引っ越し前の掃除はどこまですべき?実際に確認されるポイントや掃除方法とは?

目次

最近は賃貸物件の初期費用も減額傾向にあり、更新の時期毎に引っ越しをする方も多くいらっしゃいます。賃貸物件から引っ越しをするときに気になるのは、掃除はどれくらいしておいたほうが良いか、ということでしょう。

賃貸物件から引っ越すときは、大家さんや管理会社によって退去立会をすることが一般的です。退去費用にも影響してくるため、する・しないに関わらず意識することは必要でしょう。。

そこで、今回は引っ越し前の掃除について解説いたします。退去立会であらぬトラブルに巻き込まれないためのポイントをまとめていますので、これから引っ越しをする人も、まだ引っ越しの予定はない人も、。ぜひ最後までお読みください。

引っ越しの際に住んでいた物件を掃除する必要はある?

結論、引っ越しの際には住んでいた賃貸物件の掃除は絶対にしてください。

誰かに物を貸して返してもらうときに、汚れたままで返されたらどんな気分になるでしょうか。大家さんも管理会社も同じで、いい気分になる人はいないでしょう。

原状回復にはガイドラインが定められており、ガイドラインの規定以上に請求されることはありません。しかし、金額などを考慮するよりもまずすべきことは、今まで住まわせてもらったことに感謝することであり、その感謝の気持ちを掃除で表すことだと私は考えます。

引っ越しの際に住んでいた物件を掃除するメリット

引っ越しにあたって住んでいた物件を掃除することには、感謝の気持ちを表すほか、たくさんのメリットも存在しています。

メリット①過失認定をめぐるトラブルに発展しにくい

退去立会において部屋が綺麗な状態であればあるほど、過失による汚損・破損の判断がわかりやすくなることがメリットです。

お部屋の掃除ができていない状況ですと、こすれば落ちる汚れなどについて都度確認が必要になります。判断が困難になることで、時間がかかったり、不要な請求をされる可能性がどうしても多くなってしまいます。

また、「過失を隠すために掃除する」のではなく、あくまで「過失かどうかをわかりやすくするために掃除する」ということを忘れないようにしましょう。明確な過失部分があったら、隠さずに正直に申告するのが大切です。

メリット②退去費が少しでも浮く可能性がある

原状回復のガイドラインをもってしても、最後に判断するのは人です。お部屋が掃除されていないと、ちょっとした汚れまで過失として判断されることもありえる話です。

逆にいえば、ガイドライン以上の請求をされてしまうリスクを軽減することができるということになります。

メリット③管理会社や大家さんに与える印象が良くなる

退去立会の実務では、管理会社や管理会社が指定する改修業者により行われることがほとんどです。その後、賃貸物件の大家さんが最終確認して住んでいた人に対する請求項目を確定させます。

当然のことながら、管理会社や大家さんもお部屋が綺麗に掃除されているのを見て、悪い気にはなりません。過失認定の判断にも少なからず影響を及ぼすことは、いうまでもありません。

なお、部屋が綺麗であることと、本来請求されるべき故意過失の負担額が減少することには、何ら関係はありません。あくまでも、必要以上の故意過失判定がされなくなる、ということには気を付けてください。

新しい物件に引っ越す前の掃除はどこまですべき?

賃貸物件を明け渡すときの掃除にはさまざまなメリットがあることがわかりました。とはいえ、掃除はどの程度まで行うのが理想なのでしょうか。

基準を理解するためには、原状回復のガイドラインを理解する必要があります。原状回復のガイドラインの内容を確認しておきましょう。

貸主負担・入居者負担になる具体例

原状回復のガイドラインによれば、主に以下のような負担の切り分けがなされています。

クロス(壁・天井)

クロスで入居者負担となるのは、引っかき傷や落書き、剥がれが発生していたときです。家具や家電を設置していたときに起こる電気焼けや黒ずみなどは、請求されません。

フローリング

重たいものを落としたことによるヘコミや家具を移動させたときのすり傷が、入居者負担となります。

窓際に発生しやすい日焼けによる色褪せは、請求対象外です。

浴室

重度の水垢や、カビの放置については入居者負担となります。場合によっては、鏡にウロコ状の水垢がついているときも、過失認定されることがあります。

キッチン

重度の油汚れや水垢は入居者負担になります。また、キッチン収納への調味料をこぼした汚れや、レンジフード(換気扇)の清掃不足も過失と認定されるポイントです。

ほか、システムキッチンのときは、排気口カバー内に食べ物カスが入り込んでいたりすると追加の清掃費用を請求されることがあります。

バルコニー・庭

意外と見落としがちなバルコニーや庭にも、過失ポイントがあります。それは、残置物と雑草処理です。

つい雨に濡れても良いものはバルコニーや庭に置いてしまい忘れがちですが、残置物は問答無用で住んでいる人の負担になります。また、雑草が伸びきっているときなども、住んでいた人の過失として費用負担が発生します。

