新しい旅行体験!スリープツーリズムとは?メリットや旅行前に知っておきたい注意点

目次

観光業界における「ツーリズム」は、旅行の際になにかしらのテーマが設けられているのが特徴です。農場体験があるアグリツーリズム、環境と地域文化の学習を目的とするエコツーリズムなど数種類があります。その中でも近年、世界中で旅行トレンドとなっているのが「スリープツーリズム」です。

旅行をすると約60%以上の方が睡眠不足になるといわれます。「旅行すると楽しいけど疲れる」「最近よく眠れてない」といった方は、スリープツーリズムを体験してみるのがおすすめ。

今回はスリープツーリズムのメリットや、体験方法などを紹介しています。また、自宅で簡単にスリープツーリズムのような体験をする方法も提案しています。ぜひチェックしてみてください。

スリープツーリズムとは?

スリープツーリズムとは、睡眠に焦点を当てた旅行のことを言います。近年、睡眠の質が度々注目され、スリープテックや寝具など睡眠市場は右肩上がり。そんな中誕生したのが、スリープツーリズムです。

海外ではすでにスリープツーリズムの概念を組み込んだ旅行商品が多く広まっていますが、日本ではいまだ少ない状況です。しかし、各ホテルの取り組みも増えてきているため、国内でトレンドになる日も近いことが予想されます。

スリープツーリズムをするメリット

スリープツーリズムは心身への好影響だけにとどまらず、美容などにも良い効果が期待できます。まずは、どんなメリットがあるのかを紹介していきます。

心身共にリフレッシュできる

スリープツーリズムは心身共にリフレッシュできるような旅の仕方です。良質な睡眠のために用意されたさまざまなプログラムにより、日々の喧騒を忘れることができます。仕事や私生活の疲れ・ストレスが吹き飛ぶことでしょう。

美容効果が期待できる

スリープツーリズムは睡眠の質を改善するためにおこなうので、間接的に美容効果をもたらしてくれます。

睡眠の質が良くなると「天然の美容液」といわれる成長ホルモンの分泌が安定します。お肌のトラブルにも睡眠はもっとも効果的な美容法。睡眠の質が改善されれば肌の健康状態が良好になるのを期待できます。

睡眠に対する姿勢が変わる

睡眠を改善して日々の生活に活力が生まれると、「睡眠は本当に大事」という意識が生まれ、睡眠に対する姿勢が変わることでしょう。

睡眠は精神的要因に大きく左右されるもの。こういった根柢部分の意識改革が非常に重要になってきます。スリープツーリズムを通して睡眠の大切さを知ることで、継続的な睡眠習慣を身につけられるようになります。

仕事や日常のパフォーマンスが上がる

通常の旅行後は、移動や睡眠不足など、旅行明けの仕事や生活に支障をきたしやすいです。しかし、スリープツーリズムは睡眠を軸として休養をしっかりとることが目的なので、旅行明けの仕事や日常のパフォーマンスが上がります。

睡眠時無呼吸症候群などの症状を発見できる

とあるホテルのスリープツーリズムでは、睡眠クリニック監修のもと「睡眠時無呼吸症候群」の検査がついたプランを提供しています。睡眠の専門家の協力により、不眠症の発見が可能となる宿泊ができるのもスリープツーリズムのメリットのひとつです。

スリープツーリズム前に知っておきたい注意点

スリープツーリズムに行く前に知っておきたい注意点を紹介します。

通常の宿泊よりも費用がかかる傾向にある

各ホテルがおこなうスリープツーリズムプランは、ヨガやスパ、アメニティの拡充など特別な内容のものが多いです。したがって、通常の宿泊よりも高い傾向となってます。

自己を制限できないと効果がでにくい

スリープツーリズムは一般的な旅行と違い、快眠を目的としてます。旅行となると、夜更かししたり夜にお酒をたくさん飲むこともあるでしょう。

しかし、スリープツーリズムの効果を最大限にするためには、夜更かしは厳禁、お酒はほどほどにするなど、自己を制御する必要があります。

通常の旅行のような観光はできない

日中、観光などで移動が多かったりするととても疲れてしまいますよね。過度な疲れは睡眠の質を低下させます。そのためスリープツーリズムに沿ったプランはホテル内、もしくはその周辺の自然の中で過ごすことが基本です。観光を主な目的としたい方にはおすすめできません。

