40アンペアで使える家電とは?同時使用でブレーカーが落ちてしまうパターンを世帯別に検証

目次

現在の契約アンペア数が適切かどうか気になる方の中で、「40Aでどのくらいの家電製品が使えるの?」「シチュエーション別にどれくらいのアンペア数がかかるの?」といった疑問を抱いている方もいるのではないしょうか。

40Aの契約アンペアは、比較的多くの家電製品が同時に使えるアンペア数です。ただし、同時使用する家電製品が多くなるとアンペア数が40Aを上回ることもあるため、使い方に工夫する必要があります。

今回は、40Aで同時に使用できる家電について詳しく解説します。生活別のシミュレーションも記載しているので、特定のタイミングでよくブレーカーが落ちるとお悩みの方もぜひ参考にしてみてください。

家電を使うとすぐブレーカーが落ちる人はチェック!「契約アンペア数」とは

契約アンペアとは、お家で同時に使える電流の量のことです。アンペア(A)は、電気の流れる量である「電流」の単位を指します。契約は、電力会社と結ぶものなので、契約アンペアを言い換えると「電力会社と契約したお家で同時に使える最大の電流の量」となります。

契約アンペアは、値が大きいほど多くの家電を同時に使えます。ただし、大きくなればなるほど電気代は高くなるのが特徴です。一方で契約アンペアの値が小さいほど同時に使える家電の量は少なくなりますが、電気代は安くなります。

また、契約アンペアの電気代は一般的に「基本料金」として含まれます。具体的な金額の目安などは後述しますので、ぜひ参考にしてください。

主な契約アンペア数と電気代の違い

主な契約アンペア数には、10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aがあります。どの契約アンペアに対応しているか、具体的な金額などは電力会社や電気料金プランによって異なります。

以下の表は、東京電力エナジーパートナーにおける「従量電灯プラン」の基本料金をまとめたものです。

契約アンペア東京電力EPの電気基本料金
10A311.75円
15A467.63円
20A623.50円
30A935.25円
40A1,247.00円
50A1,558.75円
60A1,870.50円

表をみると、契約アンペア10アンペアあたりで基本料金が設定され、大きくなるほど高くなることが分かります。ただし、電力会社によっては使用した電力量に関係なく最低料金を定めるパターンの電気料金プランもあるため、電力会社を選ぶ際は注意しましょう。

契約アンペア数を調べる方法

契約アンペアを実際に調べたい場合、以下の2つの方法があります。

・検針票を見る

・分電盤を確認する

簡単なのは、検針票をチェックすることです。毎月電力会社から送られる・Web上で更新される検針票(電気ご使用量のお知らせ)に契約アンペアが記載されているため、確認すれば契約アンペアが分かります。

また、分電盤を確認することでも契約アンペアを把握可能です。分電盤に設置されているアンペアブレーカー(電力会社とご家庭の境界線となるブレーカー)に記載されているアンペア数は、その家で同時に使用できる電流の量です。例えば、アンペアブレーカーに「40A」と記載されているのであれば、契約アンペアは40Aとなります。こちらもすぐにチェックできるので、一度確認してみるとよいでしょう。

家庭で使われる主な家電のアンペア数

家庭で使われる家電のアンペア数がどのくらいか、気になる方もいるのではないでしょうか。以下の表は、主な家電の大体のアンペア数をまとめたものです。

※参考:九州電力「アンペアシミュレーション」

主な家電アンペア数目安
エアコン・立ち上がり時:15~20A
・その他:8A
冷蔵庫(450L)3A
電子レンジ12A
テレビ2~4A
掃除機2~10A
ヘアードライヤー12A
ドラム式洗濯乾燥機(容量9kg)・洗濯時:1A
・乾燥時:13A
食器洗い乾燥機13A
アイロン10A
IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時)13A
PC(ノート・デスクトップ)・ノートパソコン:1.5~3A
・デスクトップパソコン:0.5~1.5A

ここからは、主な家電のアンペア数について詳しく解説します。

エアコン

エアコンのアンペアは、立ち上がりの際で15~20A、その他の運転時は8Aが目安です。温度を調節するまでの立ち上がりが一番アンペア数を消費します。

また、エアコンのアンペア数は機種によっても異なります。対応畳数が高くなればなるほど、強い力が必要となるためアンペア数も高くなりがちです。気になる方は、現在使用しているエアコンを確認してみましょう。

冷蔵庫

冷蔵庫のアンペアは、450Lのもので3Aです。冷蔵庫も大きさによってアンペア数が異なります。冷蔵庫にアンペア数や消費電力が記載されているため、確認してみるとよいでしょう。

