入園入学グッズの定番、巾着袋。開け閉めがしやすく、布製なので形を自由に変えることができ、物を出し入れしやすいなど魅力がたくさん。子どもの学用品としてだけでなく、普段使いの小物ポーチとしても人気のアイテムです。
布一枚と紐というシンプルな材料から作ることができるので、裁縫道具さえあれば簡単に手作りすることもできます。
今回は、ミシンなしで簡単に作ることができる巾着袋の作り方を紹介していきます。お気に入りの布で、世界に一つだけのオリジナル巾着作りに挑戦してみましょう!
巾着袋を手作りすることはできる?

袋状に縫った布の上部に紐を通して、通した紐を引っ張ることにより口を開け閉めすることのできる巾着袋。チャックなどの金具などをつける必要がなく、そのシンプルな構造からお裁縫初心者にもとてもおすすめです。
ミシンをお持ちの方は、ミシン縫いでとても丈夫な巾着袋に仕上げることができますが、ミシンをお持ちでない方でも簡単な手縫いで作ることができます。
ハンドメイド初心者でも気軽にチャレンジすることができ、親子で好きな布を選んだりしながら一緒に楽しむことができるのも手作り巾着袋の魅力と言えるでしょう。
幅広い世代に愛される巾着袋の魅力

お弁当、シューズ入れなど子どもの定番の学用品として大活躍の巾着袋。使い勝手がよく、カバンの中で散らばりがちな小物を整理して収納するためのポーチとして、大人の間でも人気です。
開け閉めや出し入れがしやすい
巾着袋はとてもシンプルな構造をしています。開閉方法は、袋状になっている本体についている紐を引っ張って開閉するだけ。小さな子どもでも簡単に開け閉めや出し入れができ、使いやすいのが一番のメリットといえるでしょう。
また、紐を手首に引っ掛けておけば、両手がふさがらずカバンのように使うこともでき、フックなどに引っ掛けて収納することもできます。
荷物の形状にあわせてコンパクトに収納できる
布製の巾着袋は形が自由自在に変形するので、荷物の形状にあわせてコンパクトに収納することができます。子どもが成長して中身の大きさが変わっても、自由自在に形を変えることのできる巾着袋なら長く使うことができ安心です。
また、入れる物に合わせて大きさを変えることができるため、カバンの中で散らかりがちな小物類を整理するのにも役立ちます。
開閉口がチャックでできているポーチの場合、パンパンになるまで物を詰めてしまうと閉まらなくなってしまうことも。しかし、巾着袋であればその心配はありません。開閉口が紐なので金具が壊れることもなく、紐の取り換えも簡単です。
お弁当を入れたり、小物収納用のポーチにしたり、浴衣でお出かけの時に荷物を入れたりと巾着袋の使い方は色々! 手作りなら自分で大きさを変えることができるので、カバンや入れるものの大きさにあわせてサイズや形を変えて作ることができます。
デザインにもこだわって、お気に入りの柄や装飾などもしてみて下さいね。
気軽に洗濯をすることができる
布製のシンプルな巾着袋は気軽にお洗濯ができるので、少々汚れても心配することなく使うことができます。お洗濯して何度も繰り返し使えるので、エコで日常使いにピッタリ。ファスナーなどもついていないため、金具などが壊れる心配がありません。
また、小さくたためて持ち運びに便利。ポーチのように形が固定されていないため、小さくたたんでエコバックのようにカバンの隙間に自由自在に入れておくことができます。布製なので中身が透けて見える心配がなく、隠しておきたい小物もさりげなくカバンに入れておけるので便利です。
巾着袋作りに必要な道具や用意するもの

