今すぐできるベランダの防犯対策9選!内見時に確認すべき事項も不動産歴20年の私が教えます

目次

お部屋探しにはたくさんのチェックすべきポイントがありますが、今回は防犯面に注目しましょう。賃貸物件で防犯といえば、オートロックやモニター付きインターフォンが思いつくでしょう。しかし、今回はそのどちらでもなく、ベランダや専用庭にフォーカスをあてました。

意外と多い空き巣被害の実態やベランダの防犯対策、内見時のチェックポイントなど、盛りだくさんの内容になっています。今からお部屋探しの方も、すでに賃貸物件を借りている人も一度チェックして、防犯に役立てましょう。

ベランダや専用庭の防犯を行う重要性

賃貸物件の防犯を考えるときにベランダや専用庭を重視する理由は、空き巣のデータにあります。

空き巣は古典的な犯罪に聞こえますが、それは大きな勘違いです。侵入窃盗の認知件数は2022年に36,588件となっており、1日あたり100件の空き巣被害が発生している計算になります。そのうち、犯人が逮捕された件数は22,139件で、犯人の数は4,896人です。

これらのデータからわかることとしては、空き巣被害は日々発生しており、検挙率が低い犯罪であることが挙げられます。さらに、一人の犯人が複数件の空き巣犯罪を行っています。

侵入した先で強盗を起こす侵入強盗においては、2022年で290件発生しているため、ベランダや専用庭からの空き巣被害を検討しないほうがもはや不自然です。

出典:警察庁犯罪統計資料

ベランダや専用庭の防犯対策9選

では、賃貸物件のベランダや専用庭の防犯対策として何が有効なのでしょうか。具体的な施策を解説します。

①施錠を徹底するように心がける

当たり前の話ですが、鍵は必ず閉めましょう。「高層階だから」「田舎だから」などの気のゆるみは、鍵のゆるみになります。どんなに対策をしても、鍵があいている時点で防犯は意味をなさなくなります。

②ベランダに物を置かないようにする

ベランダに物が放置されていたり、物を動かしている様子がなかったりするお部屋は危険です。空き巣犯は物陰に隠れられるため、狙われやすくなります。ベランダや専用庭はいつもきれいにして、不要な物を置かないように気を付けましょう。

また、洗濯物を干しっぱなしにしていたり、落ちた洗濯物が放置されてたりする場合も、空き巣に狙われやすくなる可能性を否定できません。そのほか、ゴミをベランダに一時的に置くこともありますが、長期にわたるゴミの放置は致命的です。

「防犯面は気になるけど、そんなにベランダや専用庭に手間をかけていられない」という人は、室内物干しが可能だったり、いつでもゴミを捨てたりできる賃貸物件を選んでみてください。それも立派な防犯対策になります。

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③防犯砂利を撒く

防犯砂利は、砂利の上を軽く歩くと、大きな音が鳴る便利なアイテムです。専用庭などは視認性がさえぎられる傾向にありますが、これを敷くだけでかなりの防犯効果が見込まれます。

賃貸物件の1階は、防犯面から避けたいという意見が大多数です。しかし、工夫により防犯性能を高め、物件の弱点をなくすことが、お部屋探しの工夫であり醍醐味であるともいえます。

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④補助鍵を設置する

ホームセンターなどで購入できる補助鍵を設置することも、防犯面では効果的といえます。空き巣犯の気持ちになれば、補助鍵が有効な理由は明白です。

クレセント錠に追加設置するのではなく、サッシ上部や下部に設置するのが良いでしょう。サッシの窓ガラスを割って侵入するケースが多いため、複数箇所を破損させる必要があると侵入をあきらめることが多いようです。

⑤防犯フィルムを窓に貼る

窓ガラスを割って部屋に侵入することを逆手にとって、窓を割られにくくする方法があります。それが、防犯フィルムを窓に貼ることです。

防犯フィルムを窓の内側に貼ることで、窓ガラスが飛散しなくなるほか、カッターナイフでの切断も困難になります。心理的に侵入させにくくするのではなく、物理的な侵入を防ぐ数少ない対応策の一つです。ただし、窓ガラスへの防犯フィルムの貼付けは、事前に家主さんや管理会社へ許可を取ってから行うようにしましょう。

防犯性能が高い半面、施工や剥離の手間がどのくらいかかるのかという先々のことを考えると、管理会社に業者を紹介してもらうのがおすすめです。管理会社に防犯フィルムの施工業者を紹介してもらえなかったときは、インターネットで居住する地域に対応する業者を見つけるのが良いでしょう。

⑥センサーライトを設置する

バルコニーや専用庭であっても、暗かったり人目に付きにくかったりすることもあるでしょう。そんなときは、人の動きを感知したときに自動的に点灯する、センサーライトを付けてみてはいかがでしょうか。

