「断捨離やミニマリズムに興味があるものの、極端に物を減らすのは現実的ではない」と感じている人におすすめしたいのが「シンプリスト」という生き方です。
シンプリストとは、物を極限まで手放すのではなく、自分にとって本当に価値のあるものを見極めて選び抜く人のことです。減らすことよりも、厳選することを大切にしており、無理のないバランスのとれたライフスタイルを実践しています。
この記事では、シンプリストとしての具体的な実践方法から、実際の体験談、そして理想的な住環境選びまで幅広く解説します。
シンプリストとは
必要なものを厳選し、大切に使うことを重視するシンプリストは、似たような価値観を持つミニマリストと混同されることもあります。しかし、その考え方には明確な違いがあります。
ここでは、シンプリストの基本的な考え方と、ミニマリストとの違いについて見ていきましょう。
ミニマリストとの違い
どちらもシンプルな暮らしを目指すスタイルですが、物に対する向き合い方が異なるのが特徴です。ミニマリストは、徹底的に減らすことによって自由を得ようとします。一方、シンプリストは、自分にとって本当に必要で価値のあるものを選ぶことで、満足度の高い暮らしを目指します。
その違いを具体的に見ていきましょう。
ミニマリスト:物を極限まで減らすことに重点
ミニマリストの考え方の中心には、少ないほど豊かであるという価値観があります。物に対する執着を手放すことを大切にしており、必要最小限で暮らすこと自体に価値を感じる傾向にあるのが特徴です。
極端な例では、服は数着だけにし、家具も必要最低限に抑えるなど、徹底して持ち物を減らした生活を選んでいる人もいます。
シンプリスト:厳選した質の良いものを大切に使う
シンプリストは、量より質の考え方を基盤としています。安くてすぐに壊れてしまうものを何個も持つより、長く使えるお気に入りの一つを選びます。物と丁寧に付き合うことで、心のゆとりや豊かさを感じられる暮らし方です。
価値観の違い:「捨てる」vs「選ぶ」
ミニマリストは、物を減らすことですっきりした暮らしを目指しますが、シンプリストは自分に合ったものを選ぶことを大切にしています。たくさん持たなくても満足できるように、必要なものを見極めて暮らすスタイルです。
無理に物を減らさなくて良いので、家族との生活がある人や忙しい日々を送っている人も、続けやすいスタイルです。
シンプリストが大切にする価値観
シンプリストの根底にあるのは、表面的な豊かさよりも、内面的な充実を求める価値観です。流行や外部の評価に振り回されず、自分自身の判断軸を持つことを重視します。
シンプリストは、持続可能性にも意識を向けており、環境への負担を減らす工夫や、自分にとって無理なく続けられる暮らしを大切にしています。
実際にシンプリストとして生活していて感じるメリット

実際にシンプリストとして暮らす中で感じた、生活の中での変化や良かったことを具体的にご紹介します。
決断スピードが向上して迷いが減る
必要なものを見極められるようになると、日常の判断がしやすくなります。服を選ぶ朝の時間や、大きな仕事の意思決定も迷わず進められ、行動に移しやすくなります。
私の場合、探し物の時間が減り、趣味や仕事、家族との時間をより大切に過ごせるようになりました。以前は身支度に20分ほどかかっていましたが、今では10分ほどで整い、気持ちにもゆとりが持てるようになりました。
集中力が高まり生産性が向上する
余計なものがない空間は思考がクリアになり、集中力も持続しやすくなります。実際にデスク周りを片付けてみると、仕事がはかどるようになり、気持ちの切り替えもスムーズにできるようになりました。
投資思考が身につき家計が改善する
「安いから」と何度も買い直すより、最初に少し高くても良いものを選ぶことで、結果的にお金のムダが減らせるようになりました。品質を見る目も養われ、全体の出費も自然と少なくなってきました。
