マンションやアパートなどの賃貸物件はさまざまなライフスタイルの人たちが共同生活を行う場所です。その中でも、隣接する住居が少ない角部屋は人気のお部屋といえます。
今回は、角部屋はどのような理由で人気があるのか、どのようなポイントに注意しなければならないのかを解説します。お部屋探しをされるにあたり、角部屋のメリットと注意点を正確に把握して、自身のライフスタイルに合った生活を実現させましょう。
そもそも角部屋とは
角部屋と一口にいっても、いろいろな種類があります。一般的には、各階の端にある部屋を角部屋と呼ぶことが多いでしょう。また、建物がL字型になっている場合における「角」の部分にある部屋も角部屋として扱われることがあります。
上記2つの点から、左右どちらかが隣のお部屋に面していない部屋を角部屋と呼ぶケースが多いです。余談ですが、左右どちらとも隣のお部屋に面している部屋のことを「中部屋」と呼びます。
角部屋に住むメリット

角部屋は、中部屋と部屋の構造が少々異なり、さまざまな魅力があるといわれています。具体的にどのようなメリットがあるか、次項で詳しく確認しましょう。
角部屋のメリット①:騒音トラブルで悩む可能性が下がる
賃貸物件で悩みの種となるのが騒音トラブルです。隣のお部屋で夜な夜な宴会をしているということもあれば、足音などの生活音に悩まされるというようなものまで、騒音トラブルは賃貸物件につきものです。
角部屋に住むとなれば、面している部屋が少ないわけですから、上記のような騒音トラブルに悩まされる可能性が低いことが考えられます。
角部屋のメリット②:採光面が多いので日当たりが良い
中部屋は左右が隣のお部屋に面しているため、採光は原則バルコニー側からのみです。しかし、角部屋であれば左右どちらかは外に面しているため窓の数も多く、バルコニー以外からも採光を得ることができます。
また、日照時間の増加により、部屋が明るくなることで日中における照明器具の利用頻度が下がります。冬場の暖房の温度設定を少し下げることができるほか、暖房利用時間の減少が見込まれるため、電気代の節約効果も期待できるでしょう。
角部屋のメリット③:風通しや通気性が良く心地良い
角部屋は2方向以上に窓がありますので、窓を開けることにより空気の通り道を作ることが可能です。現在猛威を振るっているコロナウイルスや、各種感染症と換気には密接な関係があり、1時間に2回以上の換気が推奨されています。感染リスクを下げるために、角部屋を希望する方も少なくありません。
※参考:厚生労働省 「3つの密を避けるための手引き」
また、通気性が良くなればホコリやハウスダストの影響も受けづらくなるので、アレルギー対策としても有効といえるでしょう。
角部屋のメリット④:自宅玄関前を通る人が少ない
角部屋は建物の角に存在しているため、自宅玄関前をほかの住民が通るということは原則ありません。玄関ドアを開放することで、3方向から風を取り入れることができるようになり、生活環境が良くなることが期待できます。
角部屋のメリット⑤:部屋面積がほかの部屋より広い場合がある
建物を建築する際には容積率(敷地に対してどの程度の規模の建物を建築することができるかという基準)を加味して設計がなされます。容積率の上限ぎりぎりまで建築がされることも多く、角部屋がその恩恵を受けることも珍しくありません。
よく見受けられるケースとして、中部屋では共用廊下になっている部分が収納になっているなどの工夫がされていることがあります。
角部屋のメリット⑥:ベランダが広い場合がある
角部屋は建物の端に面しているため、ベランダやバルコニー部分が中部屋と比較して広く取られていることがあります。たとえば、通常のバルコニー部分が外壁に沿ってお部屋を囲むように設計されているようなケースです。広さによってはバルコニーに椅子などを設置して過ごすことも可能です。
また、ベランダの面積が広いため、洗濯物を干す作業が楽になります。ストレスが溜まりづらくなるほか、布団や毛布類などのかさばるものも簡単に干せるようになるでしょう。
開放感がほしい、おしゃれなライフスタイルを楽しみたいと考えている方は「角部屋」を条件に入れて部屋探しを行ってみてはいかがでしょうか。
角部屋に住む前に確認したい注意点

