お正月になると、なにかと話題になるのは初夢話。「どんな初夢を見た?」と、家族で盛り上がったことがある方も多いのではないでしょうか。初夢を新年早々に語り合うからこそ、その意味や縁起などが気になるものですよね。
この記事では、初夢の素朴な疑問をはじめ、良い夢を見るための方法や悪い夢を見たときの対処法について解説します。わが家で実践している快眠のコツなども紹介しますので、新年を気持ちよくスタートするヒントにしてみてくださいね。
初夢とは?
初夢とは、新年に初めて見る夢のことです。何事も最初が重要視されるように、初夢にはその年の吉凶を占う意味もあり、昔から縁起を気にして大切にされてきました。
初夢はいつ見る夢のこと?
初夢とは、いつ見る夢を指すのでしょうか。初夢は、年が明けて最初に見た夢のことです。大晦日から元日にかけて眠らずに過ごす方もいるため、一般的には元旦から2日の夜にかけて見た夢を指すことが多いようです。ともあれ解釈はさまざまで、夢を見ないケースもあるので、3日以降でも新年に最初に見た夢とする場合もあります。
初夢は江戸時代からあった?夢占いの歴史や文化背景
夢占いというと今どきに聞こえるかもしれませんが、実はその歴史は古いものです。平安時代の歌でも初夢が詠まれており、江戸時代には良い夢を見るために、枕の下に宝船の絵を置く風習が広まったそうです。
この風習のルーツをたどると、中国に遡ります。中国では悪夢を食べてくれる空想上の生き物「獏(バク)」の絵を枕の下に置く習慣があり、それが日本に伝わったと考えられています
「初夢を見ない」は縁起が悪い?どうして夢を見ないの?
「自分は夢を見ないから、初夢なんて関係ない」と思う人もいるかもしれません。しかし、夢を見ないからといって、縁起が悪い訳ではありません。夢を見たことがないと思っていても、夢を見ていないのではなく、ただ覚えていないだけのことが多いです。
以前、私が家族と夢について話していたときに、よく寝言を言って笑うことのある息子が、「自分は夢を見ない」と真顔で言ったのには思わずクスリとしてしまいました。このように、本人は自覚していないけれど、何らかの夢を見ていることがあります。
夢は、眠りの浅い「レム睡眠」のときに記憶しやすいといわれています。起きた後すぐに夢を思い出そうとする習慣をつけることで、夢を記録できるようになるかもしれません。
縁起の良い初夢と悪い初夢

縁起の良い夢と悪い夢には、どのようなものがあるのでしょうか。夢にはどんな意味があるの?見なかったら縁起が悪いの?と、気になる方もいるかもしれません。ここからは、縁起の良い夢と悪い夢の代表的な例をあげて解説していきます。
縁起の良い夢とは
縁起の良い夢とは、必ずしも楽しい内容や心地よい夢ばかりとは限りません。夢が現実になることを「正夢(まさゆめ)」と呼びますが、ときには不安や後味の悪さを感じるような夢でも、逆夢(さかゆめ)といって吉兆とされる場合があります。具体的な例を見てみましょう。
「一富士二鷹三茄子」その意味と由来
縁起の良い初夢といえば、まず思い浮かぶのが「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」でしょう。昔から吉夢の代表とされてきましたが、その語呂の良さからつい口ずさんでしまう方も多いのではないでしょうか。
お正月になると必ず話題になりますが、その意味はどれも開運につながるものです。日本のシンボルである富士山は、日本一の存在であることから開運や繁栄を象徴していて、その響きが「無事」や「不死」に通じているため、健康運も意味します。鷹は力強く飛ぶ姿から飛躍や成功を、茄子は「成す」にかけて物事の成就を表しているとされているそうです。
「富士や鷹なんて、あんまり夢に出てくるものじゃない」と、思われるかもしれませんが、思いがけない形で登場することがあります。たとえば、富士山を眺めながら新幹線に乗っている夢や、山を散策しているときに空を見上げたら鷹が飛んでいた、といった場面です。これは父が実際に見たことがある夢の話です。こうして聞いてみると、案外ありそうなシチュエーションだと思えてきます。
一富士二鷹三茄子には続きがあった!四扇・五煙草・六座頭とは?
