新しい生活を一緒に始める同棲カップルにとって、間取り選びは重要なポイントです。大好きな人との同棲生活であっても、ライフスタイルや価値観が異なると、ケンカを招きやすくなります。今回は、同棲カップルにはどんな間取りがおすすめで、どんな設備があると良いのか、ポイントを絞って解説します。
同棲カップルにおける間取りの選び方

まずは不動産会社へ行く前に、お互いの生活リズムや自炊の有無、譲れないポイントなどを確認しておきましょう。ここで理想のライフスタイルや、レイアウトに対する希望など話し合っておくと、スムーズに物件を探すことができます。
また家賃をいくらに設定するのか、初期費用に使えるお金はいくらなのかなど、事前に相談しておくことも重要です。無理して家賃が高い物件を借りてしまうと、入居後の生活が苦しくなります。お金の切れ目は縁の切れ目といわれているため、お互いに無理のない範囲の物件を検討しましょう。
選び方①:お互いの生活スタイル
リモートワークの有無や頻度、出勤時間、自炊の有無など、一緒に住んでから困ることがないようお互いのライフスタイルを確認しておきましょう。リモートワークが多い場合や、出勤時間や就寝時間が異なる場合は、それぞれ独立した部屋が必要だと考えた方が良いでしょう。
また、趣味や家具へのこだわりも考える必要があります。自分の時間が必要な人や、好きなものに囲まれて生活したい人は、自分専用の部屋があると良いでしょう。それぞれが楽しく快適に暮らせる間取りを選び、余計なトラブルを回避しましょう。
選び方②:部屋の大きさ・数
それぞれ専用の部屋が欲しい場合や、寝室と居室を分けたい場合など、生活スタイルや希望によって必要となる部屋数や広さが異なります。2部屋独立した部屋が欲しい場合は、2Kや2DK、2LDKといった間取りがベターです。
たとえば、寝室は一緒がいいけれどベッドは別にしたいという場合、寝室が8畳以上の1LDKタイプがおすすめです。部屋数はわかりやすい反面広さはイメージするのが難しいので、実際に必要な家具が置けるのかどうか、内見の際に部屋を採寸してみると良いでしょう。
選び方③:日当たりの良さ
部屋干しをしなくても済むような、洗濯物がよく乾くバルコニーがある部屋ならより快適に暮らすことができます。太陽の光はセロトニンの分泌を促すため、安心感や幸福感が高まるといわれています。
また、カップルで暮らすと部屋が狭くなりがちです。日当たりの良い部屋は部屋全体を広く見せる効果があり、部屋のスペースが気になる方は、窓が大きく開放的な部屋をおすすめします。また空間的なゆとりは、心のゆとりにも繋がります。
選び方④:水回りの位置
それぞれに専用の部屋があるのに、ほかの居室を通らないとトイレや浴室に行けないレイアウトは考え物です。プライベートな空間があっても落ち着かず、またその都度声をかけて移動するのも面倒です。
可能であれば、キッチンやダイニングからそれぞれの居室に移動できる「振り分けタイプ」の物件を選びましょう。これは、お互いのプライバシーを守ることができるレイアウトといわれており、一人の時間を確保しやすいというメリットがあります。
選び方⑤:必要な設備
比較的築年数の古い物件や、小さい間取りの部屋に多いのが、バルコニーに洗濯機置場が設置されている物件です。洗濯物を干したり取り込んだりするときはバルコニーがある方の部屋に行かなくてはならず、その度に不自由さを感じることになります。同棲カップルの場合は、室内に洗濯機置場があるタイプが便利です。
同棲カップルにおすすめの間取り

