マンションでの地震発生時に取るべき行動とは?ライフライン停止時の対応や備えておくこと

目次

地震が発生した際、マンション特有のリスクに対してどのように対応すべきか、不安を感じる方も多いでしょう。特に高層階では揺れが大きく、ライフラインの停止が避難行動を難しくすることがあります。さらに、備えが不十分だと、地震後の生活が大きく制約されることも少なくありません。

今回は、マンションでの地震発生時に取るべき具体的な行動や備えておくべき対策を解説します。安心してマンションでの生活を送りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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地震が発生したときのマンション特有のリスク

マンションで地震が発生した場合、一戸建てとは異なる特有のリスクがいくつか存在します。

まず、高層階ほど地震の揺れが増幅され、家具や家電が転倒するリスクが高まります。特に背の高い家具が倒れると、避難経路を塞いでしまい、迅速な避難が難しくなるでしょう。

また、地震によって電気や水道などのライフラインが停止した場合、エレベーターが使用できなくなり、上層階の住民が地上まで水を汲みに行かなければならない状況が生じることも考えられます。さらにトイレが使用不可能になることもあり、非常用トイレの利用を余儀なくされることもあるでしょう。

地震時の被害を最小限に抑えるためにも、マンション特有のリスクをしっかりと把握し、適切な対策を講じることが重要です。

マンションで地震が発生したときに取るべき行動

地震が発生した際、適切な行動を迅速に取ることが命を守るために重要です。ここでは、地震発生時にマンションで取るべき具体的な行動を段階的に解説します。

①まずは身の安全を確保する

地震発生時には、すぐにテーブルの下やベッドの横など、落下物から身を守れる場所に移動しましょう。窓ガラスや大型家具から離れ、転倒や破損のリスクを避けることがポイントです。

また、室内であれば足元に靴を履いておくと安全に行動が取れます。身を守る行動をしっかりと行うことで、二次災害を防止する行動が可能です。

もしエレベーター内で地震が発生したら?

エレベーター内で地震が発生した場合、行先階のすべてのボタンを押して、最寄りの階で停止するようにしましょう。停止後は迅速にエレベーターから降り、安全な場所へ避難することが大切です。

また、地震の影響で閉じ込められた場合、非常用ボタンを押して救助を要請します。さらにエレベーターは揺れによる故障や停電のリスクが高いため、普段から非常階段の位置を確認しておくと安心です。

②揺れが収まったら、火の確認と出入り口の確保をする

地震の揺れが収まったら火の元を確認し、ガスの元栓を閉めて火災を防ぎましょう。その後、玄関ドアを開け、出入り口を確保することが重要です。ドアが歪んで開かなくなる場合があるため、早めの確認が必要です。

特に、出入り口を念入りに確認することで、緊急時にスムーズな避難ができます。

もし玄関ドアが開かない場合は?

玄関ドアが地震の影響で開かなくなった場合、他の出口を探す必要があります。ベランダが使用可能であれば、非常はしごや隣の部屋への避難経路を利用しましょう。

また、ドアを強引に開けようとするとさらに損傷する可能性があるため、まずは安全な出口を確保することが優先です。地震に備えて、非常用脱出口を事前に確認しておくことが重要です。

③家の中を確認する

身の安全を確保した後、家の中の被害状況を確認します。転倒した家具や破損した窓ガラスなど、二次災害の原因となるものがないか注意して見回りましょう。

また、ガス漏れや電気配線の損傷など、火災の原因となりうる危険箇所がないかも確認します。家の中の確認により、さらなる被害を防ぎ、安心して避難行動に移ることができます。

④家族の安否確認や自分の安否について知らせる

家族がいる場合はすぐに安否を確認し、お互いの無事を確認します。また、自分の安全も他の家族や知人に知らせることが重要です。

電話が繋がりにくい場合には、災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板を活用して安否を伝えましょう。これらのツールは、災害時の連絡手段として非常に有効です。家族全員がこれらのサービスを使いこなせるよう、日頃から使い方を確認しておくと安心です。

