手軽な収納アイテムを使って、デッドスペースから第2の空間を作ることが可能です。
実は、デッドスペースには2種類あります。ひとつは、見た目からして明らかに使われずに、持て余している空間「見た目のデッドスペース」です。もうひとつは、平面を占有しているものを壁(ない場合は壁を作って)に貼り付けて空間を利用することで、ここもデッドスペースだったのかと気付く「気付きのデッドスペース」です。
地味な収納作業にも新たな発見があり、暮らしが楽しくなります。ぜひデッドスペースの活用に取り組んでみませんか?
収納場所が足りなくてお悩みの方や、デッドスペースを有効活用したいと願っている方に、どんなデッドスペースもアクティブスペースに変え、収納場所を作る方法をお伝えします。手に入りやすいちょっとした収納グッズを使うことで、暮らしの快適さにつながりますよ。
デッドスペースとは
「収納場所が足りない!」というお悩みはよく聞きます。必要だと思って買ったものの、いざ家の中で置く場所がない・・・といった経験はありませんか?
そんなときこそ、一度立ち止まってお部屋の空間を見回してみてください。ちょっとした隙間、意外な空間が使えるのに放置されていることがよくあります。冒頭にも書いた「見た目のデッドスペース」「気付きのデッドスペース」を探してみましょう。
見逃しているかも?実は収納スペースになるデッドスペース
家具のまわりに目を向けてみましょう。
以下のような場所が収納スペースになるデッドスペースの例です。
・テーブルやソファーの下
・ベッドの下
・デスクまわり
・洗濯機置き場(洗濯機上や横のスペースなど)
・室内の壁面や欠けた部分
・押し入れやクローゼットの中
これらの空間は、意外なほど有効に活用できる場所です。例えば、収納ボックスや引き出しを使って整理し、そこに季節ごとの衣類や雑貨をしまえます。また、壁に棚を取り付けて、本やディスプレイアイテムを飾ることも可能です。収納の扉を開けてみると、思いもよらないスペースが広がっているかもしれません。
家具のまわりや収納スペースを見直し、使えていない空間を見逃さないようにしましょう。これによって収納の悩みが解消され、生活空間がすっきりと整います。
デッドスペースを収納スペースに変えるアイテム6選
それでは、そんな空間をデッドスペースからアクティブな収納スぺースに変えるアイテムをご紹介していきます。
突っ張りポール
突っ張りポールは、細いものから太いものまで、さまざまなアイテムを収納することが可能です。その自在な長さのおかげで、さまざまな場所で手軽に活用できます。固定場所がわずかで済みながら、収納力が格段に増えると言えるでしょう。少ないスペースでも、以下のような活用方法が可能です。
キッチン
突っ張りポールを使って調理道具やフックを取り付け、キッチンまわりをすっきりと整理しましょう。調味料やタオルなどを収納できます。
ランドリースペース
突っ張りポールを使って、洗濯バサミや洗濯物のハンガーを掛けるスペースを作りましょう。洗濯グッズの収納にも便利です。
バスルーム
突っ張りポールを使って、バスタオルやバスグッズを掛けるスペースを作りましょう。浴室内の収納スペースを有効活用できます。
これらは突っ張りポールの一部活用例ですが、実際にはさまざまな場所や用途で活用が可能です。自分の生活スタイルや収納ニーズに合わせて、突っ張りポールを上手に活用してみましょう。
ステンレスブックエンド
ステンレスのブックエンドは、このように棚で書物を仕切るために使われているものです。しかし、これにマグネットを使うと、壁となり台となり、いろいろな役をしてくれます。100均でもいろんなサイズがあるので、ぜひ使いこなしていきましょう。
マグネット収納
最近では、さまざまなマグネット収納用品が販売されています。よくあるのは、洗濯機横の隙間用のものです。雑多になりがちな洗濯用品や風呂用品の収納場所を作ると、使うものの近くにお行儀よく収まって、作業効率も上がります。
収納ボックス
平面で底面積のある隙間には、積極的に収納ボックスを活用しましょう。最近では、ベッドやソファーに引き出しや物入れが組み込まれているものも増えています。
しかし、そうでない場合は、ベッドやソファーの下がデッドスペースになっていることが多いのです。そんなスペースには掃除を行き届かせるのも手間なので、思い切って収納スペースに変えてみましょう!
