土植えや水栽培など、さまざまな育て方ができる観葉植物のポトス。枯れる心配が少なく飾り方も豊富なため、初心者向けのグリーンとしてもおすすめです。増やし方も簡単とあって、ポトスを室内で育ててみたい方もいるのではないでしょうか。
今回は、ポトスの育て方について詳しくご紹介します。ポトスの種類や育てる上での注意点、成長に適した室内環境もまとめてみました。ポトスの育て方を知りたい方、お部屋のなかに緑が欲しい方は、ぜひご参考ください。
ポトスとは
ポトスはサトイモ科の植物で、つる性の多年草です。寒さにはやや弱くはありますが、耐暑性や耐陰性があるため、暑い夏や半日陰の置き場でもすくすくと育ちます。
ポトスの花言葉と風水
ポトスの花言葉は、「永遠の富」「華やかな明るさ」です。和名では、黄金葛(オウゴンカズラ)とも呼ばれており、金運や富をイメージできる縁起の良さから、オフィス向けの観葉植物、開業祝いなどのギフトとしても人気です。
また、ポトスは風水効果を期待できることでも人気の植物です。リビングやキッチン、玄関、トイレなどに置くと、気の流れを整えたり運気を上げたりする効果があるといわれています。
縁を結ぶとされるつる性の植物でもあるので、恋愛運を高めたい方にもおすすめです。
おすすめの飾り方

ポトスは、つる性であることを活かした飾り方がおすすめです。購入当初はつるがそれほど伸びていませんが、半年も経てば可愛らしく伸びるつるの姿を眺められるでしょう。
・ハンギングで高い位置に吊るして垂らす
・スタンドを使う、窓際に置いて垂らす
・つるを支柱に這わせて好きなかたちを作る
・壁棚に置いて垂らす
上記のように、さまざまな飾り方を楽しめます。また、ポトスのつるは適度な太さがあるため、手で触ると切れるかも、という心配もありません。
実際に育てている私が感じるポトスの魅力

私が感じるポトスの魅力は、なんといっても斑入りの葉の可愛らしさ、曲線を描きながら伸びていく優雅なつるの姿です。風水効果があることもポイントで、良い気が入ってくるとされる玄関に飾っています。
私は画像のように玄関の段差を利用してつるを垂らしています。飾り方は無数にあるので、自分らしさも発揮できるでしょう。丈夫で枯れる心配が少ないため、仕事で忙しくても気にすることなく育てられるのも魅力です。
ポトスの代表的な種類
50種類以上も存在するとされるポトスですが、実際にお店に流通している品種は代表的なものに限られています。珍しい種類が欲しい場合、園芸店などで入荷次第の取り寄せになることがほとんどです。
ここでは、代表的な3種類のポトスを紹介しましょう。
ポトスゴールデン

「ポトスゴールデン」は、ポトスの代表的な種類のひとつです。流通量が多いため、園芸店やホームセンターでも手に入れやすいでしょう。やや厚みのある濃緑の葉で、白や黄色が不規則に混じっていることが特徴です。
ポトスのなかでは強健なタイプ。水挿しはもちろん、挿し木で増やしていくのもおすすめです。
ポトスエンジョイ

白っぽい斑が入ったポトスエンジョイ。斑の入り方は一律ではなく、さまざまな葉の姿を楽しめます。斑の部分は強い日差しに当たると変色したり枯れたりするため、レースのカーテン越しや半日陰に置くのがおすすめです。
弱くもなければ強いタイプでもないため、増やしたい方はつるの伸びがよくなってきてから実行するとポトスの体力を奪わないでしょう。
マーブルクイーン

葉に白っぽい部分の多いマーブルクイーンは、育てるのが難しいといわれている種類のポトスです。虚弱な性質があるため、成長スピードはとてもゆるやか。ポトスを増やしていきたい方には、向かないタイプのように思います。
私の育てているマーブルクイーンは、購入して3年ほど経ってからようやくつるが伸びてきたくらいです。
ポトスの育て方

ここからは、ポトスの育て方を初心者向けに詳しく解説します。
【用土】観葉植物用が安心
ポトスの用土は、「室内向けの観葉植物用」とパッケージに記載されているものが安心です。花・野菜用など屋外向けの用土は安くて量も多く魅力的ですが、有機系肥料やたい肥が入っています。
これらはニオイを発するので、虫が寄ってきてしまう恐れがあります。私は室内の植物の鉢に野菜用の土を入れた経験があるのですが、夏場にコバエが大発生してしまいました。
また、水やり時には鉢底の穴から少しずつ土が流れ出てしまいます。土が減ったまま放置すると生育に影響するため、適宜追加していきましょう
土が不要な水栽培という方法もある

室内に土を持ち込むのは躊躇するという方は、ポトスの水栽培もおすすめです。こちらの画像は、私の息子(中学生)が育てている水栽培のポトス。ガラス容器にハイドロボールと水を入れて育てます。
やや水の量が多い印象ですが、容器のなかでしっかりと根を張っているのがわかります。通販や100均などでおしゃれな容器がたくさん売っているので、インテリアにこだわりたい方、おしゃれな部屋を作りたい方にもぴったりです。
【肥料】少なくても十分に育つが艶を出したいときは使う
観葉植物用の土には、元肥が混ぜこんであります。そのため、購入後すぐに肥料を用意する必要はありません。1ヶ月後くらいから肥料をあげていくとよいでしょう。
おすすめの肥料としては、以下が挙げられます。
・速効性化成肥料:液肥
・緩効性化成肥料:粒状、タブレットなどの置き肥
用土と同じく、室内向けの観葉植物用と記載された肥料を使用するのが虫を防ぐポイントです。また、肥料の与え過ぎは根を傷める恐れがあるため注意しておきましょう。
【置き場所】風通しと日当たりの良い室内がおすすめ