実は「一富士二鷹三茄子」には続きがあることをご存じでしょうか。江戸時代の書物『俚言集覧』には、「四扇五煙草六座頭(しせんごたばころくざとう)」と書かれています。
一説によると、扇は末広がりの形から子孫繁栄や商売繁盛、煙草は煙が上に昇ることから運気上昇、座頭は毛がない(怪我ない)ことに通じて、家内安全を願う意味が込められているそうです。言葉選びの中に、どこかしらユーモアも感じられますね。
宝船、七福神
神社仏閣でよく見かける七福神は、芸事や学問、豊穣などそれぞれに異なるご利益をもつ神様たちです。その七柱が財宝を積んでにぎやかに乗り合わせた宝船の夢は、まさに吉兆です。あらゆる分野での運気が上昇し、開運や財運、幸運が一度に訪れるといわれます。
白い動物
白い馬や白イルカなど、白がつく動物は、どこか特別な雰囲気を感じます。特に白い蛇は神様の使いとされ、蛇の抜け殻を財布に入れると金運が上がる、という言い伝えもあります。夢に出てくる白い動物は、浄化や幸運の象徴です。
虹
雨上がりに空を見上げて虹を見つけると、つい誰かに教えたくなります。夢の中に現れる虹も同じで、心を明るく照らしてくれます。祝い事や転機の訪れを示すサインで、金運や恋愛運の前触れともいわれています。
トイレ
一見するとトイレはあまり良いイメージがないですが、夢の世界では吉夢とされています。トイレは不要なものを流す場所なので、見方を変えると、トイレは心の中の不安や人間関係のストレスを手放しているともいえるのです。風水でもトイレは運気と深い関わりがあるように、夢占いでも浄化や問題解決の前触れとされています。
太る夢
太ることは現実ではあまり歓迎されないことも多いですが、夢の中ではむしろラッキーとされています。太る夢は、豊かさや満ち足りた生活を意味しています。昔からよく言われますが、ふくよかさは豊かさの象徴です。お腹がいっぱいに満たされた夢は、満ち足りた生活への兆しかもしれません。
縁起が悪い夢ってどんなもの?不吉なサインかも
反対に、縁起が悪い夢には、どのようなものがあるのでしょうか。そのような夢を見たからといって必ずしも悪い未来を示すとは限りませんが、注意すべきサインとして考えられている夢をご紹介します。
①歯が抜ける夢
きれいで白い歯は健康的なイメージがあります。そのため、歯が抜ける夢は健康運や家族の運気低下を暗示するといわれています。特に、親や子どもなど身近な家族の健康に関わるメッセージとされるので、生活習慣を見直すきっかけにすると良いでしょう。
②幽霊やおばけの夢
幽霊やおばけは、目に見えない不安の表れといわれ、人間関係でのトラブルが表面化するサインかもしれません。思い当たる出来事がないか、心の声に耳を傾けてみてください。
③たくさんの虫が出てくる夢
大量の虫が出てくる夢を想像しただけでもゾッとしてしまいそうですが、不快な出来事や災いの前兆とされ、金銭トラブルや小さな不運が重なることを暗示します。夢に出てくる虫の種類によって、さまざまな解釈があるようです。
④地震の夢
地震はそのイメージから基盤の揺らぎを連想させるため、健康面や生活面の不安定さを映し出すとされています。何かしら変化が起こる可能性もあると捉えて、身の回りを見つめ直すタイミングにしてみましょう。
⑤落ちる・転ぶ夢
高いところから落ちたり転んだりする夢は、自信の低下や運気の停滞を意味しているとされています。ここ最近、身の回りの出来事が思うように進まないと感じたことはないでしょうか。焦らず基本を見直すことが、運気を回復させる近道になるはずです。
どうしたら良い初夢が見られる?

夢の内容を選べるのなら、やはり縁起の良い夢を見て気持ちよく目覚めたいものですね。ここでは、初夢を迎えるためのおまじないや、わが家で行っている快眠の工夫、快眠のための住まい選びについて紹介します。
初夢のおまじないとは?
