電気ストーブの電気代は高い?他の暖房器具との差は?電気のプロが教える節約ポイント

目次

寒さが厳しくなる冬場、電気ストーブの導入を検討しているものの「電気ストーブの電気代ってどのくらい?」「他の暖房器具と電気ストーブの電気代を比較して見てみたい」という疑問を持っている方は多くいるのではないでしょうか。

電気ストーブの電気代は、1時間あたり約9〜37円、1日1時間を1ヶ月使用した場合で約280〜1,100円が目安です。他の暖房器具と比較して若干高めの電気代がかかりますが、使い方を工夫することで電気代を安くしつつ、寒い冬を快適に過ごせます。

今回は、電気ストーブの電気代について詳しく解説します。上手く活用するポイントや節約方法も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

電気ストーブとは

電気ストーブとは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して空気を温める家電のことです。ヒーターの種類によって、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターのように呼び方がわかれます。

また、電気ストーブ以外にも「ガス」や「灯油」で熱エネルギーを生み出すタイプのストーブもあります。まずは、電気ストーブの種類とそれぞれの電気代がどのくらいなのか詳しくみていきましょう。

電気ストーブの種類とそれぞれの電気代

以下の表は、電気ストーブの種類とそれぞれの電気代の目安をまとめたものです。

電気ストーブ1時間あたりの電気代1ヶ月(30日)あたりの電気代
ハロゲンヒーター弱:約9.3円
中:約21.7円
強:約31円
弱:約279円
中:約651円
強:約930円
カーボンヒーター弱:約13.95円
強:約27.9円
弱:約418.5円
強:約837円
セラミックファンヒーター弱:約18.6円
強:約37.2円
弱:約558円
強:約1,116円
オイルヒーター弱:約15.5円
中:約21.7円
強:約37.2円
弱:約465円
中:約651円
強:約1,116円

表をみると、電気ストーブの電気代は、1時間あたり約9〜37円、1日1時間を1ヶ月使用した場合で約280〜1,100円であることが分かります。

また、電気ストーブを含め、家電製品の電気代は以下の計算式で算出できます。この記事では、電気料金単価について公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安単価として定める31円/kWh(2022年9月時点)を用いて計算していきます。

・電気代=消費電力(kWh)× 電気料金単価(円/kWh)

また、消費電力については使用している製品ごとに異なります。この記事では、目安の消費電力から電気代を計算しておりますので、具体的な数字が気になる方は、取扱い説明書やメーカーの公式サイトなどからご確認ください。

ハロゲンヒーターの電気代

ハロゲンヒーターは、ハロゲンランプを発熱させることで周囲の空気を暖める電気ストーブです。電気代の目安については、以下の表をご覧ください。

消費電力の目安弱:約300W
中:約700W
強:約1,000W
1時間あたりの電気代弱:約9.3円
中:約21.7円
強:約31円
8時間当たりの電気代弱:約74.4円
中:約173.6円
強:約248円
1ヶ月あたりの電気代(1時間想定)弱:約279円
中:約651円
強:約930円(※)
1ヶ月あたりの電気代(8時間想定)弱:約2,232円
中:約5,208円
強:約7,440円(※)

※1ヶ月30日として計算しています

参考:日立「ハロゲンヒーター(HLH-HS307)」

カーボンヒーターの電気代

カーボンヒーターは、カーボン(炭素繊維の発熱体)を発熱させることで周囲の空気を暖める電気ストーブです。電気代の目安については、以下の表をご覧ください。

消費電力の目安弱:約450W
強:約900W
1時間あたりの電気代弱:約13.95円
強:約27.9円
8時間当たりの電気代弱:約111.6円
強:約223.2円
1ヶ月あたりの電気代(1時間想定)弱:約418.5円
強:約837円(※)
1ヶ月あたりの電気代(8時間想定)弱:約3,348円
強:約6,696円(※)

※1ヶ月30日として計算しています

参考:山善「カーボンヒーター(900/450W)」

セラミックファンヒーターの電気代

セラミックファンヒーターは、発熱体を包んだセラミックを温めて赤外線を放出させて周囲の空気を暖める電気ストーブです。電気代の目安については、以下の表をご覧ください。

消費電力の目安弱:約600W
強:約1,200W
1時間あたりの電気代弱:約18.6円
強:約37.2円
8時間当たりの電気代弱:約148.8円
強:約297.6円
1ヶ月あたりの電気代(1時間想定)弱:約558円
強:約1,116円(※)
1ヶ月あたりの電気代(8時間想定)弱:約4,464円
強:約8,928円(※)

※1ヶ月30日として計算しています

参考:Panasonic「セラミックファンヒーター(DS-FN1200)」

オイルヒーターの電気代

オイルヒーターは、オイルをフィンの中で熱して熱を循環させることで周囲の空気を暖める電気ストーブです。電気代の目安については、以下の表をご覧ください。

消費電力の目安弱:約500W
中:約700W
強:約1,200W
1時間あたりの電気代弱:約15.5円
中:約21.7円
強:約37.2円
8時間当たりの電気代弱:約124円
中:約173.6円
強:約297.6円
1ヶ月あたりの電気代(1時間想定)弱:約465円
中:約651円
強:約1,116円(※)
1ヶ月あたりの電気代(8時間想定)弱:約3,720円
中:約5,208円
強:約8,928円(※)

