一人暮らしで車は持てる?FPが紹介する購入できる収入の目安と維持費を抑えるコツ

目次

一人暮らしで夢のマイカーライフを叶えたい! と考えたとき、「車の維持費はどのくらいかかるの?」「一人暮らしで車を持ちたい場合はいくらあれば足りるの?」といった疑問が浮かぶでしょう。家賃や食費、水道光熱費などの生活費をまかなう必要がある一人暮らしであれば、なるべく費用を抑えて車を持ちたいところです。

今回は、車の維持費の目安と抑えるコツ、一人暮らしで車を購入できる収入の目安を解説します。一人暮らしで車を持つ際の注意点も説明するため、費用を抑えつつマイカーライフを送りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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初期費用だけじゃない!車を維持するためにかかる費用

車を購入する際は、初期費用だけでなく、維持費も考慮しなければなりません。維持費は、車種や住んでいる地域によって異なります。主な維持費の種類と金額の目安は、以下のとおりです。

駐車場代

駐車場代は、車の維持費の中でも負担の大きい費用です。特に都市部では駐車場代が高く、月額10,000円〜30,000円ほどかかることも珍しくありません。平均価格が、月額30,000円以上の地域もあります。地方は比較的安く、月額5,000円~8,000円前後が相場です。

車を購入するときは、近くの駐車場の料金を事前に確認しておきましょう。自宅やその近くに駐車場がない場合は、駐車場付きの家を探してみるのもおすすめです。

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ガソリン代

ガソリン価格は時期によって変動しますが、昨今は高騰しており、平均価格が1Lあたり185円を上回ることもあります。

ガソリン代は、走行距離や燃費によっても変わります。例えば、1Lあたり185円のガソリン価格で、月に600km走る場合を想定してみましょう。この場合、燃費20kmの車だと、月のガソリン代は5,550円、燃費30km/Lの車だと3,700円です。

月にどのくらいの距離を走るか考え、あらかじめガソリン代を試算しておくと安心です。

自動車税・軽自動車税

車を所有すると、自動車税または軽自動車税を毎年支払わなければなりません。自動車税は都道府県税、軽自動車税は市町村税で、いずれも毎年4月1日時点に自動車の所有者として自動車検査証に登録されている人に課される税金です。

自動車税は、排気量が大きくなると高額になります。普通車であれば、年額25,000円~110,000円です。一方で軽自動車は年間10,800円と比較的安価なため、コンパクトな車でも困らない一人暮らしの方におすすめです。

なお、車検の際には自動車の重量などに応じて自動車重量税という国税がかかることも認識しておきましょう。

自賠責任保険料・自動車任意保険料

自賠責任保険は、法律で加入が義務付けられています。保険料は、普通車も軽自動車も年額約12,000円です。自賠責任保険では、自動車事故により、他人を死傷させて損害賠償責任を負ったときに、一定の金額を上限に保険金が支払われます。

自動車任意保険は、自賠責任保険でまかなえない場合、他人の物を壊した場合、自分や同乗者が死傷した場合、自分の車に損害を被った場合に保険金を受けとれるものです。自動車任意保険料は、年額で約55,000円~75,000円前後です。

車を買う際は、保険料の支払いが発生することも念頭に置きましょう。

車検費用

車を購入して、新車登録したときは3年目、それ以降は2年ごとに車検が必要です。車検では、主に基本料金、法定費用、追加整備費用がかかります。

基本料金とは、定期点検料や、車が国で定められている安全基準に適合しているかを検査するための完成検査料、車検証の更新手続きの代行手数料などです。法定費用は、自動車重量税、自賠責保険、車検証の更新を受けるための印紙代が含まれます。追加整備費用は、消耗部品の交換を行う際などに発生します。

車検費用は車種や整備の内容により幅がありますが、普通車は50,000円〜150,000円程度、軽自動車は35,000円~90,000円程度です。ディーラーよりも、車検や整備の専門店のほうが費用を抑えられる傾向にあります。

車検は数年に一度とはいえ高額なため、購入前に想定しておきましょう。

メンテナンス費用

車を維持するには、オイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換など、定期的なメンテナンス費用もかかります。

