米麹とは、米に麹菌を付け、発酵させた日本の伝統的な食材です。米麹をはじめ、味噌や納豆などの和の発酵食品は、その美容・健康パワーが世界的に注目されています。
「作るのが難しそう」「失敗して食中毒にならないか心配」といったイメージから、自作のハードルが高い米麹ですが、実はコツさえ掴めば自宅で簡単に作れます。
そこで今回は、料理人歴25年の食のプロが、米麹の簡単な作り方を伝授。道具や手順、成功の秘訣、健康効果、活用レシピまでプロの視点で解説するので、ぜひ挑戦してみてください。
米麹を作るのに必要な材料と道具

まず、米麹作りで揃えるべき道具をご紹介します。手順は、大きく分けて「米を洗い、浸水・水切り後に蒸す」「蒸した米を保温する」「保温しながら手入れする」の3ステップです。そこで、工程別に必要な道具を解説します。
どれもホームセンターやネット通販で手に入るものなので、ぜひ気軽に試してみてください。
米麹の主原料となる米・種麹
米麹の主原料となるお米は、ご家庭にあるもので十分作れます。麹作りには「ササニシキ」や「あきたこまち」のような粘り気の少ない米が最適ですが、自家製ならそこまでこだわる必要はありません。
種麹はスーパーにはないため、ネット通販で手に入れましょう。白麹・黄麹・黒麹があります。
蒸し上げる工程で必要になるザル・ボウル・蒸し器・蒸し布
まず、米を洗い、浸水させてから蒸す工程で、ザル、ボウル、蒸し器、蒸し布が必要です。ご自宅にあるものを活用して問題ありません。蒸し器はステンレス製でも竹製でも構いませんが、今回の作り方では、どちらのタイプでも使用可能です。
発酵させる工程で使用する発酵器もしくはヨーグルトメーカー・布巾
米麹作りの最重要工程である発酵には、専用の発酵器かヨーグルトメーカーを使います。発酵器は温度管理が容易ですが高額なため、ヨーグルトメーカーで代用可能です。
ただし、紙パックをそのまま使うタイプではなく、専用容器が付いているものを選んでください。また、細かい温度設定ができ、24時間以上保温できる長時間タイプがおすすめです。
発酵工程で湿度調整に使う布巾は、安価な木綿で十分ですが、必ず清潔なものを用意しましょう。
その他、失敗率を下げるための道具
失敗率を下げるために必要な道具として、以下4つが挙げられます。
温度計
米麹の温度をリアルタイムで確認する温度計は、棒状タイプを選んでください。発酵中の米麹に直接差し込んで計測します。細かな温度変化を把握するため、小数点以下が表示されるものが使いやすいでしょう。
茶こし
種麹を均一にまぶすために使用します。不均一な状態に散布すると、薄い部分に雑菌が繁殖しやすくなるため、殺菌の観点においても重要な道具です。
トレイと米を包む布
トレイの上に布を広げ、蒸し上げた米に種麹をまぶす作業で使います。
食品用アルコールスプレー
使う道具は事前に消毒しましょう。発酵食品を作る際、トレイや温度計、容器などに雑菌が付着していると、失敗の原因になるため、この工程は不可欠です。食品用アルコールスプレーで使う直前に「シュッ」と吹きかけるか、なければ煮沸消毒でもOKです。
道具は揃えやすいですが、米麹作りにはある程度の作業スペースがあると快適です。狭いキッチンでも可能ですが、器具の収納や作業場が広い方が効率が格段に上がります。ストレスなく楽しむためにも、余裕のあるスペース作りをおすすめします。
米麹の作り方・レシピ

必要な道具をそろえたら、いよいよ米麹作りをはじめましょう。今回は種麹を使用する「共麹法(または友麹法)」をご紹介します。
なお、種麹を使わず既存の麹で増やす方法でも米麹を作ることは可能です。しかし、難易度は非常に高く、一般の方にはおすすめできません。
用意する米麹の材料
米:3合
種麹:1.5g(1合あたり0.5g)
その他、米麹を作るのに必要な道具
