新生活を始めるために賃貸物件を探すとき、どうしても設備や条件は妥協したくないものです。しかし「どのような設備・条件を選べば良いかわからない」「希望の設備・条件が多く、優先順位が付けられない」などと、悩まれる方も少なくありません。
そこで今回は、人気の物件設備・条件のベスト10をランキング形式でご紹介します。賃貸物件を探す際に、どのような条件をもとにみなさまが探しているのかが分かります。また、設備・条件の優先順位が付けられない方向けに、優先順位の付け方や代替案の探し方までご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください!
【2024年最新版】人気の賃貸物件設備・条件はこれだ!
ハウスコムが調べた人気の賃貸物件の設備・条件ランキングは、以下のとおりです。
1位 ペット可・ペット相談可能物件
2位 駐車場無料
3位 エアコン2台以上
4位 オートロック
5位 2面採光
6位 更新料無料
7位 仲介手数料無料
8位 和室
9位 アイランドキッチン
10位 高齢者可・相談可能物件
ここからは、ランキング上位の設備・条件について、人気の秘密に迫ります。
本コラムにおける人気の定義
本コラムでは、人気の設備・条件ランキングを以下の方法で算出しています。
・調査期間:2023年1月〜12月
・調査サイト:ハウスコムのお部屋探しサイト
・調査条件:こだわり条件検索結果のランキングに基づく
こだわり条件は多数存在しており、その数は約100項目にのぼります。そのため、「ランキングに入っていない設備や条件は人気がない」というわけではない点はご留意ください。
【ランキング1位】ペット可・相談の賃貸物件
栄えあるランキング第1位は、ペットを飼育できる賃貸物件です。ペットは家族の一員とまでいわれており、必要性が高いという意味では当然の結果といえるかもしれません!
ペット相談可・ペット可・ペット同居型マンションの違い
ペット飼育可能な物件にも、いくつか種類があります。念のため、言葉の定義をおさらいしておきましょう。
ペット相談可能
ペットの飼育を「条件によっては認めます」という賃貸物件のことです。条件としては、ペットの種類や大きさ、頭数などが挙げられます。家主さんが「話があれば相談にのるよ」という場合に、このような記載になることがあります。
ペット可
ペットの飼育を認めることを前提とした賃貸物件です。この場合も、ペットの種類や大きさ、頭数は確認が必要になります。ペット飼育のときは、家賃や礼金、退去時の費用が変わることもあるので、注意が必要です。
ペット同居型マンション
ペットと住むことを前提にした賃貸物件です。共用部には足洗い場、室内にはキャットウォークや厚い壁紙があるなど、ペット好きには大人気です。周りもペット好きが多いため、マンション内で新たなコミュニティが形成されることもあります。
ペット可物件の割合(賃貸)
ペット可物件は人気がありますが、実は数が少ないことでも知られています。地域や単身・ファミリーの差によっても異なりますが、多くても全体の20%程度です。室内を引っかいてしまうことを懸念されるため、犬よりも猫飼育可能物件のほうが少ない傾向にあります。
ペット可物件のメリット・デメリット
ペット可物件の良いところと悪いところは、以下のようにまとめられます。
メリット | デメリット |
---|---|
・ペット飼育に理解がある方が多い ・ペット飼育者同士で仲良くなれる ・ペットに嬉しい設備が整っている ※ドッグランや足洗い場など | ・ペット非飼育者には鳴き声などの騒音が懸念される ・ペットによる噛みつきなどのトラブルが想定される ・初期費用や退去費用、家賃などが高額になる傾向にある |
ペットを飼育している人にとっては、これ以上ない賃貸物件です。しかし、中にはペットを飼育せず、ペット飼育可能物件に住んでいる人もいます。ペット可物件に関わらずですが、共同生活のルールとマナーを守るようにしましょう。
また、家主さんに黙って、こっそりペットを飼育するのは絶対にやめましょう。契約違反によって、最悪の場合は退去させられることも考えられます。ペットを飼育するときは、必ずペット飼育可能物件を選ぶようにしてください。
以上より、ペット飼育可能物件におすすめの人は、以下のような人です。
・すでにペットを飼育している人
・今後ペットを飼育予定の人
