魚の調理後、しばらく経っても部屋の魚臭さが消えないことはよくあります。部屋に残った魚の臭いは、適切に対策をとれば軽減可能です。
今回は、部屋に残る魚の臭いの原因や、臭いをとる方法、調理前・中・後の対策を紹介します。魚料理が好きな方や、普段からよく魚を食べる方は、ぜひ参考にしてみてください。
魚を焼くと部屋が臭くなる原因

魚を焼くと部屋が臭くなるのは、空気中に漂う「油煙」が原因です。油煙とは、魚を焼いたときに発生する水蒸気と油が混ざった湯気のことを指します。
調理中にうまく換気ができていないと、油煙は部屋中に広がります。部屋に広がった油煙が、知らず知らずのうちに次のような家のあちこちに付着することで、ベタベタした汚れや臭いの原因となるのです。
・壁や天井
・フローリングなどの床
・カーテンやソファなどの布製
・エアコンのフィルター など
油煙には魚の油が含まれているため、酸化することで臭いの原因となります。汚れの経過とともに臭いが気になるようになってくることもあるのです。魚を焼く際に、換気や清掃を徹底すれば、この嫌な臭いはある程度防げます。
部屋に残る魚の臭いを取り除く方法

ここからは、魚を焼いたあとに部屋に残ってしまった魚の臭いを解消する具体的な方法について見ていきましょう。
・濡らしたタオルを振り回す
・お茶の葉をフライパンで炒る
・シンクの排水を掃除する
・魚の油が付着したところを掃除する
・カーテンなど布に染み込んだ臭いを除去する
それぞれ紹介します。
濡らしたタオルを振り回す
部屋に充満する臭いをすぐに消すなら、濡らしたタオルを振り回すと効果的です。空気中に漂っている臭いの粒子をタオルに含まれる水分に吸着させることで、部屋の臭いを抑える効果が期待できます。
この方法は手軽にできて即効性があるため、急な来客時などにも役立ちます。ただし、しっかりとタオルの水分を絞ること、周囲のものに当たらないように注意しましょう。
お茶の葉をフライパンで炒る
使用後のお茶の葉を活用する方法も、魚の臭い対策として効果的です。お茶の葉には消臭効果があるためです。簡単に手順を紹介します。
1.お茶の出がらしを、煙が出てくるくらいまでフライパンで乾煎りする
2.乾煎りしたものを、臭いが気になる場所に置く
消臭に使用する場合、緑茶の茶葉が向いています。コーヒーの粉もおすすめです。部屋に漂うお茶やコーヒーの香りには、リラックス効果も期待できます。
シンクの排水を掃除する
魚を焼いたあとには、シンクの排水の汚れも意識してみましょう。調理中に流れた魚の油や残りかすが、排水口に溜まって臭いの原因となっていることがあるためです。まずは、排水のカゴに溜まったゴミを取り除き、目に見える汚れを洗浄しましょう。
排水口を掃除しても臭いが気になる時は、排水口に栓をしてシンクに40〜50度のお湯を溜め、一気に流す方法がおすすめです。水圧で汚れが流れ、排水管の内部を洗浄できます。
魚の油が付着したところを掃除する
魚を調理したあとは、湯煙により魚の油がさまざまな場所に付着しています。これらの油汚れを放置すると、臭いの原因となることもあります。
たとえば次に挙げるところは、魚の油が付着しやすい場所です。
・キッチンの壁
・キッチンカウンター
・換気扇の周囲
・床 など
シンクやコンロの周囲だけでなく、壁や床の拭き掃除を行いましょう。魚を焼くと部屋のさまざまなところに臭いが染み付きますが、しっかりと水拭きをしておくことである程度解消されます。
なお、油汚れには、セスキ炭酸ソーダやアルカリ電解水などアルカリ性の洗剤が効果的です。汚れが目に見えにくいため、汚れていると気づかずに放置しがちですが、先回りして拭いておくと臭い残りが少なくなり、すっきりとします。
カーテンなど布に染み込んだ臭いを除去する
魚の臭いは、カーテンやソファなどの布製品にも染み込みやすい性質があります。これらの臭いを取り除くためには、以下のような方法が効果的です。
・洗濯機で洗う
・天日干しをする
・消臭スプレーを使用する
定期的に布製品のケアを行えば、臭いを予防できます。また、普段から換気を心がけることで、布に臭いが染み込みにくくなります。
調理前に行いたい、部屋に残る魚の臭いを軽減する対策方法

