魚焼きグリルは魚を焼くだけでなく、さまざまな料理で活躍する便利なアイテムです。しかし、グリルの使用後の油汚れや焦げ付きが気になる方も多いのではないでしょうか。グリルの汚れは主に油汚れと焦げ付きです。正しい方法で掃除をすれば、キレイな状態を保つことは可能です。
今回は、魚焼きグリルの掃除方法、キレイに保つ方法を解説しています。グリルを使って料理を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
魚焼きグリルにつく主な汚れ
魚焼きグリルにつく主な汚れは、次の2種類です。
・焦げ
・油汚れ
魚や肉などのたんぱく質は熱すると周囲にくっつきやすくなるため、グリルで調理をするとそれが網や受け皿に固く張り付き、焦げとして残ります。焦げを放置すると炭化して固くなり、落ちにくい汚れとなるのです。
また、魚焼きグリルはその構造上、食材から出た余分な油が受け皿に落ち、周囲に油が跳ねて広がります。そのため、網や受け皿、庫内全体に油汚れが付着してしまいます。油汚れもすぐに掃除しないと頑固な汚れとなり、取り除くことが大変です。
魚焼きグリルにおすすめの掃除道具
まずは、魚焼きグリルの掃除に便利なおすすめの掃除用具を紹介します。
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは、アルカリ性のナチュラル系洗剤です。水に溶けやすく油汚れに強いことが特徴です。粉末のセスキ炭酸ソーダ小さじ1/2杯を水200mlに溶かし、セスキ水としてスプレーして使用します。
重曹
重曹は、セスキ炭酸ソーダよりも弱いアルカリ性の洗剤です。少量の水を加えて研磨剤として使用できる特徴があります。こびりついた油汚れを擦って落としたいときに重宝します。
クエン酸
クエン酸は、酸性の性質を持つナチュラル洗剤です。水200mlに対し小さじ1/2杯のクエン酸粉末を溶かしたクエン酸水は、魚焼きグリルに残った魚の匂いを取り除く際に活躍します。レモン汁やお酢でも代用できます。
新聞紙やキッチンペーパー
油の多い魚焼きグリルの掃除には、使い捨てができる新聞紙やキッチンペーパーが便利です。グリルに残ったゴミをまとめたり、セスキ水のパックをする際にも活躍します。
卵の殻
意外に思われるかもしれませんが、卵の殻も掃除に使用できます。卵の殻はカルシウムでできており、研磨剤として汚れ落としに便利です。卵の殻をビニール袋に入れ、スプーンで叩いて細かく砕きます。洗剤をつけたスポンジの上に砕いた殻を乗せ、磨いて使用します。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は、40〜60度のお湯で溶かすことで酸素を放出し、汚れやシミを分解し浮かび上がらせます。魚焼きグリルについた頑固な油汚れや焦げも、つけ置きすることですっきりと取り除くことができます。
使用後すぐに行う場合の魚焼きグリルの掃除方法
魚焼きグリルの掃除を手軽に済ませるためのポイントは、使用後すぐ、グリル自体が冷めないうちに掃除をすることです。
冷めて油汚れがこびりつかないうちに掃除をすると、簡単に落とせます。
焼き網と受け皿の掃除方法
魚焼きグリルの焼き網と受け皿の掃除方法を解説します。
使用する掃除用具
使用したての魚焼きグリルを掃除するのであれば、普段食器洗いに使用している次のものがあれば十分です。
・食器洗い用中性洗剤
・スポンジ
・ブラシ
・セスキ炭酸ソーダ
・重曹
・新聞紙やキッチンペーパー
汚れや焦げ付きがひどい場合には、セスキ炭酸ソーダや重曹を使いましょう。
掃除の手順
掃除の手順を解説します。
1.受け皿や網を取り外し、分解する。
2.網についた焦げやグリル皿に落ちた油が多い場合には、新聞紙やキッチンペーパーで拭き取る。
3.中性洗剤をスポンジにつけて洗う。
4.洗い流す。
