いまや生活に欠かすことのできないスマートフォン。電話・メール・SNS・検索・銀行送金・買い物など、人によっては生活の基盤がスマートフォンになっている人もいるのではないでしょうか。
そんな便利なスマートフォンが圏外になり不便な思いをした経験はありませんか?電波状況が悪いと、仕事もプライベートもすべて停滞してしまい、なんだか取り残された気分になった人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はスマートフォンが圏外になる原因と、その対策について詳しく解説します。さらに、快適な暮らしを送るために、お部屋探しで電波状況を考慮することの重要性についてもご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
【最初にチェック】スマホが圏外(接続障害)になったらまず試したい対処法
スマートフォンが圏外になっても、ちょっとした手順を踏むことで復旧することがあります。ここでは、圏外表示になったら試しておきたい対処法を紹介します。
①モバイルデータ通信・Wi-Fi設定を確認
スマートフォンの通信環境設定をチェックしてみてください。
【iPhone】
設定 → モバイル通信 → モバイルデータ通信が「ON」になっているかを確認
【Android】
設定 → 接続 → モバイルネットワーク → ネットワークモードが「4G/3G(自動接続)」になっているかを確認
なにかのはずみで、これらの設定が変わっていることが考えられます。また、設定が問題なくとも、これらをON→OFF→ONとすることで復旧することも珍しくありません。
ON→OFF→ONにするときは、10秒程度時間を置いてみるとよいでしょう。
②機内モードかどうかを確認
圏外になっている理由として機内モードになっている可能性もあります。
機内モードとは、スマートフォンの電波の発信を停止する機能のことです。通話、データ通信、Wi-Fiなど、全ての無線通信がオフになるため、電話・メール・インターネットの利用ができなくなります。
【iPhone】
設定 → 機内モード(緑色になっていたら機内モード)
【Android】
設定 → 接続 → 機内モード(青くなっていたら機内モード)
また、機内モードに設定されていなくとも、機内モードのON→OFFを繰り返すことで復旧することもあります。この場合も、10秒程度待ってONにしてみてください。
③設定に問題がなければ再起動してみる
上記2つの設定が通常どおりであれば、再起動を試してください。初歩的と思われるかもしれませんが、この方法で復旧した経験をお持ちの人もかなり多いはずです。
再起動といっても特別なことをする必要はありません。電源を落とし、少し時間をおいて再度電源を入れるだけです。
スマホが圏外になる主な理由と対処法

スマートフォンの圏外がここまで紹介したような対処法でかいけつできなかったとき、「一過性の理由による圏外」ではないとき、どのように対処するのがよいのでしょうか。ここでは、対処の方法を順を追って説明します。自分のケースはどれに当てはまるのか、順番に確認してみてくださいね。
契約しているキャリアの通信エリアではない(圏外エリア)
スマートフォンが圏外になる原因の一つとして、契約しているキャリアの通信エリア外というケースが考えられます。
確認・対処法
フリーWi-Fiなどを活用できるときは、各キャリアが公表している通信エリアマップをもとに確認してみてください。Wi-Fi接続すら困難なときは、知人に調べてもらうのも手です。
また、通信エリア内であっても地下や建物内部では通信環境が劣ることも考えられます。地上や窓際に移動することで、通信が復活することがあります。
SIMカードが物理的に不具合になっている
SIMカードに汚れがあったり接触不良が発生したりしているときも、圏外の表示になることがあります。
確認・対処法
SIMトレイを脱着したり、SIMカードの汚れを拭きとったりすることで、通信が正常化することがあります。
他のスマートフォンでSIMカードを試すことで、原因がSIMカードにあるかどうかを確認することが可能です。
キャリア設定アップデートを長い間行っていない
スマートフォンのOSを更新していないときも、通信に障害が生じることがあります。
確認・対処法
