洗濯機には寿命があるため、長く使用するほど調子が悪くなるのは仕方ありません。
洗濯槽の臭いが気になる場合や水漏れ異音がしているなら、急な故障や近隣トラブルへと発展する前に余裕を持った買い替えを意識しておくことが大切です。
今回は家電アドバイザーの資格を持つ元家電店員が、洗濯機を安く買える時期の紹介と、洗濯機を長持ちさせるコツを伝授します。今の洗濯機に不安や不満を感じていたり、安く買い替えたいと検討している方の参考になる内容となっていますので、是非ともお役立てください。
洗濯機の一般的な寿命は平均10年!
一般的に洗濯機の寿命は平均10年とされています。内閣府が令和4年に実施した「消費動向調査」によると、2人以上の世帯において洗濯機を買い替えるまでの平均使用年数は10.8年という結果がでています。
使用するモデルや洗濯機の使用頻度によって寿命は異なりますが、10年前後がだいたいの目安と考えて問題ないでしょう。
洗濯機が故障した時は修理を検討する場合もありますが、注意点として洗濯機メーカーには部品保有期間という定めがあることを知っておく必要があります。
基本的な部品保有期間は6年~7年になっている事が多く、期間を過ぎると部品が無くなりメーカーに依頼しても修理が難しくなります。
購入から6年以上経過している洗濯機の調子が悪いと感じているなら、買い替えが必要になる可能性が高くなるので気をつけるようにしてください。
今使っている洗濯機が何年目かを確認する方法
今使っている洗濯機が何年目なのか覚えている人は少ないと思いますが、発売日は簡単に調べることが出来ます。
購入日に関しては、購入時のレシートや家電量販店の専用アプリを確認するようにしてください。
発売日の調べ方は、洗濯機の「型番」を調べてインターネット検索する方法です。型番は、洗濯機の側面に貼られているシールや、操作ボタン付近に記載されている事が一般的です。「型番 発売日」とインターネット検索すれば発売日は直ぐに調べられます。
また、洗濯機は基本的に毎年モデルチェンジをしてるため、家電量販店で購入した場合は発売日から1年以内に使用を開始している可能性が高くなります。リサイクルショップでの購入、人から譲り受けた洗濯機であれば、発売日から何年経過しているのかを基準に考えましょう。
こんなサインが出たら寿命かも!?洗濯機の買い替えタイミング
「洗濯機が突然動かなくなる」という事例は珍しく、少しづつ調子が悪くなる傾向にある家電製品です。最近なんだか調子が悪いと感じているなら、それは寿命が近づいているサイン。
以下に記載している6つの項目に当てはまるものがあれば、洗濯機の買い替えタイミングかもしれませんので確認していきましょう。
洗濯中に変な音がする
洗濯中にある程度の音が出るのは当たり前ですが、購入時には感じていなかった「キュルキュル」「ガタガタ」のような異音や、許容範囲を超えた大きな音がするようになっているならモーターやベルトに異常があるかしれません。
異音の原因は寿命以外にも、衣類のボタンや金属部が洗濯槽に衝突している場合や、小石や小銭のような固い物が隙間に入り込んでいる可能性も考えられます。
異音が聞こえるからと突然故障して動かなくなる事は考えにくいですが、洗濯機能の低下に繋がったり、音の大きさによっては騒音トラブルに発展する場合もあるので気をつけましょう。
脱水や乾燥がうまく出来ていない
衣類の洗浄までは上手くいっているのに、脱水や乾燥の弱さが気になっている場合は洗濯機の寿命が近づいているか、手入れが必要な状態です。
脱水がうまく出来ていない時は、排水ホースに汚れが溜まっている可能性が高いので排水口とホースの掃除をしてみましょう。
乾燥がうまく出来ていない時は、乾燥フィルターの汚れを取り除き一度に乾燥する容量が多すぎないか見直すようにしてください。
上記を実施しても改善が見られないなら、劣化による機能低下が考えられます。購入から一定期間を経過しているなら買い替えを検討するタイミングかもしれません。
洗濯槽の臭いが気になる
洗濯機の臭いが気になる主な原因は、洗濯槽の裏側や糸くずフィルターにこびり付いた「カビ」です。
洗濯槽クリーナーを使用することで洗濯槽の掃除はある程度できますが、使用しても臭いが無くならない場合は洗濯機の奥深くまで汚れている可能性があります。
異臭がする洗濯機は衛生的にも良くはありませんので、クリーナーで掃除しても改善が見られないなら買い替えを検討しましょう。
