2人で歩むDINKsの人生を選んで8年の体験談、これからの生き方の選択肢の一つに。

目次

近年、子どもを持たない夫婦DINKsという生き方を選択する人が増えています。私も妻と結婚をして8年が経ちますが、DINKsとして夫婦生活を続けています。

DINKsは、以前に比べると浸透してきた生き方のひとつではありますが、いまだメディアで大きく取り上げられるほど有名ではありません。そのため「DINKsに興味はあるけれども、具体的にどんな生活を送っているのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、DINKs歴8年の私がDINKsという生き方を選んだ理由、DINKsを続けていく中で良かったことや苦労したことについて解説していきますので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

DINKs(ディンクス)とは?

DINKsとは「Double Income No Kids」または「Dual Income No Kids」の頭文字からなる略語であり、自らの意思で子どもを持たないと決めた共働き夫婦のことを表す言葉です。

DINKsという言葉自体は1980年代から存在していましたが、日本ではあまり浸透していませんでした。なぜなら、当時の日本では「結婚したら子どもを持つのが当たり前」「結婚したら妻は仕事を辞めて家庭に入る」といった価値観が浸透していたからです。

しかし、時代は大きく変化し、今では夫婦共働きが当たり前になっているほか、結婚をしたからといって必ずしも子どもを持つ必要はありません。価値観の多様化が進んだ現在の日本では、DINKsという生き方は決して珍しいものではないのです。

DINKsであることを選択する人は増えている!

総務省の発表した令和2年版国勢調査「人口等基本集計結果」によると、核家族世帯全体における「夫婦のみ世帯(子どものいない世帯)」の割合は年々増加しています。2005年では約28%であったのに対し、2020年では約30%に増加しており、「この傾向は今後も続いていく」と予想する方も少なくありません。

さらに、厚生労働省の発表した令和2年版厚生労働白書によると、結婚した夫婦のうち共働きをしている夫婦は年々増え続け、専業主婦の方は年々減少していることがわかります。これは、共働きをしている子どものいない世帯が増えている、つまりDINKsを選択する夫婦が増えているといえるのではないでしょうか。

※参考 総務省 「令和2年版国勢調査人口等基本集計結果」

※参考 厚生労働省 「令和2年版厚生労働白書」

私がDINKsであることを選択した理由

私がDINKsであることを選択したのは、経済的、時間的なゆとりを優先したからです。この2点について、次項で詳しく解説していきます。

経済的なゆとりを優先したかったから

DINKsを選択すると、本来ならば子育てに使うであろうお金を自由に使うことができます。人によって異なるものの、一般的には数千万単位の額になることが多いです。このような大金を自分の好きな趣味やレジャー、投資に回せることに魅力を感じています。

時間的なゆとりを優先したかったから

経済的なゆとりだけではなく、時間的なゆとりもDINKsの大きな魅力です。一般的に、子どもが巣立つまでは約20年かかります。子どもを育てることで得られる喜びも大事かとは思いますが、お金と労力を子どもに費やし続ける人生は、私たちにとっては大きなストレスになると感じたのです。

対してDINKsを選択すると、子育てにかける時間をすべて夫婦二人の時間に充てることができます。子どもと過ごす時間はかけがえのないものではありますが、それと同じぐらい生涯の伴侶と過ごす時間も重要と考えてDINKsを選んだのです。

DINKsを選択したことで良かった出来事

続いて、私の実体験より、実際にDINKsという選択をしたことで良かったことを3つご紹介します。

経済的なゆとりができた

DINKsを選択したことで良かったのは、経済的なゆとりが生まれたと実感できたことです。実際にDINKsとして生活し始めると、経済的なゆとりが段違いだと実感しました。住む家や家電などは共有しつつ、二人分の給料が入ってくるため生活が苦しくなるようなことはほとんどありません。

このようなことから、DINKsというのは非常に合理的であり、経済的に無駄のない生き方といえます。また私たち夫婦の場合、生活費の大半は妻の給料から支払い、私の給料は貯金や投資に回しています。私の給料は丸々貯金や投資に回しているため、貯蓄の増える勢いも段違いです。

