現代のデジタル社会では、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスが私たちの生活の一部となっています。しかし、その便利さと引き換えに、頭がいっぱいで余裕がない状態になることもあるでしょう。
このような情勢の中で、いま「デジタルデトックス」に多くの人が注目しています。デジタルデトックスとは、デジタル機器やオンライン世界から一時的に離れ、心と体をリセットすることです。
今回は、デジタルデトックスの意義や効果、実践方法などを難易度別で詳しく解説していきます。デジタル依存から解放され、心身のバランスを取り戻すためのヒントを見つけましょう。
デジタルデトックスとは
デジタルデトックスとは、デジタル機器やオンライン活動から一時的に離れ、心と体をリフレッシュさせるための取り組みです。現代社会では、スマートフォンやパソコン、テレビなどのデジタルデバイスが、私たちの生活の中で重要な役割を果たしています。その一方で、長時間のスクリーン時間やオンライン情報への常時のアクセスは、ストレスや疲労を引き起こすことがあります。
デジタルデトックスはこのようなストレスから解放され、バランスの取れた生活を実現するための手段と言えるでしょう。
デジタルデトックスの効果
デジタルデトックスをすることにより、得られる効果について解説していきます。主に感じる効果は、以下の5点です。
・睡眠の質が上がる
・心と体に溜まっていた疲労やストレスが解消される
・時間にゆとりが生まれる
・日々の生活に幸せを感じられるようになる
・ネットに依存していた生活から脱却できる
実際どのように効果を感じるのか、詳しく見ていきましょう。
※それぞれの効果には個人差があり、また必ず得られるというものではない点にご注意ください。現在悩まれている症状によっては、まず専門家の意見を仰ぐことをおすすめします。
睡眠の質が上がる
スマートフォンやタブレットなどのデジタル端末を使用すると、睡眠に悪影響を及ぼすブルーライトの影響を受けることが知られています。
ブルーライトとは、メラトニンの分泌を妨げ、睡眠の質を低下させる可能性がある目に見えない光のことです。寝る直前にブルーライトを浴びることにより、脳が太陽光だと勘違いして体が活動的な状態になるので、睡眠の妨げになりやすいと言われています。
そのため、寝る直前にデジタル機器を使用しないことで、より良質な睡眠を促すことが可能です。
心と体に溜まっていた疲労やストレスから解消される
デジタル機器に頼りがちな現代社会で、デジタルデトックスは心と体に溜まった疲労やストレスを解消するための有効な手段です。デジタル機器から一時的に離れることで、自身の日常生活に意識を向けられます。これにより、生活習慣を見直したり、他人との比較からくる不安や自己嫌悪を減らしたりできるでしょう。
さらに、デジタルデトックスは、目の疲れや首・肩の凝りからの解放をもたらします。デジタル画面を長時間見続けることで引き起こされる目の疲れや、デスクワークにおける姿勢の悪さによる体の不調を改善することが期待できるのです。
また、心身のリフレッシュやリラックスにもつながります。デジタル機器を使わない時間で、自然の景色を見たり、本を読んだりするなど心地よいアクティビティに取り組むことで、心と体のバランスを取り戻せるでしょう。
時間にゆとりが生まれる
デジタルデトックスを取り入れると、時間にゆとりが生まれると言われています。デジタル機器から解放されることで時間を有効に使えるようになり、日常生活のバランスを整えることが可能です。
デジタルデトックスを行うことで、SNSやメール、インターネットなどのデジタルな刺激から離れ、本来の目標や興味のある活動に集中できるようになります。デジタルデトックスによって時間の使い方を見直し、自分自身の目標や関心ごとに向き合うことができるようになります。
日々の生活に幸せを感じられるようになる
デジタルデトックスを取り入れることで、時間的な余裕が生まれ、心の余裕を感じられるようになります。その結果、日々の生活の一つひとつにより意識を向けられ、幸福感を得られるでしょう。
その結果、自然や周囲の風景、身近な人々とのコミュニケーションなど、本来の喜びや幸せを感じられるようになります。デジタル機器から解放された時間を有意義に使い、自分の興味や関心に向き合うことで、日々の生活における幸福感を得られるのです。
また、デジタルデトックスによって、自己成長や創造性の向上といった自分への成長にもつながります。デジタル機器に依存することなく、自分自身と向き合い、内面の豊かさや成長を追求することが可能です。これによって、自己の成長や達成感を得られ、幸福な日々を過ごせるでしょう。
ネットに依存していた生活から脱却できる
デジタルデトックスを実践することで、ネットに依存した生活から脱却できます。自分自身の時間を大切にし、デジタルな刺激から解放されることで、より充実した現実の生活を送れるでしょう。このような状況から脱却することで、スマホを操作しながら何かをするという習慣を見直すきっかけにもなります。
【難易度★☆☆】まずはここから!気軽なデジタルデトックス