中性洗剤だけで汚れが落ちにくい場合は、セスキ炭酸ソーダ水や重曹を使用すると油分の酸性が中和されて落ちやすくなります。焦げ付きを取るために、卵の殻を砕いたものでこすったり、しばらくぬるま湯につけておく方法も効果的です。
魚焼きグリル庫内の掃除方法
次に、魚焼きグリル庫内の掃除方法についてみていきましょう。
使用する掃除用具
庫内の掃除には、次の道具を用います。
・食器洗い用中性洗剤
・スポンジ
・ブラシ
・セスキ炭酸ソーダ
・重曹
・新聞紙やキッチンペーパー
・割り箸
・カード(不要なクレジットカードなど)
掃除の手順
グリル庫内の掃除の手順を紹介します。
1.外せるパーツがあれば外し、焼き網や受け皿と同様に洗剤で洗う。
2.庫内の油汚れにはセスキ炭酸ソーダをスプレーし、キッチンペーパーを貼り付けて30分ほどパックする。
3.剥がしたキッチンペーパーで汚れを拭く。
4.庫内にこびりついた汚れはカードでこそげ落とす。細かい部分は割り箸にキッチンペーパーを巻いたもので掃除する。
5.最後に濡らしたキッチンペーパーで全体を拭く
掃除をするときの注意点
魚焼きグリルの使用後すぐに掃除をする際には、必ず手で触れる程度まで冷めていることを確認してから行いましょう。火傷の恐れがあるためです。
また、最近の魚焼きグリルは汚れや傷を防止するためのコーティングが施されているものがほとんどです。強くこすることでコーティングを剥がしてしまう恐れがあるため、力加減には注意しましょう。
放置して頑固な汚れが付いてしまった魚焼きグリルの掃除方法
魚焼きグリルは使用後放置したまま時間が経つと、汚れがこびりつき、通常の方法では落としにくくなります。時間が経過し、頑固な汚れがついてしまった魚焼きグリルの掃除方法についても見ていきましょう。
焼き網と受け皿の掃除方法
まずは、焼き網と受け皿の掃除方法を紹介します。
使用する掃除用具
頑固な汚れのついた焼き網と受け皿を掃除する際には、酸素系漂白剤を使います。酸素系漂白剤を扱う際には、手が荒れないようゴム手袋を装着しましょう。
・スポンジ
・ブラシ
・酸素系漂白剤
・ゴム手袋
・ゴミ袋または大きめの桶
掃除の手順
掃除の手順を解説します。
1.ゴミ袋を段ボールに広げたもの、または網・受け皿が入る大きさの桶に、40~50度のお湯を入れる。
2.酸素系漂白剤をパッケージの表示通りに溶かす。
3.網と受け皿を溶液に浸し、30分程度つけ置きする。
4.浮いてきた汚れをスポンジやブラシで落とす。
5.しっかりと洗い流す。
魚焼きグリル庫内の掃除方法
次に、頑固な汚れがこびりついた魚焼きグリル庫内の掃除方法を紹介します。
使用する掃除用具
使用する掃除用具は、以下の通りです。油汚れを除去するために、セスキ炭酸ソーダ水より強力なアルカリ性である「アルカリ電解水」を使用しても良いでしょう。
・酸素系漂白剤
・ゴム手袋
・大きめの桶
・スポンジ
・ブラシ
・アルカリ電解水(セスキ炭酸ソーダ水)
・重曹
・新聞紙やキッチンペーパー
・割り箸
掃除の手順
頑固な汚れのついたグリル庫内の掃除の手順を紹介します。基本的には、使用後すぐに行う場合の庫内の掃除と同じ方法で掃除します。
1.外せるパーツがあれば外し、焼き網や受け皿と同様に酸素系漂白剤でつけ置きする。
2.庫内の油汚れには、アルカリ電解水(またはセスキ炭酸ソーダ水)をスプレーし、キッチンペーパーを貼り付けて30分ほどパックする。
3.剥がしたキッチンペーパーで汚れを拭く。
4.こびりついた汚れは、カードでこそげ落とす。細かい部分は割り箸にキッチンペーパーを巻いたもので掃除する。
5.最後に濡らしたキッチンペーパーで全体を拭く
掃除をするときの注意点
酸素系漂白剤をつけ置きをした場合は、掃除後に成分が残らないよう、しっかりと水で洗い流しましょう。
また、ひどい焦げのこびりつきがあった場合、カードや金ベラなど固いものでこそげ落とすことで除去できますが、庫内が傷つくことがあります。メーカーが推奨していない場合も多くあるため、どうしても焦げを落としたい場合には、自己責任での使用となります。
