サービスヤードとは?無駄にしない活用方法やメリット・注意点を解説

目次

一戸建てやテラスハウスの賃貸物件でまれに見かける「サービスヤード」は、使ってみるとその便利さに驚く人が多い設備の一つです。しかし、サービスヤードといわれても、すぐにピンとくる人は多くありません。サービスヤードにはさまざまなメリットがあり、サービスヤードさえあれば、ほとんどの問題が解決する可能性も秘めています。

そこで今回は、サービスヤードについて解説します。収納不足・動線の悪さ・趣味スペースの確保・ゴミの仮置き場などにお悩みの人は、ぜひ参考にしてみてください。今の賃貸物件で悩んでいる人にも、これからお部屋探しをする人にも役立つ内容です。

サービスヤードとは

サービスヤードとは、キッチンに面した勝手口や家の側面に設置されている、多目的に利用できるスペースのことを指します。洗濯用のスペースや、ゴミの仮置き場などに使われることが一般的です。

サービスヤードとストックヤードの違い

ストックヤードとは、食品や季節用品などを一時的に置いておくスペースのことです。サービスヤードという多目的スペースの種類の一つが、ストックヤードになります。

サービスヤードのメリット

サービスヤードには、多くのメリットが存在しています。特に、ファミリー世帯にはうれしいメリットがたくさんあるので、確認していきましょう。

家事の効率がアップする

サービスヤードがあることで、家事の効率がよくなることが考えられます。なぜなら、サービスヤードはキッチンに近いところに設置されているからです。

そもそも家事導線はキッチンを中心に形成されることが多いため、料理・洗濯・掃除などの家事がスムーズに進み、時短につながるでしょう。

キッチン・洗濯機・物干しスペース・ゴミストックが近いだけでも、家事がスムーズに進むことが容易に想像できます。洗濯物を干すために2階に上がる、ゴミを仮置きするために玄関から外に出る必要があるなどの場合、家事に多くの時間を費やすことになります。そのため、サービスヤードにより動線がスムーズになるメリットは大きいでしょう。

収納場所が確保できるので片付きやすい

サービスヤードの収納力によって、片付きやすくなることもメリットの一つです。サービスヤードは半屋外に設置されることもあるため、収納できる物品が多岐にわたります。

室内には置きたくないキャンプ用品やカー用品などもすっきり収納できるため、家の周りや室内が整然とするでしょう。

水回りがあれば用途がさらに広がる

サービスヤードに蛇口が敷設されていれば、使い方が広がり、暮らしがより充実します。主な使い方は、以下のとおりです。

・汚れものの予洗いスペース

・水遊びやバーベキューなどレジャーの用途

・ペットのシャンプーや足洗い場

賃貸物件ではあまり見かけない使い方ばかりなので、大きなメリットを享受できるでしょう。

サービスヤードの注意点

サービスヤード付き賃貸物件を利用するにあたって、注意すべきポイントを紹介します。

動線を意識する必要がある

サービスヤードを家事や生活にどう活用するかを考えて、動線を組み立てることが重要です。動線の組み立ては、暮らしやすさと大きな関係があります。

動線の種類とサービスヤードが果たす役割は、以下のとおりです。

・家事動線

家事動線におけるサービスヤードの大きな役割は、ゴミの仮置き場や洗濯物を干すスペースとしての活用です。キッチンを中心として、スムーズに家事をこなせるような動線をイメージするとよいでしょう。

・生活動線

生活動線を考えるうえで、サービスヤードに求めたい役割は収納力です。あまり使わない季節ものなどをサービスヤードに集約することで、不要な収納家具などを室内に設置する必要性がなくなり、生活動線を広くとれます。

・来客動線

来客動線を検討するとき、サービスヤードが果たすべき役割も収納力です。お客様に見られたくないものを隔離する役割を果たします。洗濯物や段ボールに入れているものなど、生活感を切り分けることで、お客様が快適に過ごせるでしょう。

あらかじめ置くものを考える

動線が明確になったら、「何を」「どのように」配置するかを具体的に検討しておくのがおすすめです。サービスヤードにも違いがあるため、置けるものと置けないものがあります。