電子レンジ

電子レンジのアンペア数は12Aが目安です。ただし、使用時間が短い家電製品なので、電気代には大きな影響を及ぼしません。電子レンジに暖め時の消費電力やアンペア数が記載されているため、お使いの製品を確認してみましょう。

テレビ

テレビのアンペアは、2~4Aが目安です。こちらも他と同様、メーカーやテレビの大きさによってアンペア数が異なります。

掃除機

掃除機のアンペアは、2~10Aが目安です。弱や強などの吸引の強さによって電気代は異なります。とはいえ、電子レンジと同様、使用時間が短い家電なので電気代には大きな影響を及ぼしません。

ドライヤー

ドライヤーのアンペアは、12Aが目安です。温風か冷風か、風を強くするかどうかでアンペア数が異なります。

洗濯機

洗濯機(ドラム式洗濯機)のアンペアは、洗濯時で1A、乾燥時で13Aです。乾燥の際は熱を必要とするため、アンペア数も大きくなります。乾燥機付きの洗濯機を使用している方は、どの程度のアンペア数なのか確認しておくとよいでしょう。

食器乾燥機

食器乾燥機のアンペアは、13Aが目安です。乾燥は熱を伴うため、アンペア数も比較的高くなります。無駄遣いすると余分な電気代につながるため、上手く活用するよう心がけてみてください。

アイロン

アイロンのアンペアは、10Aが目安です。アイロンも使用時間が短いため、電気代には大きな影響を及ぼしません。

炊飯器

炊飯器のアンペアは、13Aが目安です。ただし、炊飯器によっては省エネ機能が搭載されているものもあります。電気代が気になる方は、省エネモードを上手く活用してみるとよいでしょう。

PC(ノート・デスクトップ)

パソコンのアンペアは、ノートパソコンかデスクトップかで異なります。ノートパソコンのアンペアは1.5〜3A、デスクトップパソコンは0.5〜1.5Aが目安です。

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契約アンペア数30Aと40Aの違い①一人暮らしの場合

ここからは、生活スタイルをシミュレーションしながら契約アンペア数30Aと40Aの違いを解説していきます。まずは、一人暮らしの場合からみていきましょう。

シチュエーション①帰宅直後の晩ご飯調理中

まず、帰宅直後に晩ご飯で調理している場合です。40Aの場合、同時に以下のような家電を使用できます。

【炊飯器13A】+【冷蔵庫3A】+【電子レンジ12A】=28A

調理中の家電を全て使用することを想定しても28Aです。40Aの場合、12Aの余裕が残されているため、テレビを付けたままでもよかったり、洗濯機を回したり掃除機をかけたりなど家事をこなしても問題ないでしょう。

シチュエーション②お風呂上がり

お風呂上がりの場合におけるアンペア数の目安です。40Aの場合、同時に以下のような家電を使用できます。

【ヘアードライヤー12A】+【テレビ2~4A】+【エアコン8A】=22~24A

お風呂上がりにおいても、おおよそ30Aギリギリのアンペア数が想定されます。40Aもあれば、一人暮らしで困ることはないでしょう。

シチュエーション③平日溜まった家事を休日の朝に行うとき

平日溜まった家事を休日の朝に行う場合におけるアンペア数の目安です。

【掃除機2~10A】+【洗濯機1A・13A】+【食器洗い乾燥機13A】=最大36A

家事の際、掃除機や洗濯機、食器洗い乾燥機などを同時使用すると30Aでは足りなくなる可能性があります。40Aの場合は問題ないでしょう。30Aが契約アンペアの場合は、同時に使用する家電を工夫する必要があります。

契約アンペア数30Aと40Aの違い②二人暮らしの場合

続いて二人暮らしの場合の生活スタイルをシミュレーションしながら契約アンペア数30Aと40Aの違いを解説していきます。

シチュエーション①仕事から帰宅後

仕事から帰宅した後におけるリビングでのアンペア数の目安です。

【エアコン8A】+【テレビ2~4A】+【ノートパソコン1.5~3A】=最大15A

リビングで一般的な家電を使用している場合、アンペア数は30Aを下回ります。ただし、家事も同時にこなす場合、洗濯機やアイロンなどを同時に使用していると30Aを超える可能性があるため、ご注意ください。