以前は、年に3回ほどコートを買い替えていましたが、今は上質な1着を3年以上着続けています。おかげで、洋服にかかるお金は半分以下になりました。
住環境への意識が高まり健康状態が向上する
物が少ないと掃除がしやすくなり、きれいな状態を保ちやすくなります。自然光や風通しの良さにも敏感になり、より快適な住まいを意識するようになりました。
特に換気の大切さを実感しており、空気がきれいな空間で過ごすことで睡眠の質が上がったり、日中の体調が良いと感じたりすることが増えました。
シンプリストに向いている人の特徴

シンプリストの暮らしがどんな人に向いているのか、5つのタイプ別に詳しく紹介します。
物に囲まれた生活に疲れを感じている人
収納スペースが慢性的に不足していたり、物を探すのに時間がかかったりと、所有物の管理に負担を感じている人に適しているライフスタイルです。物に振り回される生活から抜け出し、本当に大切なことに時間とエネルギーを使いたいという願望を持つ人にとって、シンプリストの考え方は大きな助けとなります。
おしゃれで洗練された暮らしに憧れる人
雑誌やSNSで見かけるおしゃれで整ったインテリアに憧れる人は、シンプリストの考え方を取り入れるのがおすすめです。必要なものだけを厳選して置くことで、まとまりのあるすっきりとした空間を作れます。「センスがない」と悩む必要もなく、色数を制限して質の良いものを選ぶだけで、誰でも洗練された雰囲気を演出できるのです。
完全なミニマリズムは極端すぎると感じる人
ミニマリストの考え方に共感していても、家族と暮らしていたり、仕事の関係で物を極端に減らすのが難しかったりする人も多いでしょう。そんな人にとって、シンプリストは無理なく始められる、現実的なライフスタイルの一つです。「本当に必要なものだけを持つ」というシンプルな考え方だからこそ、日常に取り入れやすく、長く続けやすいのです。
質の良いものを長く使いたい人
気に入ったものを長く大切に使いたいと思っている人には、シンプリストの考え方がしっくりくるかもしれません。頻繁に買い替える暮らしにどこか違和感を持っている人や、環境に配慮した生活を意識したい人にも、参考になる生活スタイルといえるでしょう。
自分の時間を大切にしたい人
現代は、情報や選択肢があふれ、日々の判断に疲れてしまうことも少なくありません。物の管理や選択にかける手間を減らし、その分の時間やエネルギーを本当に大切にしたいことに使いたいと考える人に、シンプリストの考え方は向いています。
趣味や学び、人とのつながりなど、自分にとって価値のあることに集中したい方にとって、役立つヒントになるでしょう。
シンプリストとしての暮らしぶり紹介

実際にシンプリストとして暮らす私が、普段心がけていることや衣・住・時間の使い方など、日常生活の中でどのようにシンプルさを取り入れているのかをご紹介します。
服装・ワードローブの考え方
まずは、洋服の持ち方やクローゼットの整え方をご紹介します。アイテムを厳選しながら、自分らしさや快適さを大切にするワードローブの工夫を見ていきましょう。
ベーシックアイテムを中心とした構成
シンプリストのクローゼットは、時代に左右されないクラシックなアイテムが中心となります。白のブラウス、グレーのニット、ネイビーのパンツなど、どの年代でも通用するデザインを選ぶことで、長期間にわたって活用できます。
流行を追いかけるよりも、自分の体型や好みに合った定番アイテムを見つけることが重要です。一度気に入ったデザインは、複数色でそろえてもいいでしょう。
色数を3~4色に絞る(ベージュ、白、黒、デニムなど)
服の色をあらかじめ決めておくと、どれを組み合わせてもバランスの良いコーディネートが簡単にできます。ネイビー、白、ベージュにカーキをアクセントとして取り入れるなど、相性の良い色だけを選ぶのがポイントです。
質の良い服を厳選し、着回しを重視
