間接照明を取り入れることで、部屋を自分好みの雰囲気に仕上げることができます。照明の視覚効果は大きく、部屋の雰囲気をガラッと変えることも可能ですが、実際に間接照明を取り入れたいと思っても、「どんなものを選んで良いのかわからない」と躊躇してしまう方も少なくありません。
そこで今回は、一人暮らしの部屋におすすめの間接照明や、おしゃれに見せるためのポイントをご紹介します。部屋の雰囲気をワンランクアップするために、ぜひ間接照明を取り入れてみてくださいね。
間接照明とは
照明は主に直接照明と間接照明の2つに分けられます。直接照明は照らしたいものを直接照らす照明のことで、間接照明は天井や壁などを照らし、その反射光で空間を照らす照明のことを指します。
反射光で間接的に空間を照らす間接照明は、直接照明とは違うやわらかい光が特徴です。そのため、間接照明は空間演出やリラックスのための照明といえるでしょう。部屋の雰囲気を変える際はもちろん、おしゃれに演出したいときにも活用できる照明です。
間接照明を使うとおしゃれな空間を演出できる理由
間接照明を取り入れることで、なぜおしゃれな空間を演出できるのでしょうか。その理由は主に2つあるといわれており、そのうちの1つが「フォーカルポイント」といわれています。
フォーカルポイントとは、「視線が集中する場所」「目を引く場所」という意味を持つ言葉で、おしゃれな部屋を作るにはこのフォーカルポイントが欠かせません。通常、天井付けの照明で部屋全体を照らすというのが一般的ですが、この方法だと部屋を全体的に照らすため、フォーカルポイントは作れません。しかし、間接照明を使うと空間の一部分だけが明るくなり、視線を引くフォーカルポイントが簡単に作れます。
このフォーカルポイントによって視線誘導効果が働き、部屋がおしゃれに見えるということが1つ目の理由です。
2つ目は、空間に広がりを持たせる効果です。間接照明は反射光で光がやわらかく広がるため、空間に広がりが生まれます。壁や天井を照らすのはもちろん、部屋の隅を照らすとより効果的でしょう。
また、間接照明によって作られる陰影は、空間に立体感を生みます。光と影のコントラストは空間に奥行きを感じさせ、部屋を広く見せてくれます。このような広がりや立体感から部屋がおしゃれに感じるというわけです。
一人暮らしの部屋におすすめの間接照明タイプ
一口に間接照明といってもその種類は多岐にわたります。そのため、実際に間接照明を取り入れようと思ってもどんなものを選んだら良いのかわからないかもしれません。そこで、一人暮らしの部屋に取り入れるのにおすすめの間接照明のタイプを3つご紹介します。
スタンドライト
スタンドライトは、フロアライトとも呼ばれている床に置いて自立するタイプの照明です。縦長のスリムな形状のものが多いため、一人暮らしの部屋に取り入れても圧迫感がなく邪魔になりません。
また、スタンドライトはそれ自体がインテリア性の高いものが多く、照明をつけていないときでもインテリアのアクセントになります。また、照明の方向を変えられるものなら照らす場所を自在に変えられるため、天井を照らしたり壁を照らしたりとさまざまな使い方ができます。
テーブルライト
テーブルライトは、その名の通りテーブルの上に置いて使う照明のことで、比較的背の低いコンパクトなサイズのものが一般的です。テーブルや棚の上に置けるサイズのため、一人暮らしの部屋にも取り入れやすいでしょう。また、シンプルなデザインからアンティーク風やステンドグラス風などのデコラティブなデザインまで幅広くあるため、部屋のインテリアに合わせて選ぶことができます。
スポットライト
部屋の一部分を照らすスポットライトは、フォーカルポイントを作るのにぴったりのアイテムです。もちろん、天井や壁を照らして空間に広がりを持たせるという使い方もできますが、他のアイテムと組み合わせて使うのも良い方法です。
たとえば観葉植物に光を当てたり、壁にかけたアートやお気に入りの小物を照らすように設置したりすると、陰影ができてよりおしゃれに見えます。また、スポットライトはシンプルなデザインが多く、一人暮らしの部屋にも違和感なく取り込めるでしょう。
インテリアコーディネーターの私が考える、一人暮らしの間接照明活用テクニック
次に、実際に一人暮らしの部屋で間接照明を上手に活用するためのテクニックをご紹介します。間接照明を初めて取り入れるという方も、このポイントに気をつければ大きな失敗をすることなくおしゃれな空間づくりができるでしょう。
①コンパクトなサイズを選ぶ
一人暮らしの部屋に取り入れるなら、サイズが大きすぎる間接照明はおすすめできません。過度に大きな間接照明を取り入れると、圧迫感が生まれて部屋が窮屈に感じてしまうでしょう。空間に広がりを持たせる効果を最大限活かすためにも、できるだけコンパクトなサイズのものを選ぶようにしてください。
②照らし方を工夫する
間接照明を使う際は、照らし方を工夫しましょう。間接照明は、どこを照らすかで実際に感じる効果が変わります。