米麹作りに必要な道具はシンプルで、米と種麹だけです。もち米でも作れますが、べたつきやすく難易度が上がるため、私たちが普段食べるお米である「うるち米」を使いましょう。精米度が高いほど雑菌が少なく、麹菌が繁殖しやすいとされています。
種麹は、麴菌の胞子を乾燥させたものです。これを蒸した米に振りかけることにより、麹菌が繁殖します。市販されている種麹の種類はさまざまですが、粉末状の「黄麹菌」を選ぶことが一般的です。
米麹作りのタイムスケジュール
米麹を作るには、トータルで48時間の発酵時間が求められます。しかし、仕事や学業で丸二日間付きっきりになるのは現実的ではないでしょう。そこで、事前にタイムスケジュールを決めておくことが、作業をスムーズに進める鍵となります。
ここでは、週末の休日を活用して麹作りをする具体的なスケジュールをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
| 1 | 金曜日18:00 | 洗米し、冷蔵庫の野菜室で浸水 |
|---|---|---|
| 2 | 金曜日21:00 | ザル上げし、2時間水切り |
| 3 | 土曜日8:00 | 米を蒸し上げ保温開始(35℃~40℃) |
| 4 | 土曜日20:00 | 1回目の手入れ(35℃~40℃) |
| 5 | 日曜日8:00 | 2回目の手入れ(35℃~40℃) |
| 6 | 日曜日14:00 | 3回目の手入れ(35℃~40℃) |
| 7 | 日曜日20:00 | 4回目の手入れ(40℃) |
| 8 | 日曜日21:00 | 米麹の完成 |
作り方で紹介した時間と多少前後しますが、あくまで目安のため、仕上がりに大きな問題はありません。具体的なスケジュールがわかればチャレンジしやすいですね。
成功のポイントとして重要なのは、麹菌が最も活発に繁殖する35℃前後の温度を保つことです。35℃を下回ると雑菌が繁殖しやすくなるため、温度計を使ってこまめに温度をチェックしましょう。
米麹の作り方①洗米~浸水
最初に洗米から浸水までの手順について説明していきます。
洗米をする
まずはお米を洗う工程です。ボウルに水を張り、お米を入れて洗います。ポイントは、ゴシゴシと力を入れず、優しく混ぜる程度に留めること。水を3〜4回入れ替えて、にごりが消えるまで洗いましょう。米粒を傷つけないよう、あくまでもそっと洗うのが重要です。
米をたっぷりの水に浸す
次に、米をたっぷりの水に浸します。浸水時間は、夏なら3~5時間、冬なら12~24時間程度が目安です。浸水中は雑菌が入り込まないように、ラップしておきましょう。
米が水を吸い上げるスピードは、水温が高いほど速く、低いほど遅くなると言われています。夏と冬で浸水時間の目安が違うのはこのためです。
浸水時間が経過したら米粒を1粒取り出し、指でグッと押さえたときに粉々になればOKです。かたければ、さらに数時間浸水させてやわらかくします。反対に軽く触っただけで簡単に崩れるほど柔らかいと、蒸し上がりがベタつきやすいため、浸水時間を短くしましょう。
浸水が完了したら水切りをおこなう
浸水後は、すぐに水切りです。米をザルにあけ、2〜4時間かけて完全に水気を切りましょう。ここで水分が残っていると、蒸し上がりがベタついてしまうため、徹底的に水を切ることが重要です。ザルを振ると米が潰れる恐れがあるため、動かさずに静かに水を切るのがコツです。
ここが麹作りの最初の山場であり、失敗すると仕上がりに響くので注意してください。また、美味しく安全に摂取するため、洗米・浸水は水道水ではなく浄水器の水で行うことをおすすめします。美容・健康効果を求めるなら、こだわりたい点です。
米麹の作り方②蒸し上げ~保温
