窓は太陽光や風を取り込む機能的な役割だけではなく、インテリアとしても重要な要素を持っています。そのため、存在感のあるおしゃれな出窓のある部屋に憧れている方も多いのですが、実際にどんな風に出窓を活用したら良いかわからず困っているという方も少なくありません。
そこで今回は、インテリアコーディネーターの目線から、おすすめの出窓の活用方法を紹介していきますので、「自分だけのおしゃれな部屋を作りたい」と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
出窓とは?代表的な種類も紹介
出窓とは、外壁から飛び出たような造りになっている窓のことを指します。窓が外壁から飛び出ている分、部屋側では窓の手前にスペースができるのが特徴です。出窓にはいくつかの種類がありますが、その中でも代表的な形をご紹介します。
台形出窓
外に飛び出している窓部分が台形、もしくは角型になっている出窓です。飛び出た部分の正面と左右側面にある3つの窓から成り立ちます。最も一般的な形の出窓で、洋風の家にも和風の家にも合うため幅広く採用されています。
三角出窓
外に飛び出た部分が三角形になっている出窓で、台形出窓と違い、窓は左右の2面のみです。その形状から、出窓のスペースは比較的狭く、アクセントとして用いられます。また、リビングではなくキッチンや洗面所に設置されていることが多いです。
弓形出窓
外に向かって弧を描くように弓形に張り出した出窓です。台形出窓より窓の数が多く、4〜6面で構成されていることが多いです。デザイン性が高く、窓の面数も多くなるため存在感が大きいという特徴があります。
トップライト出窓
ここまで紹介してきた出窓はいずれも外に飛び出た部分の側面だけが窓になっています。しかし、トップライト出窓は飛び出た部分の天井部分も窓になっているのが特徴です。天井面がガラス張りのため、天窓と似たような効果が得られ、太陽光をより多く室内に取り込むことができます。
ハーフ出窓
こちらは出窓の奥行きを通常の半分ほどにした出窓です。小スペースで設置でき、すっきりとした印象になりますが、奥行きが少ないため物をたくさん置くような使い方には向きません。一般的に、高い場所の窓やキッチンに取り入れられることが多いです。
出窓のメリット・デメリット
出窓に「何となくおしゃれ」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、出窓にはそれだけではないたくさんのメリットがあります。しかし、メリットだけでなく知っておきたいデメリットもあるので、ここからは出窓のメリット・デメリットについて解説していきます。
出窓のメリット
①部屋が明るくなる
普通の窓は一面ですが、出窓は外に飛び出している形のため通常の窓よりガラス面が多くなります。そして外壁から飛び出しているので、その分日光を取り入れやすいというメリットがあります。出窓のある部屋は採光率が上がるため、部屋全体が明るくなるでしょう。
②部屋が広く感じる
先述したように、出窓はガラス面が多いため、外の景色も見えやすく、通常の窓に比べて開放感があります。また、実際に出窓の前のスペースに物を置けるため、室内がより広く使えるというメリットもあります。
③インテリアとして活用できる
出窓は窓自体のインテリア性が高く、部屋がおしゃれに見えます。また、出窓の前のスペースを活用することで、さらに窓辺をおしゃれな空間にすることが可能です。お気に入りの雑貨を置いたり観葉植物を置いたりと、さまざまな使い方ができるでしょう。
上記のように出窓には多くのメリットがあるので、興味がある方は明るさや開放感などを体感するために一度物件を見に行ってみてはいかがでしょうか。
出窓のデメリット
①窓が結露しやすくなる
窓ガラスの面が多い出窓は、太陽光を取り入れやすいというメリットはありますが、裏を返せば外気温の影響を受けやすいということになります。そのため、室内との温度差が生じやすく、窓に結露が発生しやすくなってしまいます。