縁起の良い初夢を見るために、古くから伝わるおまじないがいくつかあります。たとえば、枕の下に宝船の絵を入れて眠るという風習は江戸時代からあり、宝船に乗った七福神が福を呼び込んでくれると考えられています。
また、招き猫やフクロウなど縁起物の小物を置いたり、寝る前に布団の中で「良い夢を見られますように」と心で唱えたりするのも有効だと考えられています。小さな習慣や脳への暗示によって、夢の印象も変わってくるでしょう。
わが家の快眠のための工夫
良い夢を見るためには、ぐっすり眠れることが条件といっても大げさではありません。わが家では、できるだけ快適な睡眠環境を整えるようにしています。しかし特別なことをしているのではなく、日常の中で簡単に取り入れられるものばかりです。次のような工夫で睡眠の質を高めることができます。
ディフューザーで湿度管理!アロマで更にリラックス効果を高める
乾燥した冬の寝室では、加湿器で適度な湿度を保つことが快眠のポイントです。わが家では、寝室にディフューザーを置き、アロマオイルを楽しんでいます。ディフューザーの灯りと香りに包まれると、自然と眠りに入りやすくなります。アロマオイルは、ラベンダーやカモミールなどのリラックス効果のある香りがおすすめです。
防寒対策
体が冷えると眠りが浅くなり、目覚めやすくなるため、夢も断片的になってしまいます。せっかく良い夢を見ていたのなら、途中で途切れてしまうのはもったいないですよね。首や手首、足首など、首がつく部位を温めるだけでも睡眠の質が高まります。
わが家では、寝相が悪い子どもには腹巻をさせたり、冷え症対策として自分には湯たんぽを足元に置いたりと、家族それぞれの工夫をしています。
ラグや床暖(電気カーペット)の使用
冷気は下に溜まりやすいため、冷えは足元からやってきます。エアコンで温度を上げるよりも床からの冷えを防ぐラグや床暖を使うほうが、体感として温かく感じやすいです。湯冷め防止にもなり、寝る前に温かい環境で快適に過ごすことも、眠りの深さにつながります。
遮光カーテンをあえて使わない
わが家では朝日を自然に感じられるように、遮光カーテンはあえて使っていません。朝に光が差し込むと自然な目覚めになり、体内時計が整います。スッキリして起きられることは一日の始まりをポジティブにしてくれますし、良い夢を見られるきっかけになると感じています。
良い夢を見るための住まい

「良い夢を見たい」と思うなら、ぐっすり眠ることが欠かせません。そのため、睡眠の環境を整えることは重要なポイントです。快適な住まいで眠ることは、心身のリラックスにつながります。これまでさまざまな賃貸に住んできましたが、睡眠の質は環境によって大きく変わると実感しています。
全室エアコン付きの住まいで快眠へ
全室にエアコンが備わっていると、部屋ごとに温度調整ができるため、冬でも快適に眠ることができます。私自身、体が冷えていたときに悪夢を見た経験があるので、体の不快さと夢の内容がリンクしているのではないかと感じたことが何度もあります。快適な環境で眠ることで体もリラックスし、初夢をポジティブなものへと導いてくれるでしょう。
騒音を感じにくい角部屋
隣室の生活音や騒音が少ない角部屋は、安眠にぴったりです。以前、アパートの真ん中の部屋に住んでいたときは、隣の音が気になって眠れないこともありましたが、角部屋に引越してから驚くほど眠りが深くなり、その違いに驚きました。静かな環境で眠ることで、夢の内容や印象にも良い影響を与えてくれます。
悪い初夢を見てしまったら?
たとえ嫌な夢を見てしまっても、「不運な一年ならどうしよう…」と落ち込む必要はありません。むしろ夢は、心や体の状態を映し出す鏡ともいわれています。ここからは、悪い初夢を見たときのリセット方法や前向きな捉え方をご紹介します。
悪夢をリセットする風習やおまじない
悪夢を見てしまったときは、手軽に気持ちを切り替える方法を知っておくと便利です。たとえば、初夢で悪夢を見たときは、悪夢の内容を紙に書き出して破り捨てる方法がおすすめです。中国由来の風習には、獏(ばく)という架空の生き物に夢を食べてもらうために、枕元に獏と書いた紙を置いたり、バクと3回唱えたりする方法があります。
暮らしを整えることが運気アップに効果的
悪い夢を見たときは落ち込むのではなく、生活を整えるサインと捉えるのも効果的です。部屋を片づけたり、寝具を清潔なものに交換したりするだけで、心が軽くなり、前向きな気持ちを取り戻せます。部屋の窓を開放し、新しい空気を取り入れて風通しをよくするのもおすすめです。
気にしすぎないのもポイント?
夢は必ずしも未来を予言するものではなく、脳を整理している状態ともいわれています。夢で悪いことを見たなら、現実は逆に良いことが起こるかも、とポジティブに捉えるのも大切です。
私は、実際に起こったら嫌だと感じるような夢を見たときに、あえて言葉にすることで現実と切り離すようにしています。家族や友人に話して笑い話にしてしまうことで、い飛ばすことで悪夢を断ち切って、気持ちをリセットできます。
良い初夢を見て、1年を良い年にしよう!

初夢はいつ訪れるのか、どのような夢に出会えるのか楽しみですね。どのような初夢だったとしても、前向きに捉えることで、運気が上がるきっかけになります。縁起の良い夢を見たのなら、それをお守りのように心に留めながら日々を過ごすのもよいでしょう。
たとえ悪い夢を見たとしても、それは生活習慣を見直したり心の状態を整えたりするサインと捉えれば怖くありません。取り入れやすい習慣やおまじないを試して、新しい年のスタートを夢の力で明るく彩ってみませんか。