・親族や友達のペットを預かることが頻繁にある人
ペットの飼育が許可されていない賃貸物件では、ペットを一時的に預かることも許されていません。そのため、ご親族や友人のペットを預かることが多い方も、ペット飼育可能物件を選ぶようにしましょう。
ペット可物件を探す・契約するうえでの注意点
ペット飼育可能物件を探すときは、必ず仲介業者にその旨を伝えるようにしましょう。「どんなペットか」「何匹飼育するのか」「大きさはどのくらいか」という情報をもとに、仲介業者は家主さんに交渉を行います。
また、最初に細かい情報を伝えることで、あとあとのトラブルを回避することが可能です。せっかくのペットとの新生活を楽しく過ごすためにも、正直に伝えることを忘れないようにしましょう。
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【ランキング2位】駐車場無料の賃貸物件
第2位は、駐車場が無料の賃貸物件がランクインしました。
地域によって、駐車場が引き起こす問題はさまざまです。都心部では駐車場代が高額になる、地方では1人1台必要であるため、駐車場が足りない、駐車場代がかさむといった問題があります。このような問題を解決してくれる駐車場無料の賃貸物件は、お財布に優しく、人気になるのも納得です。
駐車場無料物件のメリット・デメリット
駐車場無料物件にも、良い面と悪い面があります。
メリット | デメリット |
---|---|
・駐車場代がかからない | ・駐車場が不要な人には家賃が割高になる ・区画を選べない ・サイズによっては車が入らない |
駐車場代というランニングコストが下がることは、大きなメリットです。しかし、すべての人に駐車場が必要とは限りません。また、車のサイズによって、指定区画では入出庫しづらかったり、そもそも車が入らなかったりすることもあるかもしれません。
駐車場無料物件がおすすめの人は、以下のような人です。
・転勤による賃貸物件探しで、社用車を利用する人
・プライベートでも車をよく利用する人
なお、法人契約では駐車場無料物件を借りるとき、駐車場代を按分するように求められることがあります。法人契約や社宅利用では、規定をよく確認しておきましょう。
駐車場付き賃貸物件を探す・契約するうえでの注意点
駐車場付き賃貸物件を探すときは、以下の点が重要です。
・車のサイズを把握すること
・駐車場が平面か、立体駐車場かを事前に確認すること
・自分の運転技術で入出庫が可能かどうかを試してみること
特に、立体駐車場のときは注意しましょう。車検証サイズでは入る場合であっても、ルーフキャリアなどによってサイズオーバーになることがあるからです。
駐車場がどうしても必要なときは、近隣の月極駐車場を探すことも視野に入れながら探すのがおすすめです。
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【ランキング3位】エアコン2台以上の賃貸物件
賃貸物件に引っ越すにあたって、意外と高額な出費になるのがエアコンの設置費用です。新しく購入するとなれば、賃貸の初期費用くらいの出費になってしまいます。
エアコンが2台以上設置されている賃貸物件は、引っ越し費用を下げる要因になるため、人気になるのも当然といえるでしょう。
エアコン付き賃貸物件のメリット・デメリット
エアコンが付いている賃貸物件のメリットとデメリットは、どのようなものでしょうか。
メリット | デメリット |
---|---|
・エアコンの購入費用が不要 ・住んだその日からエアコンが使える ・設備なら故障しても家主さんが交換してくれる | ・エアコンを持っているときは処分 ・保管をする必要がある ・古いエアコンが付いているときは、電気代が予想以上にかかることがある ・エアコンの機能より部屋が広いときは、エアコン以外の冷房 ・暖房器具が必要 |
エアコンが設置されている賃貸物件は、単身用物件では当たり前かもしれません。ファミリータイプや1LDKなど、2部屋以上ある賃貸物件に引っ越すときは、エアコンのことを気にかけるようにしましょう。
エアコン付き賃貸物件をおすすめしたい人の特徴は、以下のとおりです。
・自分でエアコンを持っていない人
・入居期間が短期である人
・転勤による法人契約である人
