寝る前にお腹が空いたとき、どんなものなら食べても大丈夫なのでしょうか?実は、数ある食品の中でも、寝る前に食べるならヨーグルトがおすすめです。
今回は、寝る前にヨーグルトを食べるメリットとおすすめする理由、やってみてほしい食べ方・簡単なレシピなどを管理栄養士が紹介していきます。
また、普段料理をする方におすすめの物件情報なども紹介していますので是非参考にしてみてください。
夜寝る前にヨーグルトを食べるべき理由

夜寝る前にヨーグルトをおすすめするのは、効果やメリットが多いのに加え、ヨーグルトそのものに多くの健康効果があるからです。
腸の調子を整え、健康を改善する効果が期待できるから
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は人間の腸内にいる善玉菌の一種で、人間の腸内環境を改善することで様々な健康効果をもたらしてくれます。腸内環境を整える活動を表す「腸活」をする上でも、ヨーグルトは私たちの大きな味方になってくれるでしょう。
では具体的に、腸内環境を改善することでどんなメリットがあるのでしょうか?
生活習慣病の予防
腸内環境を整えることで生活習慣病を予防することができます。健康な人の腸内環境では、悪玉菌よりも善玉菌のほうが多くなっています。しかし、生活習慣病などを患っている人は、このバランスが崩れています。
そのため、普段から乳酸菌を摂取し腸内環境を改善しておくことで生活習慣病を予防することができます。
また、ヨーグルトには幸せホルモンとして知られる「セロトニン」を生成するために必要な「トリプトファン」が豊富に含まれています。セロトニンは、安眠を促す「メラトニン」という物質に変わるホルモンです。ヨーグルトを食べると、精神的な安定を得やすくなるほか、良質な睡眠も取りやすくなると考えられ、これも生活習慣病の予防に役立ちます。
体に必要なビタミンを作ることができる
実は、善玉菌は体に必要なビタミンなどを生成する役割も持っています。ビタミンは体内で代謝を補助する役割を担っており、不足すると代謝がうまくいかなくなるため、腸内環境の改善は、身体の調子を整えるためにも必要不可欠です。
口臭を改善する効果
腸内環境が悪化すると体内にガスが溜まりやすくなり口臭の原因となるため、腸内環境を改善することで口臭も改善されます。また、乳酸菌には口内の細菌の繁殖を抑える効果もあるため、より口臭を改善する効果も期待できます。
便秘の改善
腸内環境の改善は、便秘などの消化管の不調改善にも繋がります。便秘に悩まされているという方は、ヨーグルトを食べて腸内環境を改善してあげることが重要です。
ただし、ヨーグルトを食べてすぐに効果が出るわけではないので、ある程度継続する必要があります。
また、ヨーグルトは乳糖不耐症の方でも体調を崩さずに摂取しやすく、便秘対策に活かせることもメリットです。乳糖不耐症とは、牛乳を飲むと下痢や腹痛を起こす症状のことで、日本人の成人のうち20~30%が乳糖不耐症と言われています。
ヨーグルトは発酵食品であり、発酵させる過程において乳糖の一部が分解されます。また、乳酸菌には乳糖の分解を助ける機能が備わっているため、乳糖不耐症対策として有効です。牛乳が体質に合わない方は、ヨーグルトを食べて便秘の改善や生活習慣病の予防に活かすと良いでしょう。
夜はカルシウムが吸収されやすいから
ヨーグルトをはじめとした乳製品に多く含まれるカルシウムですが、実は朝よりも夜に食べたほうが吸収率が上がる可能性があると報告されています。
※参考:一般社団法人日本乳業協会
カルシウムは骨や歯を作るために必要なミネラルで、特に子供や高齢者に必要な成分というイメージが強いですが、実は体内で筋肉の収縮や血液の凝固などにも関わるため、どの年代でも必要な成分です。
普段乳製品をあまり取らないという方は、ヨーグルトを夜に食べることを試してみてください。
タンパク質の摂取源となるから
ヨーグルトには100gあたり約3.6gのタンパク質が含まれており、日本人の重要なタンパク質摂取源になっています。
※参考:日本食品標準成分表
タンパク質が不足すると、筋肉量の低下や、ヘモグロビン・コラーゲンといった体内成分の減少などを引き起こします。また、高齢の方がタンパク質不足になると、運動能力の低下を引き起こす可能性もあるため、ヨーグルトで少しずつタンパク質を摂取するのがおすすめです。
