料理人おすすめの「土鍋ご飯」でもう炊飯器には戻れない!?初めてでも失敗しない炊き方はこれ

目次

土鍋で炊いたご飯のふっくらとした美味しさは格別ですよね。しかし、「火加減や炊き方が難しそう」「後片付けに手間がかかりそう」といったイメージから、興味があっても手が出せないという方も多いのではないでしょうか。

実は、炊飯器よりも美味しさが格段に増す「土鍋ご飯」は、驚くほど簡単に作れます。

今回は、自宅で3年間毎日土鍋でご飯を炊き続けたプロの料理人である私が、実際に実践している失敗しない炊き方を伝授します。

さらに、土鍋ご飯のメリット、美味しさの秘密、経験者だけが知る利便性、そして注意すべき点など、土鍋炊飯に必要な情報をすべてご紹介します。この記事を読めば、あなたの土鍋ご飯に対する印象が大きく変わるはずです。

土鍋でご飯を炊くことに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

【料理人監修】土鍋でご飯を炊くときの正しい流れ

土鍋を使い始めた当初、プロの料理人である私でさえも、「きちんと炊けるだろうか?」という不安を抱えていました。実際、初めの頃は幾度か失敗を繰り返しましたが、正しいやり方とコツを習得すれば、驚くほど簡単に美味しい土鍋ご飯を炊き上げられます。

ここからは、「3年間、土鍋でご飯を炊き続けているプロの料理人」である私が、実際に自宅で毎日実践しているご飯の炊き方や成功のポイントをお教えします。

必要な道具の選び方、プロが行うお米の洗い方、そして正確な水加減・火加減まで、土鍋ご飯を成功させるための情報をぜひ参考にしてください。

必要な道具

まず、土鍋を準備するところから始めましょう。ネット通販やホームセンターでは「ご飯炊き専用土鍋」が販売されていますが、特に必須ではありません。自宅に土鍋があれば、それを使っていただいて問題ありません。我が家でも、最初はたまたま自宅にあった土鍋を利用していました。

もし、新たに土鍋を購入する必要がある場合は、以下の点に留意して選びましょう。

・フタが付いていること
・一日に食べる量を逆算してサイズを決めること
・自宅のコンロがIHの場合は、IH専用の土鍋を選ぶこと

まず、フタがない土鍋ではご飯が炊けないため、必ずフタ付きのものを選びましょう。次に、1日に食べる量から土鍋のサイズを決めます。目安としては、一人暮らしなら3合、二人以上なら3~5合、ファミリー世帯なら5~7合炊けるサイズが必要です。

我が家は夫婦二人の世帯ですが、自宅にあった口径27cm(9号)の土鍋を使い、最大で5合の炊飯をしています。市販の土鍋で炊ける最大量は、口径30cm(10号)のもので6合までです。

どうしても7合炊きたい場合は、ネット通販で入手可能ですので検索してみてください。残念ながら1升炊ける土鍋は特注品以外では見当たらず、仮に作ったとしても家庭用のコンロのサイズや火力の問題であまり現実的ではありません。

また、手持ちの土鍋で何合まで炊けるかを確認するには、洗米した米と水を入れた際に、土鍋の容量の6~7割以下であれば問題なく炊けます。これ以上の容量になると、吹きこぼれてしまい上手く炊けないので、目安として参考にしてください。

米の研ぎ方

米を正しく研いでいる方は意外と少ないものです。せっかく土鍋を使うのですから、この機会に正しい研ぎ方も知っておきましょう。

1.計量した米をボウルに入れ、米がすべて浸るくらい水を入れる

米が一気に水を吸収するため、できれば浄水器の水を使った方がよりいっそう健康的に美味しく炊けますよ。

2.10秒ほどで2~3回かき混ぜたら、水を一気に捨てる

時間をかけてしまうと糠のにおいも吸収してしまうため、素早く水を捨ててください。スピード勝負です!