同棲カップルには、いったいどのような間取りが向いているのでしょうか。ここからは、4つの間取りに分けて解説していきます。
プライベートやワークスペースを完全に確保するなら「2LDK」
2LDKは、独立した居室2部屋と、そのほかにリビング・ダイニング・キッチンがあるタイプです。
メリット | 注意点 |
---|---|
自分専用の部屋を確保できる | 家賃が1LDKや2DKに比べて高い |
寝室と居室を別に設けることができる | 部屋が多い分、光熱費が高くなる |
比較的築年数の新しい物件や、グレードの高い分譲タイプがある | 掃除の場所が増える |
2LDKは使いやすい間取りのため比較的数が多く、理想の部屋を見つけやすいといわれています。また、設備の整った分譲タイプのようなグレードが高い物件もあります。たとえば以下のような同棲カップルにおすすめです。
- お互いの収入にゆとりがあり、分譲タイプの賃貸物件に住みたい
- 生活リズムやスタイルが異なるため、専用の部屋が欲しい
- リモートワークが多く、自宅で仕事をすることが多い
- 結婚を視野に入れていて、結婚後も住み続ける予定
寝室と居住スペースを分けたいなら「2K」
2Kは、独立した居室2部屋とキッチンがあるタイプで、リビング・ダイニング部分がないのが特徴です。
メリット | 注意点 |
---|---|
2LDKに比べて家賃が安い | 流通している物件の数が少ない |
2部屋の独立した部屋がある | 築年数が古い物件が多い |
寝室と居住スペースを分けることができる | ダイニングがないので、居室部分で食事をすることになる |
2Kは最近見かけないタイプのため、築年数が新しい物件を見つけるのは難しく、必然的に築年数が古い物件に限られてきます。この2Kは、以下のような同棲カップルにおすすめです。
- 寝室と居住スペース、キッチンを分けて使いたい
- お互い生活リズムが異なるので、キッチンは共同で使うが、寝室や居住空間は別にしたい
- 独立した部屋が2つ欲しいけれど、家賃は抑えたい
- 築年数や設備にこだわりはない
パートナーと少しでも長く一緒にいたいなら「1LDK」
1LDKは、独立した居室1部屋と、そのほかにリビング・ダイニング・キッチンがあるタイプです。
メリット | 注意点 |
---|---|
2LDKに比べて家賃が安い | 寝室となる部屋が1部屋のため、寝るのは同じベッドもしくは同じ部屋になる |
比較的築年数の新しい物件や分譲タイプがある | 2DKや2LDKに比べると、流通している物件が少ない |
部屋数が少ない分、光熱費が抑えられる | 結婚を視野に入れている場合、手狭となり、引越しをする必要が出てくる |
寝室と居室部分を分けることができますが、自分専用の部屋はなく、寝室は一緒になります。たとえば、以下のような同棲カップルにおすすめです。
- 長い時間一緒にいてもストレスを感じないし、一緒にいたい
- 一緒のベッド、もしくは一緒の部屋で眠りたい
- 寝室と居住スペースは分けたい
- 家賃はある程度抑えたい
家賃を抑えてコンパクトに暮らすなら「1DK」
1DKは、独立した居室1部屋と、そのほかにダイニングとキッチンがあるタイプです。
メリット | 注意点 |
---|---|
一人で住むよりも家賃を安く抑えることができる | 1DKで同棲を認めている物件が少ない |
光熱費を安く抑えることができる | 一人になれる部屋がなく、同じベッドで寝ることになる |
寝室とダイニングキッチンを分けることができる | 収納場所が足りなくなるケースも多い |
1DKの場合、寝室と居室が一緒で、自分専用の部屋はありません。1DKは、以下のような同棲カップルにおすすめです。
- 社会人になりたてで、お互い荷物が少ない
- 家賃を極力抑え、貯金をしたい
- お互いに自分専用の部屋は不要
- 家で過ごす時間が少ない
ここまでさまざまな間取りをご紹介してきましたが、大事なのは2人で話し合って決めることです。お互いが納得できる間取りが決まった後は、「2人入居可」などの条件を入力し、理想の部屋を探していきましょう。
間取りと一緒に確認すべき同棲カップル向けのおすすめ設備

ここからは、同棲カップルにおすすめの設備をご紹介します。一人暮らしとは違った目線で考える必要が出てくるので、それぞれ詳しくチェックしてみてください。
おすすめ設備①:バス・トイレ別
二人のうちどちらかが入浴中で、トイレが使えなくなる状況は、想像以上の不便さを感じます。そのため、可能であればバス・トイレ別のお部屋をおすすめします。長時間半身浴するのが好きな方や、トイレで考え込むクセがある方であればなおさらです。
おすすめ設備②:独立洗面台
特に女性は化粧品やドライヤーなど、洗面台に置くものが増えがちです。また、もう一人分増えるとなると、収納に苦労することになるでしょう。3点ユニットバスでは置き場所に困ることになるため、独立洗面台がある物件をおすすめします。
広めの洗面所がある物件ならスムーズに身支度ができ、忙しい朝も慌てずに済むかもしれません。
おすすめ設備③:2口コンロ
同棲を始めると料理のモチベーションが高まり、品数も増えます。また、食の好みが異なる可能性もあるため、2口コンロのキッチンがあるお部屋をおすすめします。
料理好きなカップルであれば、やはり一緒に料理したくなるものなので、作業スペースが広いキッチンの物件を選んでみてください。
おすすめ設備④:ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットは、文字通り中に入って歩けるような、比較的大きいサイズのクローゼットのことを指します。部屋をすっきりした状態に保つには、十分な収納スペースを確保しなければなりません。おしゃれが好きな方であればその分洋服の量が増えるため、収納力は重視したいポイントです。
ウォークインクローゼットであれば、衣類だけでなく小物なども収納できるため、紛失のリスクも少なくなるでしょう。
おすすめ設備⑤:シューズボックス
玄関は片付いていると気持ちが良いものです。カップルの場合は靴の量も2倍になるため、部屋探しの際はシューズボックスの有無もチェックしておきましょう。できればブーツも収納できるような、大きいシューズボックスがある物件がおすすめです。
ここまでおすすめの設備を見てきましたが、お互いの価値観によって、必要な設備は変わってきます。希望の設備が増えるとその分家賃も上がるため、「独立洗面台」「室内洗濯機置場」などそれぞれの条件を絞りながら部屋探しを進めていきましょう。
同棲向け賃貸物件の間取りでもう二度と悩まない!
同棲は、お互い信頼し合っている2人にとって夢がふくらむイベントです。しかし、生活環境が変わることで疲れやすく、さらに大切な人を気遣うためにストレスを感じることもあるでしょう。お互いのライフスタイルや価値観を尊重し、お互いの意見に耳を傾けながら新しい住まいを探してみてください。