一人暮らしの方におすすめなのが、部屋の隅を照らす方法です。暗くなりがちな部屋の隅を照らすことで空間に広がりが生まれ、部屋がより広く感じられます。
また天井を照らす間接照明は、上方への広がりを演出でき、天井を高く見せる効果があります。そして壁を照らすと、横方向の広がりが増し、重厚感のある雰囲気を出せるのが魅力です。さらに、床を照らすと浮遊感が生まれ、落ち着いたリラックスできる雰囲気を演出できるので、実際にどんな効果が出るのかを考えながら間接照明を設置するようにしてください。
③実用性を備えた設置をする
一人暮らしのコンパクトな部屋に取り入れるなら、実用性を備えた設置の仕方もおすすめです。たとえば、枕元にデスクライトを置き、ベッドサイドランプとして間接照明を取り入れるといった方法が挙げられます。こちらは寝る前のリラックスした時間を過ごすのにぴったりです。
また、ソファの近くにフロアライトを置いて、読書灯として使うのも良いでしょう。自分の生活スタイルに合わせて、実用性を備えた間接照明の使い方を考えてみてください。
④スポットライトでフォーカルポイントを作る
上級テクニックのひとつとして、スポットライトを使って目立たせたい部分に光を当ててフォーカルポイントを作るといった方法も覚えておきましょう。壁にかけたポスターやアートに光を当てるといった使い方はもちろん、テーブルの上に置いた小物を照らし、影を作って立体感を出すのも有効です。また、観葉植物を照らすと、葉の形に影が落ち、植物の存在感が際立ちます。
間接照明が活きる一人暮らし用の物件タイプ
最後に、間接照明を取り入れたいと思っている方におすすめの物件タイプをご紹介します。下記のような物件を選べば間接照明が活きる部屋づくりをしやすくなるため、部屋探しをしている方は参考にしてみてください。
リビングがある物件
間接照明はどんなお部屋にも取り入れられます。ですが、間接照明を使っておしゃれなお部屋づくりがしたいならリビング用の部屋がある物件のほうがいいかもしれません。
ワンルームの部屋は、他の間取りより面積が狭いことが多いです。さらに部屋の中にキッチンがあるため、部屋が手狭になりがち。その中で間接照明を置く場所を確保するのは難しい可能性があります。置いたとしても、間接照明が照らす空間が十分にないと、生活感を照らし出すだけになってしまうかもしれません。
リビングがある1LDK以上の間取りなら、間接照明をうまく活かしておしゃれな部屋づくりができるでしょう。収納スペースが広い物件も多いので、ぜひ検討してみてくださいね。
フローリングの物件
和室の場合、しっくりくるテイストの間接照明が限られるため、少々難易度が高いかもしれません。また畳に比べ、フローリングは適度に光を反射するため、センスの良さを出しやすいという特徴があります。「間接照明を初めて取り入れる」「なるべく失敗したくない」と考えている方にはフローリングの物件がおすすめです。
賃貸物件は基本的にフローリングの物件が多く、選ぶのに苦労しません。フローリングの色によっても部屋の雰囲気は変わるため、さまざまな物件を見ながら理想の部屋を探してみてください。
デザイナーズマンション
間接照明を取り入れたいと思ったら、デザイナーズマンションを選ぶのもおすすめです。デザイナーズマンションは、最初からおしゃれな内装に作られているので、お部屋の雰囲気が作りやすい傾向にあります。デザイナーズマンションに間接照明を取り入れることで、よりおしゃれな部屋づくりができるでしょう。
また、デザイナーズマンションにはライティングレールが取り付けられていることもあります。ライティングレールはダクトレールともいい、照明器具を取り付けるために天井に付けられたレール状の部品のことです。通常の照明を取り付けることもできますが、スポットライトを取り付けるのにもぴったり。スポットライトは向きを自在に変えることができ、壁や天井を照らすだけでなく、目立たせたい部分に光を当てることもできます。様々な使い方ができるため、間接照明を初めて取り入れる方にもおすすめです。
ウォークインクローゼット付きの物件
間接照明を活かしたお部屋づくりがしたいと思ったら、なるべく部屋の中にある物は減らすのがおすすめです。物が多くごちゃごちゃしていると、間接照明の光があまり広がらず、あまり活かせなくなってしまうかもしれないからです。
そこで、間接照明を活かすお部屋づくりのためにウォークインクローゼット付きの物件がおすすめ。広い収納があれば、部屋の中の物を減らせるため、より間接照明が活きるお部屋作りができるでしょう。
間接照明を活用して一人暮らしの部屋をおしゃれに演出しよう!
間接照明は自室をぐっとおしゃれに演出してくれる便利なアイテムです。自分の好みや目標としている雰囲気に合わせて選ぶのがコツですが、慣れないと難しく感じるかもしれません。困ったときは今回ご紹介したポイントをおさらいしつつ、どんなものが良いのかを考えながら素敵な間接照明を探してみてはいかがでしょうか。