「ネット通販で購入した商品の不在通知表がポストに入っていたけど、再配達の受付時間が過ぎていた」といった経験を持つ方も多いのではないでしょうか。荷物を再度届けてもらうには、宅配業者に再配達依頼の連絡をして、配達時間帯に自宅で待機しなければなりません。
一度だけならまだしも、繰り返し何度も同じことがあると面倒に感じてしまいますよね。そこで今回は、宅配ボックス付き物件への引越しを考えている方に向けて、宅配ボックスのメリット・デメリット、実際に使うときに注意すべきポイントなどについて解説していきます。
宅配ボックスとは?

宅配ボックスとは、不在時でも入居者の代わりに宅配物を受け取ることができる設備です。玄関入口や共用部に設置してあることが多く、入居者が不在時でも宅配ボックスに宅配物を預けることができるので、便利な設備として注目を集めています。
日中仕事で外出していると、宅配物を指定の時間に受け取れないことも珍しくありません。しかし、宅配ボックスがあることで再配達の連絡も不要になります。
宅配ボックスは大きくわけて3種類ある
宅配ボックスと一口にいっても主に3つのタイプがあり、自分の目的や用途に合っているものを選ぶ必要があります。
- ダイヤル式宅配ボックス
- 電気式宅配ボックス・デジタル式宅配ボックス
- 個別置き型宅配ボックス
上記3つの特徴やメリット、注意点について詳しく見ていきましょう。
ダイヤル式宅配ボックス
ダイヤル式で暗証番号を使い宅配物を預けられる、もっともオーソドックスなタイプのものです。荷物を入れる宅配業者が暗証番号を設定し、入居者のポストの中に暗証番号と箱番号を記載した書類を入れます。その後、入居者がダイヤルを回して暗証番号を入力することで荷物を取り出すことができます。
次に、ダイヤル式宅配ボックスが持つメリットと注意点について見ていきましょう。
メリット | 注意点 |
---|---|
使い方が簡単 | 盗難被害に遭う可能性がある |
誤配送されても荷物を取り出せる | 宅配業者が暗証番号を間違えると開けられない |
ダイヤル式宅配ボックスは使い方が簡単なので、初めて使う方でも安心して利用できます。暗証番号をダイヤルに合わせるだけで開けられるので、年齢を問わず利用しやすいです。また、宅配業者が誤って違うところに配送してしまったとしても、宅配業者に連絡して暗証番号を確認すれば開けられるので、わざわざ宅配業者に来てもらう必要もありません。
一方、ダイヤル式宅配ボックスの注意点は、盗難される可能性がゼロではないことです。ダイヤルの暗証番号は3桁または4桁の場合が多いので、時間をかければ解錠される可能性があります。そのほかにも、郵便ポストに入れてある暗証番号の書類を第三者に盗まれるリスクもあるので注意が必要です。
また、宅配業者が設定した暗証番号と、書類に記載した暗証番号が違っていることもあり得ます。宅配業者に連絡し暗証番号がわかれば良いのですが、もしわからない場合は、宅配ボックスの荷物をすぐに取り出すことができません。アパートの管理会社に連絡をして、マスターキーで開けてもらう必要があります。
ダイヤル式宅配ボックスのメリットと注意点も踏まえたうえで、おすすめの人は以下のとおりです。
- シンプルな方法で荷物を取り出したい人
- 事前登録などせずに使いたい人
電気式宅配ボックス・デジタル式宅配ボックス
電気式宅配ボックス・デジタル式宅配ボックスは、液晶画面が設置されているのが特徴です。宅配業者が画面の指示に従って宅配物を預け、配達通知書を入居者のポストに入れておきます。暗証番号が部屋ごとに決まっており、入居者は自分の部屋の暗証番号を入力して荷物を取り出します。
それでは、電気式宅配ボックス・デジタル式宅配ボックスのメリットと注意点について見ていきましょう。
メリット | 注意点 |
---|---|
防犯性が高い | 暗証番号を何度か間違えるとエラーで取り出せなくなる |
配達通知サービスもある | 誤配送されてしまうと、宅配物を取り出せない |
電気式宅配ボックス・デジタル式宅配ボックスは、部屋ごとに定められた暗証番号で開けるものと、磁気情報を含んだカードや鍵で開けるものの2つがあります。いずれも入居者しか開けられないような仕組みなため、盗難などの心配はありません。