S字フック
S字フックは手軽に使える収納アイテムでありながら、場所を取らずに機能的な収納を実現します。100均や無印良品などでも手に入るため、すでに多くの方が活用していることでしょう。さまざまな材質やサイズがあり、とくにステンレス製のものは水回りでも衛生的で重宝します。
S字フックは見える場所での使用はもちろんですが、今回は見えない洋服ダンスの中などちょっとした隙間にも活用できます。例えば、クローゼット内に使い捨てでないマスクなどを吊るして、収納してみてはいかがでしょうか?
【キッチン】デッドスペース収納におすすめのアイデア
キッチンのデッドスペース収納におすすめのアイデアをご紹介していきます。
シンクまわりはS字フックやワイヤーネットなどで収納スペースを確保する
キッチンの壁は、水まわりの中でもとくに活用できるスペースです。有効活用することで、作業効率を上げられます。S字フックを利用したり、マグネットやワイヤーネットを使ったりして、シンクまわりの壁を収納スペースとして活かしていきましょう。
※S字フックを使ったシンクまわりの収納例
※ワイヤーネットを使った収納
工夫次第で、調理器具や調味料、キッチン用品などを手軽に収納することが可能です。使いやすい配置や整理整頓を心掛けることで、キッチンの使い勝手が格段に向上します。ぜひ、壁面を活かしたシンクまわりの収納に取り組んでみてください。
冷蔵庫内や横は薄型のラックや突っ張りポールで収納をする
デッドスペースが意外に多い冷蔵庫まわりを見渡してみましょう!以下のように、冷蔵庫の横などにわずかな隙間がありませんか?
収納用品を入れるにはちょっとしたスペースですが、薄型のゴミ箱やクイックルワイパー、コロコロなどの掃除用具、脚立や踏み台の置き場所として活用できます。たとえ10cmのスペースでも、しっかりと有効活用することが可能です。
また、冷蔵庫内のポケットスペースも見逃されがちですが、突っ張りポールを1本渡すことで前後や上下に区切れます。そうすることで、デッドスペースがあったことに気付けるのです。
冷蔵庫まわりのデッドスペースを活用することにより、収納スペースを増やし、効率的な生活を送れます。ぜひ冷蔵庫のまわりを見直して、使いこなせていないスペースを有効に活用してみてください。
フライパンは壁面収納でかさばらない収納をする
フライパンの収納では、サイズの異なる複数のフライパンがあることから、収納場所に悩むこともよくあります。フライパンをしまい込むと収納スペースを取り、調理の際に使い勝手が悪くなったり、出しっぱなしにすると雑然としたりしてしまうものです。そこで、壁面を利用して、フライパンを吊るして収納しましょう。さらに、一緒に使う調理器具も一緒に吊るしておくと便利です。
キッチンはご家庭に合った作業効率がよく、衛生的なマイシステムキッチンにすることが重要です。フライパンを壁面に吊るして収納することで、キッチンの使い勝手が向上し、整理整頓された環境を実現できます。ぜひフライパンの収納方法を見直して、快適なキッチンを実現してみてください。
【脱衣所・洗面所】デッドスペース収納におすすめのアイデア
脱衣所・洗面所のデッドスペース収納におすすめのアイデアをご紹介していきます。
洗濯機の上はパイプ製のランドリーラックでスペースを有効活用する