満足感があるから
ヨーグルトは、100gあたり56kcalとカロリーが低い食品ですが、満足感もある食べ物です。寝る前にお腹が空くと、つい明日のことを考えずに食べすぎてしまいがちですが、ヨーグルトであれば少量でも満足感があるため、食べ過ぎ防止にも繋がります。
「ただ食べるだけ」はNG!夜寝る前のヨーグルトの食べ方

夜寝る前に食べることでメリットの多いヨーグルトですが、適当に食べていれば効果が出るわけではありません。
ヨーグルトを食べる際に気をつけたいポイントを押さえておきましょう。
就寝する2〜3時間前に食べる
第一に、就寝する2〜3時間前に食べることを心がけましょう。
夜に食べるメリットの多いヨーグルトですが、就寝直前に食べると消化不良を起こしてしまい、せっかくの成分が吸収できません。また、消化はリラックスしている状態のときに進むため、食後もしばらくはゆっくりしているのがおすすめです。
200g以内に抑えて食べる
ヨーグルトを食べるときは、200g以内に抑えて食べるのがおすすめです。身体に良いヨーグルトですが、食べすぎるとカロリー過多や消化不良を引き起こすため、摂取量には注意が必要です。
冷たいままではなく、常温や温めて食べるようにする
ヨーグルトを食べる際は、常温もしくは温めて食べるようにしましょう。
冷たいまま食べると、消化管の動きを鈍らせるため消化不良を起こしやすくなります。消化不良を起こすと、せっかく食べた栄養素が吸収されづらくなり、ひどい場合には腹痛や下痢を引き起こすため、睡眠の質の低下にも繋がります。
ヨーグルトを温めてから食べる「ホットヨーグルト」は、特にダイエットを志している方におすすめです。ヨーグルトを人肌程度まで温めると、乳酸菌やカルシウムの吸収率が上がるとされています。また、腸が温まることにより代謝が向上し、痩せやすくなると考えられるのです。
ただし、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌は50度以上になると死滅するため、温めすぎないように注意しましょう。100gのヨーグルトであれば、冷蔵庫で冷やした状態のまま耐熱のカップや皿に移し、ラップを被せずに500Wの電子レンジで40秒加熱すると、ちょうど人肌程度に温まります。
毎日続けて食べる
実は、ヨーグルトは毎日続けて食べることで効果を発揮します。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌はしばらくの間は腸内に残りますが、住み着くことはないため、継続的に摂取する必要があります。また、腸内環境は今までの食生活などの結果で形成されているため、改善にも時間がかかると言われています。
毎日同じ量を食べなくてもいいので、継続的に食べることを心がけましょう。
フルーツなどと一緒に食べる
乳酸菌の活動を活発にするために、フルーツなどと一緒に食べるのも効果的です。
乳酸菌は、フルーツなどに含まれるオリゴ糖や食物繊維をエサとして腸内で増殖するため、ヨーグルトと一緒に食べることでより効果を発揮します。乳酸菌やタンパク質、カルシウムを多く含むヨーグルトと、ビタミンCや食物繊維が豊富なフルーツの組み合わせは、相性がばっちりです。
夜寝る前に食べるヨーグルトの選び方・特徴
販売されているヨーグルトには様々な種類がありますが、人によってどんなものが合っているかが異なりますので、それぞれの特徴によって自分に合ったものを選びましょう。
無糖のもの
甘さが控えめでも食べられるという方は、無糖のものを選ぶようにしましょう。
ヨーグルト自体はカロリーが低めの食べ物ですが、砂糖が入った商品はカロリーが多くなる傾向にあります。特に満足感がほしくて多めに食べたいという方や、ダイエット中でカロリーが気になる方には無糖のヨーグルトがおすすめです。
オリゴ糖やフルーツなどを含むもの
甘さが必要という方や、腸内環境を改善したいという方は、オリゴ糖やフルーツが入ったものがおすすめです。
乳酸菌を増やす事ができるオリゴ糖や食物繊維は、乳酸菌と一緒に摂ることで腸内環境の改善に効果があります。ただし、無糖のものなどに比べてカロリーが高い傾向にありますので、食べる量には注意しましょう。