入居期間が短期になりそうなときや、転勤に伴う賃貸物件探しの場合、エアコン付き賃貸物件は力強い味方になります。なぜなら、入居期間が短期になると、せっかく購入したエアコンが無駄になる可能性が高いからです。
また、転勤による引っ越しも同様で、あらためて転勤を命じられる可能性も否定できません。引っ越しをスムーズにするためにも荷物は減らしたいところなので、エアコン付き賃貸物件は役に立つでしょう。
エアコン付き賃貸物件を探す・契約するうえでの注意点
エアコン付き賃貸物件を探すときは、以下の点を事前に確認しておきましょう。
・自分が持っていくエアコンがあるかどうか
・ある場合は設置が可能かどうか(電気容量もチェック)
・エアコンの容量と部屋の大きさは合っているか
・エアコンが古いタイプのものではないか
一言にエアコンといっても、さまざまな種類のものがあります。部屋の大きさに合っていないときもあれば、古いタイプのものもあるでしょう。エアコンの設置費用が安くなるというメリットがあっても、電気代が余計にかかっては意味がありません。エアコンのスペックと年数なども合わせて確認することで、エアコン付き賃貸物件のメリットを最大限引き出せます。
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【ランキング4位】オートロックの賃貸物件
以前までは不動の1位だったのですが、もはや当たり前の設備となり、ランクを下げる形になりました。とはいえ、人気のオートロックはまだまだ健在です。
最近では、二重オートロックやスマホで開錠できるものなど、その進化は目覚ましいものがあります。
オートロックの賃貸物件のメリット・デメリット
オートロックはセキュリティ効果が認められますが、セキュリティと利便性は裏表の関係にあります。メリットとデメリットという形で、表にまとめてみました。
メリット | デメリット |
---|---|
・セキュリティが高い ・訪問者を確認してから応対できる ・住戸警報が備わるため、室内での有事にも対応しやすい | ・鍵を忘れると入れなくなる ・暗証番号式のときは、開錠番号がバレることがある ・スマホの充電が切れると入れなくなる |
セキュリティ性が高くなればなるほど、いざというときの利便性が下がることもある点に注意しましょう。その点を考えたとしても、そのセキュリティ性の高さは魅力です。
一度オートロックの賃貸物件に住んだことのある人であれば、オートロックのない生活に戻ると日々の中で漠然とした不安が募ってしまうでしょう。オートロックは、そのくらいの安心感を得られるのです。
オートロックのある賃貸物件がおすすめの人は、以下のとおりです。
・セキュリティを重視する人
・お部屋の在宅時間が短い人
・高齢者やハンディキャップをお持ちの人
オートロックは、建物内に第三者が侵入することを防止するセキュリティ設備です。そのため、セキュリティを重視したい人はもちろん、留守が多い人も安心感を得られるでしょう。
また、高齢者やハンディキャップをお持ちの人にもオートロックは役立ちます。オートロックによる物理的なセキュリティは、他者との接触回数を減少させるため、犯罪被害から守ることにもつながるでしょう。
オートロック賃貸物件を探す・契約するうえでの注意点
オートロックが付いている賃貸物件でチェックするポイントは、以下の点になります。
・オートロックの解除方法
→鍵で開けるシリンダータイプか、カードキーをかざすタイプかなどを確認する。
・他の侵入経路
→セキュリティの抜け穴がないか、駐輪場などの裏口からのルートをチェックする。
オートロックは、賃貸物件の入口に設置されるセキュリティ設備です。そのセキュリティが十分に発揮されるかどうか、駐輪場や駐車場などからの侵入経路はチェックしておくべきです。
また、鍵で開けるシリンダータイプであれば不要ですが、スマホやカードキーで開錠するタイプなどは、充電や電池交換が必要なときもあります。いざというときに困らないよう、事前に種類を把握しておくと良いでしょう。
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【ランキング5位】2面採光の賃貸物件
5位にランクインしたのは、2面から採光がとれる賃貸物件です。設備や条件は、借りる人の工夫で対応できますが、採光は人の力でどうにかなるものではありません。2面からの採光という開放感、希少性があるため、納得のランクインといえるでしょう。
