初心者でも簡単!刺繍作家が教える「挫折しない」刺繍のやり方と上達のコツ

目次

刺繍は初心者でも手軽にはじめられ、道具や材料費を比較的かけずに楽しめるハンドメイドのひとつです。子どもの通園・通学グッズ、布バッグや小物、洋服などにワンポイントとして刺繍をするだけで、素敵なオリジナル作品を作れます。

今回は、子どもの頃から刺繍を楽しみ、刺繍作家として活動していた筆者が、初心者でも簡単にできる刺繍のステッチや上達するコツをご紹介します。

刺繍を始めよう!趣味にしたくなる5つの理由

「何か新しい趣味をはじめたいけれど、準備が大変なのはちょっと…」そんな方におすすめしたいのが「刺繍」です。刺繍は、針と糸、布さえあれば、いつでもどこでも場所を選ばずにはじめられるのが最大の魅力。世界各地で古くから受け継がれてきた、ぬくもりのある手仕事です。

子どもの通園・習い事バッグに可愛いワンポイント入れたり、シンプルな既製服を世界に一つだけのオリジナルアイテムへと生まれ変わらせたりと、楽しみ方は無限大に広がります。

刺繍を趣味にするおすすめポイントは、次の5つです。

糸・針・布さえあれば、どこでも楽しめる

刺繍は糸と針、布(必要に応じて刺繍枠)さえあれば、いつでもどこでも楽しめます。道具や材料が比較的コンパクトなので、広い作業スペースが不要です。道具一式をポーチにまとめれば、カフェでコーヒーを飲みながらゆっくり刺繍時間を過ごせます。

気分をリフレッシュできる

日々の仕事や家事で忙しく、頭の中がパンパンになっていませんか?1針1針、無心にチクチクと刺していく時間は、余計な思考を遮断し、集中力を高めてくれます。暮らしの中に刺繍時間を作れば、いつの間にか気持ちが落ち着いて心が整い、充実したひとときを過ごせるでしょう。

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費用をそれほどかけなくても楽しめる

新しいことをはじめるときは、費用面が気になるところ。

刺繍は、最初から道具を一式揃える必要はありません。基本的な針と糸、布を用意するだけでOK!刺繍枠は、ステッチや図案によって必要になります。最近は、100円ショップでも材料が手に入ることがあり、気軽にスタートできます。

まずは手近にある材料ではじめてみて、「もっと大きな作品を作りたい」「複雑な図案に挑戦したい」と思ったタイミングで、少しずつ道具を増やしていくのも、刺繍の楽しみです。

自分だけのオリジナル作品が作れる

「布を裁断して作品を作るのはハードルが高い…」という方でも、刺繍なら大丈夫。刺繍の素晴らしいところは、既製品に少し手を加えるだけで、価値を何倍にも高められる点です。

市販のハンカチやTシャツ、布バッグなどに刺繍で一手間加えて、世界に一つだけの特別なプレゼントを作ることもできます。自分で図案を考えるようになれば、オリジナリティはさらに高まり、刺繍の楽しみがより広がるでしょう。

インスタグラムなどのSNSで自分の作品として発信できる

一人でコツコツ楽しむだけでなく、完成した作品や刺繍をしている様子を、SNSで発信するのも楽しみ方のひとつです。

一生懸命に作った作品に、「いいね」や温かいコメントが届けば、自身やモチベーションにつながります。他の人の作品を見て、「次はこんなステッチに挑戦してみよう!」と新しいインスピレーションをもらうことで、暮らしはより豊かに彩られていくはずです。

刺繍をはじめるときに必要なものと便利道具

刺繍の世界は奥深く、専用の道具は数多くあります。刺繍の種類によって使う針や糸が変わりますが、ここでは初心者におすすめのフランス刺繍をベースに、基本アイテムから作業を楽にしてくれる便利グッズまでをご紹介します。