スマートフォンのOSアップデートの要否を確認し、アップデートが必要であれば適宜アップデートの手続きを行ってください。ただし、アップデートをするためには通信環境が整備されていることが必要になります。急ぎのときはフリーWi-Fiなどを活用するのがよいでしょう。
キャリアの通信障害が発生している
各キャリア側で通信障害が発生しているときは、当然スマートフォンを利用して通信することはできません。
確認・対処法
通信障害が発生しているときは、各キャリアがホームページやSNSを通じて公表することが一般的です。このケースでは手立てはありませんので、復旧を待ちましょう。
携帯料金の支払いが滞納している
携帯電話の使用料金を支払っていないときは、通信が一切できなくなります。
確認・対処法
携帯料金を支払うことで、すぐに通信環境は復旧します。なお、携帯料金の未納にはくれぐれも気を付けてください。なぜなら、携帯料金の未納は分割で支払っている機種本体料金の未納でもあるため、信用情報に傷がつくからです。
将来、賃貸物件を借りるときや住宅ローンを組むとき、審査に通らなくなる可能性がありますのでご注意ください。
スマホ本体が交換を伴うような故障をしている
スマートフォン本体が故障しているときも、通信障害が発生することがあります。
確認・対処法
スマートフォンの故障は自分ではどうすることもできません。各キャリアやショップへ機器を持ち込み、修理や交換の手続きをするのがよいでしょう。
部屋自体に問題がある
お住まいの部屋に障害を発生させる要因があることも否定できません。実は、賃貸物件では部屋や特定の場所で携帯が圏外になることはよくあることです。
なお、スマートフォンの通信不良にはさまざまな原因が考えられますが、部屋に問題があるときは事前のちょっとした確認で防ぐことが可能です。
ここからは、電波の入りにくい部屋の特徴など解説します。仕事やプライベートで通信環境が必須という人はぜひチェックしてみてください。
スマホが圏外になる可能性がある部屋の特徴

スマートフォンの通信不良が発生しやすい部屋には、いくつかの特徴があります。内見時にチェックできるものから、引っ越し後に発生するものまで、その原因はさまざまです。
構造上の理由
賃貸物件がRC(鉄筋コンクリート造)であるときは、電波が入りにくくなることがあります。なぜなら、電波は鉄やコンクリートを通過しにくい特性を持っているからです。
電波を発信する基地局からの距離にもよりますが、傾向としてRC造の賃貸物件では電波が弱くなることがあります。
中部屋
リビングでは電波が入るけれど寝室では電波が弱くなる、そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。また、角部屋ではない中部屋でも同様の症状が発生することがあります。
これは、電波の特性である遮蔽性が原因です。電波は障害物を貫通するものの、貫通するたびに弱くなる性質を持っているため、中部屋や奥まった部屋では電波が弱くなることがあるのです。
低層階
お住まいの部屋が低層階であるときも、電波が届きにくくなることがあります。なぜなら、低層階は周りの建物の影響を受けやすく障害物がおのずと多くなるため、電波の性質上弱くなってしまうからです。
ペアガラス
断熱効果に優れたペアガラスですが、よいペアガラスほど携帯電話に利用される電波を反射させる性能を有するため、電波状況に悪い影響をもたらす可能性は否定できません。
もっとも、賃貸住宅であれば全面ガラス張りでもないかぎり電波障害に至る可能性は低いとされていますので、内見の際そこまで気にしなくても大丈夫です。
遮光カーテン
太陽光を効果的に遮る遮光カーテンも、電波状況に影響を与えることがあります。なぜなら、遮光カーテンには樹脂ラミネート加工を施しているものがあるからです。
樹脂ラミネート加工は電波遮断シートにも利用される加工方法であるため、影響が皆無とはいえないのです。ただし、カーテンは密着性がなく壁や窓との間に隙間が生じるため、その可能性がある程度にとどめて問題ないでしょう。
シャッター
シャッターや雨戸も電波状況に影響を与える可能性があります。シャッターや雨戸の素材が金属であるため電波を遮ってしまうのです。実際には遮断とまではいきませんが、電波の減衰にはなりうるでしょう。
基地局からの電波の混在
賃貸物件の近くに複数の基地局が存在しているときも、電波が悪くなることがあります。なぜなら、電波には複数の電波が干渉しあうと不安定になる特性があるからです。