2面採光の賃貸物件のメリット・デメリット
2面採光の賃貸物件には、実は住まないとわからないメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
・明るさと開放感が得られる ・部屋を広く感じられる ・空気の通り道ができ、換気しやすい ・自然光が入ることで、電気代が節約できる | ・夏場の直射日光で暑く感じやすい ・窓が多いため、外からの立地によっては外からの視線が気になる ・窓が多いため家具の配置が難しい |
2面採光の賃貸物件は、明るく開放的な住環境を得られます。しかし、太陽光の差し込みやプライバシー面の課題など、注意が必要な面があることも事実です。
以上を踏まえて、2面採光を体験できる賃貸物件は、以下のような人におすすめです。
・自然光を感じるのが好きな人
・日中の在宅時間が長い人
・四季の変化を感じたい人
・植物や花が好きな人
やはり2面採光は、自然光を取り入れた生活がその本分といえます。よって、在宅ワークや子育て世帯など、日中の在宅時間が長い人には2面採光がおすすめです。また、自然に触れるのが好きな人は、2面採光の賃貸物件をぜひ検討してみましょう。
2面採光の賃貸物件を探す・契約するうえでの注意点
2面採光の賃貸物件を探して契約するにあたり、メリットとデメリットを理解したうえで、入居前に物件を詳しく見学することが重要です。自身のライフスタイルや好みに一致しているかどうかを内見時に確認することで、住んでからのミスマッチを防げます。
主に注意すべきポイントは、以下の点です。
・2面採光の方角を確認する
→太陽光も方角によってメリットとデメリットがあるため、ライフスタイルや在室の多い時間を想像してみましょう。
・周りに高い建物がないか
→建物の状況によっては、周りからの視線が気になることがあります。
・持っている家具をうまく配置できるか
→せっかくの採光を遮ることなく家具を配置できるか、検討しましょう。
2面から差し込む太陽光は明るいものですが、夕陽ではまぶしく感じることもあります。テレビやパソコンの画面が反射して、見えづらくなることも考えられます。方角、家具や家電の配置、在室の多い時間、これらを総合的に判断することが、2面採光の賃貸物件を検討する際に重要です。
2面採光の場合、カーテンはどうする?
カーテンの存在なくして、2面採光の物件は語れません。いくら2面採光といっても、ずっと太陽光を浴び続けるわけにはいかないからです。
2面採光の賃貸物件に設置するカーテンは、以下の点に注意すると良いでしょう。
・遮光性と断熱性があるカーテンを設置する
→遮光性があることで、夏の暑い日差しを遮れます。また、断熱性があれば、夏の室内温度上昇や冬の室内温度低下を防ぎ、光熱費の節約にもつながるでしょう。
・レースなどの透明性のあるカーテンを設置する
→レースカーテンを併用することで、日差しを感じながらもプライバシーを守ることが可能です。
・耐光堅牢度の高いカーテンを設置する
→耐光堅牢度が高いカーテンとは、直射日光によって色褪せしにくいカーテンのことをいいます。2面採光の賃貸物件では、直射日光に晒される時間が長くなる傾向にありますので、色褪せしにくい丈夫なカーテンを設置すると良いでしょう。耐光堅牢度の低いカーテンは劣化しやすいといわれており、良いものを長く使うことで、長い目で見ると節約にもなります。
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【ランキング6位】更新料無料の賃貸物件
ランキング6位は、更新料が無料の賃貸物件です。更新料は家主さんや管理会社ごとに、任意でその金額が定められており、賃貸物件探しでチェックされる方も多い項目といえます。
0円だったり家賃1ヶ月分だったりと広い金額の差が出るため、6位にランクインしました。ランニングコストに関する点は、賃貸物件を探すうえで注目度が高いことがわかります。
更新料の相場
賃貸物件における更新料の相場は、家賃の1ヶ月分といわれています。しかし、地域や管理会社によって設定が異なりますので、必ず契約前に更新料の有無や金額について確認をするようにしましょう。
更新料無料の賃貸物件を探す・契約するうえでの注意点
更新料無料の賃貸物件は、少なからず存在しています。しかし、更新料が無料という理由だけで賃貸物件を決めるのは、危険といえるでしょう。なぜなら、以下のような点に注意する必要があるからです。
