梅雨の時期や花粉の季節、外干しをためらうことはありませんか?「洗濯物をカラッと乾かしたい」「室内干しの生乾き臭やじめじめ感をなくしたい」といった悩みを抱えている方も多いでしょう。そんなときに役立つのが浴室乾燥機です。
しかし、自分の住まいに浴室乾燥機がないとき、「後付けはできるのだろうか」「賃貸でも設置できるのだろうか」と疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで、この記事では、浴室乾燥機を後付けするときの具体的な方法や費用などについて、詳しく解説します。
また、浴室乾燥機がある賃貸物件をお探しの人は、ぜひ一度希望エリアにどのような物件があるか、探してみてください。
浴室乾燥機とは
浴室乾燥機は、その名の通り浴室に設置し、さまざまな機能で私たちの生活を快適にしてくれる設備です。洗濯物を乾燥させる機能はもちろん、浴室を温めたり、カビを防止したりと、便利な機能が搭載されています。
浴室乾燥機のメリット
浴室乾燥機がもたらすメリットは多岐にわたります。具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
「外干ししたくない・できない問題」の解決
雨の日や風の強い日、花粉やPM2.5が多い日など、外に洗濯物を干すことをためらう状況は少なくありません。特に梅雨の時期や幹線道路沿いにお住まいの方は、外干しが難しいことも多いでしょう。
そんなときでも、浴室乾燥機があれば室内で安心して洗濯物を乾かすことができます。浴室という専用スペースを活用することで、リビングや寝室に洗濯物を干す必要がなく、生活空間を快適に保ちながら、天候や外部環境に左右されることなく洗濯物をしっかりと乾燥させることができます。
ヒートショック対策
冬の寒い時期、暖かいリビングから冷え切った浴室へ移動した際に、急激な温度変化で体に負担がかかるヒートショックが起こりやすくなります。暖房機能付きの浴室乾燥機であれば、入浴前に浴室を暖めておくことができ、快適かつ安全に入浴できます。
ただし、すべての浴室乾燥機に暖房機能が搭載されているわけではないため、ヒートショック対策を重視する場合は、暖房機能の有無を確認して選ぶようにしましょう。
カビ対策
風呂場は湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい場所です。カビは湿度60%以上の環境で急速に繁殖するため、入浴後の浴室は要注意です。
浴室乾燥機の乾燥機能を使えば、入浴後の湿気を効率的に取り除き、タイル目地や天井の隅などカビが発生しやすい箇所も素早く乾燥させることができます。これにより、カビの発生を根本的に抑制でき、清潔な状態を保ちやすくなるだけでなく、カビ取り掃除の手間も大幅に軽減できます。
浴室乾燥機のタイプ

浴室乾燥機にはいくつかのタイプがあり、後付けできるかどうかはタイプによって異なります。詳しく見ていきましょう。
ビルトイン(天井埋め込み)
最も一般的なタイプで、天井に埋め込む形で設置されます。見た目がすっきりしており、場所を取りません。後付けの場合、既存の換気扇や浴室乾燥機を取り外して設置することが可能です。
天井取り付け
天井に後から取り付けるタイプです。ビルトインタイプと似ていますが、埋め込みではなく本体が天井から出ているのが特徴です。後付けがカンタンにできますが、浴室内に点検口などがないときは、電気配線工事が難航することがあります。
壁掛け
壁に取り付けるタイプの浴室乾燥機です。ビルトインや天井取り付けが難しい場合に選択肢となります。外部に電源工事が必要なこともありますが、開口箇所が最小限に抑えられ、かつ、外壁に面していない箇所にも設置可能です。
浴室乾燥機の熱源の種類
熱源によっても、後付けの難易度やランニングコストが変わります。
電気
電気を熱源とするタイプです。比較的設置が簡単で、後付けしやすいのが特徴です。工事も短時間で済みますが、ガス式に比べてランニングコストが高くなる傾向があります。