角部屋にはさまざまなメリットがある一方、メリットばかりではありません。ここからは、角部屋に住むにあたって注意すべき点や、検討しているときに確認すべき点を紹介していきます。
角部屋の注意点①:ほかの部屋よりも家賃が高めであることが多い
部屋探しの際、角部屋に絞って探す方も多く、角部屋は中部屋と比較しても人気があることは事実です。人気があるがゆえに、中部屋と比較して家賃が高く設定されることが一般的です。
たとえば単身者用の物件の場合、単純に角部屋というだけで1,000円以上は高く設定されます。お部屋の面積やバルコニーが広くなっているということであれば、それ以上高く設定されることも少なくありません。
なお、私の経験談ではありますが、新築賃貸物件を募集した場合、ほとんどの賃貸物件で最上階の角部屋から申し込みが入ります。
角部屋の注意点②:外気の影響を受けやすい
角部屋は隣のお部屋と面しておらず、外部の影響を受けやすいです。外壁やサッシの断熱性能や、建築技術の向上はまさに日進月歩といわれているものの、夏場は日当たりが良すぎるため暑くなりがちですし、冬場は逆に寒くなりやすいというデメリットがあります。
角部屋の注意点③:家具の配置に苦労する可能性がある
角部屋は中部屋と異なり、外部と面している壁面に窓が設置されていることが基本です。通常であれば、家具を配置できるスペースに窓があるために、希望の場所に家具を置くことができない可能性があります。
また、設計の関係上、角部屋ならではの出窓やコーナーが設置されていることもあります。成形された四角形ではないなどの理由から、家具の配置に苦慮することが懸念点です。さらに、配置に苦労した結果としてデッドスペースが生まれ、お部屋の面積を活かすことができなくなることも想定されます。
角部屋の注意点④:隣接する建物からの視線が気になる可能性がある
都心部に近くなればなるほど、近隣にほぼ同じ大きさの賃貸物件やオフィスビルなどが建築されていることが大半です。このような場合、角部屋は隣接する建物の利用者や居住者から見られているのではないかという不安に駆られることが想定されます。
角部屋の注意点⑤:建物外からの騒音が響きやすい環境である
賃貸物件内での騒音トラブルが軽減されるというメリットがある一方で、建物外部と多く接する角部屋においては、外部からの騒音がデメリットといえます。大きなトラックや音の大きいバイクが近くを通った際、部屋の窓が揺れるような大きな振動を感じた経験はないでしょうか。角部屋は、こういったことが頻繁に起こりうる環境にあるといえます。
高層階であれば、地上からの騒音とは距離が離れることにより軽減される傾向にあります。しかし、その分鳥害や風切り音のリスクを考慮しなければなりません。角部屋を希望する場合、角部屋ゆえの外部環境リスクがあることをあらかじめ理解しておきましょう。
角部屋の注意点⑥:空き巣に目をつけられやすい
玄関前の人通りが原則想定されにくいというメリットをお伝えしましたが、これはそれだけ視認性が悪い箇所であるとも表現できます。人に認識されづらいため、角部屋は空き巣に目をつけられやすいお部屋ともいえるでしょう。
また、角部屋は建物の壁面に面しているため、不審者が壁伝いに地上から登ってくる可能性も否定できません。空き巣被害のうち、共同住宅への侵入は全体の約13.6%となっています。(令和2年)このうち、3階建て以下は9.3%、4階建て以上は4.3%となっており、中高層の共同住宅であっても油断はできないことは明白です。
※参考:警視庁 「住まいる防犯110番 データで見る侵入犯罪の脅威」
また、空き巣被害を防止するためにチェックすべきポイントは以下のとおりです。
- 視認性に優れ、死角がないこと
- 十分な明るさの照明点灯状況
- 容易に屋上へ行くことができない
- 壁や柵、植栽などがベランダや窓への侵入経路になっていないか
驚くことに、空き巣の侵入経路の約半数は施錠をしていない窓からの侵入です。もちろん窓を割って侵入するケースがありますが、こちらは窓ガラスに防犯フィルムを貼ることで窓からの侵入を防止できます。また、窓の鍵に補助鍵を設置するのも有効なので、自分に合った方法を取り入れてみると良いでしょう。
角部屋に住むのがおすすめの人

ここまで角部屋のメリットと注意点について説明してきましたが、いったいどのような人に角部屋はおすすめといえるのでしょうか。
開放感がある部屋に住みたい人
角部屋は中部屋と異なり、窓も多く通気性も高いため、開放感があるというメリットがあります。角部屋における2面からの採光と通風は格別であり、一度味わうと中部屋に戻ることは難しいともいわれています。今まで湿気がこもりやすい閉塞感のあるお部屋に住んでいた方は、その開放感をぜひ味わってみてください。
騒音などの近隣トラブルに巻き込まれたくない人
騒音トラブルは、一戸建てなどの独立した住居で生活をしない限りなくなることはありません。しかし、角部屋を選択することで騒音トラブルが軽減されることは明らかです。
外部からの騒音は、遮音シートをガラスに貼るなどすれば軽減できます。また、自分が起こすかもしれない騒音や生活音などは、少しの注意で迷惑をかけることはほとんどなくなるはずです。
プライバシー重視で賃貸物件を選びたい人
角部屋は建物内で独立性が認められますが、近隣の建物からの視認性という点でプライバシーが気になるという点は否めません。しかし、最近はミラーレースカーテンなど外部から見えにくいレースカーテンも豊富に販売されており、少しの工夫で解消できるデメリットといえます。
工夫次第で住みやすい環境に変えることができるため、角部屋に絞って部屋探しをするときはあらかじめカーテンに関する情報収集も進めておくようにしましょう。
「角部屋」という響きだけで選ぶのではなく、本当に自分に合っているのかを確認しよう
角部屋には魅力的なメリットがある一方、注意しなければならないデメリットもあります。どのような理由で角部屋に憧れているのか、なぜ角部屋が必要なのか、その理由をよく考えてみましょう。また、物件を確認する際には窓の位置や家具のレイアウトをチェックし、実際に住み始めた後の生活を想像することも忘れないようにしてください。





