3点ユニットバスの効率的な掃除方法と、汚れ防止テクニックとは

目次

「3点ユニットバス」とは、浴室に洗面所やトイレが含まれるタイプです。水回りが1箇所にまとまっており、掃除が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

しかし、汚れの種類別・場所別に適切な掃除をすれば、汚れを溜めることなく、楽に清潔な状態を保てます。今回は、3点ユニットバスに溜まりやすい汚れの種類や、効率的な掃除方法についてご紹介します。

「ユニットバス=お風呂とトイレが一緒」ではない!?ユニットバスの規格と構造 

「ユニットバス」と聞くと、トイレや洗面台が一緒になったお風呂をイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかし、実はそうではありません。

ユニットバスとは、あらかじめ浴室の壁・床・天井・浴槽などのパーツがセットで製造され、それらを施工現場で組み立てる浴室のことです。つまり、壁や天井、床、浴槽が一体化している浴室のことを、総じてユニットバスと呼ぶのです。

ユニットバスには、次の3種類があります。

<ユニットバスの種類>

・1点ユニットバス

・2点ユニットバス

・3点ユニットバス

それぞれを簡単に紹介します。

1点ユニットバス

1点ユニットバスは、浴槽と洗い場のみで構成されるユニットバスです。一般的な家庭の浴室のイメージは、この1点ユニットバスであることが多いでしょう。

2点ユニットバス

2点ユニットバスは、浴室内に洗面台が設置されたユニットバスです。壁や天井、床、浴槽とともに、洗面台も一体化しています。

3点ユニットバス

3点ユニットバスは、浴室内に洗面台とトイレが配置されるタイプの浴室です。ホテルや賃貸物件でよく見かけるのは、この3点ユニットバスです。

なお、今回はこの3点ユニットバスの掃除の方法についてご紹介します。

ユニットバスが汚れる主な原因

毎日利用するお風呂場は、家の中でも清潔を維持したい場所です。しかし、湿度が上がりやすいことや、洗剤や化粧品を頻繁に使用することから、汚れの溜まりやすい場所でもあります。

ユニットバスが汚れる主な原因を解説します。

皮脂汚れ・髪の毛

ユニットバスで入浴したりシャワーを浴びたりすると、皮脂を含んだお湯が飛び散り、壁や天井などに付着します。皮脂汚れは油分を含んでいるため、お風呂の壁や床、天井に付着したまま放置すると取れにくく、カビや悪臭、黒ずみの原因となります。できる限り放置をしないよう、注意が必要です。

また、洗髪時に抜けた髪の毛が排水溝に溜まると、流れが悪くなります。さらに、カビや悪臭、排水パイプの詰まりの原因となります。

水垢

水垢は、水道水に含まれるミネラル成分が固まることにより、発生する汚れです。シャワーや水道からの水は時間が経てば蒸発しますが、含まれていたミネラル成分は残ってしまいます。水垢は、溜まれば溜まるほど固まり、取れにくい汚れに変化します。

石鹸カス

入浴時には、洗顔やシャンプー・ボディソープなどを使用して洗い流します。しかし、流し方が不十分であると、石鹸カスとして床や排水溝に残ります。残った石鹸カスは、水道水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル類、皮脂などと結合することにより、さらに落としにくい汚れへと変化するのです。

カビ

3点ユニットバスは、浴室・トイレ・洗面台が集まっています。気密性や保温性も高いことから、家の中でも最もカビが生えやすいといえる場所です。カビを放置すると、悪臭や視覚的な不快感だけではなく、アレルギー症状や感染症など、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

ユニットバスの掃除に必要な洗剤や道具

汚れを溜めず、清潔に浴室を保つためには、定期的に適切な掃除を行う必要があります。ユニットバスの掃除の方法について、見ていきましょう。

まずは、必要な道具を紹介します。

スポンジ

スポンジは、浴槽や壁の掃除、洗面台の掃除に使います。浴槽用は柔らかく大きめの持ちやすいサイズ、洗面台用は小さめのものがよいでしょう。

ブラシ

浴室の床や細かい部分、トイレには、ブラシを使用しましょう。細かい部分の掃除には古い歯ブラシや綿棒、トイレ掃除にはブラシの部分のみ使い捨てのものが便利です。

洗剤

軽い汚れであれば、浴室用の中性洗剤で十分綺麗になるでしょう。水垢やカビ・頑固な皮脂汚れには、重曹やクエン酸、塩素系漂白剤などを利用します。

スクイージー

スクイージー(スクイジー)は「水切りワイパー」とも呼ばれます。浴室の壁や、鏡についた水滴を取る際に活躍します。

マイクロファイバータオル

マイクロファイバータオルは給水力が高く、拭き跡が残りにくい特徴があります。ユニットバスの掃除の仕上げに水分を拭き取ったり、蛇口や鏡などを磨いて光らせたりと、1枚あると重宝します。