自由な時間が増えた

経済的なゆとりだけではなく、DINKsには時間的なゆとりもあります。子どもがいないため、子育てに費やすはずの時間を自由に使うことができるからです。

私たちは好きなときに旅行に行っており、夫婦二人の時間を満喫しています。また、私自身多くの趣味を持っており、趣味に充てる時間も作らなければなりませんが、子どもがいないためそれほど苦労したことはありません。自分の年齢を考えると残された時間は決して長くはありませんので、時間の点でもDINKsを選んで良かったと思っています。

働くことに対して余裕ができた

DINKsだと経済的、時間的なゆとりが生まれますので、日々の仕事に対しても余裕が生まれました。極端なことをいえば、片方が一時的に仕事を辞めても特に問題なく生活できるからです。

私たち夫婦の間でも、実際に妻が仕事を辞めたいと悩んでいた時期がありました。生活にゆとりがないと決断に困ってしまうようなケースですが、すでに十分な貯蓄があったため、妻に「仕事を辞めても問題ないよ」と伝えることができました。もし子どもがいたらスムーズに伝えられなかっただろうな、と感じた瞬間です。

DINKsを選択したことで苦労した出来事

DINKsには魅力的なメリットがある一方、苦労することもあります。次項では、DINKsを選択したことによって苦労したことをご紹介します。

子どものいる既婚者との会話が合わなくなった

DINKsという生き方を選択すると、子どものいる既婚者との会話が合わなくなります。子どものいる既婚者は主に子どもの話題を振ってきますが、私はそのような話題についていくことができません。一般的な知識であれば話せますが、やはりどうしても共通点が乏しくなってしまい、疎遠になった友人が何人かいます。

一方、独身の友人とは趣味やレジャーの話題で盛り上がることがあります。仮に同じ既婚者同士であっても、子どもがいるかいないかで会話の内容が大きく異なる場合があるので、注意が必要です。

親や親戚からの世間体が気になった

夫婦で話し合い、DINKsとして生きていくと決めたとしても、親や親戚には理解が得られないことがあります。実際に、私たちも親や親戚に会うたびに「子どもはいつできるのか?」と尋ねられることが多くあります。

価値観の多様化が進んでいる一方、DINKsという生き方に理解ができない人もいるため、人によってはストレスを感じるかもしれません。逆に、このようなプレッシャーをあまり気にしない人ならDINKsに向いているといえます。

子どもがいないことに漠然と不安を感じた

子どもがいないことに対する漠然とした不安を感じることも少なくありません。実際に、「子どもを作らないという選択に対して後悔はないのか?」などの疑問が頭から離れない時期もありました。しかし、私たちは「夫婦の生き方に正解はない」と考えることで不安を払拭しました。

人は不安や悩みを抱えながら生きていくものであり、どんな選択肢を選んだとしても後悔することはあります。これはDINKsについても同じなので、夫婦で話し合いながら最善の道を探していくことが大切です。

DINKsを選択した夫婦の生活

DINKsの生活は、一言でいえば独身生活の延長線上のようなものです。私たちの場合は、朝は各自の出社時間に合わせて家を出て、帰ってきたらそれぞれの時間を過ごして就寝するので、ルームシェアに近い過ごし方を送っているかもしれません。

お互いの仕事や生活リズムが異なる以上、無理に起床や食事の時間を合わせることはありません。特にルールを設けることはなく、自由気ままに生活しています。

また、住まいにこだわることでDINKsの生活をより快適にしています。たとえば、私たちは宅配ボックス付きの賃貸物件に住んでいますが、これはDINKsには特におすすめしたい設備です。お互い家にいないことが多いため、宅配便などを受け取る際にとても便利で活用しています。

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ほかにも、リモートワークなどを考慮すると各自の部屋がある方が便利なので、私たちは二人暮らしではありますが3LDKの部屋に住んでいます。人によっては「部屋が多すぎる」と思う方もいるかもしれませんが、実際に住んでみると生活の質が上がったように感じます。

