうした病気やトラブルが起こりやすくなることをしっかりと把握しておきましょう。

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実際にあった猫の多頭飼いで困った事例・体験談

ここからは、動物病院に寄せられる猫の多頭飼い関係でよくある、実際の困った事例について解説します。多頭飼いで飼い主さんが悩むポイントとして多かったのは、以下のような事例でした。

・多頭飼いで感染症が蔓延する

・療法食を食べてほしいけど、他の子の餌を食べてしまう

・新しい子と相性が悪く、喧嘩やストレスで下痢や膀胱炎になる

多頭飼いに起こるトラブルとして最も多いのは、感染症が蔓延する場合です。小さな子猫や野良猫は、さまざまな感染症を持っています。特に多いのが猫風邪です。新しく迎え入れる子に目やにが出ている場合や、くしゃみ、鼻水といった症状がある場合には、猫風邪になっている可能性があり、先住猫にも感染する恐れがあります。新しい子を迎える時には、動物病院でしっかりと感染症がないかどうかチェックしてもらいましょう。

また、療法食を食べずに他の子の餌を食べてしまう場合もあります。このような場合に食事の場所を隔離するための広いスペースが居住空間には必要です。

さらに相性が悪いと、ストレスや喧嘩の原因にもなり、さまざまな病気になってしまうことも考えられます。

こうしたトラブルは、飼い主さんが事前に知っておくことで対処することができます。飼い主さんは、新しい子を迎え入れる時には、迎え入れる環境、猫同士の相性、感染症の有無は必ずチェックしてあげてください。

猫の多頭飼いをする上での注意点【お迎えしたばかりの時期】

新しい猫を迎え入れたばかりの時期では、以下の点を注意してみてあげるようにしましょう。

・迎え入れる子に感染症がないかどうか

・先住猫と一緒にするのは、2週間以上かけて行う

これらの点をしっかりと守っていかなければ、感染症が蔓延したり、先住猫との関係が悪化したりする場合があります。それぞれについて解説していきます。

迎え入れる子に感染症がないかどうか

新しい猫を迎え入れる場合には、その猫に感染症がないかどうかをしっかりチェックしてください。飼い主さんは、以下のような症状がないか確認しましょう。

■迎え入れる猫のチェックポイント

・咳

・くしゃみ

・下痢

・緑色の目やに

・ノミ糞がないか

新しく迎え入れる猫にこういった症状がある場合、何らかの感染症があることが多いです。動物病院で検査をしてもらうことをおすすめします。

先住猫と一緒にするのは、2週間以上かけて行う

新しく猫を迎え入れた後、先住猫と一緒に生活させるまでには、2週間以上の時間をかけましょう。

1~2週間は隔離生活を行い、ゲージに入れての対面を繰り返してあげることが大切です。ゲージでの対面でも大丈夫そうであるならば、2週間後に徐々に一緒にして生活をスタートしてあげてください。

ただ、2週間たっても先住猫が警戒していたり、攻撃したりしている場合には、一緒に生活するのは難しい可能性があります。飼い主さんが見れない時には、喧嘩が起こる可能性もありますので、隔離しておきましょう。

猫の多頭飼いをする上での注意点【ある程度慣れてきた時期】

猫との多頭飼いである程度慣れてきた時期での注意点としては以下のようなものが考えられます。

・パーソナルスペースがあるかどうかもう一度環境を見直す

・どうしても相性が悪ければ、別々の部屋で過ごさせてあげる

それぞれについて解説していきます。

自分だけの空間が確保できてるかもう一度環境を見直す

ある程度の期間が過ぎても、もう一度猫の居住スペースにそれぞれの自分だけの空間を提供できているか定期的に見直しましょう。

猫は自分だけの空間が必要です。表に出さないだけで、かなりのストレスに晒されている可能性があります。

部屋の生活環境に、自分が安心して過ごすことのできる環境があるのかどうか再度チェックしてみましょう。キャットタワー、部屋の隅、ソファの下など、自分の空間を確保しやすいものを揃えてあげるのがおすすめです。

