お部屋探しをするうえで、築年数が気になるという方もいらっしゃるでしょう。せっかく新生活を始めるわけですから、きれいなお部屋を希望されるのは当然のことだと思います。とりわけ、新築というキーワードが気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、新築物件の効率的な探し方や、新築物件に住むメリット・デメリットを解説します。さらに、リノベーション物件と呼ばれる大きく改装された物件についても解説しますので、参考にしてみてください。
新築物件とは
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そもそも新築とは、どのような物件を指すのでしょうか。新築物件は、以下の2点が明確に定義されています。
・建設工事完了の日から1年未満の物件
・まだ誰も居住したこともない物件
建築工事完了から1年経過していない物件であっても、誰かが一度入居し、退去した物件は新築と呼称できません。また、誰も居住したことのない物件であっても、建築工事完了から1年以上経過した物件は、新築ではないことになります。
新築物件はいつから募集している?
工事中の物件に関する募集についても、法律で明確に定義されています。建築確認という「計画している建物を建築してもいいですよ」という許可が下りてからでないと、募集に関する広告をすることは禁止されているのです。
建物の建築には、半年から1年程度かかります。実務的には、繁忙期である3月中旬に合わせて、工事完了日の3ヶ月前くらいから募集されることがほとんどです。
新築の賃貸物件を選ぶメリット
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新築物件はお部屋探しをするうえでも、非常に人気のあるカテゴリーです。では、なぜ新築の賃貸物件が人気なのか、そのメリットをご紹介します。
すべてが新品であること
内装や共用部がすべて新品であることがまずメリットとして挙げられます。
未使用のきれいなお部屋に住むことで、きれいな状態を維持するために掃除をがんばったり、傷を付けないように気を付けて生活したりするなど、心機一転することにもつながるのではないでしょうか。
角部屋や最上階などの希少な部屋を選択できる
角部屋や最上階の居室は、一棟の中でも数室しか存在していない希少なお部屋です。新築賃貸物件の場合は、そういった希少な部屋を選べる可能性が高いといえるでしょう。
専有部や共用部の設備が最新で充実している
新築物件は、現在世の中に存在する物件の中で、最も新しい物件であるといえます。設置されている設備は最新の仕様であり、その便利さや機能性に驚くこともあるでしょう。
最近では、お財布に優しいインターネット無料の物件や、防犯に役立つセキュリティが備わっているものもあります。新築物件をお探しの際は、設備面にも目を向けてみてください。
新築物件を選ぶ際の注意点
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人気の新築物件ですが、一般の賃貸物件を選ぶときとどのように違うのでしょうか?新築物件ならではの注意点について、解説します。
退去するときの原状回復義務が厳しくなる傾向にある
新築物件は誰も住んだことのないきれいな物件ですので、傷や汚れがあることのほうが極めて稀です。ひいては、退去時の立会において、傷があればすべて借主の責任になります。
中古物件であれば、以前から付いていた傷などがあることのほうが一般的です。しかし、新築の場合、そういった言い訳ができません。くれぐれも、きれいに使うことには細心の注意を払ってください。
内覧ができないことがある
建築中の建物であるという特性上、希望のお部屋を内覧できないことがあります。その場合、別階の同じタイプを確認する方法が用いられる可能性もあるでしょう。大型の物件になると、階層により室内のカラーリングが異なることもありますし、眺望にも大きな変化がでることがあります。
また、内覧できる日程が限られることも想定されるので、注意が必要です。内覧可能日が休みでなかった場合は、見ないでお部屋を決めなければいけない可能性もあります。
なお、最近はリモートで現地を確認することも可能です。仲介業者が現地にてカメラで室内を撮影し、借主が離れた画面で室内を確認する方法で、オンライン内見と呼ばれます。こういった方法で現地内覧をすることも、最近では珍しくありません。お忙しい方は一度検討してみてください。
初期費用や家賃が高額になることがある
新築物件は希望される方が多いことから、必然的に人気が集中しがちです。そのため、新築プレミアムとして、初期費用や家賃が高額に設定される傾向にあります。中古物件と違い、初期費用や賃料を交渉することは可能ですが、交渉が通る可能性は非常に低いことも新築の特徴です。
新築の賃貸物件の見つけ方
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国土交通省が発表した建築物着工統計によれば、令和3年度に新築された貸家は約33万室にのぼります。
膨大な数にのぼる新築の賃貸物件を効率よく見つけるには、どのようにすれば良いのでしょうか?