※1ヶ月30日として計算しています

参考:アイリスオーヤマ「オイルヒーター 11枚フィン デジタル表示 艶消し TEKNOS ブラック」

電気ストーブのメリット

電気ストーブのメリットは、以下の通りです。

・置き場所の自由度が高い

・スイッチを入れてから暖まるまでが早い

・比較的安い価格帯の製品が多い

電気ストーブは、エアコンなどと違って自由に置き場所を調節できます。自分の足元に運んだり、暖めたい場所で使ったりと自由なのがメリットです。

また、スイッチを入れてから暖まるまでが早いのもポイント。帰宅後、すぐに暖まりたい場合などにも適しています。

このほか、エアコンなどと比較して価格帯が安い製品が多い傾向です。寒い冬に向けて導入しやすいのもメリットといえるでしょう。

電気ストーブのデメリット

一方で、電気ストーブには以下のようなデメリットもあります。

・使い方を間違えると電気代が高くなる

・部屋全体を暖めるのには向いていない

電気ストーブは、1時間当たりの電気代は比較的高めなので使い方が大切です。足元などをピンポイントで暖めたいというように、スポット使用をおすすめします。また、部屋全体を暖めたい場合はエアコンなどを使用しましょう。

電気ストーブと他の暖房器具の電気代の差

電気ストーブと他の暖房器具の電気代にどれくらいの差があるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。以下の表は、電気ストーブと暖房器具の電気代の差をまとめたものです。

暖房器具1時間あたりの電気代電気ストーブとの差額
エアコン約31円最大約6円安い
こたつ・弱:約2.48円
・強:約4.96円
約6~32円安い
ホットカーペット1畳用:約6.2円
2畳用:約9.3円
3畳用:約21.7円
約0.8~15円安い
石油ストーブ・弱:約0.496円
・強:約0.93円
約6.5~36円安い

表をみると、電気ストーブの電気代は他の電気代と比較して高いことが分かります。ただし、電気ストーブは他の暖房器具と併用したり使い方を工夫したりすることで冬を快適に過ごせる便利なアイテムです。

使い方を誤ると電気代は高くなりますが、一概に使わない方が良いということもありません。上手な使い方は後述しますので、ぜひ参考にしてください。

ここからは、それぞれの暖房器具の電気代について解説します。

参考:経済産業省「家庭用省エネ性能カタログ」

エアコンの電気代

エアコンは、冷房機能や暖房機能が搭載された代表的な空調機器です。電気代の目安については、以下の表をご覧ください。

消費電力の目安(12畳用)※暖房機能約1,000W
1時間あたりの電気代約31円
8時間当たりの電気代約248円
1ヶ月あたりの電気代(1時間想定)約930円
1ヶ月あたりの電気代(8時間想定)約7,440円

※1ヶ月30日として計算しています

エアコンの消費電力は常に一定とは限りません。立ち上げから温度調節までが最も消費電力が高く、温度維持の消費電力はあまり大きくないのが特徴です。そのため、利用しているエアコンの期間消費電力量などを確認してみるのがよいでしょう。

ホットカーペットの電気代

ホットカーペットは、床に敷いて利用するタイプの暖房器具です。電気代の目安については、以下の表をご覧ください。

消費電力の目安1畳用:約200W
2畳用:約300W
3畳用:約700W
1時間あたりの電気代1畳用:約6.2円
2畳用:約9.3円
3畳用:約21.7円
8時間当たりの電気代1畳用:約49.6円
2畳用:約74.4円
3畳用:約173.6円
1ヶ月あたりの電気代(1時間想定)1畳用:約186円
2畳用:約279円
3畳用:約651円
1ヶ月あたりの電気代(8時間想定)1畳用:約1,488円
2畳用:約2,232円
3畳用:約5,208円

※1ヶ月30日として計算しています

こたつの電気代

こたつは、熱源の上部を木製のヤグラ(テーブル)で囲って上に布団をかぶせ、暖を取る暖房器具です。電気代の目安については、以下の表をご覧ください。

消費電力の目安・弱:約80W
・強:約160W
1時間あたりの電気代・弱:約2.48円
・強:約4.96円
8時間当たりの電気代・弱:約19.84円
・強:約39.68円
1ヶ月あたりの電気代(1時間想定)・弱:約74.4円
・強:約148.8円
1ヶ月あたりの電気代(8時間想定)・弱:約595.2円
・強:約1,190.4円