どうしても相性が悪ければ、別々の部屋で過ごさせてあげる

どうしても相性が悪く、顔を合わすたびに喧嘩をしてしまう場合もあると思います。

この場合は、怪我やストレスの原因となり先住猫と新しく迎え入れた猫の双方にとっても良い状況ではありません。

飼い主さんは、猫たちが安全にストレスなく過ごせるように、別々の部屋で過ごさせてあげることも考えるべきでしょう。

賃貸物件で猫の多頭飼いをするための環境ポイント3つ

賃貸物件で猫の多頭飼いをするための環境を整えるポイントは、主に3つあります。

①トイレやご飯へのアクセスの良さ

②トイレ、食器などは、それぞれ専用のものを使ってあげる

③キャットタワー、ソファの下など自分だけの空間を作れるものを置く

これらは、猫をストレスなく多頭飼育してあげるために重要なポイントです。それぞれについて解説していきます。

①トイレやご飯へのアクセスの良さ

相性が悪い猫がトイレやご飯への通路を塞いでいる場合、なかなかトイレに行けず、ご飯を食べることができないので、猫にとってストレスフルな環境になってしまいます。

トイレやご飯、飲み水の設置場所については、相性が悪い猫が通路を塞いでアクセスできないような狭い場所は控えてあげるようにしましょう。トイレやご飯へ辿り着くまで何通りも行き方があるような、アクセスの良さが理想です。

トイレの数は頭数+1個置く

トイレの数は、猫の頭数+1個置くようにしてあげてください。猫はトイレが汚れていると排泄を我慢してしまう動物です。トイレを我慢してしまうと膀胱炎になってしまう可能性が高くなります。

猫に綺麗なトイレで排泄してもらうため、トイレの数を多めに設置し常に清潔にしてあげることを心がけましょう。

②トイレ、食器などはそれぞれ専用のものを使ってあげる

トイレ、食器などは、それぞれに専用のものを使ってあげてください。共用にしてしまうと、感染症が広まってしまったり、便や尿の異常を見つけても誰のものかが分からなくなったりすることが多いです。

飼い主さんは、それぞれの猫に対して専用の食器やトイレを置くようにしてあげましょう。

③キャットタワー、ソファの下など自分だけの空間を作れるものを置く

猫には、自分だけの空間を作ってあげることで、安心感を与えることができます。

また、高低差や狭いところが好きという習性もあるので、キャットタワーやソファの下など自分の空間を確保でき、猫の習性を満たすことができる環境を作ってあげましょう。

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猫の多頭飼いをサポートしてくれるお部屋の条件

猫の多頭飼育を行う場合は、前提としてペット可・相談物件であることが重要です。ペット禁止の物件で猫を飼ってしまうとニオイや鳴き声などで、近隣の人に迷惑をかけ、トラブルの原因となることがありますので注意しましょう。

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猫がのびのびできる広めの部屋

それぞれの猫が自分の空間を確保できて、のびのびと暮らすためには広い部屋面積が必要です。特に多頭飼いをするならば、いくつか部屋数があった方が隔離などを行いやすいのでおすすめです。

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天井が高くキャットタワーやソファをおける十分な広さがある

猫の習性を考えて高低差がつけれるキャットタワーや、狭い空間を作れるソファなどを置いてあげるとより良いです。キャットタワーやソファを置くためには、十分な高さと広さがある部屋を選んであげるようにしましょう。

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猫がストレスなく過ごせる環境

猫がストレスなく過ごせる環境としては、居住空間の広さや高さ以外にも、外部の環境も重要です。窓から風景が見えたり、日当たりが良かったりするとさらにストレスなく過ごせるようになるでしょう。

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猫の多頭飼いは注意点・リスクをしっかり把握し、猫が幸せになれる環境で始めよう!

猫の多頭飼いをする前に、知っておくべきことやチェックすべきことはたくさんあります。

・迎え入れる環境

・猫同士の相性

・迎え入れる猫の感染症の有無

これらについて、本記事を参考にしっかりチェックしてあげてください。

猫を多頭飼いするというのは、思っている以上に大変です。しかし、多頭飼いはうまく行うことができると日常の幸せも倍以上になると思います。多頭飼いを成功させるためにも、飼い主さんは、しっかりと事前準備や環境を整えてあげるようにしてください。