「日々のストレスや悩みから解放されたい」という悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?
私も10年前、独立したばかりで仕事でのコミュニケーションをうまく取れずに悩んでいました。そのタイミングで瞑想と出会ったことで、相手に明確に伝えることができるようになったり、うまくいかなくてもポジティブに捉えることができるようになったりなど、今でも心のよりどころとして続けているのです。
瞑想にはさまざまな種類があり、誰でも気軽に行えるものとして親しまれています。今回は、瞑想の種類や得られる体感をご紹介しますので、あなたにしっくりくる瞑想法はどれかをぜひ探してみてくださいね。
瞑想とは
瞑想とは、もともと宗教的な意味合いの強い心身の修行の一環とされ、昔は修行僧などの限られた人が行うものでした。しかし現代では、瞑想の効果が科学的に実証されていることもあり、ストレスの緩和やパフォーマンスの向上などを目的として、誰もが行う手段になったのです。
身体の調子を整えるときにストレッチをしたり、マッサージをしたりといろいろな手段があるのと同じように、心の調子を整える・調心する方法が瞑想と言えます。瞑想の基本は、落ち着いた静かな場所で、軽く目をつむって呼吸に意識を向け、心を落ち着かせていくことです。
人生を豊かに感じられる心になり、生きやすい状況をつくり出せる瞑想は、気軽に日常生活の中に取り入れやすいですよ。
瞑想のメリット
瞑想は、心に抱えているモヤモヤを取り除いてクリアにしてくれるものです。モヤモヤの程度やそのときの悩みの状況は人それぞれ異なりますので、瞑想の効果や体感も人それぞれですが、私個人として感じているメリットとしては以下の点が挙げられます。
物事を俯瞰して見られるようになる
何か不測の事態が起こったときに、怒りや不安、心配などの感情が出てきます。これらの感情は、人間として生きていくうえでとても大切なものですが、いつもこの感情に支配されていては疲れ切ってしまうでしょう。
例えば、自分のお子さんが少しいたずらをした、会社の部下がミスをしてクライアントに迷惑をかけたなどの事態が起こったとき、そして自分のキャパシティを超えたときに人は怒りの感情が出ます。
しかし、瞑想をしていると「目の前に起こっていることは自分への何かのサインだ」「なぜ今この事象が起こったのだろう」とその出来事が自分に対して、何を知らせてくれているのかということに興味を持ち始めるのです。
そのため、これまでなら怒りの感情が出ていたことが、瞑想を続けていくとその事象が起こらなくなるか、同じ出来事が起こっても気にならなくなります。
これは、瞑想をすることによって、思考が感情に流されずに穏やかな精神状態で、物事を俯瞰して見られるようになるからです。
感情に左右されないため、物事を冷静に捉えることができ、最適な判断を下せるようになるようにもなります。不思議なことに、この状態で判断したことは物事がスムーズに流れることが多く、周りの人たちからも一目置かれる存在になるでしょう。
また瞑想をすることによって、思考のフィルターがクリアになっていく「クリアリング」の作用もはたらきます。これによって、これまであった思考のフィルターが薄くなる、またはなくなり、物事をあるがままに捉えられるようになるのです。
エネルギーを中立に整える効果が期待されるので、感情的に反応するのではなく、客観的に中立的な考え方で物事を捉えた判断もできるようになります。
物事の考え方がポジティブな方向に変わる
物事を感情のままに捉えるのではなく、客観的に広い視野で捉えられるので、これまで悩みだと思っていたことが気にならなくなったり、怒りの感情が咄嗟に出ることが徐々に少なくなってきたりするのです。
このように感情が穏やかでいられる時間が増え、これまでの無意識レベルの思考や言動などについて「この考え方は真実なのだろうか?」と少し立ち止まることも多くなります。そのときに、これまでの思考のクセに気づいて行動を変えていけるのです。
例えば、1年間で5kg太ってしまった自分がいたとして、最近ダンスを始めて楽しかったのでSNSに投稿しようとしたとき「しばらく会っていない友達に太ったねって言われるかな?」「この歳でダンスを始めたことが恥ずかしいな」という思考が湧いたとします。