長く着られる上質な服を選ぶことで、見た目の美しさと着心地の良さの両方が手に入ります。天然素材や丁寧な作りにこだわれば、お手入れ次第で何年も愛用できます。シルクのブラウスやウールのコートなどは、数が少なくても十分に満足できるアイテムです。
ウォークインクローゼットがあれば、こうした大切な服がしわにならないよう、きれいに保管できます。
部屋のインテリアとレイアウト
次は、シンプリストの部屋について意識していることをお伝えします。インテリアやレイアウトについて、詳しくご紹介していきます。
余白を活かした空間作り
シンプリストの部屋作りで最も大切にすべきは、余白の活用です。家具と家具の間、壁と物の間に十分なスペースを確保することで、視覚的な圧迫感がなくなり、心地良い空間が生まれます。物を置く場所と置かない場所のメリハリをつけることで、限られた空間でも広々とした印象を作れます。
自然素材の活用
自然素材の活用も、シンプリストの暮らしにおいて大切な要素です。木材やリネン、陶器などを取り入れることで、時間とともに味わいが増す空間が生まれます。無垢材のテーブルやリネンのカーテン、手作りの陶器などは、自然の温もりを感じさせ、空間に豊かさを添えてくれるでしょう。
これらの素材は使うほどに風合いが変化し、次第に愛着も深まっていきます。人工的な完璧さではなく、自然が持つ不完全さの中にこそ、美しさを見いだす感性が育まれていくのです。
機能性と美しさを兼ね備えた家具選び
家具を選ぶ際は、機能性と美しさを兼ね備えたものを意識して厳選します。たとえば、ダイニングテーブルを仕事用のデスクとしても活用できるよう、多機能なアイテムを選ぶと暮らしがより快適になります。シンプルなデザインでありながら収納力もある家具は、見た目の美しさと実用性の両方を兼ね備えており、空間をすっきりと整えやすくなるでしょう。
植物やアートで個性を表現
シンプルな空間だからこそ、観葉植物やアート作品の魅力が際立ちます。観葉植物は空気をきれいにするだけでなく、心を落ち着かせる効果もあり、暮らしにやさしい潤いをもたらしてくれます。アートは、自分の感性や価値観を映し出す手段となり、空間に個性をプラスできるでしょう。
量よりも質を大切にし、本当に心から気に入ったものだけを選んで飾ることで、特別感のある住まいができあがります。
日常のルーティンと時間の使い方
時間の使い方を見直すことで、心にもゆとりが生まれます。たとえば、朝の準備や掃除の手順を工夫したり、自分と向き合うための時間を意識的に作ったりすることで、よりシンプルで心地良い毎日が実現できます。
ここでは、暮らしを支える工夫をいくつか見ていきましょう。
朝のシンプルな身支度ルーティン
前の晩に服を決めておき、洗面道具やメイクも必要なものだけに絞ることで、朝の準備が楽になります。私の場合、支度時間が半分ほどになり、朝食をゆっくりとったり、予定を確認したり、コーヒーを楽しむ時間まで生まれました。
掃除・片付けの時短テクニック
物の数を減らしたことで、掃除や整理整頓にかかる手間が大幅に軽減され、日々の暮らしが格段に快適になりました。「使ったものは元の場所に戻す」「就寝前に5分だけ片付ける」といった簡単なルールを設けることで、自然と整った状態を維持できるようになります。
以前は週末にまとめて掃除をしていましたが、平日のすきま時間に少しずつ行うだけで、十分に清潔で心地良い空間を保てるようになりました。
自分と向き合うための時間確保
物の管理に追われることがなくなると、自分自身とじっくり向き合う時間を持てるようになります。読書や瞑想、散策など、心を満たす活動に時間と意識を向けられるようになり、日常の中に精神的なゆとりが生まれます。
デジタルデトックスの取り入れ方
物の整理とあわせて、デジタル環境の見直しも意識するようになりました。夜の時間帯はスマートフォンやパソコンから意図的に離れ、本を読んだり、手を動かす趣味に集中したりしています。最初は少し落ち着かなかったのですが、次第に心が穏やかになり、思考もすっきり整っていくのを感じました。