スリープツーリズムでのおすすめの過ごし方

スリープツーリズムによる快眠効果を最大限にするためには、どのように過ごすかが重要です。おすすめの過ごし方を紹介します。

睡眠を十分にとる

睡眠を目的としているので当たり前ですが、睡眠は十分にとってください。就寝前のスマホやテレビは睡眠の質を下げるため避けましょう。夜更かしはNG行動です。

朝は早起きして活動する

良質な睡眠にするために朝早起きして活動しましょう。よく眠るのが大事といっても朝日とともに起きなければ1日のリズムが崩れてしまいます。早起きも快眠には必要です。

朝ヨガ体験をおこなっているプランも多いので、未経験でも積極的に参加してみてください。

日中のアクティブはほどほどにする

旅行なので日中はアクティブに動きたくなると思います。しかし、疲れすぎは睡眠の質を低下させる原因のひとつです。適度なアクティビティ、適度な観光にとどめておくことを意識して過ごすことをおすすめします。

スリープツーリズム先に適している宿泊施設5選

スリープツーリズムをおこなっている宿泊施設は国内にも多数あります。おすすめの宿泊施設を紹介します。(いずれも2024年2月時点での情報であり、紹介しているキャンペーンが終了している可能性があることをご了承ください)

ANAクラウンプラザホテル

IHG ホテルズ&リゾーツのANAクラウンプラザホテルでは、Sleep Advantage(スリープ・アドバンテージ)と称して、快眠コンサルタントの岩田アリチカ氏のアドバイスのもと「就寝前のリラックス」「夜と朝のメリハリ」「良好な睡眠環境」の3点に重きを置いたANAクラウンプラザホテル独自の快眠プログラムを提供しています。

睡眠と目覚めに適したアメニティや、快眠のポイントをまとめた小冊子が無料で提供、枕も5種類の中から好みのものを選べます。

ANAクラウンプラザホテルは全国21か所、都市部中心にあるので比較的利用しやすいホテルです。

※参考:ANAクラウンプラザホテル

東横イン

東横インでは「気軽に」「お得に」「いつもの部屋で」をコンセプトにした睡眠検査付プランが受けられます。

実際に病院で診断を受けようとすると、待ち時間であったり予約待ち、費用面などデメリットが多数あります。睡眠検査付プランは、そのデメリットを解消するような画期的なプランです。横浜エリアと新大阪駅東口の東横インで取り扱っているそうです。

※参考:東横

ナインアワーズ

ナインアワーズは睡眠に特化したカプセルホテルで、宿泊者に向けて睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」を提供しています。

赤外線カメラ・集音マイク・体動センサーを使い、睡眠データを解析し、解析結果をメールで受け取れます。

特徴的なのは、通常の宿泊プランと睡眠解析サービス付きプランに価格差がないこと。計測したデータを他企業に個人を特定できないような形で渡すことで、宿泊料金を同等にすることができるという仕組みです。

※参考:ナインアワーズ

GOOD NATURE HOTEL KYOTO

GOOD NATURE HOTEL KYOTOでは、客室だけでなくホテル全体の空間も睡眠を軸に設計されています。独自開発の快眠照明システムも導入しており、光の視点からも睡眠をサポートします。ヨガや瞑想などのウェルネスプログラム、心も満たされる朝食など、徹底した快眠サービスが特徴です。

※参考:GOOD NATURE HOTEL KYOTO

ザ・シーン アマミスパ&リゾート

鹿児島の奄美大島にあるザ・シーン アマミスパ&リゾートでは「快眠体質プラン」を提供しています。同プランは2泊3日、朝昼夕3食付き、ヨガやヘッドスパなど快眠のために1日を過ごすようなプログラム。3日かけて快眠体質をつくっていきます。奄美大島唯一の天然温泉があるのも嬉しいポイントです。

