お部屋の適正な換気時間や頻度とは?プロが教える、正しい換気方法で快適な暮らしを

目次

「快適な部屋を作りたい!」という方は多くいると思いますが、意外と見落としがちなのが換気です。普段私たちが暮らしている生活空間において、正しく換気されているといきいきと生活ができるようになり、人生の質が向上します。

しかし「換気についてあまり意識していなかった…」「適正な換気時間や頻度を知りたいけどよくわからない。」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は換気がなぜ重要か、正しい換気方法について解説していきます。ぜひ参考にして、快適な生活を送るヒントにしてみてください。

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建築物環境衛生管理技術者が語る「換気の重要性」とは

「換気と言ってもただ空気を入れ替えるだけでは?」と思っている方も多いかもしれません。しかし、換気は私たちが生活していくうえでとても重要です。

換気について知見を持つ国家資格者「建築物環境衛生管理技術者」の私が、換気の重要性について解説していきます。

現代の建物は密閉性が高い

昔に比べて現代の建物は密閉性が高く作られているため、換気が重要となります。なぜなら、密閉性が高いということは、そのぶん古い空気がとどまりやすくなるからです。

温度が保ちやすく、外に音が漏れにくい快適な生活を実現できる一方で、生活していく過程で空気は必ず汚れていきます。そのため、密閉性が高い建築物に住んでいる私たちは換気をしていくことが重要です。

身体の健康やメンタル面に影響する

換気が行われていないと、身体の健康やメンタル面に悪い影響を及ぼします。理由としては、私たちが生活していく中で、二酸化炭素がこもってしまうことが挙げられます。

実際に空気がよどんでいる部屋にいると、気分や体調がなんとなく優れなくなり、外の空気を吸って気分が楽になるという経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。室内の空気は目に見えず、なかなか意識できないぶん軽視されがちですが、意外と私たちの健康に影響を及ぼしています。

ウィルスの感染を抑えるため

ウィルスの感染を抑えるためにも、換気は重要です。ウィルスに感染する大きな理由の1つとして、空気による感染が挙げられます。

換気がされていない部屋ではウィルスが滞留してしまい、感染する確率が高まってしまうのです。実際に新型コロナウィルスが流行し始めてから、職場や外出先で感染対策として換気をする機会が多くなりました。今では感染対策という観点からも、換気をすることが重要となっています。

このように、換気はあまり意識されませんが、非常に重要です。快適な部屋選びのポイントの1つとして、換気に関する機能を持つ物件を検討することをおすすめします。

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換気時間の目安と頻度

換気についての重要性を挙げていきましたが、実際に換気時間の目安と頻度はどれぐらいが良いのでしょうか?

結論から言うと、換気回数の目安は1時間に1回です。この頻度の根拠は、国が定めた建築基準法の指標からとなります。

指標の計算式をもとにすると、ほとんどの住宅の部屋が1時間に1回が目安です。また、換気の時間は5分〜10分行えば、空気の入れ替えができているでしょう。一方で、換気は2時間に1回、5分程度という情報もありますが、国が推奨する換気の目安は1時間に1回、5〜10分程度であることを覚えておいてください。

換気をしていないと起こる影響

実際に換気をしていないと起こる影響は、どのようなものでしょうか?私たちを取り巻く環境が悪いと、さまざまな弊害が現れます。普段から生き生きと生活するための観点から、具体的な事例として3つ紹介します。

作業効率が悪くなる

部屋の中の空気が悪くなると、作業効率が悪くなることがわかっています。とくに二酸化炭素濃度が高くなると、その傾向が顕著になるようです。

実際の研究で、二酸化炭素の濃度が異なる部屋の中でテストを行った際、濃度の高い部屋の方がパフォーマンスは低下したことが報告されています。これらのことから、換気をしていないと作業効率が悪くなってしまうので注意が必要です。

睡眠の質が落ちる

換気不足の二酸化炭素の濃度が高い部屋での睡眠は、質が悪くなることがわかっています。

具体的には、濃度が高いと眠るまでにかかる時間が長くなったり、途中で起きたりする可能性も上昇します。実際に二酸化炭素濃度が高い部屋で目が覚めると、体がだるいと感じることもあるでしょう。目覚めたときに体がだるいと感じるようなことがよくあるならば、自身の寝室の換気を見直すといいかもしれませんね。

カビによる健康被害

換気をしていないと起こる影響で、イメージしやすいのはカビでしょう。カビによる健康被害も厄介なものです。

アレルギー性鼻炎や息切れ、倦怠感といった症状を引き起こします。「最近なんだか調子が悪いな……」と感じていたら、換気不足によるカビの発生を疑ってみてもいいかもしれません。

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エアコンで換気をすることはできる?