ここからはいよいよ蒸し上げの工程です。鍋に水をたくさん張り、蒸し器をセットしましょう。水気を切ったお米を蒸し布で包み込むようにして入れ、蒸し上げていきます。
水切りした米を蒸し上げる
沸騰後は強めの中火にして、そのまま40分間蒸します。この間は火にかけ続けるため、空焚き防止のためにも容量の大きな鍋を使ってください。
もし鍋の容量が不足するなら、ガスコンロが二口あれば、もう一方で沸かした熱湯を途中で足せばOKです。また、蒸し上げ中に他の料理を作れるため、コンロは二口以上あると作業がしやすいでしょう。
蒸し上がりの目安は、普段のご飯よりかなり硬い状態です。米粒を潰したときに芯が残っておらず、ひねるとお餅のようにわずかに伸びるようなら成功です。もし、まだ硬さが残っている場合は、5分ずつ蒸し時間を延長して調整しましょう。
蒸し上げた米を平らに広げる
蒸し終わったら、ここからは時間との勝負です。アルコール消毒したバットに清潔な布を敷き広げてください。そこに蒸した米を平らに広げ、しゃもじで米を切るようにほぐしながら粗熱を取ります。
直後は80℃と高温なので、素手は避けしゃもじを使いましょう。温度計で40℃~45℃になるまでしっかり確認してください。この後、種麹をまきますが、48℃以上では麹菌が死滅してしまうため、この温度は厳守です。
温度を下げた米に種麹を振りかける
ここからは、粗熱を取ったお米に種麹をまぶします。茶こしを使い、米全体に偏りなく振りかけるのがコツです。
種麹をまき終えたら、両手で擦り込むように米全体を混ぜていきましょう。種麹が全体に行き渡っていないと発酵しない部分ができるため、隅々までしっかり擦り込むことが肝心です。米の温度が下がらないうちに、手早く作業を完了させましょう。
全体が混ざったら、布で米を包んで発酵器またはヨーグルトメーカーの容器に入れ、33℃で24時間セットします。温度計は挿したままにし、米麹の温度を常に確認できる状態にしてください。
温度が30℃未満になると発酵が弱まるため、設定温度を上げて、常に35~40℃を保つようにしましょう。40℃を超える場合は、設定温度を下げる調整が必要です。
米麹の作り方③麹の手入れ
ここからは麹の手入れについて説明していきます。5回も麹を手入れする必要があるので、それぞれで意識すべきポイントや注意点などもあわせて解説していきますよ。
1度目の麹の手入れ
この工程は、蒸した米に種麹を付けて保湿を開始する「盛り」の段階にあたります。米粒はまだ独立しており、菌糸が肉眼で確認できない状態です。この後、麹菌が活動をはじめ、徐々に発熱するのを待ちます。
保温開始から12時間ほど経過したら、最初の麹の手入れを行います。米を取り出し、アルコール消毒したバットに布ごと広げ、よく米をほぐして酸素を全体に行き渡らせましょう。温度が下がる前にもう一度容器に戻し、発酵器もしくはヨーグルトメーカーにセットしなおして、さらに12時間保温します。
2度目の麹の手入れ
この工程は、最初の発熱に合わせて行う「初回切り返し」にあたります。米がほのかに発熱し、触ると温かく感じられる段階です。まだ白い菌糸は見えませんが、米粒同士が軽くくっつきはじめています。
最初の保温開始から12時間後(合計24時間)に、米を容器から取り出し、前回と同じように手入れをしてください。この頃から発酵が急に進み温度も上がるため、容器に水滴が溜まっていたら、発酵を妨げないようきれいに拭き取る必要があります。
その後、発酵器かヨーグルトメーカーに再びセットします。ヨーグルトメーカーを使う場合は、ここからは蓋を外し、清潔な布巾をかぶせて余分な水蒸気を吸収しながら温度管理を行いましょう。この工程でも、温度計の温度は35~40℃をキープして、さらに12時間保温を続けます。
3度目の麹の手入れ