※参考:ザ・シーン アマミスパ&リゾート

自宅でもスリープツーリズム気分を味わう方法8選

時間がない、お金がないなどの理由でスリープツーリズムをなかなか体験できないという人もいるかもしれません。しかし、工夫すれば自宅でもスリープツーリズムのプランを体験したかのような気分を味わうことができます。その方法を8つ紹介します。

アイマスクを使う

アイマスクを使うことで光が遮断され、睡眠促進ホルモンであるメラトニンの分泌が促進されます。その結果、スムーズな入眠が可能になります。

また、周囲の光の刺激を受けにくくなるため中途覚醒も防げます。なるべく肌触りの良いもの、締め付けがないものを選びましょう。

朝日を十分に浴びる

朝日とともに起き、すぐにカーテンをあけて全身に光を浴びてください。朝日を浴びることで体が起きるだけでなく、体内時計がリセットされて1日のリズムが整います。

快眠のための準備が始まるのは朝日を浴びた時点からです。南向きの部屋や、窓が2つ以上ある部屋を寝室にすると朝日を多く取り込めます。

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アロマディフューザーやミストを使う

スリープツーリズムのプランには、アロマの香りで副交感神経を優位にして眠気を誘うような内容もあります。自宅でもアロマディフューザーやアロマミストを使うことで同じ効果が得られます。代表的な睡眠アロマは、ラベンダーやヒノキ、サンダルウッドなどです。

カフェインを抑えたお茶を飲む

緑茶や紅茶はカフェインが意外と多いので、睡眠の質を下げてしまう可能性があります。寝る前に飲むお茶は、穀物からつくったノンカフェインのルイボスティーや黒豆茶、ハーブティーなどを選びましょう。

また、お茶を煮だす水は、浄水器を通して沸騰させたお湯と、単なる水道水を沸騰させたお湯とでは味が変わります。沸騰するだけでは取り除き切れない不純物も取り除けるので、より美味しいお茶を飲みたい方は浄水器の使用がおすすめです。

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寝心地の良い寝具を使う

スリープツーリズムを推進するホテルでは、寝具にもこだわりがあることがほとんどです。

マットレスはダイレクトに睡眠中の身体を支えるもので、睡眠への影響はかなり大きいです。敷布団や安いマットレスで寝ていては、快適さに欠けてしまうでしょう。「自分に合うマットレス」は最低限の基準ですが、品質の高い良いベッドマットレスを選んでみましょう。

調温調湿をして快適な寝室に整える

良い睡眠のためには部屋の温度や湿度も重要。エアコンや加湿器などを使って快適な寝室にしましょう。電気代やコストはやや懸念点ですが、よく眠りたい日だけでもしっかり温度・湿度管理をして睡眠をとってみてはいかがでしょうか。

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ヨガや瞑想をおこなう

良質な睡眠、爽やかな目覚めのためにヨガや瞑想を取り入れているホテルも多くあります。夜はリラックスを目的とした夜ヨガや瞑想、朝は身体をゆっくりと無理なく起こす朝ヨガを自宅でもおこなってみてください。

ヨガ未経験者でも、YouTubeなどで簡単なルーティンヨガを覚えてみるのがおすすめです。

入浴剤を使ってお風呂につかる

お風呂は睡眠の質をコンセプトとした入浴剤を使って極上のバスタイムを過ごしてみましょう。入浴剤入りのお湯で頭をマッサージするのもおすすめ。頭皮スパのような体験ができます。

ただし、42℃以上の熱いお湯は寝つきが悪くなってしまいます。39℃前後のぬるま湯に少し長めに浸かるのが快眠のコツです。ぬるくなりすぎると体が十分に温まらないので、温度が下がりすぎないように追い炊き機能を使って調整しましょう。

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スリープツーリズムを楽しもう!

今回紹介した「自宅でもスリープツーリズム気分を味わう方法」は、できればすべて実践することで、丸1日かけて快眠に向かっていけるような内容です。

おうちでもホテルのような睡眠環境を整えることができれば、長期的な快眠が得られるはず。ぜひみなさんも試してみてください。