ブラインドは光の調整や目隠しに便利ですが、掃除をせず放置すると、羽根(スラット)一枚一枚にホコリや汚れが積み重なってしまいます。
「いつの間にかホコリだらけになっている」「掃除方法がわからず放置してしまっている」といった悩みを抱える方も多いでしょう。
ブラインドは、正しい掃除方法を知っていれば、効率的にキレイを維持できます。この記事では、ブラインドが汚れやすい理由や掃除方法、日常的なお手入れのコツについて紹介します。
ブラインドはなぜホコリがたまりやすい?
ブラインドは他の家具や設備と比べて、とくにホコリが溜まりやすい場所として知られています。なぜこれほどまでにホコリが集まりやすいのでしょうか。その理由を解説します。
静電気でホコリを寄せ付けやすいから
ブラインドがホコリまみれになってしまう最大の理由は、静電気にあります。ブラインドはその形状や素材から、摩擦によって静電気を発生させやすい特性があるのです。
とくに乾燥した環境では、ブラインドの羽根同士がこすれ合ったり、開閉操作の際の摩擦によって静電気が発生します。この静電気がホコリを引き寄せ、羽根の表面に吸着させてしまうのです。
冬場の乾燥した季節や、エアコンを使用している室内では、とくに静電気が発生しやすくなるため、ブラインドにホコリが溜まりやすい傾向があります。
掃除しづらくついつい後回しにしがちな場所だから
ブラインドにホコリが蓄積するもうひとつの理由は、掃除の難しさにあります。羽根が何十枚も連なった構造になっているため、通常の家具の掃除と比べて手間と時間がかかるのです。
また、羽根は薄くて壊れやすいため、力を入れて掃除することができず、慎重に作業しなければならないというハードルもあります。
こうした掃除の難しさから「また今度やろう」と先延ばししがちで、結果的にホコリが厚く蓄積してしまうのです。
ブラインドの汚れの原因
ブラインドに付着する汚れは、ホコリだけではありません。
キッチン周辺のブラインドでは、調理による油汚れも問題です。炒め物や揚げ物の際に発生する油の微粒子が空気中に舞い上がり、ブラインドに付着します。
浴室や洗面所のブラインドでは、石鹸カスや水垢、カビが付着することがあります。とくにカビは見た目が悪いだけでなく、健康への影響も懸念されるため、早期の対処が重要です。
リビングや寝室では、主にホコリと皮脂汚れが中心となります。手で直接触れることが多い操作部分には、皮脂汚れが蓄積しやすく、黒ずみの原因となることもあります。
頑固な汚れにおすすめ!ブラインド掃除の便利グッズ

ここでは、ブラインド掃除を効率的に行うために、便利な掃除グッズを紹介します。
ホコリ取りに便利なハンディモップ
日常的なホコリ取りには、ハンディモップが便利です。柔らかい繊維がブラインドの羽根にフィットし、優しくホコリを取り除けます。
ハンディモップの大きな利点は、アルミ製、ウッド製、バンブー製、布製など、どのような素材のブラインドにも安全に使用できること。羽根を傷つける心配がなく、安心して使用できます。
皮脂・油汚れに効果的な軍手
軽度の皮脂汚れや油汚れには、軍手を使った掃除方法が効果的です。軍手を両手にはめ、指でブラインドの羽根を優しく挟んで横方向にスライドさせることで、ホコリ取りと拭き掃除を同時に行うことができます。
この方法の利点は、手の感覚を活かして羽根の汚れ具合を確認しながら掃除できること。また、軍手の表面が適度に粗いため、軽い汚れであれば乾拭きだけでも十分に落とすことができます。
より頑固な油汚れに対しては、軍手に薄めた中性洗剤を含ませて使用すると効果的です。
ただし、木製や特殊塗装が施されたブラインドなど、水分に弱い素材もあります。使用前には必ず取扱説明書を確認し水拭きが可能かどうか確認しましょう。
取り外せるブラインドにはシャワー&スポンジ
ブラインドは取り外しができない構造になっていることが多いですが、一部の製品では取り外しが可能なものもあります。
取り外し可能なブラインドは、浴室やベランダに運んでシャワーで水をかけながら掃除できます。この方法なら、どんなに頑固な汚れでも落としやすいでしょう。
ただし、取り外し作業は製品によって方法が異なり、無理に行うと破損の原因となります。取扱説明書をよく読み、不明な点があればメーカーに問い合わせることをおすすめします。
ブラインド掃除のやり方
ここからは、ブラインドの掃除方法を解説します。日常的なお手入れから、しっかりと汚れを落とす方法、シャワーによる徹底的な掃除まで、ご自宅の状況に応じて使い分けましょう。