シチュエーション②片方がお風呂上り、もう片方がリビングでくつろぐ

片方がお風呂上がりでもう片方がリビングでくつろいでいる場合におけるアンペア数の目安です。

【エアコン8A】+【テレビ2~4A】+【ドライヤー12A】=最大24A

使っている家電にもよりますが、基本的には30Aを下回ります。ただし、冷蔵庫など24時間稼働している家電もあるため、それらを踏まえて計算してみるとよいでしょう。

シチュエーション③片方が調理してもう片方が掃除・洗濯する

片方が調理してもう片方が掃除・洗濯する場合におけるアンペアの目安です。

【掃除機2~10A】+【洗濯機1A・13A】+【食器洗い乾燥機13A】+【炊飯器13A】=最大46A

掃除・洗濯・料理などで比較的アンペア数が高めの家電を同時使用すると、アンペア数が40Aを上回る可能性があります。ほかにも、食洗機や衣類乾燥機・浴室乾燥機などのような家電を設けている方は、同時使用にご注意ください。

契約アンペア数30Aと40Aの違い③三人暮らし以上の家庭の場合

続いて三人暮らし以上の場合の生活スタイルをシミュレーションしながら契約アンペア数30Aと40Aの違いを解説していきます。

シチュエーション①平日の夜にキッチンで料理+リビングで休憩している場合

平日の夜にキッチンで料理+リビングで休憩している場合におけるアンペア数の目安です。

【炊飯器13A】+【電子レンジ12A】【冷蔵庫3A】+【テレビ2~4A】+【パソコン0.5~3A】=最大35A

キッチンで料理+リビングでテレビを見ている程度であればアンペア数は40Aを下回る想定です。しかし、IHクッキングヒーターや電気給湯器などの場合はアンペア数が大きくなるため、40Aを超えることもあるでしょう。

シチュエーション②平日の夜に掃除・洗濯+風呂上がり

平日の夜に掃除・洗濯をしている人と風呂上がりの人がいる場合におけるアンペア数の目安です。

【掃除機2~10A】+【ドライヤー12A】+【洗濯機1A・13A】=最大35A

最低限の家電を同時使用したとしても30Aを超える場面が想定されます。40Aであってもリビングでテレビを見ていたりパソコンを使用していたりすると超える可能性があるでしょう。

シチュエーション③休日にそれぞれの生活をしている場合

休日に各々の生活をしている場合におけるアンペア数の目安です。掃除をしている方・リビングでくつろいでいる方・自分の部屋でパソコンしている方で想定していきます。

【掃除機2~10A】+【洗濯機1A・13A】+【エアコン8A】+【食器洗い乾燥機13A】+【テレビ2~4A】+【パソコン0.5~3A】=最大51A

各々が家電を同時に使用している場合、アンペアは最大で50Aを上回る可能性があります。三人以上で生活している場合、契約アンペアが40Aでも上回る可能性がある点に注意が必要です。

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契約アンペア数を変更する方法

今の契約アンペア数から変更したい場合、方法が気になる方もいるのではないでしょうか。契約アンペア数を変更したい場合、現在契約している電力会社に連絡することで切り替えられます。

ただし、電力会社によって対応している契約アンペアは異なります。まずは、現在契約している電力会社・電気料金プランを確認し、公式サイトからプランの詳細を確認してみましょう。契約できるアンペア数を確認した後、切り替え希望の連絡を行ってください。

賃貸の集合住宅でアンペア数を変更することはできる?

賃貸の集合住宅であっても、アンペア数を変更することは可能です。ただし、管理会社や大家さんには必ず確認を取りましょう。

契約アンペア数を切り替える場合、引き込みケーブルやブレーカー交換などの工事を伴います。管理会社や大家さんに連絡を取り、最大容量に制限がないかなどを確認した上で切り替えなければなりません。

確認した後は電力会社に連絡し、自分が希望する契約アンペア数が実現できそうか相談してみることが大切です。

明確に希望する契約アンペア数がある場合の賃貸物件の探し方

もし、明確に希望する契約アンペア数がある場合で賃貸物件を探す場合、問い合わせしてみることをおすすめします。メールや電話で不動産会社に連絡することで、返答をもらえることもあるでしょう。

また、実際に内見に行った際、分電盤を確認するのもおすすめです。分電盤にあるアンペアブレーカーを確認することで、契約アンペアが把握できます。

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40アンペアで同時に使える家電数を知り、ブレーカーが落ちないように気をつけよう!

今回は、40アンペアで同時に使用できる家電について解説しました。40アンペアとなると、比較的多くの家電を同時に使用できます。

例えば一人暮らしや二人暮らしの場合、多くのシチュエーションで30A~40Aの範囲内、もしくは下回る範囲のアンペア数となります。一方、三人暮らし以上など人数が増えてくるとアンペア数が足りなくなる場面も出てくるでしょう。

また、IHクッキングヒーターや浴室乾燥機、電気給湯器などオール電化住宅にお住まいの方はアンペア数も大きくなります。ご家庭でお使いの家電製品を見直しつつ、契約アンペア数も検討してみるとよいでしょう。