洗濯中に運転が止まる
洗濯中に運転が止まってしまうと、故障してしまったのではないかと不安になることでしょう。
洗濯中に止まる原因は様々ですが、ほとんどの場合は「脱水時の排水口の詰まり」「洗濯物の偏りや入れすぎ」が原因で運転が止まっています。停止時は多くのモデルで操作部にエラー表示が出ますので、表示されているエラーコードと取り扱い説明書の内容を照らし合わせて該当箇所を確認するようにしてください。
頻繁に運転が止まる場合は、メーカーに修理依頼をするか買い替えを検討するのが望ましいでしょう。
水漏れがある
洗濯機の水漏れは突然起きる事例のため、驚いてしまうのは仕方ありません。洗濯機の底面に破損が生じて水漏れする場合や、給水・排水ホースの破損、ホース接続部の緩みなどが水漏れの主な原因です。
ホースや接続部を確認して異常が見られなければ、洗濯機本体の寿命によるものでしょう。洗濯機の底面に破損がないか確認する場合は、非常に危険なので絶対に本体を傾けないようにしてください。
電気コードの異様な発熱・電源が勝手にOFFになる
電源コードは繋がっているのに洗濯機の電源が頻繁にOFFになっている状態は要注意です。電源コードの内部が一部断然していたり、コードに過度な負荷がかかり接触不良を起こしている可能性が考えられるでしょう。また傷んだ電源コードは発熱しやすく変色を引き起こすことも。
このような状態で使用を続けていると、最悪の場合火災や感電に繋がる恐れがあります。早急にメーカーへと問い合わせするか、買い替えの検討をおすすめします。
寿命に見えるけど実は違う可能性があるサイン
洗濯機が寿命かもしれない、と不具合や故障を疑いがちですが、実は洗濯機本体の異常ではない可能性のある現象もあります。
・洗濯中の異音や急な運転停止
この場合は洗濯物の詰め込みすぎや金属類の混入が考えられます。一度の洗濯量を減らしたり、洗濯槽に金属が引っかかっていないか調べるだけで改善することも珍しくありません。
・給水や脱水が上手くいかない
給水・脱水ホースに汚れが溜まっている可能性が考えられます。取り外して洗浄したり、新しいホースに交換することで改善することは良くありますし、洗濯機から水漏れが起きている場合も同様の方法で解決する事例は多々あります。
家電アドバイザーで元販売員が教える、洗濯機のおすすめ買い替え時期
洗濯機には安く買える時期があります。値下げのタイミングを知っているだけで、同じ洗濯機にも関わらず何千円~何万円と購入時の費用に差が出ることも。
突然の故障により今すぐにでも買い替えしなければいけない場合から、数ヶ月以内で買い替えを検討している場合まで参考になる内容なので、ぜひ購入の際にお役立て下さい。
家電量販店の決算時期【3月 or 9月】
家電量販店は決算時期になると毎年「決算セール」が行われます。この時期は、決算内容を少しでも良くするために多くの在庫を処分して売上を立てようとする、家電量販店にとって重要なシーズンとなります。
多くの大手家電量販店は総決算が3月、中間決算が9月になります。一部の家電量販店では異なる決算時期になることもあるため、事前に確認しておくといいでしょう。
また中間決算よりも、総決算のほうが販売員の売り切りたい気持ちは強いので値引き交渉もしやすくなりますし、3月であれば新生活シーズンとも重なりますので安く買える時期としておすすめです。
家電量販店で買うときは基本的に週末がおすすめ
洗濯機を安く購入したくても、突然の故障に見舞われたり、決算時期まで何ヶ月も待てないと考える場合もあるでしょう。
家電量販店では、週末の土日限定にはなりますがメーカーとコラボして大幅値引きを行っていることが多々あります。メーカーにこだわりが無いのであれば、土日に足を運んでみるのも良いでしょう。
注意点として、洗濯機の有名メーカーであるPanasonicと日立に関しては指定売価制度を採用している点が挙げられます。どの家電量販店に行っても、そして週末だったとしても同一価格で固定されており、値引きがされることはありません。
新型の発売直前【4月〜5月】
洗濯機の種類は、主に「縦型洗濯機」と「ドラム式洗濯機」に分類されます。
洗濯機に限ったことではありませんが、どんな商品でも新型が発売される前は、旧型の在庫処分しなければいけないので大幅値引きをしてでも売り切ろうとするのは想像できますよね。