魚の臭いを軽減するためには、調理前の対策も効果的です。ここでは、調理前に行うべき対処法を紹介します。
あらかじめ換気扇を回しておく
調理を始める前に換気扇を回し、部屋の空気を循環させておくと、調理中に発生する油煙をすぐに排出できます。調理を始める5分程度前から回しておくとよいでしょう。
調理中は換気扇の風量を多めにし、発生する油煙をすぐに排出できるようにしておくこともおすすめです。
空気清浄機や消臭アイテムを利用する
空気清浄機を利用することも効果的です。空気清浄機の中には、脱臭機能が強化されているものもあります。臭いが部屋に残ることを避けたい場合には、脱臭機能のついた空気清浄機を部屋に設置するとよいでしょう。
また、市販の臭いを吸着するタイプの消臭剤も活用できます。
調理中に行いたい、部屋に残る魚の臭いを軽減する対策方法

魚を調理している最中も、臭いを軽減するための対策を行うことができます。調理中に実践できる効果的な方法を紹介します。
魚に塩を振ってから焼く
魚を焼く前に塩を振っておくと、臭いの原因となる余分な水分が出てきます。塩を振ったあとの時間の目安は次のとおりです。
・皮付きの場合:20〜30分程度
・皮なしの場合:5〜10分程度
長時間置きすぎると、水分と一緒に魚の旨みも逃げてしまうため注意しましょう。
お酢やお酒を使った料理を行う
調理にお酢やお酒を使用することも、臭い対策として効果があります。お酒に含まれるアルコールや、お酢に含まれるクエン酸には、魚の臭みを減らす効果があるためです。
これらの調味料には、魚の身を引き締め、旨みを引き立てる効果もあります。魚の臭いを残したくない日は、お酒やお酢を使ったレシピを選んでみましょう。
ハーブやスパイスを活用する
魚料理にハーブやスパイスを使用すると、魚臭さの軽減に繋がります。
たとえばローズマリーは、独特の香りが強く、肉や魚の生臭さを取り除くためにも使用されます。下ごしらえの際に乾燥ローズマリーをまぶしたり、一緒に焼く・蒸すなど調理をしたりしてみましょう。臭いが軽減するだけでなく、爽やかな香りが楽しめます。
調理後すぐに行いたい、部屋に残る魚の臭いを軽減する対策方法

魚の調理が終わったら、できるだけ早めに対策を行うことで、臭い残りを減らすことができます。調理後には次のことを意識しましょう。
・調理後すぐに調理器具を洗浄し、キッチン表面を拭く
・ゴミの処理をすぐに行う
・部屋の換気を行う
それぞれ紹介します。
調理後すぐに調理器具を洗浄し、キッチン表面を拭く
調理後は、すぐに調理器具を洗浄しましょう。油は温かいうちに掃除をした方が、粘度が低く取れやすいという特徴があります。
・フライパンやまな板
・グリル・コンロ
・キッチンカウンター
・シンク周り など
油がかたまり、こびりつく前に、掃除をしておきましょう。
魚焼きグリルの掃除方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
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魚焼きグリルの掃除方法や臭いをとる方法、キレイに使う工夫とは
ゴミの処理をすぐに行う
魚の調理後に出たゴミは、臭いの大きな原因となります。とくに残った魚の身や内臓、皮などは特に臭いが強いため、すぐに処理する必要があります。
生ゴミに消臭スプレーをかけてから、 新聞紙にくるんで捨てたり、防臭袋に入れたりと、臭いが外に漏れないように工夫するとよいでしょう。しっかりと処理しておけば、ゴミ出しの日までの臭いに悩まされなくなります。
また、24時間ゴミ出しが可能な部屋に住んでいる方は、できるだけ早くゴミを出しに行きましょう。
部屋の換気を行う
魚を焼いたあとに臭いが気になったら、早めに部屋の換気を行いましょう。新鮮な空気を取り入れることで、魚の臭いを室外に排出します。
換気の方法としては、以下のようなものがあります。
・窓を開けて自然換気を行う
・換気扇を使用する
・サーキュレーターを活用する
エアコンを使用していたとしても、調理中・調理後はしっかりと換気をすることをおすすめします。油煙が壁や布に染み込む前に、素早く部屋の外に出すことが大切です。
掃除のプロ直伝!魚の臭いを消す効率的な換気方法
最後に、効率的な換気方法を紹介します。
換気の基本は、空気の入り口と出口を作ることです。台所の換気扇を回したら、換気扇から少し離れた場所の窓を開けましょう。
近い場所にある窓を開けてしまうと、外から入ってきた空気がすぐに換気扇から出ていってしまうため、部屋全体の空気が入れ替わりにくくなります。扇風機やサーキュレーターを活用して、空気の流れを作ることも効果的です。
部屋に残る魚の臭いとおさらばしよう!
今回は、部屋に残る魚の臭いの原因や、臭いをとる方法、調理前・中・後の対策を紹介しました。
臭い対策は、1つだけでなく、複数の方法を実践するとより効果的です。自身の生活スタイルや住環境に合わせて、ぜひいろいろと試してみてください。