しかし瞑想をすることで、「でもこの投稿を見てくれた誰かが一緒に踊りたいですとか、ダンスを教えてくださいって言ってくれるかもしれない」「投稿しなくちゃ何も始まらない」というように、ポジティブに捉えられるようになるのです。
瞑想の種類とやり方
一口に瞑想と言っても、その種類ややり方は数多く存在します。今回は、その中で3つをご紹介しますので、できそうなものから取り入れてみてください。
静かに座って行う「静坐瞑想」
瞑想と聞いて一番初めにイメージするのが、床にあぐらをかいた姿勢で座り、目をつむって行う瞑想ではないでしょうか。それが静坐瞑想です。座った状態で、鼻から息を吸って鼻から吐くという呼吸に意識を向けます。
真言と言われるマントラを心の中で繰り返し唱えるマントラ瞑想を行うのも良いでしょう。
マントラとは、「文字」と「言葉」を意味します。宗教的には讃歌、祭詞、呪文などを指すのですが、私たちが日常で瞑想を行う時には、好きな言葉やフレーズの一節を選ぶと良いでしょう。
言葉やフレーズの選び方のポイントは、2~3個の言葉や文節からなる言葉を選ぶことです。瞑想中は、心の中で何度も繰り返し唱えながら行うので、あまり長くない言葉がおすすめです。
その言葉を唱えることで、瞑想中に思考を乱してしまうようなものや、心がザワザワするような言葉は避け、心地よくなれる言葉を選ぶと良いでしょう。
マントラが見つかったら、一番スタンダードな静坐瞑想のやり方と、心地よく行うためのやり方とポイントをご紹介します。
①椅子や床に座る
床の場合は、あぐらをかくのが良いでしょう。顎を引いて頭頂部を糸で引っ張られているような感覚をイメージすると、良い姿勢を保てます。
②両手を両ひざの上に置く
両手は両ひざの上に置くなど、リラックスできる位置に置きます。手のひらは体内へのエネルギーの出入りが行われていると言われているので、上に向けておくと良いでしょう。
③目をつむり、瞑想を行う
あとは目をつむり、鼻から息を吸って鼻から吐き出します。瞑想で一番大切なのが呼吸です。呼吸に慣れてきたら、心の中でマントラを唱えてみましょう。途中で忘れても問題ありません。
そのときの状況や体調によって、心地よい呼吸の深さやスピードは変わります。いつもご自身の心地よいペースで、呼吸を行うことを意識してみてください。
ヨガをしながら行う「マインドフルネス」
日本ではエクササイズとして親しまれてきたヨガは、実は瞑想の一種です。
ヨガでも鼻から息を吸って鼻から吐き出すという呼吸法を行いますが、身体を動かしてポーズを取る中で自分の身体へ意識を向けていきます。ヨガで身体を動かしているときは、そのことに集中して意識を「今、ここ」に向けていくので、マインドフルネスの状態を感じられるのです。
そのとき抱えている悩みや考えごとも手放して「今、ここ」に意識を向けるトレーニングになります。
マインドフルネスでおこなう歩く瞑想も、意識を“今、ここ”に集中させるトレーニングです。ヨガマット1枚分のスペースで歩く動作を1往復に2分ほどかけて行います。これをお好きなだけ繰り返して実践してみてください。
①ヨガマット1枚分のスペースを確保する
ヨガマット1枚分のスペースを確保します。ヨガマットがない場合は、約2mの畳一畳分くらいの長さをイメージしてみてください。
②両足で立ち、一歩踏み出すという歩行の動きを行う
両足で立ってゆっくりと片足を前に出し、踵からつま先をつけ、反対側の足の踵が離れてつま先がついた状態からまた一歩踏み出すという歩行の動きを行います。
③目線は3~4m先に置く
まぶたをうっすらと閉じた半眼の状態で、目線は3~4m先に置きます。
半顔の状態にすると意識がうっすらぼやけますので、歩くという動作に意識を集中させやすく、結果的に“今、ここ”に意識を向けられるようになるのです。
④歩くことを感じる
このマインドフルネス瞑想は足裏の感覚が強くなるように、裸足で行うのがおすすめです。
ゆっくりと歩くことで、普段私たちが無意識に行っている“歩く”という動きは、どのようにして行われているのかを感じられます。
動きに集中することで“今、ここ”を感じるトレーニングになるのと、当たり前をありがたいことだと感じられるようになり、そのことから派生して今私たちが持っているものは恵まれているのだなと豊かな心を育むことも期待できます。