刺繍針

刺繍針の種類はいくつかありますが、初心者が刺しやすいのはフランス刺繍針です。3〜7号針をよく使うので、初心者の方はセットになっているタイプが便利でしょう。針の号数は、使用する糸の本数によって使い分けます。

刺繍糸

最もポピュラーなのが、25番糸です。6本の細い糸が1束にまとまっており、そこから必要な本数を引き抜いて使います。ラメ糸は扱いが少し難しいので、慣れるまでは避けるのが無難です。

糸切りバサミ

刺繍糸を切るときに使用します。普通のハサミでも代用できますが、先端が細いタイプを選ぶと、切りたい糸だけピンポイントで狙えるため、作業がスムーズです。

刺繍枠

枠はなくても刺繍できますが、面のステッチを刺すときや生地が薄いときなどは、枠があると生地がピンと張って作業しやすく、仕上がりが美しくなります。小さめの直径8cmや10cmの枠は、最初の1個に最適です。

トレーサー

図案を写すための道具です。インクの出なくなったボールペンで代用できます。

まち針

図案を布に写す際、まち針で図案と生地を固定します。

薄手のコットンは針を刺しやすいので、初心者におすすめ。リネンも人気ですが、目が細かいものを選ぶのがポイントです。

裁ちバサミ

布を必要な大きさに切るときに使用します。

布用複写紙(片面)

図案を生地に写す際に使用します。

水性チャコペンやフリクションペン

生地に写した図案が薄いときに書き足したり、直接生地に図案を描く際に使用したりします。水で消えるタイプが便利です。フリクションペンはアイロンの熱で線を消せますが、生地の色が薄い場合はうっすら線が残ることがあります。

トレーシングペーパー

図案を写すために使用します。

透明セロファン

トレーシングペーパーの上に重ねて使います。DMの封筒やラッピングに使われているもので十分です。

刺繍初心者がつまずきやすいポイントと無理なく続けるコツ

刺繍は手軽にはじめられる一方で、「きれいに刺せない」「布がよれてしまう」といった壁にぶつかり、意外と奥が深いことに気づかされます。最初の一歩で「自分には向いていないかも」とあきらめてしまう方も少なくありません。

ここでは、初心者の方がつまずきやすいポイントと、無理なく楽しく刺繍を続けるためのコツをご紹介します。

最初から完璧な仕上がりを求めない

刺繍ははじめたばかりのときは、糸を引く力が強すぎて布が引きつったり、隙間が空いてしまったりと、想定していた仕上がりとは違う結果になることがほとんどです。
私自身も、最初からきれいに刺せたわけではなく、数えきれないほどの失敗を繰り返してきました。

完成度にこだわりすぎると、うまくできないというストレスが楽しさを上回ってしまいます。最初は、多少いびつでも「最後まで刺しきる」「ひとつの作品を完成させる」ことを目標にしてみましょう。たとえ目が揃っていなくても、完成させたときの達成感や喜びが、「次はこうしよう」という上達への意欲につながります。

「同じ図案を3回刺すと、コツをつかんできれいに仕上がる」と言われています。慣れている人でも新しい図案を刺すときは試行錯誤するものなので、焦らずゆっくり進めていきましょう。

小さくシンプルな図案からはじめる

初心者の方が挫折しやすい大きな原因のひとつが、最初から難しいステッチや、広い面積を埋める大きな図案に挑戦してしまうことです。大きな作品は完成までに時間がかかるため、途中であきてしまうことがあります。

まずは、基本のステッチだけで構成された、小さな図案を選びましょう。ワンポイント程度のサイズであれば、数時間で仕上げることができ、「作品を作り上げた」という成功体験を早い段階で得られます。もし途中で失敗してやり直すことになっても、小さな図案であれば前向きに修正に取り組めるはずです。

気軽に構える

新しい趣味をはじめると、「練習しなくては」と気負ってしまいがちです。でも毎日続けようと無理をすると、仕事や家事で忙しい日には負担に感じられ、いつの間にか針を持つのがおっくうになってしまいます。

