春の味覚の代表であるたけのこ。時期になるとスーパーに多く並ぶようになりますが、意外と下処理が大変なことでも有名です。
今回は、そんなたけのこの主な下処理方法である茹で方について紹介します。また、たけのこに含まれる栄養素やおいしいたけのこの見分け方などについても説明していくので、ぜひ最後までお読みください。
春はたけのこの季節!たけのこに含まれる栄養
春に旬を迎える食材の代表であるたけのこ。たけのこには、不溶性の食物繊維やカリウムなどのミネラル、ビタミンB群が豊富に含まれています。また、茹でたたけのこのカロリーは100gあたり31kcalと低め。歯応えもあるため満腹感を感じやすく、ダイエットにも効果的な食材といえます。
では、たけのこに含まれる栄養素はそれぞれ、どのような健康効果を持っているのでしょうか?
不溶性食物繊維
たけのこには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不要性食物繊維は腸の蠕動運動を促進する効果を持っているため、便秘の改善に効果が期待できます。
カリウム
たけのこには、カリウムなどのミネラルも豊富に含まれています。カリウムは体内でナトリウムと拮抗しているため、カリウムを摂取することで逆にナトリウムが体外に排泄されるようになり、高血圧に効果が期待できると言われています。
ビタミンB群
たけのこにはビタミンB群も豊富に含まれており、体内で糖質やたんぱく質の代謝を助ける働きを持っています。
美味しいたけのこの見分け方

料理をおいしくするためには、調理法も大切ですが、品質の良い食材を見分けることが重要です。美味しいたけのこを探し当てるには、たけのこのどの部分に注目すればよいのでしょうか?
穂先を確認する
美味しいたけのこを見分けるために注目して欲しい一つ目のポイントは、穂先です。
美味しいたけのこの穂先は黄色く、古いものは緑色に近くなります。これは、たけのこの光合成によるもので、穂先が土から出ると光合成を始め、えぐみが増えるといわれています。
根元を確認する
注目して欲しい二つ目のポイントは、たけのこの根本です。
収穫されてから時間が経つと、たけのこから水分が抜けていき、味や風味が落ちていきます。そのため、根本の切り口が白くみずみずしいものを選ぶようにしましょう。
水分が抜けたたけのこは、あくにより根本が茶色くなりますので、選ぶ際の参考にしてください。
皮の色を確認する
注目ポイントの三つ目は、皮の色です。
美味しいたけのこの皮は、薄茶色です。逆に、緑色や黒色に近いものは、日光にさらされているため、えぐみが強い可能性が高いです。
乾燥具合を確認する
美味しいたけのこを選ぶためには、乾燥具合を確認することも重要です。
たけのこは、「お湯を沸かしてから掘りに行け」と言われるほど鮮度が重要とされている食材です。美味しいたけのこを見分けるためには、乾燥具合を確認することが必要になります。
そのためには「重量のあるもの」「やわらかい毛が残っているもの」「皮や根元がみずみずしいもの」を選ぶことが重要です。
また、たけのこは買ってすぐに茹でることで美味しく食べることができます。購入するのは、すぐに下処理ができるタイミングが望ましいですね。
たけのこ調理の天敵・アク抜きが簡単にできる!おすすめの茹で方

