【管理栄養士監修】暑い日の夜ご飯におすすめレシピは?食欲が湧く工夫も教えます

目次

連日続く猛暑で、夜になってもなかなか食欲がわかない…そんな風に感じていませんか?

暑い日が続くと、キッチンに立つのも億劫になり、ついつい簡単なもので済ませてしまいがちです。しかし、暑さで体力を消耗している時こそ、しっかりとした栄養補給が必要。

この記事では、暑い日でも食欲がわく、簡単で栄養バランスの取れた夜ご飯レシピを紹介します。火を使わないものや、短時間で完成するもの、コンビニやスーパーで買える商品を活用したものなどを中心に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、食事の準備への心理的負担は、キッチンの広さや快適さなどによっても変わります。物件を探している方は、ぜひキッチンに注目して選んでみてください。

暑い日に食欲がわかない理由

暑い日に食欲が落ちるのには、いくつかの理由があります。

まず、気温が高くなると体温調節のために血液が皮膚表面に集まり、体温を下げようとします。そうすると胃腸への血流は減少するため、これにより消化機能が低下し、食欲不振につながります。

また、暑さによる脱水状態も食欲低下の大きな要因です。体内の水分が不足すると、唾液の分泌が減り、口の中が乾燥します。味を感じる役割を持つ味蕾は、水分に溶けた成分を味として感知しやすいため、口腔内が乾燥すると味を感じ辛くなり、食べ物を美味しく感じにくくなります。

さらに、自律神経のバランスが崩れることで、消化機能が低下している可能性もあります。例えば、クーラーの効いた部屋と暑い屋外を行き来することによって、体温調節を繰り返し、自律神経が乱れることが考えられます。

他にも、キッチンでの調理により室温が上昇すると、料理を作る意欲を削ぐ心理的な要因にもなります。

暑い日の夜ご飯に求められる条件

暑い日の夜ご飯には、通常の食事とは異なり、いくつかの配慮が必要です。

食欲が落ちている状況でも必要な栄養を摂取し、健康的に生活するためには、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか?

食欲がなくても「食べやすい」こと

食欲が落ちている時は、見た目の美しさや食べやすさが特に重要になります。

例えば、喉越しが良く、さっぱりとした味付けで、重たく感じない料理は暑い夏でも食べやすいです。他にも、冷たい料理や、酸味や香辛料を効かせた料理は食欲を刺激する効果があります。

また、一口サイズで食べやすく、噛む回数が少なくて済む料理も食事のハードルを下げてくれるため効果的です。

麺類や丼物など主食と主菜が1品になっているものも、食事の品数が少なく、心理的な負担を軽減してくれます。

また、色彩豊かな盛り付けも視覚的な食欲を刺激し、食べる意欲を高めてくれます。例えば、夏野菜であるきゅうりやトマト、ナスなどを取り入れると、見た目も華やかで夏っぽさを演出できます。旬の食材は栄養価も高いため、なおおすすめです。

栄養バランスを意識できること

暑さで体力を消耗している時こそ、栄養バランスの取れた食事が重要です。

特に、汗と一緒に失われやすいミネラル(ナトリウム、カリウム)や、身体に蓄積できないビタミンB群やビタミンCといった水溶性のビタミンは積極的に摂取しましょう。

他にも、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素も身体に必要不可欠です。これらの栄養素は体の主なエネルギー源となるため、不足すると疲労感を感じやすくなり、より一層食事への意欲が低下する悪循環に陥る可能性があります。

特に、炭水化物の摂取不足はエネルギー不足につながりやすいため、麺類や雑炊など食べやすいメニューに、肉や魚、野菜などを加えて栄養バランスを整えた食事がおすすめです。

できるだけ火を使わず、簡単に調理できること

暑い日のキッチンでの長時間の調理は、室温を上げるだけでなく、調理する人の体力も奪います。そのため、火を使わない調理法や、短時間で完成するレシピを選択することで、調理そのものの負担を低減してあげることが重要です。