刺繍のよさは、まとまった時間を確保しなくても楽しめる点です。「今日は10分だけ刺そう」というくらいの軽い気持ちではじめてみてください。短い時間でも、手を動かしている間は、不思議と心が落ち着き、リフレッシュできるはずです。その心地よさを実感することが、自然と上達していく一番の近道になります。

初心者向け!手軽にはじめられる刺繍セット例

「道具を一つひとつ吟味して揃えるのはハードルが高い…」と感じる方には、必要なものが揃った「刺繍キット」からはじめましょう。布やチャコペンを用意しておけば、届いたその日からすぐに刺しはじめられる便利なセットをご紹介します。

MIYAICHI刺繍キット

「一度にたくさんの色を揃えて楽しみたい」という方にぴったりなのが、MIYAICHIの刺繍キットです。何といっても、110色という圧倒的なカラーバリエーションが最大の魅力。目の前に並ぶ色とりどりの糸を眺めているだけでも、新しい趣味への創作意欲が湧いてくるでしょう。

植物・鳥・猫をテーマとした3つの図案パターンを掲載。
キットには2種類のサイズの刺繍枠が用意されています。図案の大きさに合わせて使い分けられるのはもちろん、大きな枠は自分用、小さい枠はお子様用にすれば、親子で仲良く刺繍を楽しむこともできます。基本的なステッチの刺し方の一覧が付属しているので、知識ゼロの状態からでも、手軽にはじめられるでしょう。

ただし、こちらのキットには、練習用の布や図案を写すためのチャコペンが付いていません。そのため、事前に自分で好みの布やペンを用意しておく必要があります。付属の糸切りハサミは切れ味が悪い、針の強度が低いといった口コミもありますが、「まずは刺繍がどんなものが体験してみたい」という初心者の方にとっては、コストパフォーマンスに優れた内容です。

▼MIYAICHI刺繍キット
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RITALT刺繍キット

「刺繍をはじめてみたいけれど、道具を一つひとつ選ぶのは大変だし、予算も抑えたい」そんな方にぴったりなのが、RITALTの刺繍キットです。刺繍を楽しむために必要な基本ツールが一通り揃っているため、届いたその日からすぐにはじめられるのが魅力。これから新しい趣味の世界に飛び込む方のスターターキットとして、多くの支持を集めています。

このキットには、植物・猫・犬をモチーフにした8種類の図案が掲載されたハンドブックが付いています。12cmの刺繍枠にちょうど収まるサイズ感の図案で、何を刺そうかとワクワクさせてくれるはず。また、110色もの豊富糸はケースの中にきれいに並んでいるため、目的の色をサッと選べる使い勝手のよさもポイントです。リニューアルされたブナ材の刺繍枠は、エッジが丸く研磨されており、大切な生地を傷めない設計になっています。

ただし、リーズナブルなセットである分、付属の糸切りバサミやチャコペン、針のクオリティについては、注意が必要です。消えにくいチャコペンは作品の仕上がりを左右するため、練習布で書き心地や消え具合を確認してから、実際に使ってみましょう。また、付属の説明書には、刺繍の基礎となる刺しはじめや糸の始末については触れられていないようです。コストパフォーマンスよく、色数や道具を揃え、動画サイトなども参考にしながら、作品づくりをスタートしてみてはいかがでしょうか。

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刺繍をするための事前準備

刺繍を美しく仕上げるためには、刺しはじめる前の下準備(布に図案を写す作業)が大切です。ここでは、布に図案を写す手順から、糸の扱い方まで、初心者がスムーズに進めるためのステップを、実際の作業写真とともに紹介します。

図案を布に写す

刺繍をする前に、まずは図案を布に写します。次のように進めていきましょう。

1.好きな図案の上にトレーシングペーパーを重ね、鉛筆やペンで丁寧に書き写します。
2.布の上に図案を写したトレーシングペーパーを重ね、ずれないようにまち針で固定し、間に布用複写紙をはさみ込みます。
3.トレーシングペーパーの上に透明セロファンを重ね、トレーサー(またはインクの出なくなったボールペン)で絵をなぞると、布に図案が写ります。