屋根がないサービスヤードでは、屋外のため置けるものが限られます。しかし、屋根があり施錠ができるサービスヤードでは、さまざまな種類のものを置くことが可能です。

先に置くものを考えておくと、室内外の整理環境が変わります。サービスヤードに何を置くかを決めてから、室内の家具家電などのレイアウトを検討するとよいでしょう。

サービスヤードで何をするかを考える

上述のとおり、サービスヤードといっても、屋根の有無・広さ・水栓の有無などに違いがあるので、何に使えるかが異なります。そのため、サービスヤードで何ができ、何をするかを考えておくことが重要です。

使い方が多彩なサービスヤードを最大限に活かすためには、困っていることややりたかったことを中心に、イメージを膨らませるとよいでしょう。

・室内にしかゴミを置けなかった

・アウトドア用品の置き場に困っている

・洗濯機と洗濯物干し場が遠くて家事動線が悪い など

前向きな理由から考えるときは、家族の趣味や子どもの遊び方などを中心に考えると、イメージが具体的になります。

賃貸仲介営業歴20年の私が教えるサービスヤードの活用方法

ここからは、サービスヤードの活用方法を紹介します。実際に活用しているお客様の事例もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

洗濯物干しスペース

洗濯物を干すスペースとして、サービスヤードを活用する方法は王道です。屋根があり、雨風をしのげる場合は、洗濯物干しスペースとして活用することで、家事効率向上が期待できます。

ゴミの一時置きスペース

室内に置いておきたくないゴミを、回収日まで仮置きするスペースとして利用できるのも、サービスヤードのよい使い方の一つです。室外に置けるときであっても、雨で濡れてしまったり、風でゴミ箱が飛んでしまったりすることがあるため、安心して仮置きできます。

食材や灯油などのストックスペース

サービスヤードをストックスペースとして活用することも一つの使い方です。パントリーに入りきらない食材や、灯油などを置いておくことで、室内の収納不足に悩むこともなくなるでしょう。

DIYの作業スペース

DIYを趣味とする人には、サービスヤードを工房として利用することがおすすめです。趣味に必要な工具なども収納できるため、大人の秘密基地としても利用できます。

バイクのメンテナンススペース

バイクが好きな人には、メンテナンスガレージとしての利用も考えられます。実際に対応させていただいたお客様の事例では、工具を収納する棚やコンテナまで買いそろえることで、没頭できている様子でした。

ガーデニングや家庭菜園の倉庫

サービスヤードは、勝手口や庭と面していることが多いため、ガーデニングや家庭菜園用具の倉庫として利用する人もいらっしゃいました。ガーデニングや家庭菜園用具は意外と多く、土や肥料などを含めると広いスペースが必要になるため、サービスヤードの有効な活用方法といえます。

このように、サービスヤードは多くの活用方法があり、暮らしを豊かにするものです。実際に目にすることは少なく、サービスヤードが設置されている賃貸物件は多くありませんが、気になるようであれば不動産会社に声を掛けておくのがよいでしょう。

賃貸物件にDIYでサービスヤードを設置したい場合

サービスヤードは便利であるものの、設置されている数が少ないため、なかなか出会えません。庭がある場合は、自分でサービスヤードを設置することは可能なのでしょうか?

ここからは、サービスヤードを設置する手続きや方法などを確認しましょう。

用途を明確にする

サービスヤードを自分で設置するとき、最初に確認すべきは設置の目的を明確にすることです。目的が不鮮明だと、設置するサービスヤードの広さや構造を選ぶ基準がありません。何のためにサービスヤードを設置するのか、そこでどのようなことをしたいのかをまずは明確にしましょう。

広さや構造を選ぶ

サービスヤードを設置する目的が明確になったら、広さや構造の検討に移ります。目的別の広さや構造の目安を以下のようにまとめました。

目的広さ構造
ゴミ置きスペース1~2㎡程度屋根必要に応じて目隠しや壁
洗濯物干しスペース5~10㎡程度屋根と目隠しが必要
ストックスペース5~10㎡程度屋根と壁とドアが必要
倉庫や工房スペース10㎡以上屋根と壁とドア必要に応じて棚等の造作

なお、設置場所を検討するときには、ガス給湯器をサービスヤード内に囲わないようにしてください。サービスヤード内が密閉されることで、一酸化炭素中毒になる可能性があります。