例えば、電子レンジや炊飯器を活用した調理法、茹でるだけ、混ぜるだけの簡単レシピなどが理想的です。また、作り置きできる冷製料理や、前日に仕込んでおける料理は、忙しい日の料理にも便利です。

他にも、包丁を使う時間も最小限に抑え、カット野菜や冷凍食品を上手に活用することで、調理時間を短縮できます。

暑い日の夜でも簡単に作れてすぐ食べられる!おすすめレシピ

ここからは、暑い日でも手軽に作れて栄養がしっかり摂取できるレシピを10品ご紹介します。どれも火を使わない、または最小限の加熱で済むレシピばかりですのでぜひ参考にしてください。

①冷やし中華風そうめん

■材料

・そうめん…2束

・きゅうり…1本

・トマト…1個

・ハム…4枚

錦糸卵

・卵…1個

・砂糖…小さじ1/2

・塩…少々

・片栗粉…小さじ1/2

・水…小さじ1

・中華ドレッシング…大さじ4

・ごま油…小さじ1

・白ごま…適量

■作り方

①そうめんを表示時間通りに茹で、冷水でしっかりと冷やして水気を切る。

②きゅうりはヘタをとって千切り、トマトはヘタをとって薄切り、ハムは細切りにする。

③溶き卵に砂糖、塩、片栗粉、水を加えて混ぜ、耐熱皿に均一になるように入れる。

④ぴったりとラップをして電子レンジで1分加熱し、取り出してかき混ぜ、再度30秒加熱して細く切る。

⑤器にそうめんを盛り、具材を彩りよく盛り付ける。

⑥中華ドレッシングとごま油を混ぜてかけ、白ごまを散らして完成。

②納豆アボカド丼

■材料

・玄米…お茶碗1杯分

・納豆…1パック

・アボカド…1/2個

・温泉卵…1個

・海苔…適量

・しょうゆ…適量

・わさび…少々

■作り方

①炊いた玄米を茶碗に盛る。

②アボカドは半分に切って種を取り、食べやすい大きさに薄切りもしくはサイコロ状に切る。

③納豆を開け、付属のタレと混ぜておく。

④鍋に多めのお湯を沸かし、沸いたら火を止める。

⑤火を止めた鍋に、冷蔵庫から出してすぐの卵を割れないように鍋に静かに入れ、蓋をして10分おいておく。

⑥玄米の上に納豆、アボカド、温泉卵をのせる。

⑦海苔を小さく切ってちらし、しょうゆをかけて、わさびを添えたら完成。

③冷製トマトパスタ

■材料

・パスタ(細めのもの)…80g

・トマト…2個

・モッツァレラチーズ…100g

・バジル…5〜6枚

・にんにく…1片

・オリーブオイル…大さじ3

・塩…少々

・黒こしょう…少々

■作り方

①パスタを表示時間通りに茹で、冷水で冷やして水気を切る。

②トマトはヘタをとって湯むきし一口大に、モッツァレラチーズも一口大に切る。

③にんにくは皮をむいてみじん切りにし、オリーブオイルと混ぜたら耐熱皿に入れてラップをし600wで1分加熱。その後冷蔵庫で冷やしておく。

④ボウルでパスタ、トマト、チーズを和える。

⑤にんにくオリーブオイル、塩、黒こしょうで味を調える。

⑥器に盛り付け、バジルを散らして完成。

④豆腐と夏野菜の冷奴サラダ

■材料

・絹ごし豆腐…1丁

・きゅうり…1本

・トマト…1個

・オクラ…4本

・大葉…5枚

・ポン酢…大さじ2

・ごま油…小さじ1

・すりごま…大さじ1

■作り方

①豆腐は水切りして食べやすい大きさに切る。

②オクラはがくをとり、塩もみして電子レンジで1分加熱し、輪切りにする。

③きゅうりはヘタをとって輪切り、トマトはヘタをとってくし切りにする。

④大葉は千切りにする。

⑤器に豆腐を盛り、野菜を彩りよく盛り付ける。

⑥ポン酢とごま油を混ぜたドレッシングをかけ、すりごまと大葉を散らして完成。

⑤鶏むね肉の冷しゃぶサラダ

■材料

・鶏むね肉…1枚

・レタス…4〜5枚