ガス
ガスを熱源とするタイプです。パワフルな温風で衣類を短時間で乾燥させることができ、ランニングコストも電気式より安いことが多いです。
ただし、ガス管の引き込み工事が必要になるため、後付けには大規模な工事を伴う場合があります。
浴室乾燥機の主な機能
浴室乾燥機には、乾燥機能以外にも便利な機能が備わっています。お風呂時間が楽しみになる機能もありますので、ぜひチェックしてみてください。
浴室・衣類乾燥機能
洗濯物を乾かすメイン機能です。梅雨時期でも約2〜4時間でカラッと乾き、部屋干し特有の生乾き臭も防いでくれます。急な来客時でも洗濯物を浴室に隠せるので、生活感を感じさせずに済むのも嬉しいポイントです。
浴室暖房・涼風機能
冬場は入浴前に浴室を暖めることで、温度差によるヒートショックを予防できます。夏場の涼風機能は、湯上がり後の汗を素早く引かせ、さっぱりとした入浴後のひとときを演出してくれます。小さなお子様や高齢者がいるご家庭には特に重宝する機能です。
ミストサウナ機能
微細なミストを噴霧し、自宅で気軽にミストサウナを楽しめる機能です。お肌の保湿効果や毛穴の汚れ落としにも期待でき、まるでエステに行ったような贅沢な時間を自宅で過ごせます。一日の疲れをリセットする癒しの時間になるでしょう。
プラズマクラスター機能
空気中のカビ菌やアレルギーの原因になる物質を除去する機能です。アレルギー体質のご家族がいる場合や、小さなお子様がいるご家庭では、目に見えない部分でも安心感が得られます。浴室の嫌な臭いも軽減され、いつでも爽やかな空間を保てます。
浴室乾燥機のランニングコスト
浴室乾燥機を毎日使うとなると、ランニングコストが気になる方もいるでしょう。一般的に、衣類乾燥機能を3時間使用した場合、かかる電気代は100〜150円程度です。ただし、機種や電気代の契約プランによって異なるため、目安として考えておきましょう。
雨の日や花粉の時期でも洗濯物を気にせず干せる浴室乾燥機は、日々の生活をより快適にしてくれます。
後付け工事についても紹介しましたが、「工事の手間や費用を考えると少し大変そう」「賃貸では難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。そんな方には、最初から浴室乾燥機が設置されている物件を選ぶという方法もあります。
「もっと便利で快適な暮らしを送りたい」「設備の整った住まいで新生活をスタートしたい」そうお考えの方は、浴室乾燥機付きの物件を探してみませんか?
所有物件で浴室乾燥機は後付けする流れと費用
ご自身の持ち家であれば、比較的自由に浴室乾燥機を後付けできます。ここでは、後付けの流れと費用について解説します。
既存の24時間換気を入れ替える形で設置が可能
多くの場合、既存の浴室換気扇を浴室乾燥機に交換する形で設置します。換気扇の開口部を利用するため、大掛かりな工事は不要です。ただし、設置する機種によっては多少の開口処理が必要になる場合もあります。
必要に応じて電気工事も必要
浴室乾燥機は多くの電力を消費するため、専用のコンセントや回路が必要になります。既存の換気扇や浴室乾燥機が100V電源の場合、よりパワフルな200V電源が必要になることもあります。その場合は、専門業者による電気工事が必要です。
工期と費用
工期は、既存の換気扇からの交換であれば半日〜1日程度で完了することがほとんどです。費用は機種や工事内容によって変動しますが、本体価格と工事費込みで15〜20万円程度が目安となります。
後付けできないケース
浴室乾燥機は多くの場合で後付け可能ですが、希望のタイプが設置できないケースや、ごく稀に設置自体が困難な場合もあります。
例えば、天井裏のスペースが限られている場合は壁掛けタイプを選ぶ必要があったり、建物の構造によってはダクト工事に制約が生じたりすることがあります。最適な浴室乾燥機を選ぶためにも、事前に業者に現地調査を依頼し、どのようなタイプが設置可能かを確認しておくと安心です。
賃貸物件で浴室乾燥機は後付けできる?