効率的な家事動線の作り方
キッチンや洗面所、収納スペースの配置を見直すことで、家事の効率が大きく変わりました。よく使う調理道具や日用品は、手の届きやすい場所にまとめ、あまり使わないものは少し離れた棚などにしまうようにしています。少しの工夫で家の中をムダに動き回ることが減り、家事にかかる負担が軽くなったと感じています。
シンプリストとして暮らすためのコツ・心得

シンプルな暮らしを無理なく継続するために、物の選び方や空間作りの工夫など、具体的なコツや考え方を紹介します。
質と機能性を重視するモノ選びの基準
シンプルな暮らしを続けるうえで欠かせないのは、本当に必要なものを見極める力だと実感しています。物を選ぶときは価格の安さだけにとらわれず、長く使えるかどうか、どんな機能があるかなど、質や使い勝手にも目を向けるようにしています。
以前と比べて、暮らしに対する満足度が着実に高まり、物に対する考え方にも変化が生まれました。
「一つで複数の役割を果たす」多機能アイテム選び
限られたスペースを有効に使うには、一つで複数の役割を果たすアイテムを選ぶことがポイントです。たとえば、大判のストールはファッションとしてだけでなく、ブランケットやクッションカバーとしても活躍します。持ち物の数を増やさずに済み、快適な暮らしを無理なく維持できるようになります。
素材の質感と耐久性を重視した判断基準
購入する前は、実際に手にとって、素材の手ざわりや仕上がりの丁寧さを確かめておくと安心です。特に毎日使うものは、壊れにくさや耐久性を重視して選ぶことが、物選びの基準になります。値段だけで判断するのではなく、どれくらい長く使えるかを考えることで、本当の価値が見えてくるはずです。
購入前の「本当に必要?」チェックリスト
新規購入前には、以下の項目を必ず確認します。
<購入前の「本当に必要?」チェックリスト>
・既存のアイテムで代替可能か
・1年後も活用している姿が想像できるか
・保管場所が確保されているか
・現在のライフスタイルに適合するか
・長期的な満足度が期待できるか
これらの基準により、衝動的な購入を防止し、後悔のない選択ができます。
代用できるものがないかの検討方法
買う前に、今あるもので代用できないかを考えることで、物を増やさずに済むうえ、工夫する力も自然と身についていきます。
色彩の統一感を保つインテリア術
シンプルな部屋をセンス良く整えるために、色数を絞ったり、自然光や素材感を活かしたりするインテリアの工夫を紹介します。
ベースカラー・アクセントカラーの決め方
部屋全体の色調を整えるには、ベースカラーを2色、アクセントカラーを1色に絞るのが効果的です。たとえば白とベージュをベースに、グリーンをアクセントに加えると自然と調和が生まれ、心地良い空間になります。
自然光との調和を考えた色選び
部屋の向きや窓の大きさによって、入ってくる光の雰囲気は変わります。日当たりの良い南向きの部屋には、青やグレーなどの涼しげな色が合い、少し暗めの北向きの部屋には、ベージュやオレンジなど暖かみのある色がなじみます。
光と色をうまく組み合わせることで、より心地良い空間になるでしょう。
素材感で変化をつけるテクニック
色数を制限する分、異なる材質や質感を組み合わせることで、豊かな表現を実現します。同じ色調でも、光沢のある素材、マットな質感、粗い織目など、多様な表情を演出できます。
季節感を取り入れる小物使い
基本的なインテリアは変えずに、小物で季節感を演出することで、手軽に雰囲気を変えられます。春には桜の枝を一輪挿しに、夏には涼しげなガラス製品、秋には木の実やドライフラワー、冬には温かみのあるファブリックなど、季節ごとにアクセントを変えることで、シンプルながらも変化のある空間を楽しめます。