・きゅうり…1本

・トマト…1個

・酒…大さじ1

・塩…少々

・ごまドレッシング…大さじ3

■作り方

①鶏むね肉は皮を取り(好みで筋も)、薄く開いて酒と塩をふり、電子レンジで3分加熱し、そのまま冷ます。

②冷めた鶏肉を手でほぐす。

③レタスは洗って一口大にちぎり、きゅうりはヘタを取り千切り、トマトはヘタを取りくし切りにする。

④器に野菜を盛り、鶏肉をのせる。

⑤ごまドレッシングをかけて完成。

⑥冷製コーンスープうどん

■材料

・冷凍うどん…1玉

・コーンクリームスープの素…1袋

・牛乳…200ml

・水…100ml

・ハム…2枚

・コーン…大さじ2

・塩…少々

・こしょう…少々

・パセリ…少々

■作り方

①冷凍うどんを電子レンジで解凍し、冷水で冷やす。

②コーンクリームスープの素を牛乳と水で溶いて冷やす。

③ハムは細切りにする。

④器にうどんを盛り、冷やしたスープをかける。

⑤ハム、コーン、パセリを散らし、塩胡椒で味を整えたら完成。

⑦ごま油香る海鮮丼

■材料

・ご飯…茶碗1杯分

・刺身(まぐろ、サーモンなど)…100g

・アボカド…1/2個

・きゅうり…1/2本

・大葉…3枚

・しょうゆ…適量

・ごま油…大さじ1

・わさび…適量

・海苔…適量

■作り方

①ご飯を茶碗に盛る。

②刺身は食べやすい大きさに切る。

③アボカドは種をとって薄切り、きゅうりはヘタをとって千切りにする。

④ご飯の上に刺身、アボカド、きゅうりを彩りよく盛り付ける。

⑤大葉と海苔を散らし、しょうゆとごま油を混ぜたものをかけ、わさびを添えて完成。

⑧冷やし茶漬け

■材料

・ご飯…茶碗1杯分

・冷茶…200ml

・梅干し…1個

・きゅうり…1/2本

・大葉…2枚

・白ごま…適量

・塩昆布…少々

■作り方

①ご飯を茶碗に盛り、ラップをして冷蔵庫で冷やしておく。

②きゅうりはヘタを取り薄切り、大葉は千切りにする。

③冷やしたご飯に梅干し、きゅうり、大葉をのせる。

④冷茶をかけ、白ごまと塩昆布を散らして完成。

⑨ガスパチョ風冷製スープ

■材料

・トマト…3個

・きゅうり…1本

・玉ねぎ…1/4個

・パプリカ…1/2個

・にんにく…1片

・オリーブオイル…大さじ2

・酢…大さじ1

・塩…少々

・パン粉…大さじ1

■作り方

①トマト、きゅうりのヘタを取り、玉ねぎ、にんにくの皮をむき、パプリカのワタと種を取り、全て粗めに切る。

②ミキサーまたはフードプロセッサーで全ての材料を撹拌する。

③味を調えて冷蔵庫で2時間以上冷やす。

④器に盛り、お好みでオリーブオイルを垂らして完成。

⑩冷製パスタサラダ

■材料

・ショートパスタ…80g

・ツナ缶…1缶

・トマト…1個

・きゅうり…1本

・コーン…大さじ2

・マヨネーズ…大さじ2

・オリーブオイル…大さじ1

・レモン汁…小さじ1

・塩こしょう…少々

■作り方

①パスタを表示時間通りに茹で、冷水で冷やす。

②トマトときゅうりはヘタを取りダイス状に切る。

③ツナは油を切っておく。

④全ての材料をボウルで混ぜ合わせる。

⑤味を調えて冷蔵庫で30分冷やして完成。

コンビニやスーパーを活用した簡単夜ご飯の工夫

忙しい日や体調がすぐれない時は、コンビニやスーパーの商品を上手に活用することで、手軽に栄養バランスの取れた食事を準備できます。

コンビニで手に入るおすすめ食材と組み合わせ例

コンビニには意外と栄養価の高い食材が豊富に揃っています。これらを組み合わせることで、暑い日でも食べやすい夜ご飯を作ることができます。

実際にそれらの商品を活用したレシピを紹介します!