3.水を捨てたら、やさしくシャカシャカとかき回して研ぐ

一定の方向で15~20回ほど、軽く手を握った形にして米の摩擦を利用して研ぐイメージです。米をゴシゴシ研がず、あくまでやさしく研ぎましょう。

4.水を入れて白く濁った研ぎ汁を捨てる

このとき軽くかき混ぜて、底に溜まった研ぎ汁も捨てることを忘れないようにしましょう。

5.3と4を繰り返し行う

昔と違い現在は精米技術が向上しているので、必要以上に何度も水を交換する必要はないので、ある程度繰り返せば大丈夫です。

6.米に水を浸水させる

夏場の場合は30分、冬場の場合は1時間ほど浸けるようにしましょう。

急いでいる場合は、ふっくら感は劣りますが浸水せずに炊きあげてもOKです。土鍋で浸水させると、土鍋自体の強度が下がってしまうため、浸水は別の容器で行いましょう。

7.浸水させた水を捨てる

土鍋に米を移して、必要分の水(浄水器)を入れて完了です。

最初のすすぎと浸水、そして炊くときに浄水器の水を使えば、さらに美味しく炊きあがり、健康への安心感も違います。体に入っていくものですので、可能であれば浄水器の設置もあわせて検討されてみてはいかがでしょうか?

研いだ米で土鍋ご飯を炊く手順

土鍋ご飯を正しく研いだ後は、いよいよ”炊く”行程へと移ります。せっかくの準備を無駄にしないためにも、土鍋でご飯を炊く際の正しい手順を見ておきましょう。

1.浸水させたお米を土鍋に入れる

丁寧に洗ったお米を土鍋に入れ、必要分の水に浸けた後は、そのまましばらく放置することがポイントです。夏場は約30分、冬場は約1時間程度、お米を浸水させたまま放置しましょう。浸水させることにより、お米が均一に水を吸い、炊き上がりがふっくらします。

2.土鍋を火にかけ、中火で沸騰させる

浸水が終わったら、お米と水を入れた土鍋にフタをして火にかけ、中火を保ったまま沸騰させましょう。IHコンロの場合、600W~800Wが中火の目安です。土鍋は急激な温度変化に弱く、破損するリスクがあるため、最初から強火にかけることはおすすめしません。

火にかけてから約8分~10分で沸騰し、フタの隙間から蒸気や小さな泡が出ます。また、シューという音も沸騰したことを伝えるサインです。この間はフタを開けず、じっくりと加熱しましょう。

3.沸騰したら吹きこぼれる前に弱火にする

沸騰したことを確認したら、すぐに弱火に下げます。IHなら200~300Wの火力です。弱火に変えた後は、11分~13分ほど炊き続けて、お米が水を吸って表面が少し乾いている状態を目指します。

拭きこぼれそうになった場合は、フタを少しずらして蒸気を逃がしたり、火をさらに弱めたりして調整しましょう。使用する土鍋によっては、拭きこぼれ防止の溝があるため、トラブルを安心してご飯を炊けます。

4.火を止めて10分間放置して蒸らす

炊き上がったら火を止めて、フタをしたまま約10分間放置して蒸らしましょう。蒸らし時間は、お米に残った水分を均等に吸収させ、ふっくらとした食感に仕上げるための重要な時間です。フタを完全に開ける前にしゃもじでご飯をほぐすと、余計な蒸気が抜け、ベタつきが抑えられます。

土鍋でご飯をさらに美味しく炊くコツ

土鍋でご飯を美味しく炊くためのコツが5つあります。それぞれのポイントを確認し、完璧な状態の炊き上がりを目指しましょう。

水の分量

当たり前ですが、水の分量を間違えば美味しいご飯は炊けません。大切なのはきちんと水を計量することで、我が家の水の分量は以下の通りです。

・米2合450cc
・米3合650cc
・米5合950cc

・米1合の重さ=150g

・米1合の容量=180cc

基本的な考え方として、炊飯時の水の量はお米の容量の1.1倍から1.2倍程度が目安です。

浸水時間に応じて水の量を変えるべきという意見もありますが、そこまで難しく考える必要はありません。私自身も急いでいる際には、水の分量をそのままにして浸水せずにすぐに炊くことがあります。