メンテナンス費用は、車種や実施する店舗によってまちまちです。例えば、オイル交換は1回あたり3,000円~7,000円程度が相場です。走行距離3,000km〜5,000kmごと、もしくは3ヶ月〜6ヶ月ごとの実施が推奨されています。

メンテナンス費用は、突発的に発生する可能性があります。車の購入時には、メンテナンス費用を支払える余力があるかも確認しておきたいところです。

一人暮らしで車を購入するときのポイント

一人暮らしの方が車を購入するときに押さえておきたいポイントは、以下の2つです。

収入に見合う金額の車を選ぶ

まずは、収入に見合う金額の車を選びましょう。一般的に、車の購入金額は、「年収の半分以下」が適切といわれています。

多くの場合、一人暮らしは家賃や水道光熱費などを自分で払う必要があります。理想の車を購入したいところかもしれませんが、維持費もかかることを考慮し、生活費を圧迫しない程度の金額の車を選びましょう。

現金一括で購入する

現金一括で購入すると利息がかからないため、カーローンを組んで購入するよりもお得です。ただし、カーローンを利用すれば、現金一括では手の届かない車を購入できるケースもあります。まとまったお金を捻出でき、総支払額を抑えたい場合は、現金一括での購入がおすすめです。

FPが教える!一人暮らしで車を購入できる収入目安

ここからはファイナンシャルプランナーの資格を保有している私が、一人暮らしで車を購入できる収入の目安について解説します。一人暮らしにおけるトータルコストを踏まえて具体的に説明するため、参考にしてみてください。

一人暮らしでかかる支出

賃貸のアパートやマンションで一人暮らしをしている場合の月の支出額は、平均で約187,000円です。内訳は、以下のとおりです。

<一人暮らしでかかる支出>

・食費:約42,000円

・家賃など:約53,000円

・水道光熱費:約12,000円

・家具・家事用品:約4,000円

・服・靴:約5,000円

・医薬品・通院:約8,000円

・交通費・通信費:約20,000円

・教育関連:約20,000円

・その他の支出:約23,000円

出典:総務省統計局「家計調査2024年住居の所有関係別単身世帯」

車を所有できる月収の目安

車にかかる費用は、上記の交通費・通信費に含まれます。しかし、税金や保険料、突発的なメンテナンス費用などによって、金額が膨らむこともあります。

一つの目安として、手取りで200,000円程度の収入があれば、車を持てるでしょう。

ただし、家賃は地域によって大きく変動します。都市部であれば、家賃が上記の倍以上かかることもあり、服や趣味などに使う金額も人それぞれです。上記の項目を参考に、自分のライフスタイルでは支出がどのくらいになるかを試算して、車を所有できるかどうかを判断しましょう。

車の維持費を抑えるコツ

一人暮らしで車を持つのであれば、維持費をなるべく安くしたいと考えるのではないでしょうか。車の維持費を抑えるための4つのコツを解説します。

軽自動車を選ぶ

前述したとおり、軽自動車は普通車に比べて、税金、保険料、車検費用が安く設定されています。燃費がよいモデルも多く、ガソリン代の節約にもつながります。軽自動車は、一人で車に乗る機会が多い、一人暮らしの方におすすめの選択肢です。

カーリースにする

カーリースとは、毎月定額で好きな車に乗れるサービスです。頭金が0円のサービスもあるため、初期費用の負担なく車を利用できるようになります。税金やメンテナンス費用も月額費用に含まれており、車を購入する場合と違って、毎月の支出額の見通しを立てやすい点も大きなメリットです。

ただし、中途解約をすると違約金が発生したり、走行距離に制限が設けられていたりするサービスもあります。自分のカーライフでは、車を購入するのと、カーリースのどちらが最適かを検討してみてください。

駐車場料金が安い場所を探す

車の維持費を抑えるには、維持費の大部分を占める駐車場代をいかに浮かせるかがポイントです。駐車場は、家の近くで探すことになります。駐車場が家から近いほうが便利なのはもちろん、車庫は家から直線距離で、2kmを超えてはならないと定められているからです。

駐車場代も家賃も、駅から離れるほど安くなる傾向にあります。車を所有して駅近物件にこだわる必要がないのであれば、駐車場代や家賃が安い場所へ引っ越すのも一つの手です。