【場所別】新しい物件に引っ越す前に行うべき掃除方法とチェックポイント

原状回復のガイドラインによる線引きを理解できたところで、効果的な清掃方法とチェックポイントを確認しましょう。

キッチン

キッチンでポイントになるのは油汚れと水垢です。この2点がクリアされていればほぼOKと考えてよいでしょう。

シンクは研磨剤で軽くこする程度で問題ありません。どの箇所もそうですが、研磨剤は汚れが落ちる代わりに、こすりすぎると逆に傷がつくことがありますのでご注意ください。

レンジフードは油汚れ専用の洗剤を使用して拭き取りましょう。最近はフィルターが金属製のものが増えてきましたが、こういった外せる部分は浴槽でまとめて洗うと楽です。

キッチンのシンクやコンロ下の収納は、固く絞った雑巾で拭き取れば大丈夫です。こすると塗装が落ちることがありますので、あくまでも軽く優しく拭き取ることが重要です。

ガスコンロを設置するタイプのキッチンのときは、コンロの下も掃除しましょう。素材はステンレスですので、研磨剤で優しく拭くだけでかなりの汚れは落ちます。そういった点では、システムキッチンのほうが清掃は楽にになるかもしれません。

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トイレ・洗面台

トイレと洗面台は水回りの中でも簡単にお掃除ができて、効果が見えやすい箇所といえます。

トイレは市販のトイレ用洗剤でごしごし掃除をするだけで大丈夫です。余裕があれば、トイレの換気扇周りの埃も落としておきましょう。

洗面台はお風呂用の洗剤と水ぶきでほとんどの汚れが落ちるので、ぜひ実践してみてください。

なお、3点ユニットバスの場合は、お風呂用洗剤で全ての箇所を掃除すれば大丈夫です。

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浴室

浴室はお風呂用洗剤で壁も浴槽もよく洗いましょう。蛇口などの金属部分は、メラミンスポンジでこするだけで見違えるように綺麗になります。

浴室で注意したいところは、壁付けのシャンプーなどを置くラックです。少し固いですが取り外しが可能ですので、ここもよく洗っておきましょう。

最近の浴室は、壁面にマグネットでラックやフックを設置することも可能です。長く掃除をしていないと、水垢が固着していることもありますので、確認を忘れないようにしましょう。

リビング・洋室

リビングや洋室は掃除機でゴミを吸い取ったら、軽く拭き掃除をして完了です。ワックスをかける必要はありません。

和室(畳)

和室(畳)のお部屋があるときも、リビングや洋室とほとんど同じです。掃除機でゴミを吸い取り、乾いた雑巾で拭き掃除をすれば完了です。

掃除機は畳の目にそってゆっくりかけると、汚れをよく吸い取ります。拭き掃除では、畳を濡れた雑巾で掃除することはおすすめしません。

ジュースをこぼしたくらいの汚れであればやむを得ませんが、基本的には乾いた雑巾で掃除を行いましょう。

なお、和室のお部屋に家具を置いていると畳がへこむことがありますが、このへこみは退去時に費用を支払う必要はありません。また、畳には除湿効果もありますので、上記の掃除方法を活用して清潔に使うことで快適に過ごすことができる点も覚えておきましょう。

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バルコニー・庭

バルコニーと庭においては、まず残置物がないかどうかを確認しましょう。タイヤや倉庫などはもちろん、花壇のために置いたブロックなども撤去を求められることがあります。心配な場合は事前に大家さんや管理会社に確認しておくことをおすすめします。

バルコニーは基本的に外ですので、水を流す程度で問題ありません。庭も外にありますが、除草作業は実施しておいてください。除草作業が不十分なときは、退去時に費用請求を求められることがあります。そのほか、契約書で庭木の剪定の負担が定められているときは、その定めに従い剪定も行っておいてください。

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掃除をしたうえで気持ちよく新居に引っ越そう!

引っ越しをした際に行う掃除の意味は、感謝の気持ちを表すことと、退去時のトラブルを回避することにあります。

退去立会におけるトラブルは、思わぬ退去費用の請求につながります。せっかくの引っ越しによる新生活にも暗い影を落としてしまうことになってしまいます。

このようなトラブルを回避するためにも、感謝の気持ちをこめて掃除をして、新生活をより良いものにしましょう。