縦型洗濯機は毎年6月頃に新型が発売されるため、4月~5月が安く買える時期となります。ただし5月になると在庫が無くなっている可能性も考えられるので、出来ることなら4月頃から様子を伺うようにしましょう。
ドラム式洗濯機は毎年10月に新型が発売される傾向にあるので、8月~9月が安く買える時期となります。欲しいモデルに合わせて購入時期は検討するようにしてください。
まとめ買い割引がある【2月〜3月】
就職や転勤、進学などにより引越しが伴う2月~3月の新生活シーズンは、多くの家電製品が売買されます。
洗濯機単体が安くなるという訳ではありませんが、冷蔵庫・電子レンジ・掃除機・炊飯器など、家電をまとめ買いするなら大変お得になる時期と言えるでしょう。
3月であれば決算時期とも重なる可能性が高いため、洗濯機だけの購入でも安く買えるおすすめ時期になります。
ただし、洗濯機が安く買える時期は良い事だけでなく注意点もありますので、以下に詳しくまとめました。購入時に困ってしまわないよう合わせて目を通すようにしてください。
洗濯機を買い替える際に気をつけたい2つの注意点
洗濯機は家電の中でも大きく、設置方法も特殊なため、購入の際に気を付けるべきポイントがあります。安くなる時期とあわせて把握しておきたい、洗濯機購入時の2つの注意点をご紹介しましょう。
【注意1】安くなる時期は配送も混雑し、届くのが遅くなる可能性がある
洗濯機が安くなる時期は、多くの人が洗濯機を購入するタイミングでもあるため、配送時期が大幅に遅れる可能性も考えられます。配送業者は配送便に上限がありますので、洗濯機を購入した時には配送便が全て埋まっており最短2週間後…なんて事も珍しくありません。
また、洗濯機の受け取りは設置まで業者にしてもらう必要がありますので、立ち会いが必須です。配送便の空き状況と、立ち会いできるタイミングが合わなければ1ヶ月以上先になる事例も多々ありました。買い替えは余裕を持って行うようにしてください。
ちなみに、引越しを伴う洗濯機の買い替えの場合、事前に物件を決めておかなければ配送先住所も指定できませんし、洗濯機を設置するスペースも分かりません。引越しする物件を早めに決めてから、洗濯機選びに専念するようにしましょう。
【注意2】どのようなサイズであっても、事前に設置スペースと搬入経路を確認する
洗濯機の買い替えは故障してしまった時だけでなく、結婚して同棲を始めるタイミングだったり、家族が増えて洗濯物の量が多くなったりと様々なシーンで訪れます。
このような場面では、性能が良い洗濯機を購入しよう、一度にたくさん洗えるモデルを選ぼうと考えることから、今まで使用していた洗濯機よりも大きくサイズアップする可能性があります。新しい洗濯機を選ぶ前に、どれくらいの大きさまで大丈夫なのか必ず「設置スペース」の確認はしておきましょう。
また、見落としがちなポイントとして設置場所までの「搬入経路」もどれくらい幅があるのか確認しておく必要があります。洗濯機の寸法+10cmが搬入経路に必要な幅となりますので覚えておきましょう。
寿命が来た洗濯機は買い替えるべき?修理すべき?
結局のところ洗濯機を修理すべきなのか、買い換えるべきか判断はどうすればいいの?と悩んでしまうかもしれませんが、「購入から5年以上経過」しているなら寿命が近いと捉えて買い替えることをおすすめします。
使用を開始してから5年以内であれば、購入時に何かしらの保証に入ってる可能性もあるため安く修理できるかもしれません。メーカーに問い合わせて、修理費用を確認した上で修理するのか、買い替えるのか判断するのが望ましいでしょう。
保証に加入していない場合は、修理するにしても何万円と費用が発生することになったり、寿命が来ている洗濯機を修理しても、また違う箇所が故障してしまうことも良くあります。また購入から5年以上経過している場合、メーカーに修理を依頼しても、部品を持ち合わせておらず修理自体出来ないこともあります。
せっかく買った洗濯機を長持ちさせるポイント
洗濯機には寿命があるものの、数ある製品の中から気に入ったモデルを選ぶ以上、少しでも長持ちさせたいですよね。ここからは、洗濯機を長持ちさせるポイントを紹介していきましょう。
傾いた足場で使用しない
洗濯機は水平な場所に設置して使用することを前提に作られているため、傾いた場所での使用は故障を引き起こす原因となります。