セロファンがあることで、絵をなぞったときにトレーシングペーパーが破れるのを防げます。図案を写したら一度めくって確認し、写りが薄い部分は、チャコペンなどで描き足してください。

テーブルが傷づかないように、心配な場合には布の下に下敷きを敷くとよいでしょう。

刺繍枠に布を張る

図案を写せたら、布を刺繍枠にセットします。内側の枠の上に布を置き、上から外側の枠をはめ込んだらネジを締めましょう。布目が真っすぐになるように整えるのがポイントです。

ただし、やわらかい布や薄い布は、引っ張りすぎると生地が伸びてしまうため気をつけましょう。

刺繍糸を準備する

刺繍糸は、一般的に6本の糸が1束になっています。まずは使いやすい50〜60cmくらいに長さをカットしましょう。長すぎると、刺している間に糸が絡みやすくなります。

次に、1束の中から必要な本数(「2本どり」なら2本)を抜き取ります。このとき、まとめて抜こうとすると、糸が絡まる原因となるため注意しましょう。

【基本編】刺繍で押さえたいステッチの種類

刺繍には数えきれないほどたくさんのステッチがありますが、まずは基本の数種類をマスターしましょう。これだけ覚えれば、表現の幅が驚くほど広がります。

ランニングステッチ

並縫いのようなフラットなステッチです。右から左へと縫い進めます。シンプルな点線ですが、糸の太さを変えたり、あえて針目の間隔を不揃いにすることで、素朴であたたかみのある輪郭線を表現できます。針目の長さや間隔をきれいに揃えたいときは、連続して刺さずに1目ずつ刺し、その都度糸を引いて進めましょう。

バックステッチ

ミシンの縫い目のように、隙間なく線を描くステッチです。返し縫いの要領で、1目分戻ってから2目分先に針を出すことを繰り返し、右から左へと縫い進めます。縫い目が等間隔になるように気をつけながら縫い目のきわに刺すと、きれいなラインに仕上がります。

アウトラインステッチ

ロープのように立体感のあるステッチです。縁取りによく使われるほか、隙間なく並べて面を埋めることもできます。縫い目が半分重なるように左から右へと刺し進め、線の太さや重なり具合を変えることで仕上がりの表情を変えられます。カーブを刺すときは、針目を細かくするのが、なめらかな線を表現するコツです。

フレンチノットステッチ

小さな結び目を作るステッチです。植物や動物の目に使ったり、密集させて羊の毛のようなモコモコとした質感を表現したり、多彩な使い方ができます。糸を針に巻く回数や糸の本数によって、結び目の大きさを自由に変えられます。針に巻きつけた糸はしっかり引いて引き締め、針を垂直に立てて布に刺しましょう。

フライステッチ

アルファベットの「Y」のような形になるステッチです。小さな虫が飛んでいるように見えることからフライステッチと呼ばれています。Yの幅を変えたり、縦の線を短くしたり、連続させて植物を表現したりと、刺し方によって表情を変えられます。

レイジーデイジーステッチ

針先に糸をかけて、輪になった糸をストレートステッチ(一針出して入れる)で留める技法です。放射線状に刺していくだけで、あっという間にかわいらしい花びらが完成します。また、植物の葉を表現する際にも重宝するステッチです。糸を強く引きすぎないように、適度な余裕を持たせると、輪がつぶれすきれいに仕上がります。

サテンステッチ

面を隙間なく埋めていくステッチです。針目が平行に並び、糸が重なったり隙間があいたりしないように詰めて刺すと、サテン地のように艶やかな光沢が生まれます。糸が重なったりねじれたり、隙間があいたりすると目立ち、糸を引き過ぎると布がギュッと縮んでしまうので、刺繍枠に布をピンと張った状態で作業しましょう。