自身の身体に意識を向ける「ボディスキャン」
自分の身体に意識を向けるボディスキャン瞑想では、身体の部位に意識を向けたり、私たちの身体を作っている60兆個の細胞に意識を向けたりするのがポイントです。この細胞たちがあるからこそ、目・手足・臓器があり、動いてくれているのです。
お風呂に入っているときなどに、自身の身体をぎゅっと抱きしめるようにしてその温かみを感じてみてください。中には、涙が出てくる方もいるでしょう。普段意識しないかもしれませんが、その細胞たちに意識を向けてありがたいなと感謝するだけでも、エネルギーの波動が変わり、周りからの反応が変わるのを感じられるかもしれません。
ぜひ、試してみてほしい瞑想法の一つです。
①仰向けに寝る
ベッドやヨガマットなど平らな場所を確保し、仰向けに寝ます。両足を肩幅くらいに開き、両手は手のひらを上に向けて体側に置きましょう。
②目をつむって、ゆっくりと呼吸します
目をつむったら、鼻から吸って鼻から吐く呼吸をゆっくりと繰り返します。このとき、呼吸はご自身が心地よいと感じられるペースで行ってみてください。
③体の部位ごとに意識を向ける
まずは、呼吸をするたびにお腹が上下に動いているのを感じてみてください。
ここからは、少し不思議なエネルギーワークに感じられるかもしれませんが、ご紹介していきます。
全身をイメージして、体全体が光のエネルギーで包まれているイメージをしてみてください。呼吸をするたびに、ご自身の体全体が一つのエネルギー体としてそこにあることを感じ、呼吸をするたびに体の中の酸素が入れ替わるイメージです。
あとは、足の裏・膝・お尻・腰・お腹・胸・肩・両手・首・顔・頭というように意識を向けていきます。心地よい呼吸をしながら自身の身体に意識を向けることで、心が整っていくのを感じられるのです。
お好みですが、15分程度行ったあとはそのまま眠っても良いですし、ゆっくりと目を開け動き出してもいいでしょう。
瞑想を行うポイント
さまざまなやり方がある瞑想ですが、ここでは必ず押さえておきたい瞑想のポイントをご紹介します。
ポイント①内臓を圧迫しない、良い姿勢で座る
瞑想のスタイルはさまざまありますが、座った状態で行う場合には良い姿勢で行うことが大切です。
良い姿勢とは、内臓が圧迫されないことというイメージを持っていただくと、自然に意識できると思います。良い姿勢を作るには、坐骨を立てる、顎を引くという部分がポイントです。
まず座って両手をお尻の下に敷いてみると、硬い骨が当たります。これが骨盤下の部分の坐骨と言われる部分です。これを床やマット、椅子など今座っているところにぐさっと立てるイメージで座ります。この姿勢が辛い場合は、背中側のお尻の下に丸めたタオルで支えを作るとかなり楽に座れるはずです。
次に背筋を伸ばしますが、このとき顎を引いて頭頂部が天井に向くのを感じてみてください。そして、頭頂部(つむじの部分)が天井から糸でつられているイメージを持っていただくと、頭の重みを感じずに良い姿勢が作れるでしょう。
姿勢を良くすることによって、呼吸をしたときに酸素が身体中に巡り、体内のエネルギーを整えたり、冷えを解消したりする効果も期待できます。
ポイント②どんなときでもただ呼吸を意識する
瞑想では、鼻から息を吸って鼻から吐くという呼吸法が一般的です。日々の生活に忙しくて瞑想に集中できなかったり「このやり方はうまくいっているのだろうか?」と感じたりする時期もあるでしょう。そんなときでも、ただ座って呼吸することだけを瞑想の目的としてみてください。
実は、瞑想で一番大切なことは呼吸に意識を向けることです。瞑想で何かを得ようとするのではなく、ただひたすら呼吸に意識を向けている中でふとしたひらめきが湧いてきます。つまり一番簡単であり、一番大切なことが呼吸なのです。
ポイント③静かな場所で行う
瞑想を行う際には、静かな場所で行うこともポイントです。周りの音がうるさくない場所で、心地よい自然の音が聴こえる中で行う瞑想は、心身のリフレッシュ力を高めてくれます。
静かな場所で行う瞑想は、かすかに聴こえる心の声やひらめきを逃さずにキャッチできるので、ぜひ環境にこだわってみてください。
瞑想がうまくできないときに試したい対処法