結露を防ぐためには、なるべくこまめに換気を行うことが大切です。また、結露が生じたらその水分で窓枠などが傷んでしまう可能性があるため、放置せずなるべく早く拭き取るようにしましょう。
②風による騒音が気になる
出窓は外壁から飛び出している分、風の抵抗を受けやすいです。そのため、強風が吹いたときなどに風切り音が発生してしまう可能性があります。自然に発生する風切り音は防ぐことができないため、寝室に出窓が設置されている物件には注意が必要です。
インテリアコーディネーターが考える、出窓活用法7選
出窓にはさまざまな使い道があり、その使い方は自分次第ですが、「実際にどう使えばいいかわからない」という方もいるかもしれません。ここでは、出窓のメリットを活かしたおすすめの活用方法をご紹介します。
出窓の活用方法①:インテリアスペースとして
まずは、出窓のスペースをお気に入りのインテリア小物の置き場所にするという方法が挙げられます。置き時計や雑貨、観葉植物などを数点置くだけでも部屋の雰囲気は変わります。あまり物をたくさん置かず、小物や観葉植物のみを飾れば、太陽光を取り込みやすいという出窓の良さをより活かせるでしょう。
出窓の活用方法②:本棚置き場
出窓の奥行きを活用して、本棚置き場にするのも良いでしょう。本棚は存在感があり、部屋の中でもスペースを取ってしまいがちですが、出窓に本棚を置くことによって、その分部屋を広く使うことができます。また日光を取り入れるために、背の低い本棚を設置する、あるいはDIYで出窓の下半分にだけ本を置くといった方法がおすすめです。
出窓の活用方法③:観葉植物を育てるスペース
家の中に観葉植物を置きたいという方にも出窓のある部屋はおすすめです。日当たりの悪い場所に植物を置いていると、うまく育たなかったり枯れてしまったりすることも珍しくありません。
その点、太陽光がたっぷり入る出窓は、植物を育てる場所にぴったりです。あまり背の高い植物は置けませんが、小さな鉢植えをいくつか並べたり多肉植物を並べたりしてアレンジすると良いでしょう。
出窓の活用方法④:テレビ置き場
テレビを置くためのテレビ台は意外と場所を取ってしまうものですが、出窓のスペースにテレビを置くことができればテレビ台は不要となります。また、DVDやゲーム機なども一緒に置ければより広く部屋を活用できます。
出窓の活用方法⑤:家電置き場
テレビだけでなく別の家電を置くのもおすすめです。たとえば炊飯器や電子レンジ、トースターなどは、棚の上に置くことが多いでしょう。出窓に置けば、それらを置くための棚を別に用意しなくていいため、スペースの有効活用になります。
出窓の活用方法⑥:食器棚
食器棚も意外と場所を取るものですが、出窓に食器棚を置けばキッチンスペースが広々と使えるでしょう。また、光の入りやすい出窓の性質を活かし、オープンラックを置いてガラス製の食器やコップを並べるのもおすすめです。これによってガラスがきれいに輝き、おしゃれなインテリアとしても楽しめます。
出窓の活用方法⑦:ペット(猫)のリラックススペース
ペットを飼っている方にぜひおすすめしたい出窓の活用方法です。日当たりの良い出窓は、人間だけでなくペットにとっても居心地の良い空間です。特に猫は日向ぼっこが大好きなので、お気に入りのクッションやブランケットを置いて出窓を快適に過ごせるスペースにしてあげましょう。
上記のようにさまざまな使い方ができる出窓ですが、実際に出窓のある部屋を見ればよりイメージが膨らむかもしれません。いくつか候補となる物件をピックアップし、スケジュールを調整して不動産会社に内見の予約を入れてみてはいかがでしょうか。
出窓がある部屋で自分らしい暮らしを実現しよう!
出窓はインテリア性と実用性の双方を備えており、アイデア次第でさまざまな使い方が可能です。今回ご紹介した活用法以外に、どんな使い方ができるか自分なりに考えてみるのも楽しいでしょう。出窓のある部屋はたくさんあるので、これから引越しをしようと考えている方は「出窓の部屋」を中心に部屋探しを進めてみてはいかがでしょうか。