もちろん、浸水させた方が美味しく炊けるのは事実ですが、浸水しなくても特別問題なく炊き上げることが可能です。

火加減と時間

土鍋でご飯を炊く最大のポイントは火加減の調整です。ただし、慣れてしまえば特に問題はなく、タイマーがあれば失敗することもほとんどありません。ここではまず、ガスコンロを用いた炊き方を解説します。

土鍋を中火にかけ、およそ8分から10分かけて沸騰させます。沸騰したら、吹きこぼれる前に弱火にし、そのままタイマーで11分から13分間、火にかけ続けます。火を止めた後、蒸らしのために10分間そのまま放置して完了となります。

私が特に試行錯誤したのは、弱火にしてから何分火にかければ最も美味しく炊き上げられるかという点でした。その結果、3合なら15分、5合なら12分(米の量が多い方が時間は短い)という結論に至りましたが、これは各家庭の火力や土鍋の種類で変わるため、あくまで参考としてください。

大切なのは、「8分~10分で沸騰させる」「12分~15分弱火で炊く」「10分蒸らす」という3つのステップです。また、中火で沸騰させる際に吹きこぼれてしまったら、素早くフタを外してから弱火にし、再度フタをすれば問題ありません。

あせらずじっくりと蒸らす

蒸らしている時間は、炊き上がったお米に残った水分を均一に吸収させ、ふっくらとした食感を引き出す重要な行程です。あせってフタを開けると、熱と蒸気を逃がしてしまい、お米が硬くなったりベタついたりするため注意しましょう。

具体的には、フタをしたまま10分程度放置して、その間は絶対にフタを開けないことがポイントです。フタを開けると温度が急激に下がり、米粒の芯に水分が残るため、食感が損なわれます。蒸らした後は、しゃもじで底からやさしくほぐすと、余分な蒸気が抜けてベタつきにくくなります。

また、土鍋の蓄熱性を活かすために、コンロの上に置いたまま蒸らすと保温効果がさらに高まります。IHの場合は、コンロから得られる余熱が少ないため、厚手のタオルや保温カバーで土鍋を包むと効果的です。

完成まで蒸気を逃がさないようにする

炊飯中の蒸気は、お米を均一に加熱して、ふっくらと炊き上げるための熱源です。蒸気が漏れると温度が不安定になり、炊きムラや芯の残りが発生しやすくなります。

蒸気を閉じ込めるためのポイントは、土鍋のフタがしっかり閉まるか確認することです。隙間がある場合は、石や耐熱皿などの重しを乗せて、上記の漏れを最小限に防ぎましょう。萬古焼や伊賀焼の土鍋は蓄熱性が高く、初心者でも扱いやすいです。

おこげの作り方

おこげは土鍋ご飯の醍醐味とも言える存在です。香ばしさとカリっとした食感が魅力で、適度なおこげはご飯に深みのある風味を加えます。一般的な炊飯器ではおこげを作れないため、土鍋ご飯を炊くときは、美味しいおこげを作ることも目指しましょう。

おこげを作るコツは4つあります。

・火を止める直前に30秒~1分だけ強火にする
・水加減をやや少なめにする
・炊飯中に「チリチリ」と音がしてから強火で仕上げる
・土鍋の厚みに応じて強火の時間を調整する

火を止める直前に、鍋底全体に火があたる程度の強火(IHの場合は1000W以上)に調整しましょう。土鍋が薄い場合は焦げつきやすいため30秒程度、伊賀焼のように蓄熱性が高い土鍋の場合は1分程度強火にかけることがコツです。

おこげを作りやすくしたい場合は、通常の水分量より5~10mlほど水を少なめにすると良いでしょう。また、炊飯中に「チリチリ」と音がして香ばしい匂いがしたらおこげができているサインです。この音を確認してから強火にして仕上げると、失敗しにくくなります。

土鍋ご飯はIHクッキングヒーターでも作れる?!