たけのこは、生では食べることができず、アクも抜かなければならないため、どんな料理に使う際でもまずは茹でる必要があります。そのため、その工程の多さから「たけのこが食べたいけど面倒…」と思ってしまう、いわばたけのこ調理の天敵といえます。
ここからは、そんなたけのこの天敵であるアク抜きを簡単にする方法をご紹介します。
たけのこを茹でるのに用意しておきたいもの
たけのこを茹でるためには、まずは以下のものを用意しておきましょう。
・大きめの鍋
・たっぷりの水
・米ぬか、米のとぎ汁、生米、重曹などのあくぬき用の材料
・竹串
たけのこを茹でる目的は、火を通すこととアクを抜くことです。そのため、大きめの鍋にたっぷりのお湯を沸かし、火にかける必要があります。
こういった下処理には、広いキッチンなどが必要になります。今のキッチンが狭くて困っているという方は、システムキッチンが付いた物件を選ぶのがおすすめです。
【STEP1】たけのこをよく洗って皮付きのまま適度な大きさに切る
まず、たけのこについている土や汚れをしっかりと流水で洗いましょう。
たけのこは皮付きのまま調理するため、先端を斜めに切り落とし、根元を1cmほど切り取ります。その後、縦半分に切るか、鍋に入るサイズにカットします。このとき、火が入りやすいように外皮を2枚ほど剥いておいてもOKです。ただし、剥き過ぎには注意しましょう。
【STEP2】①米ぬかを使った基本のアク抜き
まずは、米ぬかを使った基本的なたけのこのアク抜き方法をご紹介します。
必要になる分量
・米ぬか…1/2カップ
・水…たけのこが浸かる量
アク抜き方法
①鍋にたけのこを入れ、たけのこが完全に浸るまで水を注ぐ。
②米ぬかを入れ、火にかける。
③沸騰したら弱火にし、約1時間ほど煮る。竹串を刺してスッと通るようになったら火を止める。
【STEP2】②米のとぎ汁を使ったアク抜き
米ぬかがない場合は、米のとぎ汁を使っても効率的にアク抜きをすることができます。
必要になる分量
・米のとぎ汁…一番とぎ汁が望ましい
・水…たけのこが浸かる量
アク抜き方法
①米のとぎ汁を用意し、たけのこが完全に浸る量の水とともに鍋に入れる。
②沸騰後、弱火で約1時間ほど煮る。
この際、とぎ汁の量や濃度が少ないとうまくアクが抜けないため、2合以上のお米をしっかり洗った、一番最初のとぎ汁を用いるのがおすすめです。
【STEP2】③生米を使ったアク抜き
生米を使うことでも、たけのこのアクを抜くことができます。
必要になる分量
・生米…1/4カップ
・水…たけのこが浸かる量
アク抜き方法
①鍋にたけのこを入れ、水を注ぐ。
②生米を加え、火にかけて沸騰させる。
③弱火で1時間煮て、竹串を刺して確認する。
【STEP2】④重曹を使ったアク抜き
様々な用途がある重曹は、たけのこのアク抜きにも効果的。備えておけばキッチン周りの清掃にも使えます。
必要になる分量
・重曹…小さじ1
・水…たけのこが浸かる量
アク抜き方法
①鍋に水と重曹を入れ、たけのこを加える。
②沸騰後、弱火で1時間ほど煮る。
③竹串が通るようになったら終了。
【STEP3】茹で上がったたけのこの皮をむく
アク抜きを終え、たけのこが茹で上がったら、冷ましてから皮をむきましょう。このとき、使いやすい大きさにカットしておくと、調理がしやすくなります。
【時短】電子レンジを使ったたけのこの茹で方
下処理の時間がない場合や、ガスを長時間使いたくない場合には、電子レンジを使って茹でるという方法もあります。生米があれば簡単にできるため、ぜひ試してみてください。
①皮付きのたけのこを適当な大きさに切り、外皮をむいておく。
②切ったたけのこを耐熱容器に入れ、たけのこがかぶさるぐらいの水とお米を1/4カップ入れた後、ラップをする。
③600Wで10〜15分程度加熱し、竹串を刺して火の通り具合を確認し、柔らかくなっていれば完成。
たけのこの保存方法

たけのこは鮮度が命なので、茹でた後はなるべく早く消費することが望ましいですが、もちろん消費しきれず保存しなければならない場合もあるでしょう。
下処理を行って茹でたたけのこは、密閉容器に入れて冷蔵庫で保管するか、水を張った容器に入れて冷蔵庫で保管するかのどちらかがおすすめ。密閉容器の場合は3日程度、水を張った容器に入れた場合は2日ごとに水を入れ替えれば1週間程度は保存可能です。
また、冷凍保存も可能です。スライスして水気を拭き取ったあと、密閉袋に入れ冷凍庫で保存しましょう。冷凍の場合でも、味や風味を楽しみたいのであれば、1週間以内に食べることが望ましいです。
また、冷凍したたけのこは解凍後に少し食感が変わりますが、煮物や炒め物などに使えば違和感なく食べられるでしょう。
たけのこを使ったおすすめレシピ8選
ここからは、管理栄養士が考案したたけのこを使ったレシピを8つ紹介します。4つはたけのこを用いたポピュラーなレシピ、もう4つは一風変わったレシピとなっています。どれも簡単に調理することができるレシピとなっているので、ぜひ参考にしてみてください。
たけのこの土佐煮