①サラダチキンとカット野菜の冷製パスタ

■材料

・サラダチキン…1パック

・カット野菜サラダ…1パック

・冷凍パスタ…1パック

・青じそドレッシング…1袋

・ミニトマト…1パック

■作り方

①冷凍パスタを電子レンジで解凍し、冷水で冷やす。

②サラダチキンを手でほぐす。

③パスタとカット野菜、サラダチキン、ミニトマトを混ぜ合わせる。

④青じそドレッシングで味付けして完成。

②豆腐とわかめの冷やし味噌汁

■材料

・絹ごし豆腐…1パック

・乾燥わかめ…適量

・即席味噌汁の素…1袋

・冷水…200ml

・ネギ…適量

■作り方

①わかめを水で戻す。

②豆腐をスプーンですくって器に入れる。

③冷水で味噌汁の素を溶く。

④豆腐とわかめを入れ、ネギを散らして完成。

おにぎりとカップスープのアレンジ

■材料

・おにぎり(梅、鮭など)…1個

・カップスープ(コーンなど)…1個

・カット野菜…1パック

・ゆで卵…1個

■作り方

①カップスープをお湯で作る。

②おにぎりを一口大に崩してスープに入れる。

③カット野菜とゆで卵をトッピングして完成。

スーパーで手に入るおすすめ食材と組み合わせ例

スーパーではより多様な食材が手に入るため、コンビニと比較してアレンジの幅も広がります。特に夏野菜や刺身、冷凍食品を活用することで、手軽に本格的な料理を作ることができます。

実際に活用したいレシピを紹介します。

①刺身とアボカドのポキ丼

■材料

・刺身の盛り合わせ…1パック

・アボカド…1個

・ご飯…茶碗1杯分

・しょうゆ…大さじ1

・ごま油…小さじ1

・わさび…少々

■作り方

①種をとったアボカドと刺身をダイス状に切る。

②しょうゆ、ごま油、わさびで和える。

③ご飯の上にのせて完成。

②冷凍餃子の冷やし中華風アレンジ

■材料

・冷凍餃子…6個

・中華麺…1袋

・カット野菜…1パック

・ごまだれ…1袋

・ラー油…少々

■作り方

①餃子を電子レンジで加熱後、冷ます。

②中華麺を茹でて冷水で冷やす。

③器に麺を盛り、餃子と野菜をのせる。

④ごまだれをかけ、ラー油を数滴垂らして完成。

③そうめんとカニカマのサラダ風

■材料

・そうめん…2束

・カニカマ…6本

・きゅうり…1本

・トマト…1個

・青じそドレッシング…大さじ3

■作り方

①そうめんを茹でて冷水で冷やす。

②カニカマはほぐし、きゅうりとトマトはヘタをとって薄切りにする。

③全てを混ぜ合わせ、ドレッシングで和えて完成。

暑い夜こそ、無理なく続く「食べ方」を見つけよう

暑い夏を健康的に乗り切るためには、無理なく食事を続けることが重要です。

暑い日は毎食完璧な料理を食べることを求めず、今回紹介したような簡単なメニューを取り入れながら食事をするだけで十分です。また、食欲がない日は量より質を重視し、少量でも栄養価の高いものを選びましょう。

他にも、朝や夕方の比較的涼しい時間に多めに食べ、昼間は軽めにするなど、メリハリをつけることで一日を通して必要な栄養を確保することもできます。

夏を嫌なものとして捉えるのではなく、季節の一つとして楽しむためにも、旬の食材を使ったり、今の時期だからこそ美味しく感じる冷たいメニューを選んだりすることで、日々の満足度も高まります。

ぜひ、この時期ならではの食事を心がけることで、楽しく夏を過ごしましょう。