賃貸物件でベランダ菜園を始めたい人向け、トラブル防止!確認すべきルールやマナーとは

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2019年に発生した新型コロナウイルスの影響により、お家で過ごす時間が増えたという方は多いのではないでしょうか。そんなお家時間を活用して「ベランダ菜園」を始めようと考えている方が増えてきています。

しかし、「そもそも賃貸のベランダで野菜を育ててもいいの?」「賃貸の狭いベランダでも野菜を育てることができるの?」と悩まれている方も多いはずです。実際、賃貸物件でベランダ菜園をする際は、守るべきルール(規約)やマナーが存在します。

今回は、実際にベランダ菜園歴5年目の私が、賃貸のベランダ菜園での注意点や楽しみ方についてご紹介します。

ベランダ菜園はトラブルにならないように配慮することが大事

まずベランダ菜園をやるうえで最も気をつけたいことが、大家さんや近隣の方とのトラブルです。ベランダ菜園は誰でも手軽に簡単に始められるため、「トラブルになるようなことってあるの?」と疑問を抱かれる方もいるのではないでしょうか。

そもそも室内の延長上にあるベランダは、住んでいる人の専用スペースと勘違いされやすいですが、実は”共有部分”になっています。つまり、廊下や階段などの共有部分と同じように取り扱う必要があり、個人の所有物を置くことが禁止されていることもあります。

ベランダがなぜ共有部分なのかと疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。その理由は、ベランダは緊急時には避難経路ともなるためです。物件によっては、避難用のはしごが収納されていることもあるでしょう。そのため、ベランダ菜園を始めようと思われている方は、事前にマンションの規約を確認しておくことが大切です。

規約上禁止されている場合、ベランダ菜園をするのはまず諦めましょう。後述する「規約でベランダ菜園ができない人必見!菜園を楽しむ方法」で、菜園を楽しむ別の方法を紹介していますので、そちらをご覧ください。

ベランダ菜園開始前に対応すべき、トラブル対策

ベランダ菜園をお考えの方は、トラブルを避けるためにも必ず以下の4つのことを抑えてから始めるようにしましょう。

・マンションの規約を確認しておく

・こまめに掃除をする

・大家さんにあらかじめ許可を取る

・近隣の人にもあらかじめ伝えおく

これらは非常に大切なことであるため、ベランダ菜園を始める前に必ず頭に入れておいてください。

重要:マンションの規約を確認しておく

マンションによっては、規約でベランダでの菜園を禁止しているところもあります。NPO法人全国マンション管理組合連合会の中高層共同住宅細則モデルでは、バルコニー(ベランダ)に関して、以下のように決められています。

(バルコニー及び屋上テラスでの禁止行為)

 第11条 バルコニー等の専用使用権者は、バルコニー及び屋上テラスにおいて、 次の各号に掲げる行為をしてはならない。 

一 煉瓦、モルタル、コンクリート及び多量の土砂による花壇等(芝生を含 む。)の設置又は造成 

二 家屋、倉庫、物置、サンルーム、ビニールハウス、縁側、遊戯施設その他の 工作物の設置又は築造 

三 アマチュア無線アンテナ、音響機器及び照明機器等の設置 

四 緊急避難の妨げとなる物品の設置又は放置 

五 手すりを毀損し、又は落下のおそれのある物品の設置若しくは取付け 

六 多量の撒水 

七 その他バルコニー及び屋上テラスの通常の用法以外の使用

全ての物件がベランダでの菜園を禁止しているわけではありませんが、共有スペースであるベランダについての規約をきちんと確認しておく必要があります。

※参考 NPO法人全国マンション管理組合連合会「中高層共同住宅細則モデル」

トラブル防止!大家さんにあらかじめ許可を取る

マンションの規約に記載がない場合でも、事前に大家さんや管理会社に許可を取っておくとよいでしょう。

何らかの問題が発生してしまったときに、許可があるとないとでは印象や対応が変わってきます。トラブルを大きくしないためにも、事前に確認し許可をもらっておくことが大事です。