賃貸物件では、IHクッキングヒーター(IHコンロ)が導入されている物件も多く見られます。自宅がIHだからといって、土鍋ご飯を諦める必要は一切ありません。

IHクッキングヒーターでも、美味しく土鍋ご飯を作ることが可能です。ただし、IHクッキングヒーターにはガスコンロとは異なる独特の注意点があるため、その点も含めて詳しくご説明します。

IHクッキングヒーター(IHコンロ)は火加減を数字で管理するため失敗しにくい

まず、IHクッキングヒーター(IHコンロ)はガスコンロとは異なり、火加減を数字で管理できるというメリットがあります。そのため、加熱工程において、沸騰までを「8」、沸騰後を「3」といった具体的な数字で火加減を正確にコントロールすることが可能です。

また、タイマー機能が付いたIHであれば、設定時間と同時に加熱が停止するため、火を消し忘れる失敗のリスクも軽減されます。この点は、ガスコンロにはない大きな利点と言えるでしょう。

吹きこぼれしても掃除が楽チン

土鍋でご飯を炊くと、調理中にうっかり吹きこぼれが発生してしまうことがあります。ガスコンロの場合、その後の掃除は非常に手間がかかりますが、IHクッキングヒーター(IHコンロ)では天板をサッと拭くだけで簡単にきれいになります。

この後片付けの容易さも、IHクッキングヒーターを使う上での大きなメリットの一つと言えますね。

【注意】IHクッキングヒーター(IHコンロ)の出力(火力)によって加熱時間が変わってくる

ガスコンロと比較して、IHクッキングヒーター(IHコンロ)は機種ごとの出力(火力)の差が大きくなっています。そのため、一律に正確な加熱時間と火加減を提示することはできません。自宅のIHクッキングヒーターの出力が何kWかによって、炊きあがりまでの加熱時間が変わってしまうのです。

私の肌感覚として、IHクッキングヒーターはガスコンロよりも、炊きあがりまでの加熱時間が長くなる傾向にあると感じています。したがって、ご自宅がIHクッキングヒーターの場合は、何度か試行錯誤しながら炊く必要がある点に注意が必要です。

ただし、「中火で沸騰させる」「弱火でコトコト炊く」「火を止めて蒸らす」という基本原則は同じです。一度炊き方さえ把握してしまえば、火力と時間を数字で管理できる分、ガスコンロよりも失敗のリスクは小さくなります。

IHクッキングヒーターでの土鍋ご飯は十分に可能です。メリットもあれば注意点もありますが、美味しいご飯を炊くためにも、ぜひこの機会にチャレンジしてみましょう。

土鍋でご飯を炊く際の注意点

土鍋でご飯を炊く際には、事前に知っておくべきいくつかの注意点があります。あとで「こんなはずではなかった!」と後悔しないためにも、土鍋ご飯に関する重要な留意事項をいくつかご紹介します。

冷めたら電子レンジなどで温め直す必要がある

炊飯器と違い、土鍋には保温機能がありません。そのため、ご飯が冷めたら温め直す作業が必要になります。

保温機能がないおかげで、ご飯は翌日も黄ばみやにおいがなく美味しく食べられるのですが、この温め直しの手間を注意点と感じる方もいるでしょう。

私自身は土鍋本体ごと電子レンジで温め直すことが多いのですが、冷蔵庫から出した土鍋は非常に冷たく、量が多いとそれなりの時間(3分から5分程度)を要するため、この点には注意が必要です。

炊きあがるまでそばで見ておく必要がある

当然ではありますが、土鍋には炊飯器にあるタイマー機能などがありません。そのため、予約機能を使って外出中にご飯を炊くことはできず、ご飯を炊く際は常にコンロの近くにいなければなりません。

さらに、ガスコンロであれIHクッキングヒーター(IHコンロ)であれ、コンロを一つ占有することになるため、コンロが一口のみの場合は、その間は他の料理を作れないという点も注意が必要です。

土鍋でご飯を炊くことを考慮するなら、コンロが二口以上ある賃貸物件を選ぶと、効率よく料理が作れるようになるでしょう。

慣れるまで焦がしてしまう可能性がある

どんなことにも「失敗」はつきものです。プロの料理人である私自身も、土鍋を使い始めた最初の頃は何度も失敗を繰り返しました。

数ある失敗の中でもっとも多いのは、やはりご飯を焦がすことです。炊き込みご飯のお焦げは歓迎しますが、白米のお焦げはただ苦いだけで、嬉しくありませんでした。どこまで加熱すべきかの加減が当初はわからず、気がつけば「焦げたにおい」が台所に充満することもしばしばありました。