・近隣の物件と比較して家賃が高くないか
→更新料が無料であるかわりに、家賃が高く設定されていることがあります。
・初期費用や退去費用で必要以上の支払いはないか
→入居時や退去時の費用で、多めの費用を請求されることがあります。
・名目が違うだけの「更新料」が設定されていないか
→更新料は無料ですが、「更新事務手数料」や「更新一時金」などの名目で費用を請求されていることがあります。
専門的な内容は、信頼できる賃貸仲介業者に相談するのが最良の手段です。ぜひ一度、ご相談してみてください。
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【ランキング7位】仲介手数料無料の賃貸物件
初期費用にインパクトのある、仲介手数料無料の賃貸物件が7位にランクインしました。敷金や礼金が安い物件が多くなってきているため、さらなる減額を希望される方も少なくありません。
賃貸契約の仲介手数料の相場
賃貸借契約を締結するにあたり、必要となる仲介手数料は、法定上限が賃料の1ヶ月分と定められています。ただし、賃貸物件の種類や状況によっては、仲介手数料の減額ができるケースもあります。初期費用でお悩みの方は、一度不動産会社の方に相談してみてください。
しかし、不動産会社の収入は仲介手数料がメインです。仲介手数料を無料にできる理由は、どのようなものなのでしょうか。
仲介手数料が無料になる理由
仲介手数料を無料にできる理由は、大きく2つあります。
不動産会社が貸主だから
仲介手数料は、不動産会社が間に入ったときに必要になるものです。逆にいえば、不動産会社が貸主の賃貸物件では、仲介手数料はかかりません。
なお、不動産会社が貸主になるケースは、以下のようなものです。
・賃貸物件が不動産会社の持ち物であるとき
・賃貸物件を不動産会社が借り上げている(サブリース)とき
家主さんから仲介手数料をもらえるから
仲介手数料を家主さんからもらえるときは、借りる人へ仲介手数料を請求できません。そのため、家主さんが支払ってくれる賃貸物件のときは、減額や無料になることが考えられます。
仲介手数料無料の会社に絞って賃貸物件を探すデメリット
仲介手数料が無料の会社に絞って賃貸物件を探すことは、初期費用が安くなるという点でメリットがあります。しかし、一方でデメリットも存在していますので、合わせて確認しておきましょう。
・賃貸物件数がかなり限定される
→仲介手数料が無料の賃貸物件は、不動産会社の運用や家主さんの事情に左右されます。そのため、提案できる賃貸物件の数がかなり少なくなる可能性は否定できません。
・違う項目の費用請求がありえる
→仲介手数料が無料である代わりに、異なる名目で費用を請求されることがあります。
こういったデメリットがある前提に立ちつつ、適切な理由のもとで仲介手数料が無料の賃貸物件があれば、積極的に契約をしても何の問題もありません。
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【ランキング8位】和室ありの賃貸物件
8位には、和室がある賃貸物件がランクインしました。単身の方々にはあまり馴染みがないかもしれませんが、ファミリーの方々には堅い人気があります。この機会に、将来お世話になるかもしれない和室の魅力に触れてみましょう。
和室ありの賃貸物件を選ぶメリット・デメリット
和室は昔から、日本人に馴染みのある設備条件です。この設備条件にも良し悪しがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
メリット | デメリット |
---|---|
・柔らかく、子どもやお年寄りに優しい ・表替えなどのメンテナンスが容易 ・い草の湿度調整機能により、夏場でも快適に過ごせる ・防音性が高い | ・湿気に弱い ・清掃などのメンテナンスが必要 ・防音性は高いが、振動はある程度伝わる |
畳の原材料である「い草」には、除湿機能や保温機能が認められます。い草がスポンジ構造になっているため、多くの空気を含んでいるからです。そのため、夏は涼しく、冬は暖かく感じられるでしょう。お子様やご高齢の方など転倒が心配な方にとって、畳の柔らかさはケガの防止にも役立ちます。