6時間経過後に行うこの工程は、麹菌の生育が本格化する「仲仕事」にあたります。米粒の表面にうっすらと白い菌糸が見えはじめる段階です。麹菌特有の甘い香りがかすかに立ちはじめるほか、米の塊が強くなり、ほぐすのに少し力を入れなければなりません。
ここからは温度が急上昇しやすいため、こまめな確認とお手入れが必要です。しっかりとほぐしながら、酸素を供給しましょう。
4度目の麹の手入れ
さらに6時間経過後(最初の保温開始から36時間)、4度目の手入れを行います。これは、麹の仕上がりを最終調整する「仕舞仕事」と呼ばれる工程です。このころには菌糸が伸びて、米粒同士がしっかりとくっつき、全体がフワフワと白い状態になっています。これが、麹菌が酵素を作った証です。
これまでと同じ要領でしっかり米をほぐし、酸素を供給してください。容器の水滴はきれいに拭き取りましょう。手入れが終わり容器に戻したら、今度はかぶせていた布巾を濡らして軽くしぼり、米麹の乾燥を防止します。
最後の麹の手入れ
そして、最後にここから12時間の保温を行います。この最後の12時間のうち、6時間は40℃の温度帯まで温度を上げてください。40℃を維持することで、甘くて美味しい米麹に仕上がります。
ただし、48℃を超えると麹菌が死滅し始めるので注意が必要です。12時間経過後(最初の保温開始から48時間)についに完成です。米がくっついて一つの塊になり、菌糸が伸びてフワフワし、栗のような甘い香りがすれば成功!バットに移してほぐし、冷めてから小分けにしてください。
米麹作りで知っておきたいポイント

米麹作りは長丁場の大仕事です。しかし、ポイントやコツをしっかりと理解していれば、失敗することはありません。ここからは、米麹作りのポイントを解説していきます。
①48℃を超えると菌が死滅するので注意
麹菌は、48℃を超えると死滅しはじめます。そのため、温度計を見ながら48℃を超えないよう注意しましょう。
②発酵中の温度・水蒸気の扱いに注意
麹菌は、70%~80%程度の高い湿度で最もよく生育します。しかし、湿度を保つために密閉しすぎると、米麹が発する熱で水蒸気が発生し、容器の内側やフタに結露がつくため注意しなければなりません。
ここでできた水滴が麹の上に落ちると、深刻な問題を引き起こします。例えば米の表面が過剰に濡れてべたつくと、麹菌の呼吸や生育を妨げる原因になりかねません。さらに、水分が多すぎる箇所には麹菌よりも雑菌が繁殖しやすくなり、腐敗菌が広がったり、カビが発生したりする原因にもなるのです。
このような問題を防ぐために重要なのは、きめ細やかな管理を徹底することです。容器のフタなどに水滴が付いた場合は、清潔な雑巾やキッチンペーパーでこまめに拭きましょう。切り返しの際に丁寧に確認することが大切です。
密閉容器を使用する場合、完全にフタを閉めず、わずかにフタを開けて通気性を確保することもポイントです。これにより、過剰な水蒸気を外に逃がしつつ、麹菌の活動に必要な酸素を庫内に取り入れられます。
また、水滴が麹に直接落ちないように工夫するのも良いでしょう。水滴を吸収する布を容器の天井部分に張ったり、容器自体を斜めにしたりといった対策が有効です。
③器具は清潔なものを使う
器具に雑菌がついていると雑菌も繁殖し、異臭の原因や失敗につながります。必ずアルコール消毒か煮沸消毒して、清潔なものを使いましょう。
④神経質になりすぎないくらいがちょうどいい
米麹を作る際には温度管理がとても重要ですが、あまり神経質になりすぎないくらいがちょうどよく、楽しみながら作りましょう。麹菌は生き物で、発酵が進んでいく過程を観察していくと愛着がどんどん湧いてきます。神経質になりすぎず、気楽にチャレンジしてください。
米麹の活用術

では、実際に米麹をどのように使えば良いのでしょうか?実際に私が使っている方法を紹介します。
甘酒の作り方・レシピ
米麹の代表的な活用法といえば、甘酒です。作り方は至ってシンプル!
