一人暮らしを始めるとき、キッチンの設備でIHクッキングヒーター(IHコンロ)とそれ以外のコンロの違いがよくわからず「何となく選んだ」という方も多いのではないでしょうか?最近は質の良いIHクッキングヒーターも増えてきており、「IHクッキングヒーター付き」を部屋探しの条件に入れて新しい住まいを探している、という方も少なくありません。
そこで今回は、十数年にわたり仕事と家庭の両方でIHクッキングヒーターを使い続けてきた私が、IHクッキングヒーターの魅力を徹底的に解説していきます。気になる方はぜひチェックしてみてください。
IHクッキングヒーター(IHコンロ)とは?
IHクッキングヒーター(IHコンロ)とは、電磁誘導加熱「Induction Heating」の略称で、内部にある電磁誘導コイルに電流を流し、コイルに接触した調理器具自体を発熱させて加熱するコンロです。
IHクッキングヒーター自体は1971年にアメリカで発表され、日本で一般的に使用され始めたのは1990年代終わりごろといわれています。21世紀に入り、オール電化住宅が増えてきたことで一気に普及が進みました。
しかし、当初は火力(出力)も弱く、このイメージから「IHは使えない」というイメージを持っている方も少なくありません。ただし、現在は改良が進み、それらの弱点は改善されました。単純に「水を沸かす」などはガスコンロよりも早く、その他にも多くのメリットがあります。
IHクッキングヒーター(IHコンロ)と他のコンロとの違い
IHクッキングヒーターと他のコンロとの違いは、どういったものがあるのでしょうか?以下に、ガスコンロ・電気コンロと比較した表を記載しましたので参考にしてみてください。
IHコンロ | ガスコンロ | 電気コンロ | |
---|---|---|---|
エネルギー | 電気 | ガス | 電気 |
火力 | 〇 | ◎ | △ |
掃除 | ◎ | × | × |
見た目 | ◎ | △ | × |
安全性 | ◎ | × | △ |
耐久性 | △ | ◎ | 〇 |
エネルギー
IHクッキングヒーターや電気コンロは電気を使い、ガスコンロは都市ガスやプロパンガスを使用します。光熱費は各家庭で契約している料金プランによって違うため一概にはいえませんが、IHクッキングヒーターとガスコンロとの比較であれば、住んでいる場所が都市ガスならガスコンロ、プロパンガスならIHクッキングヒーターの方が安くなります。
IHクッキングヒーターと電気コンロの比較では、同じ電気を使用するものの、消費電力はIHクッキングヒーターの方が高くなりがちです。ただし、電気コンロは加熱力が弱く、調理に時間がかかるため、結果として電気コンロの方が電気代は高くなることもあります。
火力(出力)
IHクッキングヒーターは、電磁誘導コイルに接触している部分のみ加熱される仕組みです。鍋底などコイルに接触している部分が加熱されるため、水などはガスコンロや電気コンロよりも早く沸騰します。
逆にいえば、IHクッキングヒーターはコイルに接触しない、つまりフライパンを宙に浮かせるとすぐに加熱が止まります。そのため、チャーハンなどフライパンを宙に浮かしてあおるような料理には不向きです。原理は違いますが、電気コンロも電熱線にフライパンが直接触れることで加熱するため同じことがいえます。
また、電気コンロはスイッチを入れてから徐々に電熱線が加熱されるため、熱くなるまでに時間がかかる、加熱力自体もIHクッキングヒーターやガスコンロより劣るといったデメリットを持っています。
掃除
フラットな天板をサッと拭くだけでOKなので、圧倒的にIHクッキングヒーターの方が楽です。部品を外して洗う必要があるガスコンロや、電熱線がむき出しになっている電気コンロよりも掃除がしやすいといえます。
見た目
IHクッキングヒーターの方が圧迫感もなく、生活感も出にくいため、キッチンがすっきりとした印象になります。
安全性
ガスコンロは火を使うため火事の危険が伴います。また、ガス漏れのリスクもあるため、IHクッキングヒーターの方が安全性は高いといえるでしょう。なお、電気コンロはガス漏れの心配はないものの、電熱線自体が火災を誘発してしまう温度まで上がるため注意が必要です。
耐久性
構造が単純なガスコンロや電気コンロの方が耐久性は高いといえます。IHクッキングヒーターは家電製品のためまれに故障することがあり、実際に私も過去に一度故障を経験しました。ただし、十数年使ってわずか一回なので、普通に使う分ではあまり気にする必要はないかと思います。
IHクッキングヒーターとそれ以外のコンロには、それぞれ異なる特徴があります。IHクッキングヒーターに興味がある方は、部屋探しの条件のひとつに「IHクッキングヒーター」を加えてみてはいかがでしょうか。
一人暮らしでIHクッキングヒーター(IHコンロ)を使うメリット