もし電話が繋がりにくい場合は「災害用伝言ダイヤル」や「災害用伝言板」を使う

災害時に電話が繋がりにくい場合、NTTの「災害用伝言ダイヤル(171)」「災害用伝言板(Web171)」を活用しましょう。

「災害用伝言ダイヤル」では、音声メッセージを録音して安否を伝えることができ、「災害用伝言板」ではインターネット上で安否情報を確認・登録できます。

これらのサービスを活用することで、迅速に家族や知人と連絡を取り合うことが可能です。

⑤災害情報の収集を行う

最終的には、テレビ、ラジオ、インターネットを使って正確な災害情報を収集しましょう。特に、自治体からの避難指示やライフラインの復旧状況については常に確認が必要です。

SNSの活用も有効ですが、誤情報が拡散されることがあるため、信頼性の高い情報に注意を払うことが大切です。情報を的確に収集し、状況に応じて適切な判断を下すことが求められます。

地震発生でマンションのライフライン(電気・ガス・水道など)が止まったら?

地震の影響でマンションのライフラインが停止した場合、迅速かつ的確な対応が求められます。停電やガス、水道の断絶に備えた具体的な対策を知っておくことで、二次災害を防ぎ、混乱を最小限に抑制できます。

電気が止まったら「ブレーカーを落とす」か「コンセントプラグを抜く」

停電時は必ずブレーカーを落とすか、すべての家電のコンセントプラグを抜いておく必要があります。電気が復旧した際に、突然の電流が流れ込んで火災が発生する可能性があるためです。

例えば、使用していない電子レンジやテレビなどが急に作動すると、電気火災のリスクが高まります。二次災害を防ぐために、停電時の初期対応が非常に重要です。

地震時には、冷静にブレーカーや家電の電源を管理するようにしましょう。

ガスが止まったら「マイコンメーターの確認・復帰操作」

地震などでガスが止まった場合、まずはマイコンメーターを確認し、復帰操作を行う必要があります。震度5相当以上の地震が発生すると、マイコンメーターの安全装置が作動し、自動的にガスが止まります。以下の手順に従って、ガスの復帰操作を行ってください。

1.すべてのガス機器の器具栓を閉じる:使用中のガス機器の運転スイッチを切り、すべての器具栓を閉じます。ただし、メーターガス栓は閉めないでください。

2.復帰ボタンのキャップを外す:手でキャップを左に回し、復帰ボタンのキャップを外します。

3.復帰ボタンを押す:ボタンを奥までしっかり押し、表示ランプが点灯したら手をゆっくり離します。ボタンが戻り、赤ランプが再点滅します。キャップを元に戻しておきます。

4.3分間待つ:約3分間、ガス漏れがないかを確認するためガスを使用せず待ちます。3分後に赤ランプの点滅が消えれば、ガスが再び使えるようになります。

もしガス臭いと感じたり、正常に復帰しない場合は、すぐにガス事業者へ連絡しましょう。ガスの安全を確保するため、日常的にこの手順を確認しておくことが重要です。

※参考:日本ガス協会|ガスが止まったら

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水道が止まったら「排水の自粛」

地震で水道が止まった場合、生活中の排水はできるだけ避けるようにしましょう。水道が復旧していない状態で排水を続けると、配管の詰まりや破損が生じ、トイレや排水溝からの逆流が発生する恐れがあります。

特にマンションでは、全体の排水システムが影響を受けやすいため、全住民が協力して排水を控えることが重要です。また、日常的に非常用の飲料水や生活用水を備蓄しておくことで、断水時にも冷静に対応できます。

マンションでの地震発生を想定し準備すべき備え

マンションでの地震発生に備え、事前にしっかりとした準備を行うことで、万が一の際に大きな被害を防ぎ、迅速な対応が可能になります。ここでは、具体的な備えについて解説します。