- 炊飯器にお湯を入れ「保温モード」に設定。
- ほぐした米麹200gと60℃のお湯400ccをボウルに入れ、炊飯器内で湯煎します。蓋は開けたまま、濡れ布巾をかぶせてください。
- 2〜3時間ごとに混ぜながら6〜8時間保温。とろみがつき、甘い香りがすれば出来上がりです。
ヨーグルトメーカーなら湯煎不要で直接保温でき、さらに簡単。甘酒は冷蔵保存し、1週間で使い切りましょう。そのまま飲むのも良いですが、私のおすすめは味噌と混ぜたディップです。味噌と甘酒を1:1で合わせ、ブロッコリーやアスパラ、生の大根に。麹の甘みが味噌の風味をまろやかにし、野菜がとても美味しく食べられます。発酵食品同士の組み合わせは、健康効果の相乗も期待できますよ。
塩麹の作り方・レシピ
もう一つ、魔法の調味料とも呼ばれる塩麹の作り方をご紹介します。米麹と塩、水だけで作られる発酵調味料で、肉や魚などの食材の味を劇的においしく変えてくれますよ。
- 米麹100gに対し、天然塩45gをボウルで、塊がなくなるまでしっかり混ぜます。清潔なスプーンや箸を使い、素手は避けましょう。
- 水200ccを加え、全体をさらに混ぜます。
- 消毒したプラスチック製かガラス製の密閉容器に入れ、夏なら5日、冬なら1~10日間程度、冷暗所で熟成。
麹が膨らみ水が乳白色になったら完成です。塩麹を肉や魚に数時間~一晩浸け込んでから焼くと、旨味がグンと増し、素材が柔らかくなるこの魔法をぜひお試しください。
醤油麹の作り方・レシピ
醤油麹は、塩麹と同様に、麹の持つ酵素の力で食材の旨味を引き出す調味料です。調理の幅を広げる上でも役立つため、作り方を知っておくと良いでしょう。
1.清潔な保存容器を用意して、食品用アルコールスプレーなどで消毒して乾かした後に、米麹と醤油を1対1の割合で入れてやさしくほぐします。
2.麹が醤油に浸かっている状態になったら、容器のフタを少し緩めた状態にして、通気性の良いの布などをかぶせて放置します。直射日光のあたらない常温の場所が最適です。
3.1日1回は混ぜて発酵を促します。醤油が減って麹が見えるようになった場合は、ひたひたになるまで醤油を足してください。
4.約1~2週間で麹の粒がやわらかくなります。芳醇な香りが出れば完成です。完成後は冷蔵庫に移して保存すると、半年ほど保存できます。
醤油麹は、醤油を使うすべての料理で活用できます。例えば鶏むね肉のグラムに対して10%程度の醤油麹を揉み込み、一晩漬けこんでから焼く「鶏の醤油麹漬けこみ焼き」はいかがでしょうか。酵素がたんぱく質を分解し、鶏肉が柔らかくジューシーに仕上がります。
米麹の保存方法
できあがった米麹の保存方法を紹介します。意外と長持ちするので、使い切る期間によって保存方法を使い分けてみてください。
1~2週間程度で使い切る場合は冷蔵庫
1~2週間程度で使い切る場合は、ジッパー付きポリ袋などに入れて冷蔵庫保存ができます。使うたびに冷蔵庫から取り出し、戻す際はしっかりとジッパーを閉めるようにしましょう。
冷凍庫保管なら3ヶ月まで
冷凍庫なら、3ヶ月程度は保管が可能です。使う際は冷蔵庫に移して解凍し、この場合は1週間程度で使い切るようにしましょう。1週間程度で使える量を小分けにして冷凍するのが良さそうですね。はじめから冷蔵庫がある賃貸物件ならスムーズに米麹を作れるので、家電付きの住まいを選ぶのもおすすめです。
米麹に関する知識

米麹は、蒸した米に麹菌を付けて一定温度で発酵させた食品です。甘酒や日本酒の主原料となる代表的な発酵食品で、その豊富な栄養素や善玉菌が腸内環境を整えることから、美容・ダイエットなど多彩な健康効果が期待されます。
日本の食文化は発酵食品と深く結びついており、味噌、醤油、納豆など、様々な食品に発酵技術が使われ、私たちの食生活を長年支えてきたのです。
米麴はそのまま食べられる?