ストレスから解放されたい、もっとゆったりと余裕を持ちたいなどさまざまな動機で瞑想を始めても「うまくできないな」「やっていて意味があるのかな?」と思うときもあります。
とくに瞑想は日々の雑念を取り除くもので、一度やればすべての悩みが解消するといったものではありません。日々のセルフメンテナンスとして行うものなので、まずは実感できるまで続けていくことが大切です。
ちなみに、何度も何度も瞑想の効果を実感できるようになると、瞑想をせずにはいられなくなります。しかし、その域に達するまでは時間もかかるものです。そのことを理解したうえで、瞑想がうまくできなくとも続けられるポイントをご紹介します。
1分でもいいからまずは続けてみる
瞑想は15~20分などある程度まとまった時間が取れると良いですが、なんとなく落ち着かないときや忙しいときもあると思います。そんなときは、まず1分でもいいので目をつむって呼吸に意識を向けてみてください。瞑想をするための特別な場所でなくとも、バスや電車の中、お手洗いに入ったときなどの隙間時間を見つけて実践してみましょう。
なお、忙しかったり落ち着かなかったりする状態のときは、呼吸が浅くなっていることが多いです。この1分間瞑想で呼吸に意識を向けることで、今の自分がどのような状態なのかに気づけます。これだけでも大きな収穫となるでしょう。
雑念を気にせず呼吸に意識を向ける
瞑想とは?という言葉を調べると“思考をせずに、無になること”という説明を見かけることがあります。しかし、実際に瞑想をしてみると分かるのですが、無になることはとても難しいことです。
そこで無になろうと意識するのではなく、思考や雑念は上がってきてもいいと自分自身に対して許可し、そのことは横に置いたまま、あとは呼吸に意識を向けます。鼻から吸って鼻から吐き出す呼吸を続けていくうちに“今日は呼吸が浅いな”とか“指先や足先にまで酸素が届くように呼吸してみよう”など、呼吸をすることによって感じる情報をキャッチできるのです。
ここでも呼吸に関して思考はしているのですが、呼吸すること自体が心を落ち着けてくれたり、横隔膜が動くことによる大きな血管のマッサージになったり、冷え性の改善にもなるとされているので気にせず続けていきます。
寝ながら瞑想を行う
瞑想と言えば、座った状態で行うものというイメージがあるかと思いますが、うまくいかないときには横になった状態で行うのもおすすめです。とくに寝る前や目が覚めてすぐの状態は、物事に対しての抵抗感が少ない状態と言われていますので、頭がぼーっとしているときに行うのは良いタイミングと考えられます。
瞑想を生活に取り入れやすい環境づくりのポイント
日常の中に瞑想を取り入れたいと思ったら、どのような環境(物件)に住むのが良いか、そのポイントをいくつかご紹介します。
生活音が届きづらい物件を選ぶ
瞑想を行うときは、なるべく静かな環境で行いたいものです。そこで、駅近の物件は人通りが激しいため、駅から離れた物件を中心に選んだり、防音効果が期待できる物件を選んだりすると良いでしょう。
瞑想に必要なスペースが確保できる物件を選ぶ
座位で行う瞑想を日常に取り入れる場合、あぐらをかいて座るスペースがあれば十分ですし、椅子に座った状態でも問題ありません。
このときも、静かな環境で行うことが理想的なので、リビングとは別に寝室や書斎部屋を確保できるような物件を検討すると良いでしょう。
風通しが良い物件を選ぶ
瞑想を行うときに大切なポイントに“自然を感じる”というものがあります。“風が心地よいな”とか“太陽の日差しが気持ち良いな”と感じられると、それだけで自然の恵みを受け取る心を感じられるのです。
瞑想のある生活で心を豊かにしよう
瞑想は、どんな人でも生活に取り入れることで思考がクリアになり、ストレスの軽減や集中力の向上が期待できる現代人に嬉しい習慣です。難しく考える必要はなく、座って呼吸に意識を向けるだけでも立派な瞑想と言えます。
思考がクリアになるため、仕事や家事などあらゆる場面で効率の良い行動ができたり、これまでとは違って物事を中立的に、またはポジティブに捉えられるようになったりするので心にも余裕が生まれるでしょう。まとまった時間が取れなくとも、1分間の瞑想を行うだけでも十分です。
あなたの生活にも、瞑想を取り入れてみませんか?