また、宅配ボックスに荷物が届いたら部屋のインターホンが鳴ったり、登録したメールアドレスに通知が届いたりするなど、荷物の受け取り忘れを防止するサービスがあるのもうれしいところです。
一方、電気式宅配ボックス・デジタル式宅配ボックスの注意点は、暗証番号を何度か間違えるとエラーになり、荷物が取り出せなくなることです。セキュリティ対策として重要なことですが、エラーを解除するために余計な時間がかかってしまう恐れがあります。
また、別の部屋番号に配送されてしまうと、自分の暗証番号では開くことができません。管理会社及び宅配会社に対応してもらわないと荷物が取り出せず、受け取るまで時間がかかるケースもあります。
上記のようなメリットや注意点がある電気式宅配ボックス・デジタル式宅配ボックスは、以下のような人におすすめできます。
- 荷物を盗難されるリスクを限りなく抑えたい人
- 配達の通知がほしい人
個別置き型宅配ボックス
個別置き型宅配ボックスは、玄関扉前に個別に設置する宅配ボックスのことです。プラスチック素材の安価なものや、頑丈なステンレス製のものまでさまざまなタイプがあります。
それでは、個別置き型宅配ボックスのメリットと注意点について見ていきましょう。
メリット | 注意点 |
---|---|
設置が簡単 | 盗難されるおそれがある |
場所を選ばず設置できる | 大きな荷物は入らない |
1つ目のメリットは、設置が簡単な点です。個別置き型宅配ボックスは工事の必要がなく、玄関扉前に置くだけなので簡単に宅配ボックスを設置できます。
2つ目のメリットは、場所を選ばずに設置できることです。共用エントランスなどに設置スペースがなくても、アパートの各部屋前に設置することができます。玄関扉を開けるだけで荷物を受け取れるので、非常に便利です。
一方、デメリットとしては、盗難のおそれがあることです。個別置き型宅配ボックスは地面や壁に固定されていないので、ボックスごと盗まれる可能性があります。埋め込み型の宅配ボックスと比べると、セキュリティ面では若干の不安が残ります。
2つ目のデメリットは、大きな荷物が入らないことです。個別置き型宅配ボックスは、クーラーボックス程度の大きさのものが多く、入る荷物の大きさには限りがあります。
個別置き型宅配ボックスのメリットと注意点も踏まえたうえで、おすすめの人は以下のとおりです。
- 玄関扉を開けて荷物をすぐに取り出したい人
- 事前登録などせずにすぐに使いたい人
メリット・デメリットがそれぞれある宅配ボックスですが、昨今のネット通販の普及により、宅配ボックスの需要は年々高まっています。宅配ボックス付きの物件も人気が高いため、「宅配ボックス付きの部屋に住みたい」と考えている方は早めに部屋探しを行ってみてはいかがでしょうか。
お客様に聞いた、宅配ボックスがあるメリット

ここからは、お客様から聞いた宅配ボックスが設置されているメリットの声について解説していきます。
- 不在時でも荷物を受け取ることができる
- 宅配員と顔を合わせずに荷物を受け取ることができる
- 防犯対策効果がある
多くの声が挙げられた上記3つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
不在時でも荷物を受け取ることができる
たとえば、一人暮らしをしている会社員の場合、日中仕事で外出して帰りが遅いこともあるので、宅配ボックスがなければ再配達で受け取ることができるのは休日のみとなります。せっかくの休日に、再配達の荷物を受け取るためだけに家にいるのはもったいないですよね。
しかし宅配ボックスがあれば、荷物が届く日であっても自宅で待機する必要がなく、コンビニやスーパーにも気兼ねなく行くことができます。また、手が離せないときでも荷物を受け取ることができるので、料理や掃除を中断する必要もありません。
宅配員と顔を合わせずに荷物を受け取ることができる
宅配業者が荷物を届けに来たとしても、「すっぴんの状態を見られたくない」「服装がラフなのに人と会いたくない」と躊躇した経験がある方も多いのではないでしょうか。このようなとき、宅配ボックスがあればわざわざ着替えたり化粧したりすることなく荷物を受け取ることができます。
新型コロナウイルスの影響により、ソーシャルディスタンスを確保しやすいという点からも、宅配員と顔を合わせることなく荷物を受け取ることができるのは大きなメリットといえます。
