私たちの生活に欠かすことのできない水道。そんな水道代が高くてなんとか節約したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
今回は、世帯人数別の水道代の平均額や水道代の計算方法、節約テクニックについて紹介していきます。毎月の水道代にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。節約テクニックをもとに、水道代を安くしていきましょう。
気になる水道代の内訳と計算方法

水道代は、上水道料金(基本料金+従量料金)、下水道料金(基本料金+超過分)、消費税で成り立っています。ここでは、水道代の詳しい内訳と計算方法について詳しく紹介していきましょう。
基本料金と下水道料金
基本料金は、水の使用の有無にかかわらず発生する料金です。一方で使った水の量に応じてかかる料金が従量料金になります。
水道料金は、上水道料金と下水道料金を足したものが請求されます。蛇口をひねって出てくる水が上水道です。
そうなると、「下水道って何?」と疑問に思われる方もいるはず。家庭内で使用した生活排水には多くの不純物が含まれており、そのまま川などに流すことはできません。そのため、生活排水は自然に返す前に「浄化」をする必要があるのです。この浄化の役割を担っている水道を下水道と呼びます。
自治体によって具体的な計算方法は異なりますが、使用した水の量に応じて請求されることが多いようです。
水道使用量の確認ポイント
検針票を見ても項目が多くて実際の水道使用量が分からない…といった方もいるでのはないでしょうか。ここでは、東京都水道局の検針票を例に見ていきましょう。
水道使用量自体は、用紙中央の「使用量」と太字で印字されている部分です。東京都水道局のページで他の項目の概要も解説されているため、併せてチェックすることをおすすめします。

※画像引用:東京都水道局
水道代の計算方法
東京都水道局の料金表を例に、1ヶ月あたりの水道代を計算してみましょう。
一般家庭用で呼び径20ミリ、1ヶ月間の水道使用量が30㎥であったと仮定します。上水道、下水道の基本料金、従量料金は以下のとおりです。
上水道 | 下水道 | |
---|---|---|
基本料金 | 1,170円 | ー |
従量料金 |
【1~5m³】
0円×5m³=0円
【6~10m³】 22円×5m³=110円 【11~20m³】 128円×10m³=1,280円 【21~30m³】 163円×10m³=1,630円 小計:3,020円 |
【0~8m³】
560円
【9~20m³】 110円×12m³=1,320円 【21~30m³】 140円×10m³=1,400円 小計: 3,280円 |
水道料金合計(税抜) | 1,170円+3,020円+3,280円=7,470円 |
水道代を意識すると最高でいくら節約できる?

2022年の家計調査によると、世帯人数別の1ヶ月あたりの上下水道料金の平均額は以下のとおりです。
世帯人数 | 上下水道料金 |
---|---|
1人世帯 | 2,116円 |
2人世帯 | 4,229円 |
3人世帯 | 5,500円 |
4人世帯 | 6,196円 |
5人世帯 | 7,128円 |
6人世帯以上 | 9,033円 |
※出典:家計調査2022年|世帯人数別
また、東京都水道局が実施した調査(令和2年)によると、世帯人数別の水道使用量は以下のとおりでした。
世帯人数 | 使用水量 | 世帯人員 | 使用水量 |
---|---|---|---|
1人 | 8.1㎥ | 4人 | 23.1㎥ |
2人 | 14.9㎥ | 5人 | 27.8㎥ |
3人 | 19.9㎥ | 6人以上 | 34.1㎥ |
世帯人数が増えるごとに、水道使用量、料金ともに上がっているのが分かります。たとえば、2人世帯で1ヶ月間水道代の節約を意識し、水道使用量が14.9㎥から3㎥減り11.9㎥となった場合、827円の節約効果が期待できます(呼び径20ミリ)。この827円の節約を1年間続けることができれば、9,924円となり、1年間で約1万円の節約が可能となります。
ちなみに1㎡=1,000Lです。3㎥に換算すると、3,000Lになります。3,000Lの節水は以下の節約行動で可能になるでしょう。
節約行動 | 節水可能な水の量 |
---|---|
トイレの大小を使い分ける(3回/日) | 約2L×3回=6L/日の節水1ヶ月に換算すると180Lの節水 |
1回のトイレで流す回数を2回から1回に変える(3回/日) | 約3.5×3回=10.5L/日の節水1ヶ月に換算すると約315Lの節水 |
湯船の湯量を少なめにする (縦60cm横100cmの浴槽で、高さ60cmの水の量から40cmへ減らす) | 1日あたり60Lの節水1ヶ月あたり約1,800Lの節水 |
食器を手洗いから食洗機使用に変更する(1回/日) | 1回あたり約64Lの節水1ヶ月に換算すると、1920Lの節水 |
※1ヶ月=30日計算
ざっくりと月3000Lを節約する方法を紹介しましたが、次の項目からは水道を使用する場所・シチュエーション別の節約術を解説していきましょう。
【お風呂】水道代節約ポイントと便利アイテム