今回は、型紙要らず、手縫いでもOKな巾着袋の作り方をいくつかご紹介していきます。巾着袋を手作りする前に、必要な道具や材料をしっかりとそろえておきましょう!
お好みの柄や質感の布と紐
手作り巾着袋のメインとなる材料は、布と紐です。手芸屋さんや100均でも簡単に手に入れることができます。お好みの色、柄、厚みや質感の布を選んで、それに合わせる紐を選びましょう。
布は分厚すぎると手縫いの場合、縫いにくいかもしれません。ちょうど良い頃合いのものを選ぶのがおすすめです。また、紐も太さや材質によって硬さが違うものがあるので、しっかりとチェックしておきましょう。

お裁縫道具
ミシンや手縫いの場合は、以下のものを揃えましょう
・針
・マチ針
・糸
・定規
・糸切はさみ
・布用のはさみ
・チャコペン
糸は選んだ布に合わせた色のものを用意しましょう。チャコペンは時間がたつと消えるタイプ、水にぬれると消えるタイプ、黒い生地にも書ける白いものなど種類も様々です。

紐通し
巾着袋作りには、紐通しの作業があります。紐を布の輪に通す作業は大変なので、100均などでも手に入る、紐通しがあるととても便利です。紐通しがない場合は、安全ピンでも代用可能です。

アイロン
アイロンは折り目の癖付けなど、巾着を綺麗に縫うために欠かせないアイテムです。また、完成後に使用することで仕上がりをきれいにすることができます。

簡単にできる!型紙いらずの手縫い巾着袋の作り方(片紐タイプ)
絞る紐が片側から一本だけ出ている、最も簡単な片紐タイプの巾着袋の作り方です。
型紙なしで、長方形の布を折って縫うだけのシンプルな構造なので、初心者さんも作りやすく初めての巾着作りにおすすめです。また、袋縫いという方法で作るので、手縫いでも頑丈な仕上がりになります。
【実際の作品例】

STEP1. 布の大きさを決める
使う布の大きさは、輪を左にして半分に折った時に、自分の作りたい巾着袋のサイズよりも、縫いしろ分長くしておきます。
横は1~2cm程度、縦は口部分の折り返しのために5~6cm程度長さに余裕があるのが目安です。今回は縦30cm、横45cmの布を使って作りますが、半分に折ると縦30cm、横22.5cm
出来上がり寸法は縦24cm、横21cmの巾着袋になりました。
STEP2. 布を外表で半分に折り、なみ縫いする
輪が左、外表にして半分に折ります。

チャコペンで右側と底辺に端から約5mmの線を引きます。

上部は上から袋口の5cmをあけて、印をつけておきます。

底辺の端から5mm幅のところにつけた線の上をなみ縫いしていきます。この縫い目は後で隠れてしまうので、目が粗くても大丈夫です。

右側は、上から袋口の5cmを残してなみ縫いします。端まで縫ってしまわないように注意。

STEP3. 裏返してアイロンをあてる
袋をひっくり返して裏側を表にします。アイロンでしっかりと折り目をつけておきます。

STEP4. 袋縫いをする
先ほど縫った5mmの縫いしろをくるむように、1cmほどのところに線を引きます。

先ほどの縫いしろをくるむように線の上をなみ縫いします。ここができあがり線になりますので、先ほどの縫い目より細かい縫い目にします。

STEP5. 紐通し口を縫う
開きどまりの部分にハサミで切り込みを入れ、開きます。

コの字に縫います。

開きどまりの部分は何回か重ねて縫っておくと安心です。

STEP6. 袋口を縫う
紐を通す袋口を作ります。端から5mmのところで折って、アイロンで折り目をつけます。

次に、ハサミで切った部分に合わせて半分になるようさらに折って、アイロンで折り目をつけます。

これで三つ折りになりました。最初に折った5mm幅の部分に糸が通るように、端から端までぐるっと、細かな縫い目でなみ縫いします。二枚重ねて縫わないように注意。

STEP7. 紐を通して完成
紐通しか安全ピンを使って紐を通します。

端から入れて、もう片方の口から出して、裏返します。紐をお好みの長さにカットし、結んだら完成!