こればかりは何度か失敗を経験してコツを掴むしかありません。一度や二度焦がしても、決して諦めずにチャレンジしましょう!プロの私でも最初は焦がしていたのですから、失敗しても大丈夫です。

失敗を減らすために重要なのは、ご飯の見た目ではなく、タイマーを使って時間で管理することです。基本的に米と水の分量を正しく量り、決まった手順の火力で加熱すれば、あとは時間さえ守ることで焦げ付いてしまう事態自体が激減します。

土鍋は慎重に洗って丁寧に扱う

土鍋は陶器製のため繊細であり、取り扱いには注意が必要です。適切な洗い方と丁寧な扱いを心掛けることにより、ひび割れや破損を防ぎ、長く愛用できます。

土鍋の洗い方ですが、まず炊飯直後にいきなり水をかけることは避けてください。高温の土鍋に冷水をかけると、温度差によるひび割れが起こりやすくなります。常温になるまで30分~1時間程度待ち、冷えてから洗うことが最初のポイントです。

土鍋を洗うときのコツは、やわらかいスポンジと中性洗剤を使い、ぬるま湯でやさしく洗うことです。金属たわしや硬いスポンジを使うと、土鍋の内側が傷つく恐れがあります。

おこげなどの焦げつきが残っている場合は、土鍋に水を張り、30分程度浸け置きしてからスポンジで軽くこすりましょう。頑固な焦げが残った場合は、水1Lに対して大さじ1の重曹を入れて沸騰させると、汚れが落ちやすくなります。

洗った後のケアも重要です。水気をしっかりと切り、風通しの良い場所で乾燥させて、カビや悪臭の原因を絶ちましょう。直射日光や暖房器具の近くで保管すると、急激な温度差が生じやすく、ひび割れの原因となります。必ず温度変化が起こりにくい暗所で保管してください。

また、新品の土鍋や久しぶりに使う土鍋には”目止め”をしましょう。目止めとは、細かいひび割れや汚れ、臭いの発生を防ぐための対策です。お米のとぎ汁や片栗粉を溶かした水を土鍋に入れて、弱火で10分程度煮沸し、冷ました後に一度洗うと目止めができます。

料理人の私が土鍋でご飯を炊く理由

料理に携わる仕事をしている立場から美味しさだけではない、土鍋の良さをご紹介します。

お米のふっくら感やツヤ感が良いから

土鍋で炊いたご飯が、炊飯器で炊いたご飯より美味しい理由は「熱伝導率の低さ」です。金属製の炊飯器の内釜に対し、土鍋の熱伝導率は約100分の1から約300分の1といわれています。つまり、火にかけたときの温度上昇がゆるやかなのです。

ふっくらとしてツヤがあるご飯を炊くコツの1つに「ゆっくりと加熱する」ことが挙げられます。土鍋は金属製の炊飯器の内釜よりも温度上昇がゆっくりになるため、ご飯を美味しく炊くことができます。

お米の仕上がりを自分好みに調整しやすいから

土鍋は、火加減を調整しながら炊きあげることができます。火力を強くして焦げをつけてみたり、火力を弱めて少しやわらかい食感になるように炊いてみたりと自由度の高い炊き方ができます。お米の仕上がりを、自分好みで調整しやすい点がメリットです。

食後の洗い物が楽チンだから

土鍋はイメージと違って、簡単に洗えます。

炊飯器の場合は、フッ素樹脂加工の釜にはじまり、内蓋やゴムパーツなど、傷をつけないようにスポンジで丁寧に洗わなくてはいけません。一方で土鍋の場合、「土鍋とフタ」の2つをゴシゴシ洗うだけで洗い物が簡単に完了します。基本的に表面は頑丈な作りなので、スポンジだけでなく、やわらかいたわしを使用することも可能です。