日々のお掃除が必要など手間はかかりますが、和室を使ってみるとその良さに気付くことは多いでしょう。
和室は、以下のような人におすすめです。
・お子様や高齢の方と一緒に生活する人
・リラックスした雰囲気が好きな人
・い草のにおいが好きな人
和室の特徴は、柔らかさと雰囲気です。その特徴にメリットを感じる人にとって、和室は魅力的な空間に映ることでしょう。また「い草のにおいが好き」という人にも、ぜひ和室を選んでいただきたいところです。
和室ありの賃貸物件を探す・契約するうえでの注意点
機能性の高い和室の効果を理解したところで、賃貸借契約における和室の注意点を確認しておきましょう。
・退去時の畳メンテナンス費用を負担しなければならないことがある
→退去したときに、畳のメンテナンス費用を負担することが契約で定められていることがあります。重要事項説明や契約書で特約として記載されることが多いため、契約内容はよく確認してください。
・カビが生えやすい
→一定の調湿効果が認められますが、冬の結露によるカビの発生には気を付けましょう。換気を定期的に行うことで、カビの発生を抑制できます。
ただし、換気や清掃はどの賃貸物件でも行う必要があります。特約など問題がなければ、和室はメリットのほうが多い条件設備です。ぜひ、和室のある暮らしを体験してみてください。
「和室の良さはわかったけど、和室はなんだか古くてデザイン性がない…」と考える方もいるかもしれません。見た目も、賃貸物件探しにおける重要な要素です。そこで、和室をおしゃれに演出する方法を、インテリアコーディネーターの方に解説していただいた記事をご紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください。
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【ランキング9位】アイランドキッチンの賃貸物件
映えるキッチンとして名高い「アイランドキッチン」が9位にランクインしました。賃貸物件には、経済条件や機能性を条件に設定する傾向が高い中で、ここにきて見た目重視の設備がランクインです。
しかし、アイランドキッチンを実際に見たことがある人は少ないのではないでしょうか。どのようなものなのか、細かくチェックしておきましょう。
アイランドキッチンのメリット・デメリット
見た目重視の印象があるアイランドキッチンですが、実はその機能性も見過ごせません。一方、見た目を重視するがゆえに、悪い一面があることも事実です。メリットとデメリットを一覧表にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・キッチンに開放感が得られる ・調理スペースを広くとれる ・リビングからのコミュニケーションがとりやすい ・キッチンが両面使えるため、収納スペースが増える | ・LDKが広くないと、圧迫感がある ・調理の煙や油の飛び散りが気になる ・調理導線と生活導線が重なることがある |
アイランドキッチンは、広いリビングに設置できるスタイルのキッチンです。開放感を得られますが、導線が重複する可能性も否定できません。また、キッチン前面に壁やオイルガードがないことがほとんどです。煙や調理による油の飛び散りには、注意しましょう。
なお、メリットとデメリットを踏まえてアイランドキッチンをおすすめしたいのは、以下のような人たちです。
・家族や友人とのコミュニケーションを重視する人
・広い調理スペースを求める人
・アイランドキッチンを中心にパーティーを催したい人
アイランドキッチンの特徴であるオープンで広いスペースをお求めの人は、一度内見だけでもしてみるのがおすすめです。きっと、家族や友人との会話が増え、人が集う明るいお部屋になることでしょう。
アイランドキッチンの賃貸物件を探す・契約するうえでの注意点
アイランドキッチンの賃貸物件を探すときや契約をするときには、上述のデメリットを打ち消せるかを考えて内見に臨むと良いでしょう。
・LDKの広さは十分にあるか
→LDKが狭いと、アイランドキッチンの開放感が十分に発揮されないことがあります。また、お手持ちの家具や家電の配置も並行して検討すると、アイランドキッチンの効果が最大限に発揮されるお部屋にできます。
・オイルガードがあるか