ポトスの置き場所には、風通しと日当たりの良い室内がおすすめです。我が家は角地なので、3面採光の開閉できる窓もある玄関スペースでポトスを育てています。強い陽射しも当たらず、ポトスの成長に適した空間です。
屋外での育て方は管理が大変
ポトスを屋外で育てている方もいますが上級者向けなので、初心者は室内で育てるのがおすすめです。また、室内で育てていたポトスを屋外に出すと葉焼けが起きたり枯れたりすることもあるため注意しておきましょう。
【温度・湿度】寒さに弱いので5℃以上を保つようにしよう
ポトスは寒さに弱いため、冬場でも5℃以上の温度を保ちたいものです。できれば10 ℃以上、冬場以外では20 ℃台が保てるとよいでしょう。湿度のある環境を好むため、後述しますが定期的な葉水が成長に効果的です。
【水やり】あげすぎに注意!土が乾いてからがベスト
ポトスは湿度のある環境でよく育ちますが、過度な水やりはNGです。土の表面が乾いてきたら与えるようにしましょう。乾くと色が変わる土も増えてきたので、ぜひ取り入れてみてください。
月1回は葉水も忘れずに
霧吹きで植物の葉に水をスプレーすることを葉水といいます。つい忘れがちになってしまいますが、少なくとも月1回は葉水を行うことがおすすめです。湿度を保つと同時に、葉の表面に積もったホコリを洗い流すのにも役立ちます。
【剪定】水挿しを兼ねるのがおすすめ

ポトスの剪定は、初夏から秋までが適しています。混み合って葉が黄色くなった部分や育てたいかたちに沿って、観葉植物用の剪定ばさみで仕上げていきましょう。
また、数年前に比べてポトスの価格が上がったため、剪定を兼ねてカットしたポトスを水挿しなどで増やすとコスパも高まります。
剪定の際は手袋を使おう
ポトスはサトイモ科の植物のため、体質によってはかぶれる恐れも。心配な方は、剪定の際は手袋を使うと安心です。
【植え替え】暖かい時期に行おう
ポトスの植え替えは、購入後2~3年に1回のサイクルで行うのが目安です。詰まったり伸びすぎたりしている根を切り、新しい土を入れたひと回り大きな鉢に入れ替えましょう。
植え替えの際、大胆に根を切ると弱ったり、枯れたりすることもあります。5月から10月頃までの、回復の速いあたたかい時期での植え替えがおすすめです。
植え替えの手順
ポトスを植え替えするやり方は以下をご参考ください。
①ひと回り大きな鉢を用意する
②鉢底の穴にかぶせるように鉢底ネットと鉢底石を入れる
③ポトスを古い鉢から取り出し、古い土を1/3ほど落とす
(このときに長すぎる根を切って整えておく)
④ポトスの根や土がついている部分に合わせて、新しい鉢に用土を入れる
⑤鉢の上辺から1~2cm下が土の表面になるように整えて完了
ポトスを育てる上でよくあるトラブルと対処法

ポトスを育てる上でよくあるトラブルと対処法をご紹介していきます。
ポトスの元気がなくなってしまった
ポトスの元気がなくなってしまったら、速効性のある液肥を与えましょう。陽射しが当たりすぎていないか、温度環境は適切かどうかのチェックもしておくのがおすすめです。
ポトスにカビが生えてしまった
風通しや日当たりのよい環境に置いても、白っぽいカビが生えるときは生えてしまいます。不要な布などでそっと拭ってあげてください。水や肥料をあげすぎているようなら、控えめにするのもカビ対策におすすめです。
ポトスの葉が黄色くなった・枯れてしまった
ポトスの葉が黄色くなる、枯れてしまう原因には以下のようなものがあります。
・肥料や水不足
・温度や湿度などが適していない
・葉がこみあって蒸れている
・自然現象
思い当たる原因から対処してみてください。
ポトスの増やし方や切る場所がわからない

ポトスは、伸びたつるを切って水挿しや土挿しで増やしていきます。ここでは管理がラクな水挿しのやり方を解説します。画像のつるの右側に映っている、気根が2~3つ出ている箇所が水に浸ける部分です。
ポトスは、気根から白い根っこが出てきます。そのため、切る場所は気根が2~3つ出ている部分を確保してカットするとよいでしょう。私は画像の長さくらいを目安としてカットしています。
水に浸けて、2~3週間ほどすれば発根するので、こまめに水を変えながら待ってみてください。
ポトスを育てるのに良い環境の住まい
ポトスを育てるのにおすすめの住宅環境をご紹介します。置き場所や物件探しの参考にしてみてください。
日当たりがよい住まい
ポトスを育てるのに良い住宅環境は、日当たりのよいことです。ポトスは耐陰性がありますが、基本的に日当たりを好む植物です。午前中から15時ごろまでは日光が入ってくる室内がおすすめです。
風通しが期待できる2面採光(3面採光)ならより充実した環境に
風通しが期待できる2面採光(3面採光)なら、ポトスの成長により適した環境となるでしょう。また、2面採光(3面採光)でも周辺の建物が密集していることもあるので、物件探しをしている方は現地でのチェックがおすすめです。
ポトスを育てて生活に彩りを加えよう!
ポトスの育て方やポトスの種類、育てる上での注意点、成長に適した室内環境について詳しくご紹介しました。ポトスは初心者でも簡単に育てられる丈夫な植物です。ぜひ育てて、毎日の生活に彩りを加えていきましょう。