DINKsなら経済的・時間的な余裕が生まれる場合が多いので、気になる方は2LDKや3LDKなど広めの部屋を検討してみてはいかがでしょうか。

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DINKs向けの賃貸物件の選び方

最後に、DINKsにおすすめの賃貸物件の選び方をご紹介します。どれも基本的なことかもしれませんが、疎かにするとさまざまなトラブルが生じるおそれがあるため、部屋探しの際はチェックしておくようにしてください。

2人入居ができる物件を選ぶ

まずは2人入居ができる物件かどうか確認しましょう。なかには2人入居ができない物件も多いため注意して確認してください。そのほか、駐輪所は2人分の自転車を止められるのか、合鍵は2人分もらえるのかなども契約時にはしっかりと確認しておきましょう。

「2人入居可」などの条件を入れて探すとスムーズに見つかるので、気になる方は一度調べてみてはいかがでしょうか。

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宅配ボックス付きの物件を選ぶ

DINKsは共働きで家にいないことが多いので、通販で何かを買ったときに受け取れないという場面がが多いです。そんなときに便利なのが宅配ボックス。宅配ボックス付きの物件なら宅配物をボックスに入れておいてくれるため、共働きで不在であっても再配達の依頼をする必要がありません。

DINKsである私たちは、再配達をするのと宅配ボックスを入れておいてもらうのに、そこまで利便性は変わらないだろうと思っていました。ですが、実際に使ってみると宅配ボックス付きの物件の利便性に驚きました。再配達がくるまで待っているのと、すぐに手に入るのとでは別物です。宅配ボックス付き物件は、日々のストレスを大きく減らしてくれます。

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1LDK~2LDKの物件を選ぶ

経済的なゆとりを求めてDINKsを選択した場合、1LDK~2LDKの賃貸物件を選ぶのがベターです。単身者向けの間取りより広く、ファミリー向けの間取りよりは狭いため家賃・広さの面でバランスが良いからです。また後述しますが、1LDK~2LDKの賃貸物件を選ぶことで、家賃を立地などの利便性に充てることも視野に入れられます。

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駅チカや都心に近い物件を選ぶ

子育てをする夫婦の場合、物件周りの交通量を考慮したり、公園、教育施設の有無などを考慮しながら住まい探しをする人が多いでしょう。一方で、DINKsは自分たちの利便性だけを追及して物件選びをすることができます。

例えば、駅から徒歩5分以内の駅チカ物件を選ぶこともできますし、通勤や買いものに便利な都心に近い物件を選ぶこともできます。

実際、私たちはお互いの通勤に便利な駅チカを選び、また遅くまで空いているスーパーがいくつかある都心部に住んでいます。そのおかげで通勤はとても楽ですし、お互いに帰りが遅くなっても買いものに困ることはありません。まさに利便性を最大限追及した生活を送っています。

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オートロック付きの物件を選ぶ

DINKsは家を空けていることが多いため、セキュリティ面を重視した物件選びは大切です。特に重視したいのはオートロックがあるかどうかです。オートロックがあるかないかで、物件のセキュリティはかなり違ってきます。家に不在なことが多いDINKsだからこそ、このような安全面での機能は重視したいところです。

また、オートロック付きの物件に住んでいると、見知らぬ誰かと話すストレスも減らしてくれます。なぜならば、オートロック付きの物件では入り口にモニターが設置されていることが多く、玄関前まで人が来ることがほとんどないからです。

私たちも以前は、物件の入り口と玄関前とでそんなに違いがあるのかなと思っていたのですが、実際に住んでみると違いに気づきます。飛び込みセールなどに対して、人の気配を感じる玄関前ではなく、物件の入り口で断ることができるのは、心理的なストレスをかなり減らしてくれます。

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DINKsという生き方も選択肢の一つ

私たちはDINKsという生き方を選択しましたが、特に大きなストレスを受けることなく平穏な日々を過ごしています。たしかに大きな決断ではありますが、かといって神経質になりすぎるのも良くありません。

自分たちがどうしたいのか、どんな生活を送りたいのかを考えれば、おのずと答えは出てくると思います。経済的なゆとりや各々のプライベート時間を優先したいのであれば、DINKsという生き方はとても良い選択肢となるので、気になる方は一度夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか。