賃貸で猫と暮らすのに、広い部屋は必要ありません。上下運動ができるキャットウォークを設置して、愛猫を喜ばせてあげましょう。
しかし、賃貸の場合だと「壁を傷つけずにキャットウォークを設置できるか心配・・・」「キャットウォークをDIYしたいけど、注意点はある?」といった不安があるかもしれません。
今回は、壁に穴を開けずにキャットウォークを設置する方法やアイデアを紹介します。猫の習性を理解して、愛猫と快適に暮らしましょう。
賃貸でもキャットウォークは設置できる?
賃貸で大規模なDIYを行うと、退去時に多額の修繕費用を請求されることがあります。しかし、工夫次第では、賃貸物件でもキャットウォークを設置することが可能です。
キャットウォークの役割
毎日の散歩が必要な犬と違って、猫は部屋の中だけで生活できます。ただし、運動不足になりがちなので、上下運動ができるキャットウォークの設置がおすすめです。
壁沿いに立体的に設置できるキャットウォークは、限られたスペースを活用できます。人の動線を邪魔することもないため、猫と飼い主が快適に暮らすのに役立つでしょう。
猫の習性とキャットウォークを好む理由
猫には、高いところを好む習性があります。天敵から隠れたり、獲物を見つけたりするのに、木の上が最適だからです。安心してくつろげるキャットウォークがあれば、ストレスの軽減につながります。
また、より高い位置にいる猫の方が優位性を示すという習性も特徴的です。高い場所にいる猫は少し強気で、触ろうとすると引っかかれることもあるので、注意しましょう。
賃貸でも設置できるキャットウォークは、高いところを好む猫にとって最高の場所です。ペットと一緒に暮らせる賃貸物件を見つけて、猫と快適に暮らしましょう。
賃貸におけるキャットウォークの設置方法
賃貸でキャットウォークを設置する3つの方法を詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
市販のキャットウォークを設置する
オンラインショップで検索をしたり、ペットショップで探したりすると、さまざまなキャットウォークが見つかります。
メリット | ・気軽に手に入る ・すぐに設置できる |
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注意点 | ・家具や部屋のサイズを測ってから購入する必要がある |
価格は6,000円~3万円程度です。送料無料のショップもあるので、お気に入りのインテリアに合う対象商品を探してみましょう。
ラダーやボックスなどの付属品があったり、フワフワのベッドが設置できたりと、種類がとても豊富です。口コミを参考にしながら、猫の数や部屋の広さを考慮して選ぶとよいでしょう。
<市販のキャットウォークがおすすめの人>
・気軽に購入したい人
・猫のためにすぐに設置したい人
DIYしたキャットウォークを設置する
棚板や角材を利用して、オリジナルのキャットウォークもDIYできます。
メリット | ・自分好みのものを作れる ・猫の性格や年齢にあわせて作れる |
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注意点 | ・完成までに時間がかかる |
「ディアウォール」や「ラブリコ」などのDIYアイテムを使えば、壁や天井を傷つけずに設置することが可能です。
まずはサイズを決め、設計図を作りましょう。ホームセンターなどで材料を購入する際に、お店の人に頼んで木材をカットしてもらうと簡単ですよ。
<DIYしたキャットウォークがおすすめの人>
・猫の性格や年齢にあわせて作りたい人
・部屋の雰囲気などにあわせて自分好みのものを作りたい人
家具を活用してキャットウォークを設置する
市販のキャットウォークやDIYの材料を購入しなくても、家具をうまく配置することによってキャットウォークを作れます。
メリット | ・家具を活用して設置するので、場所を取らない |
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注意点 | ・店舗やオンラインサイトによっては、販売されている種類や数が少ないかもしれない |
高さの異なるタンスや本棚を階段状に並べてみましょう。段差が大きいと落下の危険性もありますので、軽くジャンプして登れる高さがおすすめです。
手持ちの家具を活用すれば節約にもなり、荷物が増えないので楽に引っ越しできます。タンスや本棚の上に物を置かなくなると、部屋の中もすっきりして見えるでしょう。
<家具を活用して設置するキャットウォークがおすすめの人>
・部屋の場所を取りたくない人
・部屋がそこまで広くない人
猫が喜ぶキャットウォークの特徴
賃貸でも設置可能なキャットウォークですが、猫の習性を理解すると、さらに快適な環境を作ることが可能です。ここでは、猫が喜ぶキャットウォークの特徴を3つ紹介します。
安全に寝転べる幅がある
猫は、高いところで寝るのが好きです。キャットウォークの幅が狭すぎると落下の恐れがあるので、30センチ程度あると安心です。
しかし、あまり幅を広くしすぎると、人の生活空間を圧迫してしまいます。歩くだけなら20センチあれば大丈夫ですので、数か所を広めにするとよいでしょう。
飛んだり歩いたりしてもグラグラしない
キャットウォークでは、猫が飛んだり歩き回ったりします。グラグラすると危険なうえ、ゆっくりくつろげません。
猫がジャンプするときには、後ろ足で強く蹴ります。キャットウォークを定期的にチェックし、緩みがあれば締め直しましょう。
汚れや抜け毛が掃除しやすい
猫はよく吐く動物で、毛づくろいで飲み込んだ毛を吐き出すことがあります。また、春と秋の換毛期には、キャットウォークに抜け毛がたまりやすくなります。
猫はきれい好きなので、汚れたままだとストレスを感じてしまうものです。汚れや抜け毛を掃除しやすいデザインを選ぶようにしましょう。
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市販のキャットウォークの設置アイデア5選
市販のキャットウォークは簡単に組み立てられる商品が多く、届いたその日のうちに完成できます。グラつきがないよう、丁寧に設置しましょう。
猫が上下に移動できるように壁沿いに設置する
壁沿いにキャットウォークを設置すると、人の動線を邪魔することなく、猫が上下運動できます。床と天井だけで支えるよりも安定するため、ジャンプもしやすいでしょう。
また、キャットウォークの柱に麻ヒモを巻いておくと、爪とぎになります。壁での爪とぎを防ぎ、スペースを有効活用できるので、一石二鳥です。
外を眺めたり日光浴を楽しめたりする窓辺に設置する
猫は、外を眺めて通りの人や車を観察するのが大好きです。鳥や虫を見つけて狩猟本能を刺激されるのも、ストレス解消になります。
また、猫は日光浴をすることによって、ビタミンDを皮脂腺で作り出します。ビタミンDは骨を強くするので、キャットウォークで日向ぼっこできると、猫の健康促進にも役立つのです。
窓辺にキャットウォークを設置しなくても、出窓があればのびのびと日光浴ができるでしょう。
上から眺められるように部屋の高い位置に設置する
猫は高いところにいると、優位性を感じるのが特徴です。多頭飼いをしていると、いつも過ごしている場所を観察することで、それぞれの猫の序列がわかります。
同じ縄張りで暮らす猫同士のケンカを避けるため、過ごす場所の高さで強さを示しているのです。飼い主さんをキャットウォークから見下ろす愛猫の顔は、きっと満足気でしょう。
また、ロフト付きの物件も、猫との暮らしにおすすめです。ロフトは、愛猫のお気に入りの場所となるでしょう。
ラダータイプで部屋全体を活用したキャットウォークを設置する
ラダー(はしご)を使ったキャットウォークを設置すると、ジャンプ力の落ちたシニア猫でも、高い場所に登りやすくなります。
若いときには軽々とジャンプできた猫も、年を重ねると高い場所に登ることが難しくなります。何歳になっても高い場所に登りたい気持ちはありますので、ラダーで補助してあげると猫の暮らしが豊かになるでしょう。
猫の姿が楽しめる透明なパーツを設置する
キャットウォークの一部に透明なキャットステップを設置すると、かわいらしい肉球を見ることができます。
また「猫は液体である」と聞いたことがある人も多いでしょう。キャットウォークに透明な半球形のベッドを設置すると、とろんと溶けたような猫の寝姿を愛でられますよ。
賃貸で猫と暮らすには「ペット可・相談」の物件を探しましょう。きっと猫と一緒に暮らせるお気に入りの物件が見つかるはずです。
DIYしたキャットウォークの設置アイデア3選
キャットウォークをDIYすると、猫はより自由に部屋の中で動き回れます。安全性を最優先にして、計画的に作りましょう。
好きな色に塗る
板や角材を好きな色に塗ると、オリジナルのキャットウォークを作れます。インテリアとしても楽しめ、愛猫の写真がもっと素敵に撮れるでしょう。
ペンキを塗るときはしっかりと換気をし、自然塗料を使うのがおすすめです。レンタルスペースで作業できるホームセンターもあります。
猫の年齢に合わせて作る
猫は、1歳で成猫になります。室内飼いの猫の平均寿命は約16歳で、7歳を過ぎたら若くないと考えましょう。猫の年齢を考慮したDIYアイデアで、愛猫の生活の質が上がります。
若いときには登れた高さでも、シニア猫になるとジャンプできなくなるものです。落下すると骨折の恐れもあるため、年齢に合わせて高さや幅を調節して、落下しないように工夫しましょう。
猫の数に合わせて作る
猫は単独を好む動物ですが、多頭飼いをする家庭も増えています。猫同士の相性が悪い場合には、生活スペースを分けることが必須です。部屋数が少ない物件では、立体的に空間を使いましょう。
多頭飼いの場合、キャットウォークは行き止まりがなく、周回できるとベストです。行き止まりに追いつめられるデザインだと、ストレスをためてしまいます。また、1匹であれば20センチの幅でも歩けますが、2匹がすれ違うには30センチ以上あると安全です。
家具を活用したキャットウォークの設置アイデア3選
手持ちの家具を活用して、気軽にキャットウォークを設置するアイデアを3つ紹介します。
タンスや本棚の段差を利用する
普段から使っているタンスや本棚を連続して並べることにより、キャットウォークとして活用できます。階段状にすると、高いところへ安全に登りやすいです。
タンスや本棚の上には、何も置かないようにしましょう。幅も広いので、お昼寝するのにも最適です。
踏み台や椅子などの低い段差も利用する
子猫やシニア猫のようにジャンプ力が弱い場合、踏み台や椅子を置いてあげましょう。少し邪魔になるかもしれませんが、愛猫の行動範囲が広がります。
猫は何歳でも、高いところに登りたいという本能があります。低い段差で補助してあげると、欲求が満たされてストレスが軽減されるでしょう。
市販やDIYのキャットタワーと組み合わせる
キャットタワーを購入したりDIYしたりして、手持ちのタンスや本棚と組み合わせるのもおすすめです。気分に合わせて、さまざまな場所でくつろぐ愛猫の姿を見られます。
ペット可物件の中には、キャットタワー賃貸やキャットウォーク賃貸と呼ばれる部屋もあります。家具と組み合わせると、さらに充実したスペースになるでしょう。
賃貸でキャットウォークを設置する際の注意点
賃貸でキャットウォークを設置する際には、以下の3つの点に注意が必要です。
猫の安全性を考える
まず最優先に考えることは、猫の安全性です。無計画に設置すると、段が高すぎたり幅が狭すぎたりして、落下の恐れがあります。
DIYする場合は、塗料にも注意しましょう。猫が舐めたり、かじったりしても安全かどうかまで考慮してください。
壁に穴を開けないようにする
ペット可物件の場合、もともと敷金が高めに設定されていることも多いです。壁に穴を開けると、退去時にさらに修繕費用を請求されることがあります。
市販のキャットウォークは、壁に穴を開けないタイプであることを確認してから購入しましょう。DIYの場合は、天井と床で固定できる設計にしてください。
防音対策を行う
猫がキャットウォークの高い位置から飛び降りると、コトンといったような飛び降りた音がします。2階以上の賃貸物件の場合、カーペットなどで防音対策するのがおすすめです。
猫は足裏に肉球があるので静かに歩けますが、ときどき部屋中をドタドタと走り回ることもあります。マナーとして、騒音は少ない方が気持ちよく暮らせるでしょう。
音楽が演奏できる物件であれば、防音対策をしっかりと行っている場合が多いです。騒音が心配な場合は、お気に入りのエリアで音楽可物件を検索してみましょう。
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ペット終活アドバイザーの私が教える、猫にとって最適なキャットウォークの環境
愛猫には、年齢に関係なく、最後まで幸せに暮らしてほしいですね。キャットウォークの環境を最適にする工夫を3つ紹介します。
キャットウォークの周辺に物を置かない
キャットウォークの周辺に物があると、登り下りするときにケガをする恐れがあります。尖ったものや硬いものは当然危険ですが、紙1枚でも滑ってしまいます。
整理整頓を心がけ、猫と飼い主さんが快適に暮らせる環境作りをしましょう。
最悪の事態を想定して設置している
窓やドアから脱走する猫も多いです。キャットウォークを設置するときは、脱走対策を行いましょう。網戸だけでなく、柵のある窓が安心です。
また、高すぎたり狭すぎたりすると、落下する危険性が高まります。シニア猫は骨折しやすいので、とくに注意が必要です。もし落下してもケガしないように設置しましょう。
クッションフロアの部屋であれば、床が柔らかく安心です。猫が安心して暮らせるクッションフロアの物件を検索してみましょう。
日当たりがよく外が見える
寒がりの猫にとって、日向ぼっこは幸せな時間です。たとえ外には出られなくても、日当たりがよい場所で景色を眺めるだけで満足します。
1日のほとんどを寝て過ごす猫ですが、外の刺激を受けることで健康になります。外が見えるスペースがあれば、きっとお気に入りの場所となるでしょう。
賃貸でもキャットウォークは作れる!
ペット可の賃貸物件で、猫や小型犬と暮らす人が増えています。犬と違い、猫は散歩に行かないので、キャットウォークで運動不足を解消させてあげましょう。
工夫をすれば、賃貸OKな方法でキャットウォークを設置できます。今回紹介したアイデアを参考にして、愛猫と快適な生活を過ごしてみてください。