「家でもダーツを楽しみたいけど、何をそろえればいいの?」「賃貸でもダーツボードを設置できるのかな?」といった疑問を持っている方も多いでしょう。実は今、静音性に優れた家庭用ダーツグッズやオンライン対戦機能付きのボードが充実し、賃貸物件でも気軽にプレイできる環境が整ってきているのです。
今回は、週5で自宅ダーツを楽しむ元ダーツバー店員が、初心者でも安心して始められる道具の選び方、設置のコツ、騒音対策やスペースの工夫まで丁寧に解説します。さらに、自宅でのダーツライフをより快適にするために「防音性」「スペース」「インターネット環境」など、住まい選びのポイントもご紹介します。
この記事を読めば、自宅にいながら思い切りダーツを楽しむためのヒントと、理想の住まいを見つけるためのヒントが見つかるでしょう。
道具をそろえる前に!ダーツを遊ぶのに最低限必要なスペースを確保しよう
自宅でダーツを始める前に、まず確認しておきたいのが設置スペースです。せっかく道具をそろえても、部屋のサイズやレイアウトが合わなければ、プレイが難しくなることもあります。快適なダーツ空間をつくるためには、最初にしっかりスペースを確保することが重要です。
ダーツをプレイするうえで必要な距離は以下の通りです。

ソフトボード:「ボードからスローラインまで約244cm(8フィート)」そして「ボードの中心から床までの高さは約173cm(5フィート8インチ)」が必要です。ただし、実際に投げることを考えると、幅320cm、奥行240cmあると安心です。

ハードボード:「ボードからスローラインまで約237cm(8フィート)」そして「ボードの中心から床までの高さは約173cm(5フィート8インチ)」が必要です。また、ソフトボードと同じく、実際に投げることを考えて、幅320cm、奥行240cmあると安心です。
ダーツボードからスローラインまでの距離については、公式ルールに準拠した距離・高さであり、家庭用であっても基本はこのサイズに合わせて設置するのが理想です。
加えて、左右にダーツが逸れても安全なように、最低でも50cm〜1mほどの余白がほしいところです。壁の材質や設置場所によっては、ダーツの衝撃音が響くこともあるため、周囲の家具や人の動線も考慮して配置することをおすすめします。
また、天井が極端に低かったり、照明がプレイ中に邪魔になったりする場合もあるので、設置前に「立ったままスムーズに腕を振れるか」もチェックしておきましょう。
「うちはワンルームだから無理かも…」という方でも大丈夫です。近年では、スタンドタイプのダーツボードや、突っ張り棒式の簡易設置グッズも販売されており、賃貸や省スペースでも十分に楽しめる工夫がされています。
自宅でダーツをする際に必要な道具と選び方