これまでの解説で、換気が快適な生活につながることは理解してもらえたかと思います。その中で「私は普段エアコンを使っているから、換気できているのでは?」と考える方もいるかもしれません。

結論から言いますと、一般的なエアコンで換気はできません。なぜなら、エアコンは外の空気ではなく、部屋の中の空気自体の温度を変えることで部屋の温度を調節しているからです。

具体的には、エアコンが部屋の暖かい空気を吸い込んで、内部にある熱交換器により冷たい空気にして出しています。そのため、エアコンで換気はできないのです。

このような話を聞いて「エアコンは手軽に使用できるし、換気が行えていると思った……だけどいちいち換気をするのも大変!」と考える方もいるのではないでしょうか。

実は、室内の空気を自動循環させる24時間換気システムを備え付けている物件や、室内の換気を効率よく行える窓が2つある二面採光の物件もあったりします。「快適な生活空間を作って、生き生きとした生活を送りたい!」という人は、このような機能を持つ物件を検討するのもおすすめです。

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暑い夏や寒い冬に実践したい換気方法

換気は重要ですが、1年を通してなかなか換気を行いづらい期間があります。それは、真夏と真冬です。とくにこの期間は外と室内の温度差が高く、室内ではすでに気持ち良い温度の空間ができている場合、換気を行いにくいのではないでしょうか。

ここでは、それぞれのおすすめの換気方法について解説していきます。

暑い夏場におすすめの換気方法

換気をする際に、室温が上がることでエアコンの電気代がかかってしまうことから、エアコンを切って換気をして良いのか疑問に思ってしまうこともあるでしょう。

結論から言いますと、エアコンをつけたまま換気を行って問題ありません。なぜなら、エアコンに負担がかかってしまうからです。

エアコンを消した状態で換気をしてしまうと、換気が終わった後の室温を戻すために余計な電力を消費してしまいます。また、冬場に比べて夏のエアコンは電気代が比較的低いので、あまり気にしなくて良いでしょう。

ただし、換気をするとやはり室温が高くなってしまいます。そこで、エアコンの対角線上に扇風機やサーキュレーターをおくことで、空気が循環され素早くもとの室温に戻すことが可能です。

寒い冬場におすすめの換気方法

冬は寒いため、換気をあまりしたくないと思いますが、とくに冬は換気が重要となります。その理由は、夏に比べて冬はウィルスが流行しやすいからです。

しかし、どうしても寒いぶん、換気するのに躊躇してしまうこともあるでしょう。そこでおすすめなのが湿度を上げておくことです。

湿度が上がると体感温度が上がるため、換気したことによる寒さの影響を感じにくくなります。また、湿度を上げることによりウィルス対策にもなるのです。ただ、湿度を上げすぎると、カビの発生原因にもなるので、室内湿度は40〜60%に保つようにしましょう。

換気効率を高める方法

窓を開けるだけでも効果は期待できますが、より良い換気を実現するための換気効率を高める方法を紹介します。

窓を2つ開けて空気の流れを作る

窓を1つだけ開けるのではなく、2つ開けて換気をすると換気の効率が上がります。これは2つ開けることで、空気の流れができるからです。

さらに、対角線上に窓を開けると効果的です。イメージがしにくい場合は、暑い車の中で運転席の窓と左の後部座席の窓を開けて走行をすると、空気が入れ替わることが実感できます。

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サーキュレーターを使用する

サーキュレーターを使用すると、換気の効率が高まります。理由は、どの部屋にも空気が滞留するスポットがあるからです。

とくに窓から遠い場所や部屋の隅といったところは、空気が滞留しやすいです。この場所でサーキュレーターを使用することで、室内の空気が攪拌されます。

高い位置に窓があるとより良い換気ができる

風の入り口を低い位置、出口を高い位置にする方法も効果的です。

空気は、建物の中で上昇する性質があります。これは「重力換気」と呼ばれており、空気の温度差による影響で起こる現象です。もし、お部屋の中の高い位置に窓がある場合、換気に有効なので活用すると良いでしょう。

正しい換気方法で毎日を過ごそう

こちらの記事では、正しい換気方法や重要性について解説しました。現代の建物は密閉性が高く、定期的な換気を行わないと、私たちの生活に悪い影響を及ぼします。実際に作業効率が悪くなったり、睡眠の質が低下したりするなど、私たちの健康に影響することが報告されています。

定期的な換気は1時間に1回、5〜10分程度で行うようにしましょう。空気の流れを対角線上に作るといった換気効率を高める方法も紹介しましたが、24時間換気システムを備えた物件に住む方法もおすすめです。正しい換気を行うことで、快適な生活を送りましょう。