タンパク質を多く含むもの
タンパク質不足が気になる方は、タンパク質が多く含まれているものを選びましょう。
最近はタンパク質摂取源としてヨーグルトを売り出していることも多く、トレーニングをする方を中心に人気です。もちろん、トレーニングをしていなくてもタンパク質不足が気になる方にはおすすめです。
ただし、タンパク質は摂りすぎると腎臓への影響があると言われているのに加え、消化に時間のかかる成分でもあるため、普段からしっかり食べられている方はあえて選ぶ必要はありません。
【2025年時点】夜寝る前に食べるのに向いているヨーグルト
ヨーグルトは様々なメーカーから多くの商品が販売されています。その中でも、夜寝る前に食べるのに特に向いているヨーグルトは、次の5つです。それぞれの特徴を解説します。
・オイコス 高吸収タンパク質 プレーン・砂糖不使用
・ヤクルト ソフール プレーン
・森永乳業 ビヒダス プレーンヨーグルト
・森永乳業 ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン砂糖不使用
・フジッコ カスピ海ヨーグルト プレーン
オイコス 高吸収タンパク質 プレーン・砂糖不使用
名称:オイコス 高吸収タンパク質 プレーン・砂糖不使用
公式HP:https://www.danone.co.jp/oikos/
特徴:1カップで18gのタンパク質を摂取できるヨーグルトです。砂糖不使用で脂質が0gのため、寝る前に食べても余計な脂肪がつきません。
ヤクルト ソフール プレーン
名称:ヤクルト ソフール プレーン
公式HP:https://www.yakult.co.jp/products/item0029.html
特徴:滑らかな口当たりとさっぱりした味わいが特徴です。あっさりしており、寝る前でも口に運びやすいでしょう。
森永乳業 ビヒダス プレーンヨーグルト
名称:森永乳業 ビヒダス プレーンヨーグルト
公式HP:https://www.morinagamilk.co.jp/products/yoghurt/bifidus/88.html
特徴:ビフィズス菌BB536を配合する機能性表示食品です。寝る前に食べることで、腸のゴールデンタイムにビフィズス菌が働き、便秘解消をサポートします。
森永乳業 ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン砂糖不使用
名称:森永乳業 ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン砂糖不使用
公式HP:https://www.morinagamilk.co.jp/products/yoghurt/partheno/1015.html
特徴:ギリシャヨーグルトの水切り製法で作られた、高タンパクタイプのヨーグルトです。少量でも満足感が高く、寝る前の小腹を満たすのに適しています。
フジッコ カスピ海ヨーグルト プレーン
名称:フジッコ カスピ海ヨーグルト プレーン
公式HP:https://www.fujicco.co.jp/products/detail/162.html
特徴:クレモリスキンFC株を配合しています。100gあたり60kcalと低カロリーで、寝る前の摂取に適しています。
夜寝る前にヨーグルトを食べても虫歯にならない?
寝る前にヨーグルトを食べることで、虫歯にならないか不安になる方も多いと思います。実は、乳酸菌には虫歯を予防する効果があることがわかってきています。そのため、他の食べ物よりは虫歯を増長するリスクが少ないと考えられます。
しかし、砂糖が多く含まれるものは他の食べ物同様に虫歯に繋がってしまう可能性があるため、ヨーグルトであれば何でも大丈夫というわけではない点に注意してください。また虫歯の予防には歯磨きが必須なので、食べたあとはしっかり歯磨きをするようにしましょう。
夜寝る前に食べるヨーグルトのおすすめアレンジ
夜寝る前に食べるヨーグルトのおすすめアレンジを紹介していきます。
ごろごろフルーツが入っているヨーグルト

材料
ヨーグルト(無糖) 100g
お好みのフルーツ 50g程度
砂糖(甘みが足りない場合) お好み