洗濯機には「水準器」と呼ばれる、水平に設置できているか確認するための測定器が本体の前方上部に内蔵されています。気泡が円の中心にあれば水平、気泡が中心からズレていれば傾いている…というように簡単に計測できますので覚えておくといいでしょう。
また、傾いた状態の洗濯機は本体が激しく揺れて騒音トラブルに繋がったり、最悪の場合は転倒する危険性もあります。
洗濯機を室内置きする
洗濯機を長持ちさせるなら、室内置きは是非とも意識しておきたいポイントです。
室外にある洗濯機は、雨やホコリ、紫外線などの影響で劣化しやすく、衣類を洗う製品にも関わらず本体は汚れて不衛生になってしまいます。
室内に設置することは、劣化の問題を解決するだけでなく、前項にて解説した傾いた場所での使用を防ぐことにも繋がります。
また、洗濯機を長持ちさせる方法とはズレますが室外置きは、夜に洗濯できない、外に出る手間がある、女性の場合は下着等が盗難被害に合うリスクもあるなどデメリットが多い傾向にあります。今のお住まいに室内洗濯機置場がない場合は、洗濯機の買い替えに合わせて物件も見直す機会かもしれません。
室内洗濯機置場の有無は物件の間取りを見ても分からないことが多いため、室内洗濯機置場付きの住まいを直接調べるのがおすすめです。
洗濯物は適量で回す
洗濯の周期は人それぞれですが、溜め込んだ洗濯物を一度にまとめて洗う習慣があるなら洗濯機の寿命を縮めている可能性があります。
洗濯機にはモデルごとに最大の洗濯容量が決まっており、それ以上の容量を詰め込むとバランスを制御している様々なパーツに不具合が生じやすくなります。洗濯機を長持ちさせるためには、規定の容量内でこまめに洗濯する事を意識しましょう。
とは言っても日頃から室外干しをしている場合は、毎日洗濯をしたくても天候に左右されることもあるかと思います。近年の住まいには、雨の日でも室内で簡単に衣類を干せる「室内物干機」がある物件や、湿度の高い日でもカラッと衣類を乾かせる「浴室乾燥機」が導入された物件が増えてきています。
定期的にメンテナンスをする
洗濯機は衣類を洗う機械なので、洗濯槽は常に清潔に保たれていると思われがちですが、この考えは大きな間違いです。
洗濯槽の裏側には私たちに見えていないだけでカビが発生しており、多くのメーカーは1~2ヶ月に1回は洗濯槽クリーナーで掃除するよう推奨しています。
何年も汚れを放置していた場合、カビが奥深くまで根を張ってしまい簡単に取ることが難しくなったり、中途半端にクリーナーを使用しても一度で落ちきれなかったカビが衣類の洗濯時に出てきてしまうことも。
定期的なメンテナンスを実施することにより、洗濯機から発生する異臭や汚れを抑制できますので、結果として長期的な使用が可能になります。
洗濯機が活躍しやすいかどうかも考えて部屋を探すのがおすすめ
結論として洗濯機を長持ちさせる重要なポイントは、安定した場所に設置をして、定期的に洗濯とメンテナンスを行っていくことでしょう。その為には、室外に洗濯機を置くよりも室内に設置した方がいろいろと都合が良くなるのは間違いありません。
洗濯機の室内置きで意識すべきポイントは、洗濯機置場に防水パンが設置されているのか、洗濯機から干す場所までの動線が通りやすいかの2点になります。
部屋選びでは内見をしに直接足を運ぶことが多いのではないかと思いますが、近年はオンライン内見が普及しており物件に足を運ぶことなく、防水パンの有無や間取りを確認できます。
洗濯機の寿命と安くなる時期を知って、後悔のない買い替えを!
洗濯機は故障してから買い替えればいいと考える方が多くいらっしゃいますが、故障してから洗濯機を購入しても配送までに時間を要するため、余裕を持った買い替えが大切だとお分かり頂けたかと思います。
また、ご紹介したように洗濯機を安く購入出来るタイミングは決まっていますので、寿命となるサインを理解しておくことは買い替え時期を見極める重要な指標にもなり得るでしょう。
今まで洗濯機を室外置きしていた方は、設置場所を室内に変えるだけでも新しい洗濯機を長持ちさせられるようになります。せっかく気に入った洗濯機を購入するのであれば、少しでも長く使い続けたいと思うのはごく自然なこと。
室内置きが出来ない物件にお住いの方や、新生活をスタートすべく物件選びで悩んでいる状況ならオンライン内見を活用して、室内置きが出来る部屋というだけでなく、室内物干機や室内乾燥機がある物件を探してみるのもいいでしょう。