初めてデジタルデトックスを行う方におすすめの、気軽にできるデジタルデトックスをご紹介していきます。
①睡眠中はスマホの電源を切る
ベッドに入っているときは、デジタル機器の使用を避けるようにしましょう。とくに寝る前にスマホを使用してしまうことは、良質な睡眠を妨げる要因となります。そのため、睡眠の前には、スマホの電源を切ることを意識することが重要です。
寝る前のスマホの使用は、ブルーライトの影響や刺激的な情報の取り込みによって、睡眠の質が低下する可能性があります。ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制し、体内時計を乱すため、入眠を妨げる要因となります。また、情報の過剰摂取は頭が冴えてしまい、リラックスした状態に入るのを妨げてしまうのです。
スマホを寝室に持ち込む習慣がある場合は、ベッドに入ったら電源を切ることを意識してみましょう。スマホの電源を切ることで、睡眠に集中できます。その代わりに、リラックスするための習慣を取り入れることもおすすめです。例えば、読書やストレッチ、瞑想など、スマホを使わずにリラックスできることをしてみてはいかがでしょうか。
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②お気に入りの本や漫画を読む
たまにはデジタル画面ではなく、紙の本や漫画を読むという選択をしてみることもおすすめです。
デジタル機器を使用することで目の負担が増えることもありますが、紙の本や漫画を読むことで目の疲れも軽減されるでしょう。また、本屋さんや図書館などに足を運ぶことで、新たな本との出会いも期待できます。
紙の本や漫画は手に取りながら読めるため、ページをめくる音や香りも楽しめます。物理的な存在感があり、読書の時間をより心地よく演出してくれるでしょう。また、本を手に取ることで集中力が高まり、深い読書体験を得られます。
デジタルデトックスの一環として、デジタル画面から離れ、お気に入りの本や漫画を読んでみましょう。自分のペースでゆったりと読書を楽しむことで、心に豊かさとリラックスをもたらすことが可能です。新しい世界や知識に触れながら、デジタルから解放された時間を有意義に過ごしましょう。
③通知をオフにする
アプリのお知らせや友達からの連絡のたびに通知が鳴ることもあるでしょう。通知機能はとても便利ではあるのですが、すべてのアプリの通知をオンにしていると、ひっきりなしに気を取られてしまいます。
思い切ってすべての通知をオフにするか、重要でないような通知はオフにする設定に変更しておきましょう。必要な通知のときだけスマホを見ればよくなるため、スマホを見る頻度を減らすことができます。
【難易度★★☆】慣れてきたらチャレンジしたいデジタルデトックス
デジタル機器から離れることに慣れてきたら、さらなる方法も試してみてください。
①スクリーンタイム機能を活用する
スクリーンタイム機能とは、どのくらいの頻度でスマホを利用しているか確認でき、制限や管理を行える機能です。1日の中でスマホを触る時間の上限を決めておき、その上限に達したら、リセットされるまではアプリなどの機能が操作できなくなります。
なかなかデジタル機器から離れられないという方は、このように強制的に離れられる環境を作ってしまいましょう。
②デジタル機器に触れない時間を設ける
デジタル機器に触れない時間を意図的に設けてみるのも良いでしょう。具体的には、スマホを置く場所をいま自分がいる部屋とは別の部屋にする、電源を切っておく、親や友人に預けておく、押入れの奥などすぐには手に取れない場所にしまうなどです。
これは、昼間の時間帯(寝るまでの時間帯)に意図的にチャレンジしてみてください。
③時間設定ができる鍵付きコンテナを使用する
どうしても気になるという方は、一度鍵をかけるとその時間になるまで鍵が開かなくなる、時間設定で鍵のかかるコンテナを使用するのも良いでしょう。
これまでさまざまなことを試したけど、どうしてもスマホを触ってしまうという方におすすめです。設定した時間までは鍵がかかっている状況なので、このコンテナを活用することで無駄にスマホなどを操作することがなくなるかもしれません。
【難易度★★★】本格的なデジタルデトックス
ここからは、本格的なデジタルデトックスをご紹介します。
①スマホを持たないで街に出かける
スマホを持たないで出かけることで、友人と待ち合わせがある場合や、慣れない場所に行く場合には不便を感じるかもしれません。しかし、自分一人で慣れた場所に行くときには、スマホを置いて出かけることを試してみる価値はあるでしょう。
例えば、本屋さんに行くときです。いつもは、スマホを持っているがゆえに本屋さんでもついついスマホを見てしまい、注意散漫になることもあるでしょう。その際にスマホを持たないことで、新たな本との出会いがあるかもしれません。
また、スマホを持たないことによって音楽を聴くこともなくなるので、街中の音や自然の中の音を感じられ、癒やされたり、心地よい刺激がもたらされたりもするでしょう。
②心と体がリラックスするような趣味を持つ