作り方
①ヨーグルトを常温に戻し、ボウルに入れる。
②お好みのフルーツを大きめにカットし、ボウルに入れたヨーグルトと和える。
③甘みが足りない場合は砂糖を入れて完成
作る際のポイント
・ヨーグルトは常温に戻したものを使うことでお腹に優しく食べられる。
・フルーツは大きめにカットすることで満足感を得られるようにする。
・砂糖は入れすぎるとカロリー過多になるため注意。
バナナと豆乳で作るヨーグルトスムージー

材料
ヨーグルト(無糖) 100g
バナナ 50g程度
豆乳 30ml
作り方
①バナナをミキサーで細かくする。なければ小さくカットし、潰しておく。ヨーグルト、豆乳は常温に戻しておく。
②常温に戻したヨーグルト、豆乳、潰したバナナを入れ、しっかり混ぜる。
作る際のポイント
・ヨーグルト、豆乳は常温に戻したものを使うことでお腹に優しく食べられる。
・バナナと豆乳には、乳酸菌を増やすオリゴ糖や食物繊維が多く含まれているためおすすめ。
レモンヨーグルトマフィン

材料
薄力粉 110g
ベーキングパウダー 小さじ1(4g)
卵 1個
●砂糖 50g
●植物油 40g
●プレーンヨーグルト 100g
●塩 ひとつまみ
●レモンの皮 1/2個分(あれば)
●レモン果汁 大さじ1(15ml)
作り方
①薄力粉とベーキングパウダーはあわせてふるっておく。オーブンは180℃に予熱しておく。
②ボウルに卵を割りほぐし、順番に●の材料を入れて、泡立て器などでその都度よく混ぜ合わせる。
③あわせておいた薄力粉とベーキングパウダーを一度に加えて、ゴムベラで混ぜる。
④カップなどに入れ、オーブン180℃で20分程度焼く。
作る際のポイント
・レモンはフルーツジュースなどでも代用可。
・他の食材を入れても問題なく作れます。食物繊維の多い果物などを入れるのも効果的です。
寝る前のヨーグルト習慣に関するよくある質問

寝る前のヨーグルト習慣に関する、よくある質問5つにお答えします。
・Q. 自分で作ったヨーグルトを寝る前に食べるのは問題ありませんか?
・Q. ヨーグルトであれば何でも夜寝る前に食べていいですか?
・Q. 夜寝る前のヨーグルト習慣はどれぐらい継続すれば効果が現れますか?
・Q. ヨーグルトは一日にどれぐらいの量を食べるべきですか?
・Q. 自分と相性が良いヨーグルトを知る方法はありますか?
Q. 自分で作ったヨーグルトを寝る前に食べるのは問題ありませんか?
A.ヨーグルトを自作すると、雑菌が混入する可能性があり、発酵途中で雑菌が増殖する可能性も否定できません。食中毒により睡眠中に苦しむリスクもあるため、寝る前は市販品のヨーグルトを食べることをおすすめします。
Q. ヨーグルトであれば何でも夜寝る前に食べていいですか?
A.問題はありませんが、低カロリー・低脂肪タイプのヨーグルトが特に適しています。余計な糖分の摂取を控えられるため、脂肪が付きにくいでしょう。
Q. 夜寝る前のヨーグルト習慣はどれぐらい継続すれば効果が現れますか?
A.個人差がありますが、株式会社明治の研究によると、約2週間で効果を感じた人が多いようです。「就寝する2~3時間前に食べる」「常温や温めて食べるようにする」といった工夫により、さらに効果を感じやすくなります。
Q. ヨーグルトは一日にどれぐらいの量を食べるべきですか?
A.一日の摂取量は200g以内に抑えることをおすすめします。食べ過ぎるとカロリー過多や消化不良を引き起こすリスクがあるためです。朝や昼に100gを食べていた場合は、寝る前の摂取量を100g以内に抑えましょう。
Q. 自分と相性が良いヨーグルトを知る方法はありますか?
A.ヨーグルトに含まれる菌の種類に注目しましょう。例えばビフィズス菌は便秘や下痢の改善に、ガセリ菌SP株は内臓脂肪の減少に効果があるとされています。目的に合った菌を含むヨーグルトを選ぶと、相性の良さを感じやすくなります。
夜寝る前のヨーグルト習慣で、体の中からキレイにしよう
今回は、夜寝る前にヨーグルトを食べることで得られるメリットについて紹介してきました。
ヨーグルトは、腸内環境の改善、便秘や口臭の改善といった効果に限らず、タンパク質やカルシウムなどの重要な摂取源になります。ぜひ、ヨーグルトを食べて健康な毎日を送りましょう。