防犯対策効果がある
宅配ボックスがあれば、宅配業者と顔を合わせることなく荷物を受け取れるので、配達員を装って建物への侵入を試みる不審者対策にも効果的です。特に最近はそのような犯罪も増えており、防犯対策に力を入れている方も少なくありません。対面での受け取りに不安を感じる場合、宅配ボックスは自身を守る有効なツールになるでしょう。
荷物の受け取りだけでなく、防犯対策にもなる宅配ボックスに魅力を感じた方は、宅配ボックス付きの物件を探してみてはいかがでしょうか。
お客様に聞いた、宅配ボックスを利用する注意点

最後に、お客様から聞いた宅配ボックスを利用する際の注意点について解説していきます。
- すべての荷物に適用できるわけではない
- 宅配ボックスがあるのに配達員が気づかない場合もある
- 宅配ボックスがいっぱいで通常通りの受け取りになってしまう場合がある
使い慣れていないとさまざまなトラブルが発生する可能性があるので、事前に押さえておくようにしましょう。
すべての荷物に適用できるわけではない
宅配ボックスは非常に便利な設備ではあるものの、すべての荷物に適用しているわけではありません。たとえば、以下の荷物は基本的に宅配ボックスへ入れることができません。
- 生鮮食品冷凍食品
- 書留郵便
- 貴重品や高額商品
- 代金引換や着払いの荷物
- 宅配ボックスに入らない大きいサイズの荷物
このような荷物が送られてくることがわかっている場合、直接受け取る必要があるので、配送予定時間に合わせて自宅で待機しておきましょう。
宅配ボックスがあるのに配達員が気づかない場合もある
宅配ボックスは、エントランスや郵便ポスト近くなど、わかりやすい共用部に設置されていることが多いです。しかし、なかにはスペースの関係で目立ちにくい場所や離れたところに設置されているケースも少なくありません。
宅配ボックスがエントランスから離れた場所に設置されている場合、配達員がそれに気づかず荷物を持ち帰ってしまうケースがあります。
宅配ボックスがいっぱいで通常通りの受け取りになってしまう場合がある
宅配ボックスで受け取れる個数には制限があります。たとえば、ほかの入居者が荷物を取り出すのを忘れてそのままにしていると、宅配業者は宅配ボックスに荷物を入れることができません。
また、宅配ボックスの数と部屋数が同じではない物件も多いので、状況次第で通常の受け取りになってしまうおそれがあるということを頭に入れておきましょう。
不動産実務を経験した私から見たアパート・マンションの宅配ボックスの有用性
宅配ボックス最大のメリットは、不在時でも荷物を受け取れることだと思いますが、それに付随して「宅配業者に再配達依頼をする負担がなくなること」も挙げられます。
宅配ボックスがなければ、不在時に荷物が届くたびに不在通知表がポストに投函され、そのたびに連絡をして再度届けにきてもらうことになります。入居者もそのたびに連絡する手間もかかりますし、宅配業者に何度も来てもらうことに「何度も来てもらって申し訳ない」といった心理的負担を感じる方も少なくありません。
賃貸アパートに宅配ボックスが設置されていれば、不在時に荷物が届いたとしても宅配業者に再配達依頼をすることなく荷物を受け取れるので、連絡をするストレスや手間がなくなります。
一度、宅配ボックスの便利さを味わったら、次に引っ越すときも宅配ボックスを条件としてお部屋探しをされる方も多いです。インターネットでお買い物をされる方には、宅配ボックスは手放せない設備といえるでしょう。
通販をたくさん利用する人は宅配ボックス付きのアパート・マンションを検討しよう
インターネットの普及により、ネット通販やフリマアプリで買い物をすることが当たり前の時代となりました。ネットで購入した商品は、宅配業者が自宅に届けてくれるので非常に便利ではありますが、宅配ボックスのついてない物件だと荷物を受け取るために自宅で待機していなければなりません。
しかし、宅配ボックスがついている物件なら、不在時でも荷物を受け取ることができるうえに防犯性も高いので、一人暮らしでも安心してネットショッピングを楽しむことができます。「ネット通販をよく利用する」「不在時でも荷物を受け取りたい」という人は、宅配ボックス付きのアパートへの引越しを検討してみてはいかがでしょうか。