土鍋を洗う際は、水やお湯を貯めてこびりついたご飯をふやかしてから洗いましょう。そのとき一緒に食器も浸け込んでいれば、食器の汚れも落とすことができます。食洗機が自宅にあるご家庭なら、そのまま食器を食洗機にかけるだけで洗い物が完了するので、時短と節水が可能になります。

食洗機との組み合わせで、面倒な洗い物が簡単に片付くメリットもあるので、気になる方は食洗器が備え付けられている物件を見てみるのも良いでしょう。

炊飯器より早く炊けるから

意外と知られていないメリットとして、実は炊飯器よりも土鍋の方が早く炊きあがることが挙げられます。

一般的な炊飯器は50分〜60分ほどで炊きあがるものが多いのに対し、土鍋は蒸らし時間を合わせても30分ほどで炊きあがります。忙しい人にとっては、大きなメリットです。

炊飯器の「早炊きモード」を使うと土鍋と同じ30分ほどで炊きあがりますが、通常モードで炊いたときよりも味や食感が落ちてしまう場合が多いです。味と時短の両方の点からみると、土鍋がおすすめといえるでしょう。

翌日も美味しく食べられるから

炊飯器で炊いたご飯は、翌日に黄ばんでいたり、いやなにおいを感じる場合もあります。黄ばみは「メイラード反応」といって、ご飯に含まれる糖質やアミノ酸などが化学反応を起こして変色するもので、高い温度で長時間保温することにより起こります。また、においに関しても、長時間保温することによる雑菌の繁殖から起こるといわれているのです。

炊飯器での長時間保温によってもたらされる注意点ですが、土鍋には保温機能がないため、長時間経過しても黄ばみやにおいはまったくありません。また、フタをして保管することで保湿もされるため、翌日も電子レンジで温め直すだけで、長時間保温した炊飯器より美味しいご飯を食べられます。

炊いたお米の保管が楽チンだから

土鍋の大きなメリットとして「土鍋ごと食卓に置ける」「土鍋ごと冷蔵庫に保管できる」という2つが挙げられます。

土鍋は動かしやすいので、食卓でおかわりすることが可能です。食べ盛りのお子さまがいる家庭の場合、おかわりのたびに席を立たなくてもよくなるのでちょっとしたメリットになるかもしれません。

食べ終わったら土鍋をそのまま冷蔵庫に入れて保管することもできます。食べるときは土鍋ごとレンジで温めればいいので、楽チンに保管することができます。。

作業スペースが広くなるから

賃貸物件ではキッチンが狭いものもあり、作業効率を上げてなるべく時短で料理を作るために、少しでもキッチンを広く使いたいものです。

土鍋を使えば、炊飯器を置いていたスペースが空くので、作業スペースが広くなります。空いたスペースに盛り付け用の食器を並べてもいいですし、調理する食材を置いてもいいでしょう。キッチンを広く使えると、料理がはかどるのでとてもおすすめです。

さらに、キッチンから炊飯器を撤去することで生活感がなくなり、キッチン周りが一気にオシャレな空間に生まれ変わります。実は、私が土鍋を使いはじめた理由がこれなのです。我が家はフルオープンキッチンのため、リビング・ダイニングでくつろいでいると、キッチンにある大きな炊飯器の存在感が強かったので、思い切って土鍋でご飯を炊くことにしました。

土鍋を使いはじめると、驚くほどご飯が美味しく炊けたので、それから3年経った今も、ずっと土鍋でご飯を炊き続けています。

皆さんもぜひ「土鍋でご飯」を食生活にとり入れてみて!

土鍋でご飯を炊き始めて3年が経過しました。その魅力に完全に取り憑かれた私は、もう二度と炊飯器でご飯を炊くことはありません。

炊きたてが美味しいのはもちろんのこと、翌日も美味しく食べられるうえに手入れも非常に簡単なため、炊飯器に戻す理由がないのです。さらに、キッチンのスペースが広がり生活感が消え、お洒落な空間に生まれ変わりました。

多くの方に知っていただきたい「土鍋でご飯を炊く」ことの素晴らしさ。実際に使ってみると面倒くささなど一切なく、それどころかQOLが一気に向上します。ぜひ、あなたも土鍋ご飯にチャレンジしてみましょう!