材料(4人分)
・ゆでたたけのこ…300g
・だし…200ml
・醤油…大さじ2
・みりん…大さじ2
・酒…大さじ1
・かつお節…ひとつかみ
作り方
①たけのこを食べやすい大きさに切る。
②鍋にだし、醤油、みりん、酒を入れて煮立たせる。
③たけのこを鍋に入れ、10分ほど中火で煮る。
④最後にかつお節を加え、全体に混ぜて火を止めたら完成。
たけのこの炊き込みご飯

材料(4人分)
・米…2合
・ゆでたたけのこ…100g
・にんじん…1/2本
・だし…300ml
・醤油…大さじ2
・みりん…大さじ1
・酒…大さじ1
作り方
①米を研いで炊飯器にセットし、だしを加える。
②たけのことにんじんを細切りにして、炊飯器に入れる。
③醤油、みりん、酒を加え、通常の炊飯と同様に水を加え炊く。
④炊き上がったら、全体を混ぜてから盛り付けて完成。
たけのこの天ぷら

材料(4人分)
・ゆでたたけのこ…150g
・小麦粉…1/2カップ
・冷水…1/2カップ
・サラダ油…適量
・塩…少々
作り方
①たけのこを薄く切る。
②小麦粉と冷水を混ぜて天ぷら衣を作る。
③たけのこに衣をつけ、180度の油でカリッと揚げる。
④衣がきつね色になったらあげ、塩を振って完成。
たけのこの煮物
材料(4人分)
・ゆでたたけのこ…200g
・こんにゃく…1枚
・醤油…大さじ2
・みりん…大さじ2
・砂糖…小さじ1
・だし…200ml
作り方
①たけのことこんにゃくを食べやすい大きさに切る。
②鍋にだし、醤油、みりん、砂糖を入れて煮立たせる。
③たけのことこんにゃくを加え、中火で10分ほど煮たら完成。
たけのこのカルパッチョ
材料(2人分)
・ゆでたたけのこ…100g
・オリーブオイル…大さじ2
・レモン汁…大さじ1
・塩…少々
・黒こしょう…少々
・パルメザンチーズ…適量
・イタリアンパセリ…少々
作り方
①たけのこを薄くスライスする。
②オリーブオイル、レモン汁、塩、黒こしょうを混ぜ、カルパッチョソースを作る。
③お皿にスライスしたたけのこを並べ、ソースをかける。
④上からパルメザンチーズとイタリアンパセリを散らして完成。
たけのことアボカドのサラダ
材料(2人分)
・ゆでたたけのこ…100g
・アボカド…1個
・トマト…1個
・オリーブオイル…大さじ2
・レモン汁…大さじ1
・塩…少々
・黒こしょう…少々
作り方
①アボカドは種を取り、トマトはヘタを取る。好みで湯剥きする。
②たけのこ、アボカド、トマトを一口大に切る。
③ボウルに全ての具材を入れ、オリーブオイル、レモン汁、塩、黒こしょうで和えたら完成。
たけのこ入りオムレツ
材料(2人分)
・ゆでたたけのこ…50g
・卵…2個
・牛乳…大さじ1
・塩…少々
・バター…10g
作り方
①たけのこをみじん切りにする。
②ボウルに卵を割り入れ、牛乳と塩を加えて混ぜる。
③フライパンにバターを溶かし、たけのこを炒める。
④卵液を流し入れ、半熟になるまで卵液を混ぜる。
⑤半熟状態になったら、フライパンをとんとんし、手前から卵を包んでいき、完成。
たけのこのペペロンチーノ風
材料(2人分)
・ゆでたたけのこ…100g
・オリーブオイル…大さじ2
・にんにく…1片
・赤唐辛子…1本
・塩…少々
・パスタ…200g
作り方
①パスタを規定時間茹でる。
②たけのこを薄切りにし、にんにくは皮をむいてみじん切り、赤唐辛子は種を除いて輪切りにする。
③フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくと赤唐辛子を炒める。
④香りが出てきたら、たけのこを加えて炒め、塩で味を調える。
⑤茹で上がったパスタと混ぜ合わせて完成。
たけのこを美味しく茹でて春の味覚を満喫しよう!
春の味覚であるたけのこ。美味しく食べるためには、見分け方と正しい下処理の方法を理解する必要があります。
しかし、今回紹介した方法を活用していただければ、美味しく簡単にたけのこを楽しむことができるはずです。
また、いつも通りのたけのこの食べ方に飽きてしまったという方は、ぜひ今回紹介したレシピを活用してみてください。