ユニットバス掃除の流れ

ユニットバスの掃除をする際には、換気扇を回すか窓を開けて、通気性のよい状態にしてから始めるようにしましょう。

ここからは、まずユニットバスの掃除の流れについて解説していきます。

STEP1. 天井や壁、鏡を掃除する

掃除の流れは、基本的に「上から下」の順番で進めていきます。まずはお風呂場の天井を長い柄のついたブラシやモップで掃除しましょう。

洗剤を流したら、アルコールで拭いておくと、カビ予防にもなります。なお、天井の掃除は毎日でなくても構いませんが、こまめにするほど掃除が楽になります。

次に、スポンジを用いて壁、鏡の掃除をします。壁や鏡の汚れによっては掃除にコツが必要ですが、後ほど詳しく解説します。

STEP2. バスタブや便器、洗面ボウルの外側を掃除する

次に浴槽の掃除をします。浴槽内部には皮脂汚れがついていますので、温かいお湯で汚れを浮かせてから洗剤とスポンジでこすります。入浴後の温かいうちに掃除を済ませている場合には、軽く流すだけで大丈夫でしょう。

バスタブの外側を洗う際に、トイレの便器の外側や洗面ボウルの外側など、軽い汚れの部分も一緒に洗うと楽にキレイになります。

STEP3. 床の掃除をする

最後に、床の掃除をします。まずは全体を中性洗剤とブラシで洗いましょう。カビが生えていたり、汚れのひどい部分があったりした場合は、専用の洗剤で掃除します。

【場所別】ユニットバスの掃除のポイント

次に、ユニットバスの掃除のポイントを場所別に紹介します。

①壁

壁は一見綺麗に見えても、皮脂や石鹸カスが飛び散っており、汚れています。皮脂汚れは酸性の汚れ、石鹸カスはアルカリ性の汚れです。汚れがこびりついていない場合は、どちらも浴室用の中性洗剤をつけたスポンジでこすれば綺麗になるでしょう。

スポンジは「コ」の字型に四角く動かすことにより、満遍なく掃除ができます。また、入浴後は壁全体にお湯をかけ、スクイージーやタオルで水分を取り除いておくと、汚れが溜まりにくくなります。

②鏡

お風呂場の鏡は水滴や石鹸カスがつきやすく、白いウロコ状の水垢汚れが目立つ場所です。汚れをこびりつきにくくするコツは、毎日入浴後にタオルやマイクロファイバーで鏡についた水分を除去することです。

軽い水垢の際には、お風呂用の洗剤とスポンジで軽くこすり、流すだけでも綺麗になります。頑固な水垢汚れがついてしまった場合には、200ccの水にクエン酸を小さじ1/2杯加えたクエン酸水や、水垢専用の洗剤で掃除しましょう。

③床

ユニットバスの床は、皮脂や石鹸が直接流れる場所です。さまざまな汚れがつきやすい場所なので、こまめに掃除しましょう。汚れが目立たない場合には、お風呂用の中性洗剤をつけてブラシでこすれば、綺麗になります。

お風呂の床の汚れを放置すると、ピンク色や黒色のカビが発生します。カビが発生したら、できる限り早めに対処しましょう。泡タイプの塩素系漂白剤はカビの除去に有効ですが、製品に記載されている使用上の注意事項をよく読み、他の洗剤と混ざらないように注意してください。

④浴槽

浴槽には皮脂や水垢がつくため、毎日掃除をして清潔を保ちましょう。入浴後、温かいうちに掃除をするほうが汚れは浮きやすくなります。冷えてから掃除をする場合には、浴槽の全体をお湯で温めるように流してから、中性洗剤を使ってこすります。

浴槽はコーティングされているものも多くあるため、傷つきにくい柔らかいスポンジで掃除するのがおすすめです。

⑤トイレ

ユニットバスのトイレは、シャワーを使って便器全体を丸洗いできるというメリットがあります。掃除の際には、スリッパやトイレットペーパーなど濡れては困るものを外し、便器本体や周囲の床をシャワーで流しましょう。

入浴後は浴室全体の湿度が上がり、タンクや便器に結露がつきやすい状況となります。水分がついたまま放置するとカビが発生しやすくなるため、十分な換気を行い、結露に気づいたときはサッと拭き取りましょう。