国土交通省の調査によると、家庭内で使われる水道量の割合はお風呂が最も多く、全体の40%を占めています。
お風呂の際に、ついついシャワーを出しっぱなし、お風呂のお湯をたくさん貯めているなど思い当たることはありませんか?ここでは、誰でも簡単にできるお風呂の水道代の節約ポイントを紹介します。
浴槽のお湯の量は少なめにする
浴槽に溜めるお湯の量を減らすことで、水道代を節約できます。満水まで浴槽に水を溜めると、入浴の際にお湯が溢れてしまい、その分の水が無駄になります。
2Lのペットボトルに水を入れたものを準備すると、浴槽のお湯のかさ増しに役立つのでおすすめです。しかし、お湯の温度が下がってしまうといったデメリットもあるため注意が必要です。
シャワーは流しっぱなしにしない
シャワーの流しっぱなしは、余計な水道代がかかってしまう原因の1つです。なるべく流しっぱなしは避けるようにしましょう。止水栓が搭載されたシャワーヘッドを使うと、ボタン1つで水を出したり止めたりできるため便利です。
お風呂の水道代節約に便利なアイテム
お風呂の水道代節約に便利なアイテムは以下の3つです。
・節水シャワーヘッド
・止水栓が搭載されたシャワーヘッド
・2Lのペットボトル
節水シャワーヘッドは水道代を節約するため、導入したいアイテムの1つです。初期コストもそこまで大きくないため、手軽に取り入れられます。水道だけではなく、ガス代や電気代の節約にもなるためおすすめです。
止水栓が搭載されたシャワーヘッドは水の流しっぱなし防止に、2Lのペットボトルは水を入れて使うことで浴槽のお湯のかさ増しになります。
【キッチン】水道代節約ポイントと便利アイテム

キッチンでは、おもに洗い物をする際に水を多く使用します。流しっぱなしにしながら洗い物をする、といったご家庭も多いのではないでしょうか。ここでは、キッチンでできる水道代の節約ポイントを紹介します。
つけ置きをしてあらかじめ汚れを落としておく
食器の汚れがなかなか落ちないと、水を流しっぱなしにしながら洗っていませんか。あらかじめつけ置きしておくことで、洗うときに汚れが落ちやすくなります。
すすぎのときだけ水を流すようにして、洗うときはつけ置きをメインにするのがおすすめです。
キッチンの水道代節約に便利なアイテム
キッチンの水道代節約のためにおすすめのアイテムは、食器洗い乾燥機(食洗機)です。Panasonicの調査によると、4〜5人家族の場合手洗いから食洗機に変えることで年間約16,400円の節約ができるといわれています(水道代やその他光熱費などを含む)。
ただし、初期コストがかかるといったデメリットもあるため注意が必要です。
【トイレ】水道代節約ポイントと便利アイテム

トイレで使用する水の量は、全体の21%を占めています。家庭内で使用する水のうち、お風呂に次いで多くなっています。ここでは、トイレで水道代がかさむ使い方と節約ポイントについて紹介しますので、参考にしてみてください。
大小を使い分ける
トイレを使ったあと、大小を使い分けて水を流すようにしていますか?トイレの大小の洗浄水量は、トイレの種類によっても異なりますが、大が約5〜8L、小が約3〜4.5Lです。大と小の水量には、2〜3Lもの差があります。水道代のためにも、大小を使い分けるように心がけましょう。
何度も流さないようにする
音や臭いが気になる、と何度もトイレを流していませんか?比較的新しい型式のトイレの場合、小で使われる水の量は約3〜4Lです。1度のトイレで3回流すと、約9〜12Lもの水を使うことになるのです。そのため、なるべく流す回数を減らすように心がけましょう。
トイレの水道代節約に便利なアイテム
トイレの水道代節約のためには、最新式のトイレへ変えることがおすすめです。たとえばTOTOのトイレの場合、1993年発売の「ネオレストEX」では洗浄水量が大だと8Lとなっていますが、最新モデルでは3.8Lまで節約可能となっています。
※参考:https://jp.toto.com/company/press/product/toilet/2020_11_26_010922/
約30年で洗浄水量は半分まで減少しています。型式の古いトイレを使っている場合、取り替えをおすすめしますが、初期コストが大きくかかってしまうといったデメリットもあるため注意が必要です。
【洗濯】水道代節約ポイントと便利アイテム