ここからは、一人暮らしでIHクッキングヒーターを使うメリットを紹介していきます。どれも魅力的なメリットなので、今後の部屋探しの参考にしてみてください。
メリット①:掃除が楽
最初のメリットとして挙げられるのが、掃除がとても楽なことです。フラットな天板のみで構成されているので、サッと拭くだけで掃除が完了します。ガスコンロのように、五徳(鍋を乗せる棒状の部品)をわざわざ外して洗剤で洗う必要はありません。
メリット②:部屋の温度が上がらない
ガスコンロは火を使うため、放射熱により部屋の温度が上昇します。寒さが厳しくなる冬は良いかもしれませんが、気温が上がる夏場は不快に感じるかもしれません。また電気コンロも同様で、ガスコンロほどではありませんが、部屋の温度を多少なりとも上げてしまいます。
一方、IHクッキングヒーターは電気でフライパンや鍋だけを直接加熱するため、部屋の温度が上昇しません。暑さが厳しい7~9月でも快適に料理できるのがメリットのひとつです。
メリット③:見た目がスタイリッシュ
ガスコンロの五徳による出っ張りがないため、圧迫感が少なくキッチンがスタイリッシュに見えます。部屋に誰かが遊びに来たとき、スタイリッシュなキッチンであれば印象が良くなります。
メリット④:一定の温度を保てるため揚げ物や煮物が作りやすい
ガスコンロは火力を目視して火加減をコントロールするのですが、これはなかなか難しいものです。火加減を間違えると料理が台無しになってしまいます。しかし、IHクッキングヒーターの火力調整は「数字」で行うため、火加減が難しい揚げ物や煮物なども簡単に作れます。
メリット⑤:加熱のスピードが速い
ガスコンロや電気コンロに比べ、IHクッキングヒーターの方がより短い時間で加熱できますが、これは加熱方式の違いによるものといわれています。ガスコンロは火による放射熱を使った加熱のため、熱効率が悪く時間がかかりがちです。一方、IHクッキングヒーターは、電磁誘導コイルにより直接鍋やフライパンを加熱するため熱効率が良いのです。
メリット⑥:空気が汚れない
ガスコンロはガスを燃焼させるため、キッチンの空気が汚れてしまいます。そのため、基本的に換気扇を回さないといけませんが、IHクッキングヒーターは電気で加熱するので空気が汚れることはありません。調理の際に出るにおいを除去するために換気扇を回す必要はありますが、空気が汚れないことはメリットといえます。
私のIHクッキングヒーター(IHコンロ)活用術
一定の温度で加熱する必要がある料理の場合、火力を数字で管理できるIHクッキングヒーターは非常に便利だと実感しています。
たとえば揚げ物や煮物など、一定の温度を保つ必要がある料理を作るには細かい温度調整が欠かせません。特にコンフィ(フランス料理の一種)などの70~80℃という低温でゆっくり加熱する必要がある料理の場合、場合によっては失敗してしまうことも少なくありません。
上記のような細かい温度調整が必要な料理を作る場合は、IHクッキングヒーターの数字を合わせるか「保温」ボタンを押すことで一定の温度に保ち、大きな失敗を防いでいます。ただし、厳密にはIHクッキングヒーター自体が温度を管理しているわけではなく、単に出力を調整しているだけなので過信しすぎないようにしましょう。
またIHクッキングヒーターは、何かこぼしてしまっても拭くだけで掃除が簡単に完了するのも大きなメリットです。ガスコンロや電気コンロではこのように使うことは難しいため、実際にIHクッキングヒーターを使う際はぜひ参考にしてみてください。
一人暮らしでIHクッキングヒーター(IHコンロ)を使うデメリット
ここまで、IHクッキングヒーターを使うメリットや私の活用方法をご紹介しましたが、もちろん事前に確認すべきデメリットもあります。ここからは、IHクッキングヒーターを使うことのデメリットについて解説していきます。
デメリット①:IH専用の調理器具を揃える必要がある
まず、IHクッキングヒーターを使うためには、専用の鍋やフライパンを揃える必要があります。電磁誘導コイルを使って加熱するため、底面にステンレス板や鉄粉が吹き付けてあるものでなければ反応しません。もしそのような鍋やフライパンがない場合、ホームセンターやECサイトなどで新たに購入する必要があります。
デメリット②:フライパンをあおるような炒め物には不向き
先述したように、IHクッキングヒーターは電磁誘導コイルに接触しているときにのみ加熱されるため、少しでも宙に浮かすと加熱が止まります。つまり、チャーハンなどフライパンをあおって作る料理はその都度加熱が止まるため、IHクッキングヒーターは炒め物の調理に不向きといえます。
デメリット③:加熱状態がわかりにくい
ガスコンロの場合、火力は火を見ればわかるのですが、IHクッキングヒーターは数字を確認する必要があるため、ガスコンロに比べて直感的に火力を把握することが難しくなります。
デメリット④:やけどに注意!