自宅でダーツをする際に必要な道具と選び方は、以下のとおりです。
ダーツボード
自宅ダーツの中心となるアイテムは、もちろん「ダーツボード」です。ボードには大きく分けて「ソフトダーツボード」と「ハードダーツボード」の2種類があり、それぞれ特徴と向いている環境が異なります。
ソフトタイプ
ソフトダーツは、先端がプラスチックでできた矢(チップ)を使用するタイプです。家庭用ボードでも多く採用されており、電子式で得点を自動計算してくれるモデルも豊富です。なかでも「ダーツライブホーム」や「グランボード3s」といった商品は、オンライン対戦にも対応しており、自宅にいながら全国のプレイヤーと腕を競えます。
また、ソフトボードは、矢が刺さるときの音が比較的静かである点もメリットです。賃貸住宅や集合住宅など、周囲への騒音が気になる環境でも使いやすく、初めての方におすすめです。
ハードタイプ
一方、ハードダーツは「ブリッスルボード」と呼ばれる麻素材のボードを使用し、金属製のチップが付いた矢を投げる本格仕様です。
プロの大会でも使われるタイプで、矢の重みや刺さり心地はリアル志向のプレイヤーに人気があります。ただし、ハードボードは矢が刺さる音がやや大きく、壁に固定する必要があるため、設置には工夫が必要です。賃貸で使用する際は「スタンド」や「サラウンド」などの補助アイテムと組み合わせるのがベターでしょう。
ダーツの矢
ダーツの矢は、実は複数のパーツで構成されています。「バレル(持ち手)」「シャフト(軸)」「フライト(羽根)」「チップ(先端)」などを組み合わせて使うのが一般的です。
初心者のうちはセットになっているものを購入すればOKですが、慣れてきたら重さやバランス、握り心地などを自分のスタイルに合わせてカスタマイズすると、楽しさが倍増します。なお、ソフトチップとハードチップは互換性がないため、自分のボードに合ったタイプを選びましょう。
スローライン
スローラインとは、投げる位置の目印となる線のことです。公式ルールでは「244cm」の距離を保つ必要があるため、正確な距離を測って設置することが上達への第一歩です。
市販されているスローラインテープや、床に貼るタイプのステッカーを使えば、簡単に導入できます。見た目にも本格的な雰囲気が出るので、モチベーションアップにもつながります。
その他あると便利なアイテム
その他にあると便利なアイテムは、以下のとおりです。
マット
ダーツが床に落ちた際のキズ防止や、矢が跳ね返るのを防ぐ役割があります。吸音性のある素材を選ぶと、静音対策にも効果的です。
サラウンド
ボードの周囲を囲うリング型のクッションで、ミスショットによる壁のキズを防ぎます。取り付けも簡単で、賃貸物件におすすめのアイテムです。
スタンド
壁に穴を開けずに、ダーツボードを設置できる便利なアイテムです。引っ越し時にもすぐ解体できるため、賃貸派の強い味方です。
ダーツグッズはどこで買う?
ここでは、ダーツグッズを入手できる場所をご紹介します。
ダーツショップの特徴
まず検討したいのが、実店舗のダーツショップです。全国に専門店があり、試し投げができる環境や、スタッフからのアドバイスを受けられるのが大きな魅力です。自分の投げ方や好みに合ったアイテムをその場で選べるため、初心者でも安心して買い物ができます。
また、定期的にイベントや大会を開催している店舗もあり、交流のきっかけやモチベーションアップにもつながるでしょう。道具を買って満足するのではなく、続けられる環境づくりも視野に入れたい人におすすめです。
ネット通販の活用方法
手軽さでいえば、やはりネット通販が便利です。Amazonや楽天、ダーツ専門のオンラインショップでは、ボードから矢、小物まで種類豊富に取りそろえられており、価格帯も広く選びやすいのが特徴です。なかでも「ダーツライブホーム」や「グランボード」シリーズは、公式通販サイトで購入すればアフターサポートも充実しており、安心感があります。
ただし、ネット購入では、実物を見て選べない点に注意が必要です。特に矢やボードの質感は、写真と現物で印象が異なることもあるため、レビューをじっくり読んだり、YouTubeで紹介動画をチェックしたりするのもひとつの方法です。
中古市場で安く手に入れる方法
費用を抑えたいなら、中古市場を活用する手もあります。メルカリやヤフオク、ジモティーなどでは、使用感の少ないダーツボードや矢が割安で出品されていることがあります。
ただし、電子ボードは内部の故障や動作不良がある場合もあるため、事前に出品者の評価や商品説明をよく確認しましょう。特にスコア計算機能付きのボードは、正常動作するかどうかが使用感に直結します。初期不良のリスクもあるため、保証付きや返品対応が可能な商品を選ぶと安心です。
元ダーツバー店員が教える!自宅でのダーツの楽しみ方

ここからは、元ダーツバー店員である私が、自宅でのダーツの楽しみ方をご紹介します。
おすすめルール
ダーツにはさまざまなゲームルールがありますが、自宅で気軽に楽しめるルールとしておすすめなのが「ゼロワンゲーム(301や501)」や「クリケット」です。
ゼロワンゲームは、決められた得点(例:301点)からスタートし、持ち点をゼロにするまでのラウンド数を競うシンプルなルールです。一人でも集中して練習しやすく、初心者のスコア管理にも適しています。
クリケットは、特定のナンバー(15〜20とBULL)を3回ずつヒットして陣取りをするルールで、2人以上で対戦すると盛り上がります。点差を逆転できる要素があるため、初心者と上級者が一緒に遊んでも楽しめるのがポイントです。
このようなルールは、電子ボードであれば自動計算してくれるので、ルールを覚えきれなくても問題ありません。遊びながら、少しずつ覚えていくと良いでしょう。
オンライン対戦のすすめ
最近の電子ダーツボードは、スマートフォンアプリと連携して、オンライン対戦が可能なモデルが増えています。
代表的なものに「ダーツライブホーム」や「グランボード3s」があり、Wi-Fiを通じて、全国のプレイヤーとリアルタイムで対戦が可能です。チャット機能やリプレイ機能もあり、まるでダーツバーにいるかのような臨場感を味わえます。
一人で黙々と練習するのも良いですが、誰かと対戦することで緊張感が生まれ、上達のスピードも段違いです。また、アプリ上でスコアの推移を記録できるため「昨日より成績が上がった!」という喜びも味わえます。
ダーツ上達のコツ
ダーツ上達のコツは、以下のとおりです。
1日10分の練習メニュー
上達の秘訣は、毎日少しでも投げることです。忙しい日でも、1日10分だけ集中して投げる習慣をつければ、フォームの安定感や狙いの精度がどんどん向上します。301を繰り返すだけでも、十分な練習になるでしょう。
スマホアプリを活用する
スコアを自動で記録してくれるアプリや、投げ方を撮影・分析できるツールも多数登場しています。自分のフォームを客観的に見直すことで、改善ポイントが見つかりやすくなります。
プロの試合を参考にする
YouTubeでは、世界トップレベルのプロダーツの試合を無料で観ることが可能です。なかでも「PDC(プロフェッショナル・ダーツ・コーポレーション)」は、世界中のプロ選手が集う最大規模の団体として知られています。
PDCの試合は「ダーツってこんなに奥深いんだ」と驚かされる本格派のバトルばかりで、初心者でも楽しめます。構えやフォーム、リズムなど、観てマネしたくなるポイントがたくさん詰まっているので、練習のモチベーションにもつながるでしょう。
自宅でダーツをプレイする際の注意点