→オイルガードとは、コンロ前にある透明なアクリル板のことを指します。これによって、煙がリビング内に拡散せず、レンジフードに吸い込まれるほか、油の飛び散りを防ぐことが可能です。オイルガードがないときは、後付けもできますので、ぜひ検討してみてください。
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【ランキング10位】高齢者可・相談の賃貸物件
高齢者が賃貸物件を探すときは、ハードルが高いことが知られています。本来、そういったことはあってはなりません。しかし、家主業もリスクと隣り合わせであるため、一定の割合で拒絶されることも少なくないのです。
ご高齢の方々がいかに賃貸物件探しで悩まれているか、よくわかるランキング結果となりました。
シニア向け賃貸物件の特徴
シニア向けの賃貸物件は、主にその設備や仕様に特徴があります。
・バリアフリーであること
シニアの方々向けに、完全バリアフリーの仕様になっています。
・廊下に手すりが施されている
廊下などの共用部分のすべてに手すりが設置されています。
・エントランスが広い
来客のためにエントランスが広く、ちょっとしたソファなどが設置されています。
・エレベーターが広い
車いす対応を前提として、エレベーターが広く設計されていることがあります。
・見守りサービスが付帯している
有事に備えて、見守りサービスや緊急呼び出しサービスが付帯していることがあります。
サービス付き高齢者向け住宅との違い
サービス付き高齢者向け住宅とは、ご高齢の方に特化した賃貸物件のうち、日々の安否確認や生活相談サービスをも受けられるものをいいます。ここでは、サービス付き高齢者向け住宅の特徴について解説します。
介護の要否により「一般型」と「介護型」に分類される
介護が必要な方は「介護型」に入居することによって、常駐スタッフによる介護サービスを受けることが可能です。一般型では介護サービスを受けられませんので、入居者によっては外部の介護サービスをご利用いただくことになります。
国土交通省により登録制度が設けられており、安心して利用できる
サービス付き高齢者向け住宅は、独自に運用できるものではありません。国土交通省によって登録をして、初めて運用できます。そのため、行政の指導監督があるという安心感を持って、利用することが可能です。
高齢者可・相談の賃貸物件を探す・契約するうえでの注意点
高齢者可・相談の賃貸物件を探すときや契約するときは、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。ご自身のみならず、ご両親や親族などの賃貸物件探しにも役立つかもしれません。ぜひ、自分のこととしてお読みください。
・設備が整っているかを確認する
→高齢者相談可能な理由が、単純に空室を埋めるために間口を広げたいといった場合があります。もちろん居住のためにはプラスの要素といえますが、高齢者の住まいとして適格かどうかを見極めることを忘れてはいけません。特に、設備や仕様が高齢者に向けたものであるかは、よく確認しておきましょう。
・保証人の要否や緊急連絡先に条件がないか確認する
→高齢者の入居を迎えるにあたり、本人の属性よりも、連帯保証人や緊急連絡先の属性を重視することが審査面で想定されます。保証人が不要であっても、同一県内に緊急連絡先が必要といわれることもあります。
・見守りサービスがないときは、個別に契約をしておく
→高齢者に何かあったときのために、見守りサービスを契約しておくと安心です。お部屋のある地点を数時間通らなかったとき、冷蔵庫を数日開閉しなかったときなどをきっかけに、現地訪問してくれるサービスが主流です。月額費用も5,000円前後であることが多く、加入することを強くおすすめします。
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賃貸物件を探す際は設備・条件に優先順位を付けよう
賃貸物件探しでは、あれもこれも気になってしまい、結果的に家賃が高額になってしまうことがあります。設備・条件を明確に定め、優先順位が付けられないと、このような事態に陥ってしまうことが多いようです。
では、そうならないためにどうすれば良いのでしょうか。その答えは、ランキングにも顕著に出ています。
まずは、賃貸物件が生活の拠点であることを踏まえ、機能性やセキュリティなど、安心して生活するのに欠かせないものを上位に考えます。そして、見た目など我慢できたり、あとから変えたりできるものを下位に考えると良いでしょう。