直感的に火力の状態がわかりにくいため、加熱されている鍋を不意に触れてしまいやけどすることがあります。また、加熱直後の天板も高温になっているので、うっかり触れてしまわないよう注意が必要です。
デメリット➄:重いものを落とすと割れる
ガラストップのIHクッキングヒーターは、重いものを落とすと割れてしまうことがあります。また、鍋やフライパンの過度な空焚きによってIHクッキングヒーターに負荷がかかってしまい、天板が割れることもあるため、過度な空焚きには気をつけましょう。
一人暮らしのIHクッキングヒーター(IHコンロ)がおすすめの人
IHクッキングヒーターにはメリット・デメリットの双方がありますが、具体的にどのような人にIHクッキングヒーターがおすすめといえるのでしょうか?ここまでご紹介したメリット・デメリットを踏まえたうえで、次項では私が思う「IHクッキングヒーターがおすすめの人」を紹介していきます。
おすすめの人①:掃除するのが面倒な人
IHクッキングヒーターの最大のメリットは、やはり掃除のしやすさといっても過言ではありません。掃除するのが面倒だなという人にこそIHクッキングヒーターを使ってほしいと思います。ガスコンロや電気コンロとは違い、サッと一拭きで掃除完了というのは、掃除が面倒な人にこそ大きな恩恵があるといえるでしょう。
おすすめの人②:料理に強いこだわりがない人
料理に対して強いこだわりがない人にもIHクッキングヒーターをおすすめします。IHクッキングヒーターの大きな弱点は、フライパンをあおるチャーハンなどに不向きなこと。この点に強いこだわりがなければ、IHクッキングヒーターは快適に料理を作ることができる調理器具といえるでしょう。
おすすめの人③:安全性を重視する人
ガスコンロで怖いのが「火事」と「ガス漏れ」です。揚げ物などで油が火に引火して火事につながることはとても恐ろしく、ガス漏れによる事故もよく耳にします。電気コンロはガス漏れの心配はないものの、電熱線が高温になることで火事の危険性があります。
もし安全性を重視したいのであれば、火事やガス漏れのリスクが低いIHクッキングヒーターがおすすめです。
おすすめの人④:見た目を重視したい人
ガスコンロや電気コンロは、その形状から少なからず生活感が出てしまいます。そのため、キッチンをスタイリッシュにしてなるべく生活感を出したくない人にもIHクッキングヒーターがおすすめです。フラットな形状のため圧迫感も少なく、キッチンがよりおしゃれな空間になることでしょう。
上記の内容に共感していただける方は、IHクッキングヒーターはQOLを飛躍的に向上させる便利な設備となるはずなので、興味をお持ちの方はぜひ前向きに検討してみてください。
IHクッキングヒーター(IHコンロ)付き物件はライフスタイルに合わせて検討しよう
IHクッキングヒーターにはさまざまなメリットがある一方、注意すべきデメリットもあります。しかし、私自身はメリットの方が大きいと感じており、今はもうIHクッキングヒーターなしの生活には戻れないと実感しています。
価値観は人によって異なりますが、現在新しい住まいを探しているという方は、今回ご紹介した内容を参考に、IHクッキングヒーター付きの物件もチェックしてみてはいかがでしょうか。