※1ヶ月30日として計算しています

石油ストーブの電気代

石油ストーブは、灯油を燃料とするストーブです。基本的には灯油料金が主な使用料金となりますが、電気代もかかります。電気代の目安については、以下の表をご覧ください。

消費電力の目安(コンクリート13畳用)・弱:約16W
・強:約30W
1時間あたりの電気代・弱:約0.496円
・強:約0.93円
8時間当たりの電気代・弱:約3.968円
・強:約7.44円
1ヶ月あたりの電気代(1時間想定)・弱:約14.88円
・強:約27.9円
1ヶ月あたりの電気代(8時間想定)・弱:約119.04円
・強:約223.2円

※1ヶ月30日として計算しています

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電気ストーブがおすすめの人

電気ストーブがおすすめなのは、主に以下に該当する方です。

・部屋全体を温めず、部分的に暖かくしたい方

・エアコン暖房の電気代を節約したい方

・足元が冷えるので暖かくしたい方

それぞれの内容について詳しく解説します。

部屋全体を温めず、部分的に暖かくしたい方

電気ストーブは、部屋全体を暖めるのには適していません。部分的に暖かくする際の使用におすすめです。

例えば、一人暮らしの方であれば「部屋全体を暖めるほどではないけど自分がいるところだけ暖かくしたい」場合があるでしょう。そういった場合、エアコンを使わずに電気ストーブを使用することで効率的に過ごせます。

また、部分的に暖かくするのであれば、強でなくても弱や中の強さで十分です。弱・中で使用することで電気代も抑えやすくなります。

エアコン暖房の電気代を節約したい方

エアコン暖房の電気代を節約したい場合にも、電気ストーブはおすすめです。対応畳数にもよりますが、基本的にエアコン暖房は暖房器具の中でも電気代が高い部類に位置します。

また、設定温度によってもエアコン暖房の電気代は異なります。暖かいのがいいからと設定温度を高くしすぎると、電気代もかかりがちなのでご注意ください。先ほどご紹介したように、部分的な使用で電気ストーブを利用すると、余分なエアコンの電気代を節約できます。

足元が冷えるので暖かくしたい方

電気ストーブは、足元を暖かくしたい方にもおすすめです。床に設置し、なおかつ置き場所も自由な電気ストーブは、足元を暖めるのに適しています。

また、電気ストーブはスイッチを入れてから暖まるまでが早いのも特徴です。帰宅後、すぐにスイッチを入れて足元から暖めるという使い方もできるでしょう。

電気ストーブを使う場合の電気代節約術

電気ストーブを使う場合、以下の点に注意することで電気代の節約につながります。

・スポット使用を基本とする

・ほかの暖房器具と併用する

・使用していない際はコンセントを抜く

それぞれの節約術について詳しく解説します。

スポット使用を基本とする

電気ストーブは、一部を温めるために使用することをおすすめします。デメリットでもご紹介したように、部屋全体を温めるのは効率が悪くて適していないためです。

例えば勉強中や仕事中に足元を暖める、脱衣所やトイレに設置して局所的に暖めるというような使い方をすることで長所を活かせます。足元のようなピンポイントで暖める使い方であれば、「弱」設定でも問題ないため、電気代を抑えられるでしょう。

部屋全体を温めたい場合は、エアコンなどが適しているため、暖房の使い分けをしてみてください。

ほかの暖房器具と併用する

電気ストーブとほかの暖房器具を併用するのも一つの方法です。それぞれの暖房器具の長所を活かすことで、効率的に部屋を温められるだけでなく、快適に冬を過ごせます。

例えば、電気ストーブは部屋全体を暖めるのには適していませんが、局所的に暖めるのには適しています。一方で、エアコンの暖房機能は部屋全体を暖めるのには適していますが、局所的に暖めるのには適していません。

つまり、部屋全体を暖めたい場合はエアコン、一部のみを暖めたい場合は電気ストーブというように使い分けることで、電気代を最小限に抑えつつ快適に過ごせます。

また、電気ストーブを使うほどでもないけど何もしないと寒い場合などは、電気毛布を使うのもおすすめです。電気毛布は電気代も安いため、上手く活用することで電気代を抑えられます。暖房器具の長所を組み合わせて、寒い冬を快適に乗り越えましょう。

使用していない際はコンセントを抜く

電気ストーブを使用していないときは、コンセントを抜いておきましょう。コンセントを抜くことで待機電力を節約できるためです。

待機電力を抑えることで、0.5〜0.8%の節電効果が期待できます。簡単に実践できるものなので、意識すれば長期的な節約につながるでしょう。

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電気ストーブを賢く使って電気代を節約しつつ冬を乗り切ろう

今回は電気ストーブの電気代について詳しく解説しました。電気ストーブの電気代は、1時間あたり約9〜37円、1日1時間を1ヶ月使用した場合で約280〜1,100円が目安です。

電気ストーブを上手く活用する場合、ほかの暖房器具と併用したりスポット使用を基本としたりなどの工夫が大切です。使用していない場合はコンセントを抜くことで待機電力の節約にもつながります。

賢く電気ストーブを活用して、寒い冬を快適に乗り越えましょう。