きゅっと絞れば、片紐タイプの巾着袋のできあがりです。

簡単にできる!型紙いらずの手縫い巾着袋の作り方(両紐タイプ)
両側から引っ張る紐が出ている、両紐タイプの巾着袋の作り方です。先ほどご紹介した片紐タイプと作り方はほぼ同じですが、布を折る方向が違うことと、紐の出入り口の処理が二か所に増えます。
【実際の作品例】

STEP1. 布の大きさを決める
使う布の大きさは、輪を下にして半分に折ったときに、自分の作りたい巾着袋のサイズよりも、縫いしろ分長くしておきます。
横は4~5cm長く、縦は口部分の折り返しに必要な5~6cmくらい長い程度が目安です。今回、縦45cm、横21cmの布を使って作り、半分に折ると縦22.5cm、横21cm。出来上がり寸法縦18.5cm、横16cmの巾着袋になりました。
STEP2. 布を外表で半分に折り、なみ縫いする
輪が底辺にくるように、外表にして半分に折ります。

チャコペンで右側と底辺に端から約5mmの線を引きます。上部は上から袋口の5cmをあけて、印をつけておきます。

両端の5mm幅のところにつけた線の上を、上から袋口の5cmを残してなみ縫いします。この時に、端まで縫ってしまわないように注意しましょう。この縫い目は後で隠れてしまうので、目が粗くても大丈夫です。

STEP3. 裏返してアイロンをあてる
袋をひっくり返して裏表にします。アイロンでしっかりと折り目をつけておきます。

STEP4. 袋縫いをする
先ほど縫った5mmの縫いしろをくるむように、両端1cmほどのところに線を引きます。

先ほどの縫いしろをくるむように線の上をなみ縫いします。ここができあがり線になりますので、先ほどの縫い目より細かい縫い目にします。

STEP5. 紐通し口を縫う
開きどまりの部分にハサミで切り込みを入れ、開きます。

コの字に縫います。開きどまりの部分は何回か重ねて縫っておくと安心です。

STEP6. 袋口を縫う
紐を通す袋口を作ります。端から5mmのところで折って、アイロンで折り目をつけます。
次に、ハサミで切った部分に合わせて半分になるようさらに折って、アイロンで折り目をつけます。
これで三つ折りになりました。最初に折った5mm幅の部分に糸が通るように、端から端までぐるっと、細かな縫い目でなみ縫いします。二枚重ねて縫わないように注意。

STEP7. 紐を通して完成
紐通しか安全ピンを使って、紐を通します。

片側に二本紐が出たら、お好みの長さにカットして結びます。

もう片方からも二本紐が出るように、先ほど入れたところと反対側の口から紐を入れ、両端から四本出ているようにします。同じようにカットして結び、裏返します。

紐をきゅっと引っ張れば、完成です。

裏地付きで丈夫な巾着袋の作り方
裏地をつけて二枚重ねで作る、丈夫な裏地付き巾着袋の作り方です。縫い方は、片紐タイプの縫い方を参考に作ってみて下さいね。同じ縫い方を応用して両紐タイプでも作ることができます。
【実際の作品例】
STEP1. 表地と裏地を合わせて袋縫いする
表地と裏地を合わせて同じ大きさにします。

外側が表になるように、一緒に半分に折り、ずれないようにマチ張りでとめておきます。

二枚の布がずれないよう注意しながら、片紐タイプと縫い方と同じように袋縫いをし、開きどまりや、袋口を作ります。
STEP2. 紐を通して完成
紐を通せば完成です。

裏地がついているので、一枚布で作るより、丈夫になります。表裏の生地の色や柄違いを楽しみたい方にもおすすめです。

フリルでキュートに仕上げる!女の子らしい巾着袋の作り方
袋口が大きなフリルの形になっている、キュートな巾着袋の作り方です。リボンやレースフリルを本体に縫い付けたりして、もっとガーリーで可愛い巾着袋にアレンジすることも可能です。
作り方は、先ほどご紹介した両紐タイプの巾着袋の作り方を参考に作ります。袋口の紐の通り道を一本多く縫うだけで、フリル口を作ることができます。フリルの長さは自分で調節することもできます。
【実際の作品例】