具体的な設備条件をもとに、解説していきます。
「絶対譲れない設備・条件」に設定すべきもの
必要な設備や条件は、以下のように分類できます。
1. 契約上、欠かせないもの
・【例】ペット飼育可能な賃貸物件
→ペット飼育が禁止されているときは契約違反となり、契約解除されてしまうため。
2. セキュリティや機能面で外せないもの
・【例】オートロック付きの賃貸物件
→セキュリティ面で不安のあるところには、安心して住めないため。
3. 審査面や物件の属性上、フィルタをかけるべきもの
・【例】高齢者相談可能な賃貸物件
→審査に必要な入居条件であるため、度外視できない。また、高齢者の生活に必要な設備仕様を得るには、譲歩すべきではないため。
4. 経済条件に関するもの
・【例1】駐車場が無料な賃貸物件
→駐車場の必要性と経済合理性の両面から必要な条件になるため。
・【例2】仲介手数料無料の賃貸物件や更新料が無料な賃貸物件
→契約費用やランニングコストに直結することから、経済条件を決めるのは賃貸物件探しの基本になるため。
いずれも、ランキングに入っているものです。こう考えてみると、ランキング上位には本当に必要なものが多く入っている傾向にあると言えます。
「できれば叶えたい設備・条件」に設定すべきもの
では、妥協しうる設備・条件はどのようなものでしょうか。ランクインした設備・条件をもとに、打開策も例示する形で回答します。
1. 経済条件で解決できる可能性があるもの
・【例】エアコン2台以上の賃貸物件
→エアコン以外にも、冷房や暖房効果を得る方法はいくつかある。特に暖房器具はエアコン以外でも選択肢も多いため、要検討。
2. 見た目を重視しているもの
・【例1】和室付きの賃貸物件
→和室は畳風のマットやコーナーが市販されているため、あとからでも改良可能。
・【例2】アイランドキッチン付きの賃貸物件
→一般的なカウンターキッチンでも、効果はそこまで変わらない。見た目も重要だが、機能性が変わらないならこだわる必要性も少なくなる。
優先度を付けた例
では、具体的に、部屋探しのシチュエーションで優先度を付けた例を見てみましょう。
【家賃の上限が絶対条件であるとき】
絶対譲れない条件 | ⇒譲れない理由 | 妥協したい条件例 |
---|---|---|
・家賃の上限が5万円まで | ・新入社員で給料が少ない | ・駅徒歩10分以内 |
これは、家賃の上限を最優先に考えたときの例です。家賃という経済条件を優先すると、駅徒歩10分以内という条件を15分まで妥協することで、より多くの賃貸物件と出会えます。それによって、上記以外に存在する「できれば叶えたい条件」を叶えられるようになるのです。
【駅からの徒歩距離が絶対条件であるとき】
絶対譲れない条件 | ⇒譲れない理由 | 妥協したい条件例 |
---|---|---|
・駅徒歩10分圏内 | ・女性の一人暮らし ・仕事で帰りが遅くなる | ・急行が止まる駅 |
女性の方に多い、セキュリティや治安面の不安から、駅からの徒歩距離を優先的に考えたときの事例です。急行や通勤快速の停車する駅はたしかに人気ですが、あと1駅ずらすことで、徒歩10分どころか徒歩5分の賃貸物件に出会う可能性も出てきます。さらに、家賃を抑えられたり、同じような家賃でよりグレードの高い設備条件の賃貸物件まで選べたりするのです。
こうした優先順位の付け方は、不動産会社とコミュニケーションをとることによって、整理できることもよくあることです。自分だけでは整理できないときも、不動産会社から相場や賃貸物件の説明を受けることで、優先順位を客観的に付けられるようになるでしょう。
ぜひ、信頼できる不動産会社に問合せをしてみてください。
物件設備・条件の人気度をヒントに、後悔のない賃貸物件探しを!
今回は趣向を変えて、物件設備・条件の人気度をランキング形式で解説しました。最もお伝えしたいことは、「設備・条件のすべてを叶えることは困難であるため、優先順位を付けよう」ということにほかなりません。
ランキングの結果にも出ているように、契約上必要なものや経済条件に関するものは、どうしても動かすことは困難です。そこで、設備や立地などで妥協点を探し出し、理想の賃貸物件を見つけることが重要です。ランキングの結果を参考にして、みなさまがより良い賃貸物件と巡り合えることを期待しています!