最近では、洗濯機を覆うパイプ製のランドリーラックが販売されており、洗濯機の上の空間を有効に活用することが一般的です。しかし、時には問題が発生することもあります。例えば、ランドリーラックの足が洗濯バンに収まらない、洗濯機の蓋の開閉に影響を与えるなどの事例です。
こうした問題を回避するためには、シンプルで収納力のある稼動棚をおすすめします。洗濯機の上のスペースにぴったり合わせられ、洗濯作業の邪魔にならず、効果的な収納をすることが可能です。ぜひ洗濯機の上の空間を有効活用するために、適切な収納アイテムを選んでみてください。
洗濯機の横は幅が狭いタイプのラックで収納する
洗面所や脱衣所は、そこで行う動作がほぼ決まっているものです。言い換えれば、そこで使うモノも決まっていると言えます。収納する前に、置くものを必要なモノに焦点を当てて、絞り込んでいきましょう。そして、使うところのそばにモノを置くことが、何より散らからない片付け上手になるコツです。
サイズも細分化されているので、このような隙間収納を購入の際は、幅に余裕を持って選んでみてください。
ちょっとした隙間はマグネットでスペースを有効活用する
デッドスペースの有効活用には、掃除の手間も省くために隙間に注目です。その次は、家具家財まわりの空間を覗いてみましょう。
隙間や空間を発見した後は、適材適所ならぬ適物適所に配置していくことです。そこで行われる動作に必要なモノに気持ちよく働いてもらうことで、作業効率が上がり、散らからなくなります。そのためには、隙間収納用品やマグネット収納を駆使しましょう。
とくに洗面所脱衣所は、動作の目的がはっきりした場所で比較的狭いので、リビングなどよりデッドスペースが発見しやすいので、ぜひ見直してみてください。
【トイレ】デッドスペース収納におすすめのアイデア
トイレのデッドスペース収納におすすめのアイデアをご紹介していきます。
天井スペースは突っ張りポールとカフェカーテンで隠す収納をする
トイレの床に置くものは最小限にとどめ、掃除がしやすく、きれいな見た目を保ちたいものです。トイレで使うものは重いものが比較的少ないので、天井に近い場所もどんどん利用しましょう。細めの突っ張りポール1本とお気に入りのカフェカーテンで、すぐ収納場所を作れますよ。
トイレットペーパーは突っ張りポールで収納する
16ロールのトイレットペーパーは、トイレ用品の中で唯一かさばるものです。必需品ゆえ、まとめ買いもやむを得ないものと言えます。
突っ張りポールを使って、こんな置き方はいかがでしょうか?お子さんのおられるご家庭でも、お子さんが簡単に交換できますね!
【クローゼット・押し入れ】デッドスペース収納におすすめのアイデア
マンションの備え付けのクローゼットにありがちな、開けてみると張りや欠けによる歪な収納もどうか活用したい場所です。突っ張りポール1本で、天までの空間を有効活用できます。
クローゼットは突っ張りポールで収納する
クローゼット内の張りから上の天井まで突っ張りポールを渡して、このように冬物のダウンジャケット10枚も吊るせるほど、収納場所を拡大できます。吊るす収納は、一目で見渡せわかりやすいです。
押し入れはパイプハンガーで収納する
押し入れ収納を、ついつい一般的な押し入れ用引き出しに頼っていませんか?