STEP1. 袋口部分を長く取る
基本的に、両紐タイプと縫い方と同じように作ります。ただし、今回は袋口にするために、この部分を12cmほど残し、袋口が長くなるようにします。

このフリル口の長さは好みで調整可能です。フリルを長くしたければ縫わない部分を長めに、短くしたければ少し短くしてお気に入りのフリル口を見つけましょう。
STEP2. 袋縫いをし、開きどまりの処理をする
袋縫いをし、開きどまりや袋口を作ります。フリル口のため、開きどまりや袋口部分がかなり長くなっています。

STEP3. 袋口のなみ縫いをもう一本作る
両紐タイプと同じように袋口を作ります。
いつもなら紐の通り道である袋口のなみ縫いは一本ですが、そのなみ縫いの1~1.5cmほど上に、もう一本なみ縫いをします。このなみ縫いとなみ縫いの間が紐の通り道になります。

STEP4. 紐を通して完成
裏返して、先ほどのこのなみ縫いとなみ縫いの間に紐を通します。

紐をきゅっと絞れば、上の部分がフリルになる可愛い巾着袋の完成です。

今回簡単に作ることを目指しましたので、フリルレースなどはつけていませんが、100均などにも可愛いデコアイテムがたくさんありますので、オリジナルデザインも試してみてくださいね。
ハンドメイド作家が教える、手作り巾着袋を成功させるポイント・コツ

手作り巾着袋作りをするにあたって、押さえておくと良いポイントやコツをいくつかご紹介します。
適切な生地を選ぶ
巾着袋のメインとなる材料である布は、厚み、素材、色、柄など種類豊富です。可愛い柄、好きな色など素材を一から選ぶ楽しみも手作りの醍醐味ですが、用途に合った布選びも意識してみましょう。
例えば、浴衣を着る際に使いたい場合は和柄や浴衣に合わせた色にしてみたり、長く使える巾着袋にしたい場合は、洗濯などに強い丈夫な布や、汚れが目立ちにくい柄や色にしてみましょう。
また、裁縫初心者や苦手意識のある方は縫いやすい生地から始めてみるのがおすすめです。デニム生地のような分厚い布だと、二枚重ねて縫う際に、針が通りづらく作業が大変です。ガーゼ生地のように伸びる薄すぎる生地だと縫いにくいので、ちょうどよい厚みのハリのある縫いやすい生地を選んでみましょう。

チャコペンなどで裁断線を引く
失敗を防ぐために、しっかりと定規で長さを測り、チャコペンなどの布用ペンで印や線を引くようにしましょう。綺麗に仕上げるためには、裁断の際の正確さやサイズの正確さが重要となってきます。
少し面倒かもしれませんが、このようなちょっとしたひと手間で美しく仕上げることができます。

アイロンでしっかりと折り目をつける
三つ折りにして縫う際の折り目をつけたり、仕上げにかけたりするアイロン。特に、三つ折りにする際は手で押さえてマチ針で留めておいてもすぐにずれてしまうので、しっかりとアイロンで折り目を付けておきましょう。
仕上げにかけるアイロンも、作品を美しく仕上げるのに欠かせない工程です。

手作り巾着袋を楽しんでみよう!
手縫いでもOKな簡単な手作り巾着レシピをいくつかご紹介させていただきました。
容量が大きく使い勝手もよい、洗濯して繰り返し長く使える布製の巾着袋。みなさんもお気に入りの柄、色の手作り巾着袋をぜひ一度作ってみて下さいね。アップリケや100均のデコアイテムなどを使って、オリジナルデザインも楽しんでみてはいかがでしょうか?