「賃貸物件でも浴室乾燥機を後付けしたい」と考える方もいるでしょう。結論から言うと、可能ではありますが、家主や管理会社の承諾が不可欠です。
無断で工事をすると、契約違反になる可能性があるので、くれぐれも独断で工事をしないように気を付けてください。
賃貸物件で浴室乾燥機を設置する流れ
賃貸物件で浴室乾燥機を設置したい場合は、必ず以下の手順を踏むようにしてください。
家主や管理会社に問い合わせをする
賃貸物件で浴室乾燥機を設置したい場合は、まず家主や管理会社に設置可能かどうかを確認しましょう。その際、工事費用の負担や退去時の原状回復について、指定業者の有無、万が一故障した場合の対応など、詳細な条件についてもしっかりと話し合っておくことが大切です。
施工をしてもらう
家主や管理会社の承諾が得られれば、業者に依頼して工事を進めます。工事の音や作業時間については、事前に近隣の方々にお知らせしておくと良いでしょう。
なお、施工業者は家主さんや管理会社から指定されることもあります。そのときは、指定業者での施工が必要となりますのでご注意ください。
必要や取り決めに応じた退室時の原状回復
退去時の対応については、契約時の取り決めによって異なります。浴室乾燥機を取り外して元の状態に戻す「原状回復工事」が必要になることもあるため、契約書や取り決めの内容をあらかじめ確認しておきましょう。
浴室乾燥機付きの賃貸物件を探す際のポイント
賃貸で浴室乾燥機を後付けするのは手間と費用がかかるため、最初から浴室乾燥機付きの物件を探すのがおすすめです。ここでは、浴室乾燥機付きの賃貸物件を探す方法をレクチャーします。
検索サイトで「浴室乾燥機」にチェックを入れて設備重視で探す
物件情報サイトでは、設備の項目から「浴室乾燥機」にチェックを入れるだけで、条件に合った物件を絞り込めます。効率的に探したい場合は、この機能を活用しましょう。
内見時には機能を確認しておく
古い物件の場合、浴室乾燥機と記載されていても換気機能しか動作しないケースもあります。内見時には、各機能が正常に作動するかを担当者に確認してもらいましょう。
また、設備扱いか前入居者の設置物かによって故障時の修理費用負担が変わるため、事前に確認が必要です。動作確認の際は騒音もチェックしておきましょう。古い機器や故障しかけのものは異音を発することが多いためです。
代替機能があるかどうか
気に入った部屋に浴室乾燥機がない場合は、代替手段があるかどうかを確認してみましょう。まず、浴室に窓があれば自然換気により湿気を逃がすことができ、浴室物干しがあれば洗濯物を干すスペースとして活用できます。
また、リビングや洋室に室内物干しができるスペースがあるか、ベランダが使いやすい立地にあるかも重要なポイントです。南向きのベランダであれば洗濯物が乾きやすく、屋根があれば急な雨でも安心です。
さらに、将来的に浴室乾燥機を後付けできる構造かどうかや、近隣にコインランドリーがあるかなども確認しておくと、洗濯物の乾燥に関する不安を解消できるでしょう。立地や間取りが気に入った物件であれば、これらの代替手段で十分快適に過ごせる場合も多いものです。
代替手段でもある程度は対応できますが、梅雨時期や花粉の季節を考えると、やはり浴室乾燥機があると安心です。より快適で便利な暮らしを始めたい方は、浴室乾燥機付きの物件から探してみてはいかがでしょうか?
浴室乾燥機で快適な生活を手に入れよう
今回は、浴室乾燥機の後付けについて、持ち家と賃貸それぞれのケースでご紹介してきました。確かに後付けには費用や工事の手間がかかりますが、一度設置すれば梅雨時期の洗濯物の悩みや冬場のヒートショックの心配がなくなり、毎日の暮らしがずっと快適になります。
もし後付けが難しかったり、賃貸住まいで工事ができなかったりする場合は、最初から浴室乾燥機が付いている物件への住み替えを検討してみるのも良いでしょう。新生活のタイミングに合わせて、浴室乾燥機のある快適な住環境を手に入れてみませんか?