洗濯は家庭内で使用する水道量の15%を占めています。世帯人数が多い家庭では、1日に何回も洗濯機を回しているところも多いでしょう。ここでは、洗濯の水道代がかさむ使い方と節約ポイントについて紹介します。
浴槽の残り湯を活用する
洗濯に使用する水は、浴槽の残り湯を活用することで水道代の節約ができます。洗いの水が必要なくなるため、2分の1の水だけで洗濯が可能になります(すすぎ1回の場合)。
洗濯物はまとめて洗う
洗濯物は少ない量をこまめに洗うよりも、まとめて1度に洗濯したほうが、水道代の節約になります。1人暮らしの方で、毎日洗濯しているといった方もいるのではないでしょうか。洗濯機の容量の7〜8割の洗濯物がたまったら、洗濯するように心がけましょう。
すすぎは1回のみにする
最近の洗濯洗剤はすすぎが1回でよいものが多く販売されています。それなのに、すすぎを2回おこなっているという方はいませんか?すすぎの回数を2回から1回に減らすことで、洗濯にかかる水を3分の1減らせます。
洗濯の水道代節約に便利なアイテム
洗濯の水道代の節約に便利なアイテムはドラム式洗濯機です。Panasonicによると、ドラム式と縦型の洗濯機では、1回あたりの水道代の差は約18円。2倍近い差があることが分かります。1日1回洗濯をする場合、1ヶ月(30日)あたり、約540円の差が生じることになります。
【洗面所】水道代節約ポイントと便利アイテム

洗面所も家庭内で水を使う場所の1つです。洗面所では、おもに歯磨きや洗顔、手洗いをすることが多いのではないでしょうか。ここでは、洗面所の水道代がかさむ使い方と節約ポイントを紹介します。
コップに溜めた水でうがいをする
うがいをする際に、水を流しっぱなしにしていませんか?その流しっぱなしの水にも水道代はかかっています。コップに溜めた水でうがいをすることで、流しっぱなしを防ぐことができます。
洗顔時はたらいに水を溜めておこなう
うがい同様、洗顔時にも水を流しっぱなしにしている方はいるのではないでしょうか。たらいに水を溜めて洗顔をすることで、無駄な水を節約できます。たらいの水が汚れたら、取り替えるといったように水を流しっぱなしにしないように心がけましょう。
洗面所の水道代節約に便利なアイテム
洗面所では、ついつい水を流しっぱなしにしてしまうといった方もいるはず。前項で紹介したように、「うがい用のコップ」「洗顔用のたらい」を準備しておくと水道代の節約に繋げることができるでしょう。
フックに掛けられる穴の空いたコップやたらいを準備すると、収納も簡単にできて便利です。
水道代を節約しやすい部屋の条件

水道代を節約しやすい部屋の条件は以下のとおりです。
・食洗機のある物件
・追い焚き機能のある物件
・お風呂と洗濯機の設置場所が近い物件
それぞれ詳しく見ていきましょう。
食洗機のある物件
節約術でもお伝えしたとおり、食洗機は水道代の節約になります。キッチン設備に食洗機のある物件を選ぶことで、水道代の節約に繋げることができるでしょう。自分で食洗機を購入する必要がなく、初期コストがかからないためおすすめです。
追い焚き機能のある物件
追い焚き機能のある物件を選ぶことで、湯船のお湯の張り替えの必要がなくなります。追い焚き機能を活用することで、水の量を抑えることが可能であり、水道代の節約に繋げられるでしょう。湯船に浸かる機会が多い方にとっては、追い焚き機能のある物件はおすすめです。
お風呂と洗濯機の設置場所が近い物件
お風呂と洗濯機の設置場所が近い物件を選ぶことも水道代を節約するためにおすすめです。なぜなら、お風呂の残り湯を洗濯に活用しやすいためです。家庭内の水道使用量の15%が洗濯を占めており、お風呂の残り湯を活用することで水道代の節約が期待できます。
水道代を節約するなら毎日の意識から変えていこう!
この記事では水道代の節約ポイントを紹介しました。水道は私たちの生活に欠かせないものであるからこそ、日々の意識を変えていくことが大切です。
この記事を参考に、ぜひ今日から水道代を意識して生活し、節約に繋げてみてくださいね。