センサーライトが急に光ると、悪いことをしていないのに焦るような気持ちになります。これも一つの防犯効果になるでしょう。

⑦防犯カメラを設置する

定番の防犯カメラも、犯罪の抑制には効果を発揮するアイテムです。また、実際に録画機能が実装されていないダミーのカメラでも、犯罪の抑制には一定の効果があるとされています。

外壁への設置をイメージするかもしれませんが、最近はそうでもありません。スマートフォンと連携して、外出先から自宅の様子を確認できるタイプもあります。カメラもコンパクト化が進んでおり、窓際にインテリアのように設置でき、持ち運びできるものまでさまざまです。原状回復が心配な方は、このようなタイプのものを選択すると良いでしょう。

⑧面格子を取り付ける

こちらも、物理的に侵入を防止する施策としてご紹介します。面格子とは、共用廊下の窓に取り付けられている格子のことです。

侵入防止には非常に役立ちますが、簡単に設置して取り外せるものではありません。家主さんや管理会社への確認を怠らないようにしましょう。なお、設置の際は、必ず専門業者に依頼することをおすすめします。

⑨警備会社と契約をする

自身での防犯では不安な方は、警備会社と契約をするのもおすすめの方法です。警備会社と契約していれば、警備会社のシールが配布され、それを窓に貼っておくだけでも防犯効果が期待できます。ただし、契約していない施設に貼ることは禁止されているので、注意しましょう。

なお、賃貸仲介業者でも警備商品を取り扱っていることがあります。気になる方は、一度お部屋を契約した仲介業者にご相談されてみてはいかがでしょうか。

侵入されやすいベランダの特徴

防犯グッズや施策をご説明しましたが、普段の生活からできる防犯もあります。そのヒントとして、侵入されやすいベランダの特徴を見ていきましょう。

ゴミや私物が放置されている

防犯という意味においても、汚いベランダや専用庭は論外です。イメージとして、エントランスが汚れている物件を案内されると、何だか治安が悪そうな気がしませんか?まさにその理論です。

実際に、美観を損ねている地域は、どんどん治安も悪化していくというデータが存在しています。ベランダや専用庭はいつもきれいにしておきましょう。

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視認性が悪い

ベランダや専用庭は外から見られたくないと考えがちですが、空き巣犯の心理からすれば誰からも見られないのはメリットです。周りから丸見えはさすがに話になりませんが、完全に遮蔽されているのは防犯の点からすると危険なことといえます。

侵入されにくいベランダの特徴

では、侵入されにくいベランダや専用庭の特徴はどのようなものでしょうか。今からでも侵入されにくいベランダや専用庭を作ることは可能なので、ぜひ実践してみてください。

きれいに清掃されている

ベランダや専用庭がきれいに手入れされていることは、空き巣犯からすると侵入をためらうことは簡単に想像できます。きれいに整えられていることは、暗に治安が良いことを連想させるからです。

周りからの視認性が良い

視認性の良さは、プライバシーには良い方に、防犯には悪い方に作用します。バルコニーの視認性は、空き巣犯の侵入しやすさと反比例するでしょう。

内見時に確認したい狙われにくいベランダの賃貸物件の条件

ここからは、これからお部屋探しをする方に向けて、内見時に確認できる狙われにくいベランダの特徴をご紹介します。

ベランダは奥行きや景観を気にしがちですが、少し違う目線を持ってベランダを見てみましょう。新たな発見や気付きが必ずあるはずです。

目の前に大きな木が立っていないか

マンションの比較的低層階では、植栽がバルコニーにかかっていることがあります。少しなら日除けになり良いですが、完全に目隠しになっているようであれば気を付けましょう。視認性の低下は、防犯面ではリスクになるのです。

階下の庭や外壁に倉庫など足場になるものがないか

空き巣犯は、何かしらの方法でベランダに侵入してきます。屋上からのケースもありますが、一般的には下から登ってくるものです。そのため、階下に足場になりそうなものがある場合は、避けたほうが良いといえるでしょう。

エアコンの室外機を上下2段に積んで置いていたり、不要な倉庫や物置が放置されていたりするときは、侵入の危険性を考えるべきです。

ベランダの防犯対策を行おう

意外と多いベランダや専用庭からの空き巣被害について解説しました。すべての賃貸物件が防犯性に優れ、何の心配もなく過ごせるかというと、残念ながらそうではありません。同様に、賃貸物件ですべての防犯対策を自由に施せるかというと、それも叶わないことです。

しかし、少しの防犯意識と防犯対策を施すことによって、空き巣被害に遭うリスクを減少させられます。そのことを理解していれば、気に入った賃貸物件が防犯面のリスクを抱えていたとしても、回避することが可能です。

お部屋探しや内見では、どうしても室内に目が行きがちになります。しかし、実際に生活をすることを考えると、防犯面は決して疎かにはできません。

すでに賃貸物件にお住まいの方も、これからお部屋探しをしようという人も、ぜひベランダや専用庭の防犯に目を向けてみてください。