見つけ方①:ポータルサイトを利用する
最も簡単な方法は、ポータルサイトを定期的に確認することです。ポータルサイトの検索条件に、新築があります。諸条件に合わせて新築の項目にチェックを入れることで、新築物件を抽出することが可能です。
見つけ方②:不動産屋にお願いする
不動産屋に赴き、希望の条件を伝え、自分の希望に近い物件が募集されたら連絡をもらうようにすることです。
ポータルサイトはたしかに簡単に検索できますが、複数のサイトが存在しているため、すべてをこまめにチェックし続けることは現実的ではありません。あるサイトには掲載されているが、別のサイトには掲載されていないことも当然あり得ます。
その点、不動産屋にはすべての不動産情報が集約されますので、漏れがあることはほとんど考えられないでしょう。
新築物件を選ぶ際にチェックしておくべきこと
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新築物件はたしかにすべてが新品できれいですが、新築であるがゆえにチェックしなければならない項目があることも事実です。新築ならではのチェック項目を確認していきましょう。
眺望や日当たりをチェック
新築物件は、建築中に内覧をすることがほとんどです。そのため、実際に住む部屋を見られないことも想定されます。また、外壁作業用の足場が掛かっているため、きちんと眺望や日当たりを確認できないことも考えられるのです。外観から、おおよその眺望や日当たりがどのようになっているかも確認しましょう。
共用部分をチェック
アパートなどであれば心配することはありませんが、マンションタイプになると共用部分のチェックは非常に重要です。なぜなら、建築中の建物である場合、共用部分の構造や導線のすべてを確認できないケースがあるからです。
中古物件であれば、駐輪場やゴミ置き場、オートロックやエントランス部分などを当たり前のように確認できます。しかし、新築物件の場合は、運用の状況を確認することはほとんど不可能なこともあるでしょう。
可能であれば、案内してくれた不動産屋にお願いして、1階部分の平面図を見せてもらうのがおすすめです。女性の方などは、とくにセキュリティの観点から防犯カメラの位置などを確認し、死角が発生しないかどうかなど、チェックすべき点は自ずと発生するものと考えられます。
さらに細かい点ですが、駐輪場の仕様なども確認しておくことも重要です。駐輪場の仕様によっては、お持ちの自転車のタイヤが入らなかったりすることもあります。
新築と一緒に検討したい賃貸物件
新築に住む最大のメリットは、やはりきれいであることだと考えます。しかし、費用(コストパフォーマンス)や入居タイミング・立地が限定されることなどを考慮すると、決して手放しでおすすめできる条件ではないのも事実です。
そこでこの項目では、新築に対する憧れが強い人にこそ検討してほしい、他の賃貸物件条件をご紹介します。物件によってはトータルで新築以上の満足度を得られる可能性もあるので、ぜひチェックしてみてください。
リノベーション物件
リノベーションとは、建物の内装をほとんど総入れ替えし、間取り・設備仕様を一新させる工事のことです。
リノベーション物件は外観が古いままですが、内装は新品であるため、新築物件とほとんど変わらないきれいさと最新の設備を備えています。家賃なども新築物件と比較しても安価に抑えられていることが多いため、おすすめの物件です。
リフォーム物件
リフォームとは、間取りの変更まではいきませんが、壁紙や床材、設備の一部などを、通常の退去時に実施する工事以上にやりかえる工事のことです。
壁紙や床材が変わるだけでも、お部屋のイメージは大きく変わります。また、仕様によっては設備の一部が更新されることもありますので、絶対に新築でないといけないという方でなければ、ぜひ一度検討していただきたい物件です。
新築やリノベーション・リフォーム済物件以外も視野に入れよう
日本には古くから「新築神話」のような文化があります。一方、海外に目を向けると、古いものに手を入れて長く使う文化があるようです。
新築はたしかに魅力的ですが、お部屋探しをする際に重視するポイントとして、きれいさや新しさ以外の軸にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
家賃や間取り、立地、建物の配置、相隣関係など、お部屋探しにはたくさんの要素が存在します。本当に自分がお部屋探しで必要となるポイントを明確にするほうが、本当に住み心地の良いお部屋に出会える可能性は高いと私は考えます。新築と中古のどちらかが優良であるという価値観は一度なくして、フラットな目線で物件を見ることが重要です。
新築の賃貸物件も検討したうえでお部屋を決めよう
新築物件にも中古物件にも、メリットとデメリットが存在しています。どのようなメリットやデメリットが、お部屋探しの条件にどれだけフィットしているかが重要なことです。その条件が新築やリノベーション・リフォーム物件で叶う場合には、前向きに検討することをおすすめします。
みなさまのお部屋探しが素晴らしいものとなることを祈っています。