週1~月1の軽い掃除
日常的なブラインドのお手入れは、週に1回から月に1回程度、乾いたモップでサッとホコリを取り除くだけで十分です。乾拭きを習慣化することで、頑固な汚れの蓄積を防げます。
1.ブラインドを完全に下げ、羽根を水平に閉じた状態にします。
この状態が最も掃除しやすい角度です。
2.ハンディモップやハタキを使って、ブラインドの重なりに沿って軽くホコリを取り除きます。
上から下に向かって、羽根の流れに沿って優しくなでるように動かしましょう。
3.羽根の角度を反対向きに倒し、先ほどとは逆の面を表に出します。
4.同様の方法で、羽根の裏面についたホコリも丁寧に取り除きます。
ロールスクリーンやバーチカルブラインドなど、ファブリック製品でも同じ方法が使えます。
とくに木製のブラインドは、羽根同士の間隔が広く、静電気も発生しにくいため、この軽い掃除だけでも十分にキレイを保つことができます。
半年に1回のしっかり掃除
軽い掃除では落ちない皮脂汚れや油汚れ、石鹸カスなどが蓄積した場合には、洗剤を使った念入りな掃除が必要です。半年に1回程度、この方法でしっかりと汚れを落としましょう。
<準備するもの>
・ハンディモップまたはハタキ
・雑巾
・軍手
・ゴム手袋
・バケツ
・中性洗剤
・新聞紙またはビニールシート
1.床や窓枠を汚れから守るため、ブラインドの下に新聞紙やビニールシートを敷きます。
あらかじめ予防策をとることで、洗剤液が垂れても安心です。
2.ブラインドを下げて羽根を水平に閉じ、ハンディモップやハタキでホコリを取り除きます。
水拭きの前に乾いたホコリを除去することで、効率的に掃除できます。
3.羽根の角度を反対向きに倒し、裏面のホコリも同様に取り除きます。
4.水に浸して固く絞った雑巾で、羽根を一枚ずつ丁寧に拭いていきます。
軍手を着用した指で羽根を挟んで左右にスライドさせる方法も効果的です。
5.羽根の重なり部分は汚れが溜まりやすいため、上の羽根を少し持ち上げて一枚ずつ隅々まで拭きます。
操作コードの部分は、挟むようにして優しく汚れを拭き取ります。
6.水拭きで落ちない汚れがある場合は、薄めた中性洗剤を雑巾に含ませて拭きます。
洗剤の使用後は、必ず水拭きで洗剤成分をしっかりと除去してください。
7.羽根を再び反転させ、同じ手順で反対面も拭き上げます。
8.乾いた雑巾または軍手で全体の水気を拭き取り、乾燥させます。
湿ったままブラインドを畳み上げるとカビの原因となるため、完全に乾燥してから操作してください。
年に1回の徹底掃除
ブラインドは、基本的には洗えない製品が多いでしょう。ただし「浴室タイプ」や「耐水タイプ」など、一部のブラインドは水洗いが可能です。
取扱説明書で必ずお手入れ方法を確認してから実施してください。
<準備するもの>
・柔らかいスポンジ
・雑巾
・バケツ
・ゴム手袋
・中性洗剤
1.ブラインドを壁から取り外し、浴室など水を流せる場所に移動します。
取り外し方法は製品によって異なります。取扱説明書を参照してください。床に傷がつく恐れがある場合は、防水シートを敷いておくと安心です。
2.シャワーでブラインド全体に水をかけ、表面の汚れを軽く流します。
3.水に浸したスポンジに中性洗剤をつけ、羽根に沿って一枚ずつ丁寧に洗います。
メラミンスポンジなど研磨作用のあるものは、塗装を傷めるため使用しないでください。アルミ素材は酸にもアルカリにも弱いため、必ず中性洗剤を使用しましょう。
4.羽根の重なり部分は汚れが溜まりやすいため、上の羽根を少し持ち上げて一枚ずつ隅々まで洗います。
操作コードは、挟むようにして優しく汚れを取り除きます。力を入れすぎるとコードが切れる恐れがあるため注意が必要です。
5.ブラインドを裏返し、同様の方法で反対面も洗います。
6.シャワーやホースで水をかけ、洗剤成分を完全に洗い流します。
シャワーの水圧が強すぎると羽根が変形する可能性があるため、適度な水圧で行ってください。
7.乾いた雑巾やタオルで丁寧に水気を拭き取ります。
羽根の角度を水平に調整し、水分が溜まらないようにしましょう。
8.風通しの良い場所で陰干しします。
直射日光は避け、風の強い日は屋外での乾燥は控えてください。水分が残ったままだとサビやカビの原因となるため、完全に乾燥させることが重要です。
操作コードが汚れている場合は、コードのみを取り外し、薄めた中性洗剤に5分程度つけおきし、柔らかいブラシで擦るとスッキリします。