車を所有していても、駅から近い場所に住みたい場合や、近くに駐車場がない場合は、駐車場が無料の物件を探してみるのがおすすめです。

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ガソリン代を節約する

車の維持費を抑えるには、ガソリン代も節約したいところです。具体的な節約方法を2つ紹介します。

目的地が徒歩圏内であれば車を使わない

まずは当たり前のようですが、なるべくガソリンを使わないことです。目的地まで短距離であれば車を使わず、徒歩で移動するとガソリン代を節約できます。自転車を購入する、もしくはシェアサイクルで自転車を上手く活用するのもおすすめです。

燃費のよい車を選ぶ

燃費のよいハイブリッド車や電気自動車を選ぶことによっても、ガソリン代を抑えられます。急発進や急停止をしない、いわゆるエコドライブを意識すれば、さらに燃費の向上が期待できます。

前述したとおり、ガソリン代は燃費によって月に数千円変わることもあるため、維持費を抑えたいのであれば、燃費は重視したいポイントです。

一人暮らしで車を持つ際の注意点

一人暮らしで車を持つときに、注意したい点について説明します。

公共交通機関のほうが安い場合も

車を持つよりも公共交通機関を利用するほうが、移動費が安い場合もあります。

公共交通機関は、人数分の電車代やバス代がかかります。車は一人でも同乗者がいても、高速代や駐車場代が変わらないので、同乗者が多いほどお得です。反対に一人で乗るのであれば、車での移動費より電車代やバス代のほうが安くなるケースもあります。

とりわけ都市部においては、公共交通機関でも移動しやすく、移動費も安い傾向にあります。日々の移動において、公共交通機関と車のどちらが移動費を削減できるのか、車の初期費用、駐車場代やガソリン代、税金などの維持費を考慮したうえで慎重に判断しましょう。

どうしても車が必要だけど収入面で厳しい場合

車を購入する場合、前述したとおり、収入に見合う金額の車を選ぶことがポイントです。しかし、収入面で厳しくても、何かしらの事情でどうしても車が必要な場合もあるでしょう。その場合は、レンタカーまたはカーリースの活用を検討してみてください。

レンタカー

レンタカー料金は、利用時間と借りる車のクラスによって異なります。標準的な乗用車であれば、6時間までの利用で6,000円程度、12時間までの利用で6,500円程度、24時間までの利用で8,000円程度が相場です。そのほかに、事故に備える補償プランの料金が加算される場合もあります。

12時間までの利用で3,500円程度、24時間までの利用で5,000円程度の格安のレンタカーも存在します。また、特に短時間であれば、カーシェアの利用もおすすめです。

例えば通勤は公共交通機関を利用し、車に乗るのは週末だけにすれば、レンタカーやカーシェアで事足りるかもしれません。自宅の近くにレンタカーやカーシェアがある方は、車を購入せずに、それらを活用するのも選択肢として考えてみてください。

カーリース

初期費用が抑えられ、毎月定額で好きな車に乗れるカーリースを活用すれば、車にかかる費用を抑えられる可能性があります。

名前のとおりリースのため、自分の資産にはなりませんが、車を所有しているのと同じように好きなタイミングで車に乗れます。レンタカーやカーシェアにはない魅力といえるでしょう。

税金やメンテナンス費用が突発的に発生することもないため、急な出費の心配もありません。収入面で不安が残る方は、カーリースの利用も検討してみましょう。

一人暮らしでも夢のマイカーライフを充実させよう!

車を持つには、維持費として駐車場代、ガソリン代、自動車税・軽自動車税、自賠責任保険料・自動車任意保険料、車検費用、メンテナンス費用がかかります。地域にもよりますが、駐車場代は月々発生する特に負担の大きい項目です。

車の維持費を抑えるには、駐車場代が安い場所を探すことが有効です。車を購入する際は、駐車場付きの家や、駐車場が無料の家を併せて検討してみましょう。ほかにも、軽自動車やカーリースを選択したり、ローンを組まずに現金一括で購入したりするのもおすすめです。

一人暮らしで車を購入する収入の目安は、手取り200,000円程度ですが、ほかの支出も考慮して試算してみてください。初期費用と維持費を具体的に想定することで、家賃や水道光熱費など何かとお金のかかる一人暮らしでも、夢のマイカーライフを叶えられるでしょう。