自宅でダーツをプレイする際の注意点は、以下のとおりです。
騒音対策
ダーツを自宅で楽しむうえで最も気を付けたいのが、音です。特に集合住宅や賃貸では、壁や床を伝って響く音が、近隣トラブルの原因になることもあります。
音の正体は、ボードに矢が刺さる衝撃音と、矢が落下する落下音が主なものです。これらを軽減するためには、静音性の高いソフトダーツボードや、吸音性のあるマットの併用が有効です。また、壁に設置する際は「サラウンド」や「コルクボード」などを背面に配置することで、衝撃音を吸収できます。
壁の保護
ダーツ初心者にありがちなのが、的を外して壁に当たることです。これを防ぐには、ダーツボードの周囲を囲う「サラウンド」や「クッションパネル」の設置がおすすめです。
最近は、おしゃれなデザインの保護材も登場しており、インテリアとしても馴染むものが増えています。また賃貸では、画鋲やネジ止めを避けたいところです。突っ張り棒やスタンドを活用して、壁にキズをつけずに設置する方法を選びましょう。
プレイする時間帯
深夜のプレイは、どんなに対策していても音が響きやすいため、要注意です。特に夜10時以降は、静音性の高いソフトダーツを使用し、床や壁の防音対策を徹底しましょう。可能であれば、日中に集中して練習時間を確保したり、週末の昼間にオンライン対戦を楽しんだりするなど、生活スタイルに合わせた時間帯ルールを設けると安心です。
プレイアイテムの管理
ダーツの矢は先端が鋭利なため、保管場所にも注意が必要です。特に小さなお子さんやペットがいる家庭では、ダーツケースや収納ボックスを活用し、手の届かない場所に保管するようにしましょう。
また、床に落ちたダーツを踏んでしまうと、ケガやフローリングのキズの原因になります。プレイ後の片付けも習慣にすると、安心・安全です。
ダーツが快適に楽しめる物件条件とは

ダーツが快適に楽しめる物件条件は、以下のとおりです。
防音対策がしやすい物件
自宅でダーツを思い切り楽しみたいなら、防音対策がしやすい物件を選ぶことが大切です。具体的には「楽器相談可」「防音室あり」「鉄筋コンクリート造(RC造)」といった条件です。
楽器相談可の物件は、あらかじめ音に対して寛容な環境が整っている場合が多く、ダーツによる軽微な衝撃音も受け入れられやすい傾向にあります。また、RC造は音が響きにくく、木造アパートに比べて、上下左右の部屋への音漏れを抑えやすいため、自宅ダーツに向いています。
スペースの確保ができる間取り
ダーツの設置には、ソフトダーツの場合は「スローラインからボードまで244cm」「ボードの左右に50cm〜1mの余白」、ハードダーツの場合は、「スローラインからボードまで237cm」「ボードの左右に50cm〜1mの余白」が必要です。
さらに、プレイするスペースを考えると、最低でも幅320cm、奥行240cmが必要になるので、1K〜1DKでも可能ですが、1LDK以上だとより快適に設置できます。特に、リビングや趣味部屋などに専用スペースを設けられる間取りであれば、常設できるうえに設置・撤収の手間も省けます。
限られた空間でも楽しめるように、スタンド型ボードや折りたたみ式のスローラインを使うなどの工夫も紹介しておくと、親切です。
壁に穴を開けずに設置できる工夫
賃貸物件では、壁に穴を開けてボードを固定するのは基本的にNGなので「スタンド型ボード」や「突っ張り式ポール」の利用が便利です。
たとえば「ダーツライブホームポールスタンド」は、床と天井で突っ張るだけで設置できます。壁を傷つけずにしっかりと固定できるため、原状回復義務がある賃貸住まいでも安心です。また、床や壁に接する部分にラバークッションを貼るなど、振動吸収やキズ防止の対策もあわせて行えば、よりトラブルを回避できます。
自宅でダーツを思い切り楽しもう!
「ダーツはお店で楽しむもの」というイメージを持っている方は多いかもしれません。しかし、今では静音性に優れた家庭用ボードや、オンライン対戦機能が充実したデバイスも登場し、自宅でも本格的なダーツ体験ができる時代になりました。
この記事では、ダーツを自宅で始めるために必要な道具やスペース、賃貸での注意点、さらには楽しみ方や練習法まで幅広くご紹介しました。どれも、初めての人でも失敗しないように、元ダーツバー店員の視点で実践的な内容を詰め込んでいます。
これを機に、自宅にあなただけのダーツスペースをつくってみませんか?防音や設置方法さえ工夫すれば、賃貸でも十分に楽しめます。さらに快適に楽しみたい方は、楽器相談可の物件や防音性の高い住まいへの引っ越しも検討してみると、よりストレスのない環境が手に入るかもしれません。
ダーツを自宅で思い切り楽しむライフスタイルを、ぜひ始めてみてください。