乾燥した季節の静電気は簡単に防げる!電気のプロ直伝すぐ試したくなる対策方法

目次

秋や冬といった乾燥した季節になると起こりがちなのが「静電気」。不意にドアノブに触った際にパチッと鋭い痛みが走る、という経験は誰にでもあるものですが、防げるなら防ぎたいところですよね。

今回は、そんな不意の静電気を防ぐための対策ポイントを、静電気自体のメカニズムも含めてご紹介します。毎年静電気に悩まされている、という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

静電気が起こるメカニズム

静電気とは、簡単に言うと「電気的なバランスが崩れた状態」のことです。電気は通常、プラスとマイナスの電気をバランスよく持っていますが、摩擦などが原因となってバランスが崩れます。

バランスが崩れた電気は、元のバランスに戻ろうとする働き(マイナスの電気が戻る動き)が生じます。ドアノブに触れようとしたり、エレベーターのボタンを押そうとしたりしてパチッとした痛みを感じるのも、バランスの崩れた電気が元の状態に戻ろうとする働きによるものです。マイナスの電気がプラス側に戻る働きは「放電」と呼ばれます。

では、静電気はなぜ生じるのでしょうか。主な原因は、以下の通りです。

・接触帯電

・摩擦帯電

・剥離帯電

それぞれの原因について詳しくみていきましょう。

原因①接触帯電

電気の性質上、マイナスの電気を帯びたものとプラスの電気を帯びたものは触れ合うだけで静電気が生じます。摩擦で生じるものだけが静電気、というわけではありません。

例えば、プラスチック製の下敷きやデスクマットの上に紙が置かれた際、紙が張り付いて取りづらい経験をしたことはないでしょうか。この現象は接触帯電によるものです。

原因②摩擦帯電

摩擦帯電は、摩擦(物と物が擦れ合うこと)によって生じる静電気のことです。摩擦帯電は静電気の中でもイメージしやすいのではないでしょうか。

例えば、着用している衣服を脱ぐ際にパチパチッっと音が生じ、髪の毛が衣服に引っ張られるのは摩擦帯電によるものです。また、車から降りてドアノブに触れようとした際、パチッとした痛みを感じることがあるのも、車のシートと体が擦れ合うことで生じる摩擦帯電が原因となります。

金属製のものに触れようとして静電気を感じるのは、何かしらの摩擦が原因で帯電したものが放電することでパチッとした痛みにつながるためです。摩擦による静電気があることも覚えておくとよいでしょう。

原因③剥離帯電

剥離帯電は、接触しているものを引き剥がすことで生じる静電気のことです。

例えば、ラップを引き出す際やシール・フィルムなどを台紙から引き剝がす際に剥離帯電が生じます。接触や摩擦以外でも静電気が生じることがあるのも特徴です。

静電気をためやすい人の傾向

静電気を溜めやすい人とそうでない人には、どのような違いがあるのでしょうか。静電気を溜めやすい傾向の人は、以下の通りです。

・乾燥肌の人

・合成繊維(ポリエステルやナイロンなど)の衣服を好む人

・髪が細い人や乾燥している人

これらについて、それぞれみていきましょう。

乾燥肌の人

まず挙げられるのは、乾燥肌の方です。乾燥肌の水分量が少なく、静電気が放電されにくいため、電気が体に溜まりやすくなります。健康な肌の場合、水分がしっかり蓄えられており、日頃から放電されるため、バチッとした痛みにつながることは基本的にありません。

また、乾燥肌の方に静電気が生じると、かゆみを感じる原因にもつながります。乾燥した肌は、かゆみを感じやすい状態になっており、静電気による刺激がかゆみを感じさせるためです。

かゆみなどの症状を減らすためにも、後述する静電気対策を実践してみてください。

合成繊維(ポリエステルやナイロンなど)の衣服を好む人

合成繊維の衣服を好んで着ていると、静電気を溜めやすくなります。合成繊維のものは吸水性が少ないものが多く、静電気を発生させやすいためです。

もし合成繊維の衣服を着用する方で静電気が気になる場合、静電気防止処理をしたものを選んでみましょう。もしくは天然繊維の衣服を選んで対策してみることをおすすめします。

髪が細い人や乾燥している人

髪が細い人や乾燥している人は、そうでない人に比べて静電気が生じやすくなります。静電気は、細いものの先端に集まって放電しやすい性質を持つためです。

また髪が乾燥していると、髪同士の摩擦によって静電気が生じます。くせ毛の方も髪のうねりによって髪同士に隙間が生じ、そこから乾燥につながる可能性があるため注意が必要です。

静電気をためない部屋の環境作りのポイント

静電気を発生させないためには、部屋の環境も意識することが大切です。具体的には、以下の点を意識してみましょう。

・部屋の加湿を行う

・定期的に床やカーペットを掃除する

・観葉植物を部屋に置く

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

部屋の加湿を行う

静電気が発生しやすい原因として、湿度の低さがまず挙げられます。特に冬は部屋の空気が乾燥しやすく、静電気が生じやすいのが特徴です。

乾燥による静電気を対策するため、加湿器などで意識的に加湿を行いましょう。室内の湿度を高めることで静電気を発生しづらくできます。

また、廊下や玄関などの加湿しづらい場所は、後述する静電気対策のポイントを参考にしてみてください。中でも「金属以外の物に触れてから金属に触れる」などのポイントはぜひ意識しましょう。