近隣の人にもあらかじめ伝えておく

近隣の人にもあらかじめ伝えておくことで、トラブルを防いだりトラブルに発展しにくくなるでしょう。近隣の人にベランダ菜園をやっていることを知っておいてもらうことで、小さなことでも何かあった際には気軽に声をかけてくれるかもしれません。

ご近所トラブルに発展させないためにもあらかじめ近隣の人に伝えておくことも大切になるでしょう。

菜園開始後:こまめに掃除をする

ベランダ菜園では、枯れ葉や土などをこまめに掃除するようにしましょう。家庭菜園をしていると、プランターの周囲が枯れ葉や土で汚れてしまうことがあります。

そのまま放置してしまうと、排水溝につまってしまい、雨の日の排水が上手くいかずに隣や下の階の方に迷惑をかけてしまう可能性が高くなります。近隣トラブルの原因となってしまいますので、掃除はこまめにおこなうようにしてください。

規約でベランダ菜園ができない人必見!菜園を楽しむ方法

マンションの規約などでベランダ菜園ができない、と悩まれている方におすすめしたいのが、以下の方法で菜園を楽しむことです。

・日当たりの良いサンルームで室内菜園をおこなう

・出窓を活用して室内菜園をおこなう

・専用庭付きの賃貸物件で菜園をおこなう

・室内でもすくすく育つハーブやミニ野菜に挑戦してみる

家庭菜園=外でやるものではありません。ベランダ菜園ができないからといって諦める必要はありません。家庭菜園にはたくさんの楽しみ方があります。ここではさまざまな楽しみ方について具体的に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

日当たりの良いサンルームで室内菜園をおこなう

太陽の光がよく当たるサンルームは、植物を育てるのに最適な環境にあります。ただし、夏のサンルームはかなり温度が上昇するため、暑さに弱い植物は注意が必要です。逆に冬は暖かい環境を維持できるため、寒さに弱い植物を育てるのに最適な環境を保てるでしょう。

出窓を活用して室内菜園をおこなう

出窓とは、外から見た時に壁から飛び出るような造りになっている窓のことを指します。家の中から見たときには、壁より奥に窓があるのでその手前側にスペースができています。そのスペースを利用して室内で菜園をおこなうのもおすすめです。

窓際であるため、方角によっては十分な日光を確保でき、最適な環境を確保できるでしょう。

専用庭付の賃貸物件で菜園をおこなう

ガーデニング用の専用の庭がついている物件であれば、気にすることなく家庭菜園を楽しめます。ある程度の広さも確保できるため、たくさんの野菜を育てたいと思っている方におすすめの方法です。

ただし、庭付きの物件であっても家庭菜園を禁止しているところもありますので、物件を探す際には事前に確認しておくとよいでしょう。

室内でもすくすく育つハーブやミニ野菜に挑戦してみる

ベランダなど、外でないと家庭菜園ができないと思われている方も多いのではないでしょうか。最近は、室内で野菜を育てる「室内菜園」を始める人が増えてきています。

室内菜園でおすすめなのが、「葉野菜」と「ハーブ」です。室内菜園は手軽に野菜を育てられるだけでなく、観葉植物のような役割も果たしてくれ、部屋のインテリアの一部としても楽しめます。

賃貸物件でベランダ菜園を楽しむなら、規約やマナーを守りましょう

好きな野菜を自分の手で育て、収穫までできる家庭菜園は、老若男女問わずさまざまな世代に人気があります。特に小さなお子さんがいる家庭では、食育のために子どもと一緒にベランダ菜園をしたいと考えている保護者も多いのではないでしょうか。自分で手をかけた野菜が日々育っていく姿をみるのは貴重な経験にもなります。

家庭菜園を始めたいけど、「賃貸物件でのベランダ菜園って大丈夫なの?」と悩まれている方も多いはずです。実際、ベランダ菜園は手軽にできるのがメリットの1つですが、トラブルに発展してしまうことも少なくありません。

マンションの規約を守るのはもちろんのこと、隣人や同じ物件に住んでいる人への配慮も忘れないようにしたいですね。皆さんも規約やマナーをしっかり意識した上で、お家時間の楽しみの1つにベランダ菜園を取り入れてみませんか。