「せっかくお湯をいれたのに、作業などをしてたらいつの間にか冷めてしまった…」という経験がある方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。一度お湯が冷めてしまうと熱いお湯を足し湯したり、またお湯をいれなおしたり、手間がかかりますよね。
そんな時に役立つのが、追い焚き機能です。今回は、追い焚き機能のメリットやデメリットから、実際に有効活用している我が家の体験談まで詳しく解説します。これから物件を探す予定の方、追い焚き機能についてより詳しく知りたい方、ぜひ参考にしてみてください。
浴室の「追い焚き機能」とは

まずは、浴室の追い炊き機能そのものについて解説しましょう。追い炊き機能とは、浴槽内にあるお湯が冷めてしまった時、沸かし直してくれる機能のことです。お湯を入れ替えたり、熱いお湯を新たに加えたりせずに温められます。
この追い焚き機能には、「自然循環方式」「強制循環方式」の2つの仕組みがあります。
追い焚き機能の仕組み①:自然循環方式
自然循環方式は、循環口が上下に2つ並んでいるのが特徴です。下の循環口から冷えたお湯を吸引して内部の風呂釜で温め、上の循環口から熱いお湯を排出し、お風呂のお湯を循環させて温めていきます。
ただ、浴槽内の上部が熱く、下部が冷たいという状態になりやすいので、入浴する前には浴槽の水をかき混ぜるようにしましょう。
自然循環方式の配管は短くする必要があるため、基本的に給湯器をお風呂場の横に設置する必要があります。配管が短いため、雑菌が繁殖しにくいのがメリットです。
追い焚き機能の仕組み②:強制循環方式
強制循環方式は、循環口が1つだけです。冷えたお湯を吸引するのも、温めなおした熱いお湯を排出するのも同じ循環口です。
ポンプを使ってお湯を循環させているので、自然循環方式とは違い、浴槽の水温にむらが出にくいのがメリットです。給湯器も、浴槽から比較的離れた場所でも設置できますよ。
とっても便利!追い焚き機能の3つのメリット
人気のある「追い焚き機能」ですが、どんなメリットがあるのでしょうか。私が考える、主なメリットを3つ紹介いたします。
メリット①:時間を気にせず温かいお風呂に入ることができる
「追い焚き機能」の最大のメリットは、やはり時間を気にせず温かい湯船に浸かれることです。特にお湯が冷めやすい冬場には、短時間で温めなおすことができる追い炊き機能があれば大助かりです。
- 家族でお風呂に入る時間が異なる場合
- 先に子どもだけをお風呂に入れておいて、大人は後でお風呂に入る場合
- 半身浴など長時間湯船に浸かる場合
など、さまざまなライフスタイルにおいて、追い炊き機能は役に立つでしょう。
メリット②:水道代が節約できる
お湯が完全に冷めてしまった場合、お湯を入れ替えるケースもあるでしょう。この場合、ガス代だけでなく水道代もかかりますが、追い焚き機能を使えば、ガス代だけで水道代は不要になります。
なお、追い焚き機能がついている場合、基本的に「自動お湯張り機能」も備わっていることが多いです。これは自動で一定の水位までお湯張りをしてくれる機能で、こちらも活用すれば「いつの間にかお湯が溢れてしまっていた…」ということもなく、水道代の節約に繋がるでしょう。
メリット③:追い焚き機能以外の便利な機能も備わっている
追い焚き機能がついている場合、上記で紹介した「自動お湯張り機能」のように、他にも便利な機能がついているケースがほとんどです。
- 一定温度を保つ「保温機能」
- リビングへ呼び出し音を鳴らすことができる「呼び出し機能」
- 帰宅時間等に合わせてお湯を入れることができる「予約機能」
- お湯が減ったら足し湯をしてくれる「足し湯機能」
など、さまざまな機能があります。
詳細はメーカーや種類、そして設置されている物件によって異なりますが、これらの機能は非常に便利です。バスタイムを充実したものにしたいとお考えなら、追い焚き機能付きの物件を探してみましょう。
子育て中の私が思う、追い焚き機能の魅力