これらさまざまな要因のなかでも、やはり低層階や奥まった部屋では通信環境のトラブルが多いように考えられます。通信トラブルを避けたい人は角部屋の住居を検討してみてはいかがでしょうか。
スマホの通信がスムーズな傾向にある物件の特徴
スマートフォンの電波に悩まされにくい賃貸物件には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、スマートフォンの電波状況が良好になりやすい物件の特徴を紹介します。
最上階
マンションの最上階では電波状況に悩む可能性は低くなります。なぜなら、まわりに電波を遮る建物が少ないため、電波が通じやすいからです。
窓が多い部屋
RC(鉄筋コンクリート造)の建物は電波を遮断しやすくなりますが、窓があれば電波が入りやすくなるため、電波状況で頭を抱えることは少なくなるでしょう。
木造の賃貸物件
木造の賃貸物件では、電波状況が建物の構造に左右されにくい傾向にあります。なぜなら、電波を遮る性質を持つ鉄やコンクリートが主要な建築素材に使用されていないからです。
近隣に高い建物がない賃貸物件
最上階とまで言わなくとも、周りに電波を遮るような高い建物がない賃貸物件などでも電波状況が良好になる傾向にあります。上層階や見晴らしのよい高台の賃貸物件などをイメージするとよいでしょう。
スマホの電波が心配な人が賃貸物件の内見時にチェックしたい点

住んでみないとわからない電波状況ですが、内見の際にチェックすることも可能です。そこで、賃貸物件の内見時にできる電波の確認方法を紹介します。
賃貸物件の外観や設備にばかり目が行きがちな内見ですが、こういったポイントにも目を配ることで、引っ越してからの新生活を快適に過ごすことができます。
すべてのお部屋で電波状況を確認しておく
当然のことですが、せっかくお部屋の現地にいるわけですから、すべてのお部屋で電波が届いているかどうかを確認しておきましょう。
窓の多いリビングは繋がりやすいが窓のない和室は繋がりにくい、などさまざまな傾向が見えてくるはずです。なお、電波チェックにあたっては窓や間仕切りを閉めて行うとより精度の高いチェックができるでしょう。
友達や営業マンのキャリアを確認したうえで同じように確認する
電波チェックは自分のスマートフォンのみならず、他のキャリアの通信状況も確認しておくとよいでしょう。
格安スマホへの乗り換えや来客を見据えておけば、備えあれば憂いなしです。また、持ち運び式のWi-Fiをお持ちの人は、そちらの電波状況も確認しておきましょう。
インターネット無料の物件だからといって手放しで安心しない
最近はインターネットが無料の賃貸物件も多く存在していますが、そのときであっても油断は禁物です。
なぜなら、インターネット無料の賃貸物件ではマンション全体で個別にインターネットが引き込まれているわけではなく、一棟全体を少ない回線でカバーしているからです。そのため多くの人が利用する時間帯ではインターネットの回線が混雑し、結果的に電波が入らない状況と同じことが起こりえるのです。
可能であれば内見のとき試験的に接続させてもらったり、夜に内見して接続状況を確認したりする形でチェックしてみてください。
インターネットを引き込む予定なら、引き込み可能な回線会社をチェック
「インターネットを自分で引き込むから大丈夫」とお考えの人も、チェックしておきたいポイントがあります。それは、引き込むことができる回線会社を事前に確認しておくことです。
なぜなら、マンションでは引き込める回線数に限りがあるため、好きな回線会社を導入できないからです。各回線会社のサイトで判別が可能ですが、あくまでも引き込みが可能な「エリア」かどうかを判定しているだけで、個別のマンションに引き込めるかどうかを判定しているわけではありません。
そのほか、引き込み工事には時間がかかることが多いため、必ず事前に確認しておくようにしておきましょう。
スマホが圏外になるのにはさまざまな要因がある!一つずつチェックして解決しよう
スマートフォンが圏外になる原因はさまざまなことが考えられます。しかし、適切な対策を行えば改善することも可能です。
快適な暮らしを送るためには、事前に部屋探しをする際に電波状況を確認することも重要です。内見時にスマートフォンで電波状況を確認したり、不動産会社に問い合わせたりすることで、電波の届きやすいお部屋を選ぶことができます。
快適な暮らしのために、事前に電波状況を確認し、自分に合ったお部屋を選びましょう。