定期的に床やカーペットを掃除する

静電気を防止するため、定期的に床やカーペットの掃除が大切です。ただし、乾燥する季節は掃除してもほこりなどが床に吸い寄せられることがあります。

例えば、から拭きによる摩擦帯電によって静電気が生じ、ほこりがくっついてしまうなどです。定期的にほこりを取り除きつつ、静電気を防止した掃除方法を実践してみましょう。具体的には、バケツに水を入れ、その中に数滴の柔軟剤を入れます。その後で雑巾を濡らして拭き掃除をすることで、静電気を発生しづらくできます。拭き跡にだけ気をつけながら試してみてください。

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観葉植物を部屋に置く

観葉植物を部屋に置くことでも、静電気発生防止の効果が期待できます。観葉植物の蒸散作用によって部屋の湿度が高くなりやすいためです。

観葉植物は、自分の温度が高くなると放出する水分量を増やして温度を下げる作用(蒸散作用)があります。部屋の湿度が高くなれば、静電気が発生しづらくなるため、乾燥した部屋よりもよいというわけです。

観葉植物には、リラックス効果も期待できるため、必要に応じて導入をご検討ください。

静電気をためない生活習慣のポイント

生活習慣を意識して静電気を溜めるのを防ぐ場合、ポイントは以下の通りです。

・肌の保湿をする

・体を洗いすぎない

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

肌の保湿をする

肌を保湿することで、摩擦を軽減できます。摩擦を軽減できれば、静電気の発生を生じにくくすることが可能です。

例えば、保湿アイテムとしてハンドクリームなどが挙げられます。風呂上がりであれば乳液なども保湿アイテムとして使えます。手足・首まわりだけでなく、お腹まわりや腰なども保湿して、静電気を溜めないようにしてみましょう。

体を洗いすぎない

風呂で体を洗う際、ごしごししすぎないことが大切です。毎日ごしごし洗うことで、皮脂膜まで落ちてしまい、肌の乾燥を招く恐れがあります。

汗をかきやすい部分以外は、石鹸で洗いすぎないようにご注意ください。部位によってはシャワーで洗い流すだけでも十分に汚れが落ちます。石鹸で洗う際も、手でやさしく洗うようにしてみましょう。

肌の乾燥は、静電気が発生しやすくなるため、生活習慣から改善を意識してみてください。

静電気をためない衣服選びのポイント

静電気を体に溜めないためには、衣服選びも注意しましょう。具体的なポイントは、以下の通りです。

・レザーソールの靴を履く

・天然繊維の衣服を着る

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

レザーソールの靴を履く

静電気による痛みは、帯電しているときに発生します。そのため、いかに体に溜まった電気を外に逃がすかが対策する上で大切です。

例えば家電製品の場合、アース線(接地線)によって漏電時などの電気を大地へと逃がします。人間の場合も同様、足を通して大地から電気を逃がせますが、ゴム底などの靴をはいていると電気が逃がせず、静電気が発生しやすくなります。

レザーソール(革底)の靴などであれば、問題なく電気を逃がすことが可能です。静電気が気になる方は、履いている靴にも注目してみましょう。

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天然繊維の衣服を着る

天然繊維の衣服を着用することも静電気対策につながります。天然繊維(綿・麻・絹など)の素材は、吸湿力が高く水分を含みやすいためです。水分が含まれやすいと静電気が自然と放出されやすくなります。

一方で、化学繊維の衣服は吸湿力が低く、電気を逃しにくいのが特徴です。静電気を溜めやすいため、衣類を脱ぐときなどにバチバチとした静電気を感じやすくなります。

静電気が気になる方は、着用する衣服にも注目してみるとよいでしょう。

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静電気が発生する前に放電させるためのポイント

静電気が発生して体にバチッと影響する前に放電させたい方もいるのではないでしょうか。放電させるためのポイントは、以下の通りです。

・金属に触る前に「金属以外」に触る

・手全体で握る

・静電気除去グッズを使用する

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

金属に触る前に「金属以外」に触る

金属に触る前に、床や壁などの「金属ではない素材」に触っておきましょう。床や壁は金属製のドアノブより電気の通りが悪く、触ってもバチッとした衝撃が基本的に発生しないためです。

金属類より前に床や壁に触っておくと、溜まっている静電気をゆっくりと逃がせます。その後、後述するポイントである「手全体で握る」ことを意識することで、より静電気を生じにくくできるでしょう。

手全体で握る

静電気は、一気に電気が体に流れることでパチッとした痛みにつながります。そのため、電気が流れ込む面積を広げることで、防ぎやすくすることが可能です。

例えば金属類を触る際、指先だけでなく手全体で握り込むようにしてみましょう。手のひら全体を使うことで、静電気の大きな衝撃を最小限に抑えられます。前項で紹介した、金属に触る前に「金属以外」に触る方法とあわせて試してみてください。

静電気除去グッズを使用する

静電気除去グッズを使用するのも1つの方法です。静電気除去グッズには、以下のようなものがあります。

・帯電防止剤

・静電気除去スプレー

・静電気除去キーホルダー

例えば静電気除去スプレーであれば、靴に吹きかけることで効果を期待できます。靴底がゴム製の場合は静電気が体に溜まりやすくなりますが、静電気除去スプレーによって静電気が靴底から逃げやすくなるでしょう。

また静電気除去キーホルダーは、金属よりも電気に対しての抵抗値が高い素材で作られています。接触面積も大きくできるため、電気の放出を鈍くし、静電気のパチッとした痛みを感じにくくしているのが特徴です。

これまでご紹介したポイントとあわせて、ぜひ活用をご検討ください。

静電気が発生しやすい冬に備えて対策をしよう

今回は静電気対策について詳しく解説しました。静電気が発生する原因には、環境や体質などさまざまなものがあります。

季節の中でも冬シーズンは、乾燥によって静電気が発生しやすくなります。この記事でご紹介した内容を参考に、静電気を対策して快適な冬を過ごしましょう。