非常階段や避難ルートを事前に確認する

地震時の安全確保には、非常階段や避難ルートの確認が不可欠です。事前にマンション内の非常口や非常階段の場所を把握し、実際に歩いて確認しておきましょう。

また、避難経路に障害物がないか定期的にチェックすることで、緊急時にスムーズに避難できます。特に夜間や停電時には、懐中電灯を携帯して確認することをおすすめします。

食料や水、医薬品などの非常用備蓄品を用意する

非常時に備え、食料や水、医薬品などの非常用備蓄品を用意しておくことが重要です。具体的には、以下のような備蓄品です。

・飲料水

・非常食

・懐中電灯

・携帯電話の充電器

・常備薬

・身分証明書

これらの備蓄品は、非常用持ち出し袋にまとめておきましょう。また定期的に確認し、使用期限が切れていないかチェックすることも重要です。備蓄品の準備が避難生活に大きく影響するため、常に最新の状態を保つことが大切です。

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転倒防止用の固定具で家具をしっかり固定する

高さのある家具や重たい家具は、壁に固定する金具を使用し、低い位置に配置することで、倒れにくくなります。

例えば、L字型の金具やストラップを使用すると効果的です。家具の転倒防止策を講じることで、怪我や損傷のリスクを大幅に減らすことが可能です。

緊急時には助け合える関係を築いておく

マンションの住民同士で防災を意識したコミュニティを作り、緊急時にお互いに助け合える関係を築いておくことは重要です。避難訓練の実施や情報共有のための連絡網を構築し、非常時に迅速に対応できる体制を整えましょう。

特に、LINEなどのSNSを活用することで、情報共有が素早く行え、住民間の連絡が円滑に進む利点があります。また、住民同士の信頼関係が災害時の心強い支えとなるため、日常的なコミュニケーションを大切にし、共に協力できる環境を作ることが大切です。

最寄りの避難所の場所を確認する

最寄りの避難所の場所を事前に確認し、実際にそのルートを歩いてみることが大切です。避難所へ移動する際は徒歩での移動が基本となるため、道中の安全や所要時間を把握しておきましょう。

また、避難所での生活を考慮し、必要最低限の物品を持参する準備も忘れずに行いましょう。実際に避難所までのルートを確認しておくことで、緊急時に慌てず対応することが可能です。

マンションの耐震構造の種類

マンションの耐震構造には、免震構造、制震構造、耐震構造の3種類があります。それぞれの構造は、地震に対するマンションの安全性を高め、住民の命を守るために重要な役割を果たします。住んでいるマンションが、耐震構造に該当するかどうか確認しておきましょう。

免震構造

免震構造は、建物と地盤の間に免震装置を設置し、地震の揺れを大幅に軽減する仕組みです。これにより、建物内部の被害が少なくなり、家具の転倒リスクも減少します。免震構造のマンションは、特に地震の多い地域で安心して住むことができます。

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制震(制振)構造

制震(制振)構造は、建物内部に制震装置を設置し、地震のエネルギーを吸収して揺れを抑える仕組みです。これにより、建物全体の揺れが軽減され、壁や家具の損傷を防ぎます。制震(制振)構造は、繰り返し発生する地震の揺れにも効果的で、建物の耐久性を高めます。

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耐震構造

耐震構造は、建物自体を強固に設計し、地震の揺れに耐える仕組みです。この構造により、建物が倒壊するリスクを大幅に減らし、住民の安全を守ります。耐震構造のマンションは、地震に対して安心して暮らせる環境を実現します。

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マンションで地震が発生したら、まずは冷静に状況を把握しよう

マンションでの地震は、一戸建てとは異なるリスクや対応が求められます。しかし、事前に適切な備えをしておけば、非常時にも冷静に対応することが可能です。

身の安全を確保し、ライフラインの停止に備え、住民同士で協力し合う体制を整えることが重要です。また、マンションの耐震構造について理解を深めることで、より安心できる暮らしが実現できます。

これらの対策を実行し、安心・安全なマンション生活を実現しましょう。