実例:モノトーン、ナチュラル系での部屋作り
モノトーンコーディネートでは、白・黒・グレーの濃淡で奥行きを表現し、質感の違いで単調さを回避します。ナチュラル系では、アイボリー・ベージュ・ブラウンの組み合わせに天然素材の温かみを加えて、居心地の良い空間を作ります。
自分と向き合う時間の作り方
シンプルな暮らしを続けることで、余計なものにとらわれず、心にゆとりが生まれます。「心の余白」を活用し、自己理解や内面の充実につなげるための時間のとり方をご紹介します。
デジタルデトックスの実践方法
デジタル機器との適切な距離感を保つことも重要です。夜の8時以降はスマートフォンを別の部屋に置いて、意識的にデジタル機器から離れる時間を作ってみましょう。週末はスマホを手放し、散歩や手作業に集中すると、頭と心がすっきりして気分転換になります。
朝の静かな時間の活用法
家族が起床する前の静かな時間を有効活用し、瞑想、日記、読書などの内省的な活動を行います。一日の始まりに心を整えることで、その後の活動の質が向上します。
日記や瞑想の取り入れ方
就寝前に、一日の出来事や感じたことを日記に記録することで、自己理解を深められます。感謝の気持ちや小さな発見を書き留めることで、日常の豊かさに気づきやすくなります。朝の瞑想は短時間でも効果的で、呼吸に意識を向けることで心を落ち着け、集中力を高めることが可能です。
自分の価値観を見つめ直すきっかけ作り
定期的に、自分の考えやこれからの生き方を見直す時間を持つことで、大切にしたいことがはっきりしてきます。月に一度くらい、静かな場所で自分と向き合う時間を作るのがおすすめです。
ストレス軽減効果と心の整理術
整った環境は、精神的な安定にも寄与します。視覚的な刺激が少ない空間で過ごすことで、心の雑音も減り、本当に重要なことに意識を向けやすくなります。
シンプリストとして暮らす私が実際に手放して良かったもの・後悔したもの

実際に手放して生活が楽になったものや、逆に手放して後悔したものについてご紹介します。
手放して良かった「生活が楽になったアイテム」
使用頻度の低い電化製品を見直した結果、キッチンの作業効率が大きく向上しました。
ホームベーカリーやジューサー、ワッフルメーカーなど、購入当初はよく使っていたものの、最近は出番が減っていたため、思い切って手放すことにしました。そのおかげでキッチンカウンターがすっきりし、日々の調理がよりスムーズになっただけでなく、掃除の手間も減っています。
必要なときは友人に借りたり、レンタルサービスを利用したりすることで、問題なく対応できています。ほかには「将来着るかもしれない」と長く保管していた衣類も見直し、多くを処分しました。クローゼットに余裕が生まれたことで、気に入っている服だけが手元に残り、毎日のコーディネートがより楽しく、迷わず選べるようになっています。
手放して後悔した「必要だと感じたアイテム」
最も後悔したのは、季節用品を過度に削減してしまったことです。「シンプル化」を意識しすぎて、冬用の防寒具を極端に減らした結果、急な寒波の際に対応できず、慌てて購入し直すことになりました。なかでも、予備のコートを手放してしまったのは失敗でした。メインのコートが汚れたり、クリーニングに出したりしたとき、替えがなくてとても不便に感じました。
来客用の食器や寝具を処分したことも、後悔の一つです。普段は家族4人分で十分でしたが、両親や友人が泊まりに来た際に十分なおもてなしができず、急遽買い足すことになりました。
手放す前に考えるべき判断基準
物を減らすときに大切なのは、感情や勢いだけで決めるのではなく、冷静に「本当に必要かどうか」を見極めることです。まずは、手放すかどうかを判断するための具体的な基準やチェックポイントをご紹介します。無理なく納得のいく選択ができるよう、役立つ視点をまとめました。
1年以内の使用頻度チェック