コードの取り外し方法は、取扱説明書を参考にしてください。
日頃からキレイを保つ!ブラインドの手入れ習慣

ブラインドをいつも清潔に保つためには、汚れが蓄積してから大掃除をするよりも、日常的な予防とこまめなお手入れが効果的です。
ここでは、忙しい日常でも続けやすい、ブラインドの清潔を保つ方法を紹介します。
換気や空気清浄機で空気中の汚れを減らす
ブラインドの汚れを根本的に減らすには、室内のホコリや油分、花粉などの空気中の汚れを減らすことが有効です。定期的に換気し、室内に浮遊するホコリや汚れを外に排出しましょう。
空気清浄機の活用も効果的です。天気の悪い日や花粉の季節など、換気ができないときに空気清浄機を利用すれば、空気中の汚れを減らしてくれます。
定期的に「乾拭き」する習慣をつける
ブラインドをキレイに保つためには、定期的な乾拭きも重要です。汚れが固着する前の軽いホコリであれば、乾いた布やハンディモップで軽く拭くだけで簡単に除去できます。
習慣化のコツは、ブラインドの近くにハンディモップを常備しておくこと。窓際の見えるところにモップを設置しておけば、ふと気がついたときにサッと掃除できます。
「掃除道具を取りに行く」という一手間がなくなることで、継続しやすくなります。
場所別に掃除頻度を見直す
ブラインドが複数箇所に設置されている場合、すべてを同じ頻度で掃除する必要はありません。設置場所による汚れの程度に合わせて、効率的な掃除スケジュールを組み立てましょう。
キッチン周辺のブラインドは最も汚れやすい場所です。調理による油汚れが付着しやすく、週に2〜3回の軽い掃除と、月に1回の洗剤を使ったしっかり掃除が理想です。とくに揚げ物や炒め物を頻繁に作る家庭では、調理後に軽く拭き取る習慣をつけるとよいでしょう。
リビングや寝室のブラインドは、主にホコリが中心の汚れとなります。週に1回の乾拭きと、3〜4ヶ月に1回のしっかり掃除で十分です。ただし、ペットを飼っている家庭や、交通量の多い道路に面した部屋などは汚れやすくなります。汚れに応じて掃除頻度を上げましょう。
浴室や洗面所のブラインドは、湿気とカビに注意が必要です。週に1回の乾拭きに加えて、月に1回は湿気対策として完全に乾燥させる時間を作りましょう。また、カビの早期発見のため、定期的に全体をチェックすることも大切です。
ブラインドの掃除で気を付けたいポイント
ブラインドは見た目以上にデリケートな構造をしており、間違った方法で掃除をすると破損や劣化を招いてしまう可能性があります。ここからは、ブラインドの掃除で気をつけたい3つのポイントをご紹介します。
羽根を折らないよう優しく扱う
ブラインドの羽根部分は、薄い金属やプラスチックでできており、一度折り曲がったり変形したりしてしまうと、完全に元の状態に戻すことはできません。
掃除中は常に優しく、丁寧に取り扱う必要があります。軍手を着用した指で羽根を挟んで清拭する場合も、軽く触れる程度の力で十分です。
とくに古いブラインドや、長期間使用しているものは、羽根が脆くなっている可能性があるため、より一層の注意が必要です。
素材や塗装を傷めない洗剤選びを心がける
ブラインドの素材は、アルミニウム、プラスチック、木材などさまざまです。素材に合わない洗剤を使用すると、表面の塗装が剥がれたり、素材そのものが劣化したりする恐れがあります。
台所用洗剤やお風呂用の中性洗剤を薄めて使用することで、素材を傷めることなく汚れを落とすことができます。
メラミンスポンジなどの研磨系のスポンジも、表面の塗装を削り取ってしまうため使用は控えてください。
金属製ブラインドでの手のケガに注意
金属製の羽根は見た目以上に鋭利で、素手で触ると傷を負う可能性があります。掃除の際は、ケガに気をつけましょう。安全に作業するためにも、掃除中はゴム手袋や軍手を着用することをおすすめします。
適切なブラインド掃除で快適な部屋を保とう
この記事では、ブラインドが汚れやすい理由や掃除方法、日常的なお手入れのコツについて紹介しました。
ブラインドは静電気によりホコリを引き寄せやすく、設置場所によっては油汚れや皮脂汚れも蓄積しやすい特徴があります。しかし、適切な掃除方法と継続的なお手入れを行えば、いつでも清潔で美しい状態を維持できます。
正しい方法でブラインド掃除を行うことで、室内の印象が明るくなるでしょう。ぜひ記事の方法を参考に、効率的なブラインド掃除を実践してみてください。