和室の押し入れは日本人に古くから愛用され、収納力抜群なのですが、実はデッドスペースになっていることに気付かされることがあります。うまく収まっているように見えても、入れたままのものがうまく活用されていなければデッドスペースと言えます。
そんな収納力たっぷりの押し入れを有効活用した例は、以下のとおりです。
高齢者でも手軽に動かせる押し入れ用パイプハンガーを使って、こんな有効活用もできます。押し入れ用引き出しの中にしまっているより、奥のものまでわかりやすくて取り出しやすいですね。
納戸(ウォークインクローゼット)はパイプハンガーやキャスター付きケースで収納する
納戸が付いた間取りの場合も有効活用できるよう、工夫がする必要があります。ウォークインクローゼット内の一部がこのようにコーナーになっている場合も、コーナー部分がデッドスペースにならないよう、中段にはパイプハンガーが有効です。下段にはキャスター付きの収納ケース、上段には降ろしやすくするために取手付きのケースに収納しています。透明のものであれば、中身が見えてわかりやすいですね。
※上段、中段の収納例
※下段の収納例
箪笥(たんす)の壁面はジョイント式のバッグハンガーで収納する
最近では、バッグ用収納用品も数多く販売されています。高価なバッグや冠婚葬祭用のバッグなど、日常的でないものはしまい込んでも大丈夫なのですが、デイリーユースのバッグは選びやすく、すぐ使えることが大切です。
箪笥の壁面が有効に使えるうえ、ジョイント式のバッグハンガーなので、かける個数によって連結を調整できて便利です。
【寝室】デッドスペース収納におすすめのアイデア
マンション暮らしではクローゼットが備え付けられている場合も多く、ベッドでの就寝が多いのですが、和室に箪笥を置いて暮らされている方もいます。
寝室の壁面はハンガーラックやウォールシェルフで収納する
寝室などの入口の横や部屋内に、張りや欠けはありませんか?寝室などの壁面部分も、専有面積の中では貴重なスペースです。もし、張りや欠けがあれば、収納スペースにしてしまいましょう。稼動棚を付ければ、床から天井までかなりの収納力にな
ります。
※ハンガーラックで収納している例
※ウォールシェルフで収納している例
ベッド下の空いたスペースは収納ボックスで収納する
ベッド下のスペースを上手に収納することで、部屋のスッキリ感や収納力を向上させることができます。
特におすすめな方法が、ベッド下に収納ボックスを置いて収納することです。収納ボックスを
活用することで、衣類や季節用品、ブランケットなどを整理整頓することができます。サイズや形状に合わせて選ぶことで、スペースを最大限に活用することが可能です。
ベッド下のスペースを有効に活用することで、部屋の収納力を向上させ、スッキリとした空間を実現しましょう。機能的な収納アイデアを取り入れながら、自分に合った使い方を見つけてください。
【デスク・テーブルまわり】デッドスペース収納におすすめのアイデア
デスクまわりは細かなものが多く、さっと出せればいいと思うでしょう。そんなときは、スペースを自分で作ることです。デスクにはもともと本棚と引き出しが付いていますが、本棚を探して取る、引き出しを開けて探すというアクション数を減らして、すぐに手元に取れる空間を作っておきましょう。
よく使う文房具はマグネットで収納する
ペンはペン立てでいいのですが、それ以外のよく使うカッター、ハサミやホッチキスは、ブックエンドにマグネットを貼り、マグネットの力でくっ付く収納を行うのがおすすめです。文具を差別化するのにもってこいと言えます。
使わないときはデスク下に隠せるキャスター付きラックで収納する
子どもの勉強部屋、大人の書斎、そのほかのオフィスにも言えることですが、デスクという以上、明り取りが大切です。細かい収納以外には、明り取りに差し障らない定位置に収納を決め、それ以外はキャスターで動くような柔軟な収納もデッドスペースをうまく活かす手法と言えます。
キャスター付き引き出しやキャスター付きラックなどは、使うときは手元に、使わないときはデスクの下に入れることで、空間を最大限自由に利用して快適に暮らせます。
ランチョンマットはブックエンドとマグネットクリップで収納する
テーブルまわりで悩みがちなランチョンマットの収納です。手入れのしやすいビニール製のものは、丸めると跡が付いたり、丸められなかったりします。収納の難しいアイテムですが、ブックエンドとマグネットクリップでテーブルサイドにきちんと置き場を作ることが可能です。
デッドスペースを有効活用して収納スペースを増やそう!
見た目のデッドスペースと気付きのデッドスペース、それぞれにおわかりでしょうか?
コロナと引き換えに、店頭に行かなくても簡単にモノが手に入る便利な時代がやってきました。24時間モノが買えることは、多忙な世代の方にとって有効な時間を増やせるため、有難いことですね。しかし、意識をして見直さない限り、モノはどんどん増える一方で、有効な場所は減る一方です。
さまざまな間取りでのデッドスペースを活用することで、みなさんの大切な時間と場所の両方を増やし、快適に暮らしていきましょう。