気になる臭いが付いてしまった魚焼きグリルの掃除方法
魚焼きグリルは、掃除をしても魚を焼いたあとの臭いが気になる場合があります。臭いが気になる場合は、通常の掃除に加えて臭い対策を行いましょう。
臭いを取り除く方法
魚焼きグリルに残った臭いを取り除く方法は、複数あります。
・クエン酸をスプレーして拭き取る
・空焼きをする
簡単にできる上記の方法について紹介します。
クエン酸をスプレーして拭き取る
魚焼きグリルについた魚の匂いには、酸性の洗剤が効果的です。酸性の洗剤である、クエン酸水をグリルの庫内にスプレーして拭き取ると、魚臭さがスッキリと落とせます。クエン酸水が用意できない場合、レモン果汁やお酢などでも代用できます。
空焼きをする
空焼きをすると臭いの軽減に役立ちます。グリルの掃除をしたあとに、網を取り出した状態で5分ほど焼きます。魚焼きグリルに臭いが付きにくくなる効果もあるためおすすめの方法です。
臭いを取り除くときの注意点
酸性洗剤で魚焼きグリルの匂いを取り除く際には、クエン酸やお酢・レモン果汁など、安全なものを使用しましょう。酸性の洗剤は金属類を傷める可能性があります。使用後はしっかりと拭き取ることが大切です。
また、空焼きをする際には換気扇を回し、しっかりと換気して臭いを外に逃すことがポイントです。
魚焼きグリルをキレイに使う方法
使用するとどうしても汚れてしまう魚焼きグリルですが、普段から汚れがつきにくい工夫をすることで、掃除が格段に楽になります。ここからは、魚焼きグリルをキレイに使う方法について紹介します。
使ったらすぐに掃除をする
魚焼きグリルの使用後は、できるだけ早めに掃除をすることが重要です。グリルの庫内についた油は、何度も加熱されることにより頑固な焦げに変化していきます。油分がや焦げが固まる前に落とせば、手間をかけることなくキレイになります。
アルミホイルを敷いておく
網の上にアルミホイルを敷き、その上に食材を乗せて焼く方法もあります。汚れが直接焼き網につかないので、掃除が楽になります。
ただし、サバやサンマ、鶏もも肉など、油の多い食材を焼く際には注意が必要です。アルミホイルに油がたまり、引火する恐れがあるためです。グリルによってはアルミホイルの利用について注意書きがある場合もあるので、確認してみましょう。
グリルストーンを使用する
グリルストーンとは、グリルの受け皿に敷いて使用する敷石です。受け皿に入れておくと、食材から出る油や臭いを吸収したり、食材をふっくらと焼き上げたりするメリットがあります。100円ショップなどでも売られており、1度購入すれば3〜4回使用できるので、ぜひ使用してみてください。
受け皿に水と片栗粉を入れておく
魚焼きグリルの受け皿に水と片栗粉を入れておく方法もおすすめです。水300mlに対し、片栗粉大さじ4杯の割合で受け皿に入れ、通常通りグリルを使用します。加熱すると食材から出た油が受け皿に落ち、片栗粉と混ざります。
使用後に片栗粉が冷えて固まるまで置いておくと片栗粉が油と一緒に固まり、ゼリー状になって取れるため、掃除が簡単です。
グリル対応のフライパンを使う
魚焼きグリルに対応したフライパンも便利です。グリルの網や受け皿に油が落ちないので、掃除が楽になります。グリル対応のフライパンを使用すれば、グラタンやハンバーグなどが手軽に作れるため、料理の幅も広がります。
魚焼きグリルをキレイに使おう!
今回は、魚焼きグリルの掃除方法、キレイな状態を保つ方法を解説しました。
魚焼きグリルの掃除を楽にしたいなら、使用後できるだけ時間を置かず、すぐに掃除をすることが重要です。汚れがこびりついてしまったとしても、アルカリ性の洗剤を適切に使用して掃除をすれば汚れは落とせます。掃除と汚れの防止対策を組み合わせ、魚焼きグリルをキレイな状態で長く使い続けましょう。