麹菌はカビの一種ですが、毒素が含まれていないため、そのまま食べても大丈夫です。ほんのりとした甘さがあっておいしいですよ。納豆に混ぜたり、キムチに混ぜたりして食べるのが人気です。
米麹を生活に取り入れることで期待できる身体に良いこと
米麹は、身体に良い必須アミノ酸や消化酵素、ビタミンB群などの栄養素がとても豊富です。これらの栄養素には、どのようなメリットがあるのでしょうか?
善玉菌増加によって腸内環境を整える健康効果
米麹を日々の食事にプラスすると、米麹が作り出す酸性プロアテーゼ(タンパク質分解酵素)の働きで、善玉菌のビフィズス菌が増えることが分かっています。これにより腸内環境が整い、栄養の吸収率が高まるほか、便秘予防にも役立つと期待されています。
必須アミノ酸による肥満防止や美肌作り
米麹には、肥満を防いだり美肌作りに欠かせない必須アミノ酸がたっぷり含まれています。そのため、ダイエットやアンチエイジングにおいても効果が期待できるでしょう。
ビタミンB群による疲労回復
米麹に多く含まれるビタミンB群には、疲労を回復する効果があります。そのため、日々の生活に取り入れれば、疲れにくい身体づくりが期待できます。夏バテ対策はもちろん、美肌キープにも役立つので、健やかな毎日を送るために積極的に摂り入れたいですね。
米麹作りでよくある疑問

ここからは、米麹作りでありがちな疑問にお答えします。米麹の活用方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。
Q.蒸し器がない場合はどうやって米麹を作る?
A.蒸し器がない場合、多少難易度は上がりますが、炊飯器で米麹を作ることも可能です。お米3合を浸水させず、水200ccで早炊きすることで、蒸し上がりに近い状態の米ができます。蒸し器を使うのがベストですが、持っていない場合はぜひ炊飯器で試してみましょう。
Q.ヨーグルトメーカーがない場合はどうやって米麹を作る?
A.ヨーグルトメーカーをお持ちでないなら、こたつの中や電気毛布、あるいは湯たんぽと一緒に米麹を毛布で包むなどして保温する方法もあります。メーカー使用時より温度管理は難しくなりますが、手元にない場合は、これらの方法で作ってみるのもおすすめです。
Q.米麹を0から作る場合、どれぐらい時間がかかる?
A.お米を水に浸してから冷ますまでにかかる時間の目安は、およそ40時間~50時間です。事前準備では浸水の工程が必要ですが、特に冬場は浸水に必要な時間が長引きやすいため、少しでも早く米麹を完成させたい場合は注意しましょう。
実作業時間は以外に短く感じるかもしれませんが、約2日間にわたって継続的な湿度管理とお手入れを行う必要があります。特に種付け後は定期的に”切り返し”などの手入れが必要なため、スケジュール管理を徹底して失敗を防ぎましょう。
Q.米麹作りはどういった人におすすめ?
A.米麹作りは、特に以下に該当する人におすすめできます。
・食品や調味料の安全性にこだわる方
・発酵や食文化に興味がある方
・料理をグレードアップさせたい方
・こまめな作業が楽しいと感じる方
市販の調味料に含まれる添加物が気になる場合、米と種麹だけで作る米麹は安心・安全な調味料です。日本の伝統的な食品作りにチャレンジしてみたい方や、こまめな作業を苦に感じない方も、米麹作りを楽しいと思えるでしょう。また、自家製の米麹は市販品よりも酵素が強くなりやすいと言われており、料理のグレードをさらに高められます。
米麹作りを日常生活に取り入れてみては?
米麹には、驚くほど多くの健康パワーが秘められています。自宅で発酵食品を作ることに抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、正しい手順を守れば失敗せずに作れるはずです。美容と健康の向上を目指し、ぜひこの機会に米麹を日々の暮らしに取り入れてみましょう。