⑥シャワーカーテン

浴槽と洗面所・トイレが一体化した3点ユニットバスでは、シャワーカーテンを浴槽内に垂らしてお風呂を使用することが多いでしょう。シャワーカーテンの内側には、皮脂や石鹸の汚れが付着しています。濡れたまま放置すると、その汚れを栄養としたカビが発生します。

シャワーカーテンのカビを防ぐには、日頃から入浴後にカーテンにシャワーをかけて汚れを落とし、広げておくなど、乾燥しやすい状態になるよう意識することが大切です。

また、汚れが気になる場合にはシャワーカーテンを取り外し、つけおき洗いをする方法があります。つけおき洗いをする際には、洗濯表示をしっかりと確認しておきましょう。

⑦洗面台

洗面ボウルは、埃や髪の毛・化粧品・石鹸カス・水垢など、さまざまなゴミ汚れが付着しやすい場所です。小さなスポンジに手洗い石鹸をつけて毎日簡単にこするだけでも、汚れの蓄積が防げます。また、排水溝には、必ず排水網やネットを設置しましょう。髪の毛やごみを流すと、排水パイプが詰まる原因となります。

頑固な水垢が気になる場合は、クエン酸スプレーを吹きかけてしばらく待ちましょう。汚れを浮かせてからスポンジでこすると、きれいになります。

普段の掃除を楽にする、ユニットバスの汚れ予防ポイント

ユニットバスの掃除を楽にするためには、普段から汚れを溜めない工夫をすることが大切です。汚れを予防するためのポイントを紹介します。

小物類をなるべく床や棚に置かない

シャンプーやリンス・石鹸など、小物類は、できる限り床や棚に置いたままにしないようにしましょう。小物が直接置かれていると、接地面が乾きにくくなり、カビが生える原因となります。最近では、浴室の小物を吊るして収納できるなど、便利なグッズが市販されています。ぜひ活用してみましょう。

お風呂上がりに水シャワーをして温度を下げる

ユニットバスの使用後は、汚れているように見えなくても、皮脂や石鹸カスなどさまざまな汚れが浴室の壁や床に残っています。蓄積すればカビの原因となるため、入浴後にはシャワーで浴室全体を流しておきましょう。

皮脂や石鹸カスは温水のシャワーのほうが落としやすいのですが、温水を浴室全体にかけると浴室の温度が上がり、カビが繁殖しやすくなります。入浴後や掃除後、浴室の気温が上がった感じるときには、浴室全体に冷水シャワーをかけて浴室全体の温度を下げると、カビの発生予防に役立ちます。

入浴後や掃除後に水滴を拭き取る習慣をつける

入浴後や掃除後には、浴室に残った水分を拭き取るようにしましょう。

水道水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が含まれています。自然乾燥させると水分のみが蒸発してミネラルが残るため、水垢が発生します。水垢を予防し、ピカピカの浴室を維持するためには、スクイージーやタオル・吸水スポンジなどで、水分を拭き取る習慣をつけましょう。

排水溝ネットを使用する

排水溝には、必ずネットやカバーを装着しましょう。入浴時に流れた髪の毛や汚れが排水溝に溜まると、パイプの詰まりやカビの原因となります。ネットを装着していれば、交換するだけで排水溝のゴミが綺麗になり、便利です。

通気性をよくする

ユニットバスは、構造上水浸しになりやすく、どうしても湿気がこもりがちになってしまいます。カビは高温多湿な環境を好むため、通気性が悪いと発生しやすくなります。窓を開ける、換気扇を回すなど、普段から換気をよくしておきましょう。しっかりと換気をすることにより、カビの増殖を抑えられます。

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ユニットバス特有の汚れが気になる人は引越し時にバス・トイレ別の物件を検討しよう

浴室と洗面所・トイレが一体化したユニットバスは、家賃が安く抑えられる反面、さまざまな汚れが溜まりやすく、清潔を保ちにくいと感じる方も多いでしょう。ユニットバス特有の汚れが気になる方は、引越しのタイミングで、バス・トイレ別の物件を検討することも選択肢となります。

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ユニットバスの効率的な掃除方法を知って気持ちよく生活しよう!

今回は、3点ユニットバスに溜まりやすい汚れの種類や、効率的な掃除方法について紹介しました。

掃除の基本は上から下です。汚れの性質を知ったうえで、適切な道具を使って順番に掃除をすれば、使用頻度の高いユニットバスも清潔に保てます。この記事で紹介したポイントをぜひ取り入れてみてください。