必ず大家や管理会社の許可を取る必要がある

サービスヤードを設置するときは、必ず家主さんや管理会社へ事前に相談を行い、承諾をもらってから設置しましょう。事前の相談が必要な理由は、以下のとおりです。

理由①そもそも勝手に設置してはいけないから

庭などに工作物を設置するときは、家主さんや管理会社の承諾が必要であると契約で定められているからです。勝手に設置することにより、サービスヤードの所有者が誰かわからなくなり、有事の責任を誰が負担するのか判断がつかなくなることもあります。

理由②法的な判断が必要になることがあるから

サービスヤードを購入して設置するときは、サイズや構造によって「建築確認申請」という行政上の手続きを踏まないといけない可能性があります。適切な手続きを踏まずに工作物を設置してしまうと、違法建築物扱いとなるので、賃貸借契約の存続も危ぶまれるところです。

理由③さまざまな取り決めをしないといけないから

サービスヤードの設置承諾を取り付けたとしても、まだ決めなくてはいけないことがたくさんあります。最も決めなくてはいけないことは、退去時の原状回復についてです。また、建築確認が必要な規模であるときは、税金増加の負担区分なども、協議の対象になるでしょう。

もし許可が下りた場合は原状回復も忘れないようにしよう

サービスヤードを設置した賃貸物件を退去するときは、原状回復をしてから退去する必要があります。原状回復とは、設置したサービスヤードの撤去という物理的な部分と、建築確認を行ったときなどは、建物滅失登記などの手続き的な部分の両方が必要です。

ただし、設置時の家主さんや管理会社との取り決めや退去時の状況によっては「そのままで退去してもよい」という判断がなされることもあります。原状回復をする取り決めがなされていたとしても、退去が決まったときに家主さんや管理会社と交渉してみることで、違った回答をもらえることもあります。

いずれにしても、設置に関する取り決めや原状回復に関することは、書面で残しておくようにしてください。あとでトラブルに発展することを防止するためにも、口約束での設置は避けましょう。

サービスヤードの設置ができないときに検討したいお部屋の条件・設備

サービスヤードの利便性は高く、一度サービスヤードの便利さを知ってしまうと、ほかの賃貸物件を選べなくなることもあります。しかし、サービスヤードが設置できなかったり、設備として備わっていなかったりしたときは、どのような賃貸物件を探すのがよいのでしょうか。以下で、詳しくご紹介します。

収納が多いお部屋を探してみる

サービスヤードの収納をカバーするためには、収納が多いお部屋を選ぶことが重要です。大きなウォークインクローゼットや、全部屋にまんべんなく収納があると、使い勝手がよいでしょう。

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サービスヤードが設置されていない戸建てやテラスハウスを探してみる

戸建てやテラスハウスであれば、サービスヤードが設置されていなくとも、庭や駐車場を有効活用することが考えられます。またマンションであれば、1階に専用庭がついているものもあるので、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

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トランクルームがついている物件を探してみる

賃貸物件によっては、トランクルームが敷設されている物件があります。トランクルームがあれば、収納力が格段に上がることは間違いありません。

ただし、トランクルームがついている賃貸物件も数に限りがあるため、早い者勝ちになりやすいです。不動産会社に事前に相談をしておき、退去の情報が出た時点で、すぐに教えてもらえるようにしておくとよいでしょう。

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角部屋の賃貸物件を探してみる

角部屋はバルコニーが2面あったり、犬走りに使える可能性があったりするなど、サービスヤードの代替となることがあります。気になる賃貸物件の角部屋があるときなども、不動産会社に声を掛けておくと教えてくれるでしょう。良いお部屋や希望条件に合ったお部屋を選ぶためには、不動産会社との協力が欠かせません。

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24時間ゴミ出しOKの賃貸物件を探してみる

サービスヤードが持つ利便性の一つに、ゴミの仮置き場があります。仮置き場であるサービスヤードの役割を補完したいのであれば、24時間ゴミ出しが可能な賃貸物件を選ぶのがよいでしょう。

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サービスヤードのある物件も視野に入れてみては?

今回は、サービスヤードについて解説しました。あまり聞き馴染みのない設備ですが、その使い勝手のよさから、一目見ると気に入ってしまう人が多い魅力的な設備です。なにより、多様な使い勝手のよさはどのような人にもおすすめできるため、ぜひサービスヤードが付いている賃貸物件があったら一度内見してみてください。