過去1年の間に使ったかどうかを正確に確認し、まったく使っていないものは手放す候補にします。季節ごとにしか使わないアイテムは、そのシーズンに使ったかどうかを基準に判断します。
代替手段があるかの確認
ほかのもので代わりになるか、必要なときに借りたりレンタルしたりできるかを考えます。もし代わりがあるなら手放し、どうしても必要なものだけ残すようにしています。
思い出の価値vs実用性の天秤
実用的かどうかに加えて「思い出がよみがえるもの」や「心が落ち着くと感じるものかどうか」といった気持ちの面も大切にして選ぶようにしています。ときどき見返してほっとする品は手元に残し、存在すら忘れていたものは手放すようにしています。
記念品や写真などは、デジタル化すれば場所をとらずに思い出を残せるため、便利です。
再購入時のコストと手間の検討
処分したあとで再び必要になった場合に、買い直す費用や探し直す手間がどのくらいかかるのか、あらかじめ考えておくことが大切です。高額で再入手が難しいものや、思い出が詰まった品のように代わりがきかないものは、手放す前に慎重な判断が求められます。
「迷ったら保留」ボックスの活用法
すぐに手放すか決められないものは、一時的に保管して半年ほど様子を見るといいでしょう。その間に一度も必要だと思わなければ、迷わず手放せます。時間をおくことで、感情に流されず、落ち着いて判断できるようになるのです。
賃貸物件でシンプリストとして暮らすならどういう条件がおすすめ?

シンプリストとしての暮らしを実現しやすい物件の特徴について、解説します。採光・空気環境・収納など、快適な住空間の条件を具体的に紹介します。
自然光を取り入れる2面採光・3面採光の魅力
シンプリストの住まいにおいて、自然光は欠かせない重要な要素です。2面採光や3面採光のように、複数方向から光が入る間取りであれば、室内に一日中やわらかな自然光が広がります。その光が、厳選されたインテリアや暮らしの道具をより一層美しく見せてくれるのです。
快適な空気環境を保つ24時間換気システム
清潔で新鮮な空気環境は、シンプリストの健康的な暮らしにとって欠かせない要素です。24時間換気システムのある住まいでは、室内の空気が常に循環し、快適さと清潔さを保ちやすくなります。
自動換気により、手動での窓開閉による温度変化や外部騒音、粉塵の侵入を気にする必要もありません。湿度が自動でコントロールされる環境なら、衣類や家具へのダメージを防ぎ、良好な状態を長く保てます。
シンプルライフに適した間取りと設備条件
シンプリストにとって理想的な賃貸物件には、必要なだけの収納スペースがしっかり確保されていることが大切です。持ち物は少なくても、それをきちんと整理して保管できる場所が必要だからです。「見せる収納」と「隠す収納」のバランスがとれていれば、お気に入りのものは飾りながら、生活用品をすっきりしまえます。
床材については、掃除のしやすさを考慮して、フローリングを選ぶことをおすすめします。カーペットと比較して汚れが目立ちやすく、サッと掃除ができるフローリングは、清潔で整った暮らしを保つのにぴったりです。
内装は、飾りすぎないシンプルな雰囲気が心地よく感じられます。壁には、白やナチュラルベージュなど、どんなインテリアにもなじむやさしい色合いがおすすめです。
シンプリストとしてシンプルな暮らしを楽しもう
シンプリストの暮らしは、ただ物を減らすのではなく、自分にとって本当に大切なものを選ぶことを重視しています。お気に入りのものに囲まれ、心にゆとりを持って過ごす日々は、忙しい現代においてかけがえのない豊かさをもたらしてくれます。
まずは、デスク周りの整理やクローゼットの見直しなど、身近なところから少しずつ始めてみましょう。自然光を取り入れたり、空気を清潔に保ったり、使いやすい収納を整えたりと、住まいの工夫も大切です。こうした小さな選択と工夫の積み重ねが、やがて人生全体をより豊かにしていきます。