せっかくデジタルデトックスをするなら、心と体がリラックスするような趣味を行うことも良いでしょう。
デジタルデトックスを行っている私はヨガやピラティスなどを実際に行っています。これらの趣味は、自分の体のどこがどのように動いているのかを意識しながら行うエクササイズなので、余計なことを考えない時間が作れますよ。
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③物理的にスマホを操作できない状況を作る
物理的に、スマホを操作できない状況が作れる趣味もおすすめできます。例えば、ドライブやサイクリング、ウォーキング、登山、サーフィン、スキーなどが挙げられます。そのアクティビティをしながらスマホを操作することが難しいので、物理的にスマホを操作できない環境を作れます。
さらに、自然の中でのアクティビティはリフレッシュになります。普段とは異なる活動をするので、体的にもメンタル的にもいつもは感じられない爽快感や、ある面では疲労感を味わうこともあるでしょう。それが楽しい経験となり、日々の生活への活力にもつながることも期待できます。
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デジタルデトックスにおすすめのアイテムやグッズ、アプリ3選
デジタルデトックスを行う際に、強制的にスマホを使えない場所に置く方法だけでなく、アイテムやアプリを活用することも有効です。
①アイマスク
夜寝る際に、枕元にスマホを置いていると、ついつい気になって手に取ってしまう方もいると思います。別の部屋に置く方法もありますが、朝のアラーム機能が使えなくなるのは困るという場合もあるでしょう。その際に、アイマスクをして寝ることで、寝ることに集中できるようになります。
②アロマオイルやキャンドル
デジタルデトックスを行う際は、なるべくリラックスできる環境を作っていくこともポイントです。お部屋の中でアロマオイルを焚いたり、キャンドルを灯したりすることで、五感からリラックスできる環境を作るのもおすすめできます。
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③集中力が測れるアプリ「Flipd」
スマホをひっくり返すだけで、勉強時間(スマホを触らない時間)と集中力レベルをチェックできるアプリです。勉強、読書、仕事中にスマホばかり見てしまう方におすすめできます。このアプリを使用することで世界中の人とつながることもでき、達成に向けてグループ共有の目標を立てることも可能です。
デジタルデトックスしやすいお部屋作りのポイント
デジタルデトックスをする際、お部屋の環境を整えることで、外出せずとも家の中でリフレッシュできたり、趣味に没頭したりできます。具体的にどのようなポイントがあるか、見ていきましょう。
一畳ほどの体を動かすスペースを確保する
ヨガや瞑想、簡単なエクササイズをお部屋でもできるスペースは、一畳ほどあれば十分です。静かな場所で、体の動きに意識を集中することを意識してみましょう。
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②テレビのリモコンの置き場所を工夫する
習慣的にテレビをつける方は、リモコンを隠すなどすぐにつけられないようにしましょう。例えば、別の部屋に置く、いつも座っている場所から手の届かない場所に置くなど、リモコンを取るのが面倒だなと感じるような場所に置くなどです。
③趣味を楽しめる場所を確保する
お家の中で、スマホ以外に夢中になれる趣味を持つことです。例えば、料理が好きな方なら、キッチン環境が充実した物件に住むといいでしょう。また、半身浴など長風呂をすることが好きな方は、ゆったりとした浴槽があったり、追い焚きできるような設備があったりする物件に住むのがおすすめです。
④家庭菜園や絵画など趣味の場所を確保する
家庭菜園や絵画などの趣味を持てると、雨の日でも外出することなく、好きなことに集中できるようになります。お家の中に趣味を楽しめる場所を確保することも、デジタルデトックスにつながるでしょう。
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⑤静かに眠れる寝室を作る
睡眠は、ゆっくりと深い眠りができるような環境作りがポイントになります。例えば、閑静な場所にある家を選ぶことや部屋の中をすっきりとさせることです。ディフューザーやお香を焚くスペースを作り、息を深く吸い込んで香り(嗅覚)からリラックス効果を得られる環境にすることも良いでしょう。
デジタルデトックスで心も体もリフレッシュさせよう
私たちは普段、かなり長い時間スマホを操作しています。そして、ついつい無意識に見てしまっているという方も多いのではないでしょうか。
デジタルデトックスの取り組み方は、スマートフォンやタブレットの使用時間を制限したり、SNSやメールへのアクセスを一時的に制限したりするなどさまざまです。自分自身のデジタル使用状況を見つめ直し、デジタルと自然のバランスを心地よく保ちながら、デジタルとの健全な関係を築くことで、充実した生活を送ることができるでしょう。