夫の転勤に伴い、賃貸住宅を転々としてきた我が家。中でも住宅についていた追い焚き機能は、子育て中の私たちにとってまさに救世主とも呼べる、非常にありがたいものでした。
子どもが乳幼児のころは、あまり熱いお湯にいれるわけにもいきません。子どもだけを先にお風呂にいれて、寝かせてから私だけ後からお風呂に入ることもありました。ただでさえ温めに張っていたので、もちろん時間経過でほぼ冷めている状態に。それでも追い焚き機能がついていたので、すぐに温かいお湯に入れ、子育て中でもリラックスした時間を過ごすことができました。子育てのストレスも、お風呂でリラックスすることで解消されました。
また、追い焚き機能がついたお風呂によくついている「呼び出し機能」も非常に便利です。夫が乳幼児期の子どもをお風呂に入れていた時には、子どもがあがるタイミングで呼び出しボタンを押してもらっていました。私が呼び出し音を聞き、抱っこをしに浴槽に向かいます。そしてリビングで子どもにオムツやパジャマを着せている間に、夫は追い焚きボタンを押して温かいお風呂にゆっくり浸かっていました。
このように、特に乳幼児の子育て中には、追い焚き機能つきのお風呂は非常に心強い味方になってくれるでしょう。
浴室の追い焚き機能がおすすめのケース3選
これまで、私の実体験も含めて追い焚き機能の利便性についてお伝えしてきましたが、具体的にどんな人におすすめなのでしょうか。ここからは、追い焚き機能付き浴室がおすすめのケース・ライフスタイルに合わせた使い方についてお伝えします。
ケース①:家族の生活スタイルが違う
生活スタイルが違う家族やカップルで同居している場合、最後にお風呂に入る人はお湯が冷めてしまっていることもあるでしょう。追い焚き機能があれば、足し湯やお湯の入れ替えをしなくても、時間を気にせずいつでも温かいお風呂に入ることができます。
ケース②:小さい子どもがいる
子どもがいるファミリー世帯にも、追い焚き機能つきの浴室はおすすめです。子どもの肌は、繊細で乾燥しやすいもの。特に冬場などは子どもだけを先にお風呂にいれ、その後温度を上げてから大人が入浴するのがいいでしょう。
ケース③:長風呂が好き
お風呂に長時間入って読書をしたり、防水ケースを利用してスマホを見たり、アロマを楽しんだりする人もいるでしょう。長風呂をする場合、追い焚き機能を使って温度を一定に保つことができるので、身体が冷える心配もありません。
このように、ライフスタイルによってお風呂に入るタイミングや長さは異なります。追い焚き機能つき物件を選べば、お風呂に関する悩みを最小限にできるかもしれません。
ここは注意!追い焚き機能のデメリット3つ
追い焚き機能は非常に便利ですが、もちろん注意点やデメリットもあります。
デメリット①:家賃が高めに設定されている場合が多い
追い焚き機能がついている物件は、ついていない物件に比べて家賃が高めに設定されているケースが多いです。追い焚き機能を使う回数がそれほど多くない方は、毎月の家賃との差額を考えても、必要な時にお湯を入れ替えた方が結果的にコストが安く済むかもしれません。
デメリット②:定期的に配管の掃除が必要
追い焚き機能つきの浴槽は、循環口から配管を通じて水を吸い込み、温かいお湯がでてくる仕組みです。この配管には髪の毛や水垢などの汚れが詰まりやすくなっているため、定期的に掃除が必要になります。
ただし、掃除といってもそれほど大がかりなものではありません。薬局などで売られている専用の洗剤を用いて、月1回程度の掃除を行いましょう。
デメリット③:入浴剤によっては使えないものがある
お風呂でのリラックスタイムに入浴剤を使う、という方もいらっしゃるでしょう。しかし、入浴剤の成分によっては配管や給湯器を痛めてしまう可能性があるため、追い焚き機能付きの浴槽では使えません。入浴剤に記載されている使用上の注意をしっかりと読んでから、購入するようにしましょう。
追い焚き機能のメリット・デメリットを把握した上で、ご自身のライフスタイルにあった物件を探してみてくださいね。
浴室の追い焚き機能を賢く使う節約ポイント3選

とても便利な上に水道代の節約にもなる追い焚き機能ですが、もっと節約したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。そこでここからは、我が家が実践している節約術を紹介いたします。
節約ポイント①:追い焚き機能は浴槽に入る直前に使用する
追い焚き機能を使っても、しばらくお風呂に入らなければ冷めてしまい、再度追い焚き機能を使わなければいけない事になります。機能を使う回数が多ければ多いほどガス代がかかってしまうため、我が家ではお風呂に入る直前か、身体を洗っている間に追い焚き機能を使うようにしています。
節約ポイント②:家族がいる場合、できるだけ間隔をあけずに入浴する
我が家は小さな子どもがいるため、どちらか大人が子どもと一緒に入浴するようにしています。子ども達と一緒にお風呂に入った夫が、子ども達の入浴後に追い焚き機能を使った場合、私も夫がお風呂から出てきたらすぐにお風呂に入るようにしています。
そうすることで、私もまだあたたかいお湯に浸かることができ、追い焚き機能を使うタイミングも1度のみで済みます。
節約ポイント③:追い焚き機能があってもお風呂の蓋はこまめにしめる
冬場は特にお湯が冷めやすいので、追い焚き機能が備わっていたとしてもお風呂の蓋はこまめにしめています。お湯を入れる時はもちろん、自分があがった後に家族が入るまでの短時間でも蓋をすることで、温度の低下を防ぐことができます。
浴室の追い焚き機能で充実した生活を送ろう
追い焚き機能があれば、より充実したバスタイムを過ごすことができます。特に子育てで忙しいご家庭にとって、追い焚き機能はとても重宝しますよ。
メーカーによって追い焚き機能つき給湯器の特徴は異なりますので、内見の際には、浴室にあるボタン機能もしっかり確認するようにしましょう。