円や楕円を刺すときには、中心から刺しはじめて半分を刺し埋め、再び中心から残りの半分を刺すようにすると目が揃いやすく、仕上がりがきれいです。

【応用編】刺繍で押さえたいステッチの種類

基本をマスターしたら、少しアレンジを効かせた応用ステッチに挑戦してみましょう。表現の幅がぐんと広がります。

コーチングステッチ

土台となる糸(芯糸)の上から、別の糸で縫い止めていくステッチです。輪郭線や面を埋めるときに使います。2本の糸を使って刺していくので、色のコーディネートや、太さの違う糸の組み合わせを楽しめます。

フェザーステッチ

名前の通り、鳥の羽(フェザー)を広げたようなステッチです。フライステッチを左右に差し進める要領で、植物の葉や茎、サンゴなどを表現できます。針目の間隔や傾き具合を揃えるように意識すると、美しく仕上がります。

チェーンステッチ

鎖(チェーン)が連なるような雰囲気の、ループが連なるステッチです。輪郭線として使ったり面を埋めたりと、幅広く活用できます。レイジーデイジーステッチのように輪を作ってから、輪の先を止めずに連続で刺していきます。糸を強く引きすぎず、輪の大きさが揃うように刺していきましょう。

ロング&ショートステッチ

サテンステッチの応用編で、長いステッチと短いステッチを入り交ぜてランダムに刺していきます。

広い面積を埋める際や、植物や動物の毛並み、花びらのグラデーションの表現などに使われることが多く、糸足の長さや刺す方向、刺し重ね方によって雰囲気が変わります。ステッチの長さに決まりはありませんが、長くても1cm程度を目安にしましょう。糸の引っ掛かりを防げます。

初心者でも簡単にできる!刺繍の作品

刺繍の魅力は、ハンカチやお弁当袋、通園バッグ、洋服やエプロン、布バッグなど、好きなアイテムに入れられること。ステッチや色の組み合わせ次第で、表現の幅は無限大です。

まずは小さな図案から挑戦し、少しずつ大きな作品にステップアップしていきましょう。

ワンポイント刺繍のお弁当袋

シンプルなお弁当袋に、りんごをワンポイントで刺繍したものです。りんごの実の部分は、チェーンステッチで渦を描くように外側から中心に向かって埋めていきます。

毎日のランチの時間が楽しみになるよう、お子さんのお弁当袋にぜひ刺してみてくださいね。

シンプルなステッチを組み合わせたポーチ

ステッチを組み合わせた特別なポーチは、メイク道具入れにしています。大切な方へのプレゼントにも最適です。

刺繍ワッペン

ワッペンを作って、Tシャツにぺたりと接着。Tシャツや布バッグなどに付ければ、世界にひとつだけのオリジナルファッションを楽しめます。

刺繍作家の私が上達するために心がけたこと

刺繍はじっくり時間をかければ、自然に上達していきます。焦らずに楽しみながら、じっくり取り組むことが、上達への一番の近道です。失敗を恐れずに、さまざまなステッチを試してみましょう。

上達するためには、自分の手を動かすのと同時に、よい作品をたくさん見て学ぶことも大切です。私の場合、母が幼稚園の通園バッグに刺繍をしてくれたのがきっかけで刺繍に魅了され、多くの作品に触れるようになりました。さまざまな刺繍を観察していくうちに見る目が養われ、技術の向上にもつながります。

刺繍作家が考える、刺繍をするのに最適な環境

刺繍という細かな手作業に集中し、心地よい時間を楽しむための、理想的なお部屋の環境をご紹介します。

手元が明るいお部屋

刺繍は細かい作業の連続です。そのため、日当たりがよく自然光がたっぷり入る明るい部屋が適しています。暗い場所では、刺した目の具合や糸の色合いの微妙な違いがわかりにくく、目も疲れやすくなるので注意しましょう。

作業に集中できるスペース

刺繍専用のスペースを設けて道具や材料をセッティングしておくと、いつでもすぐに作業を開始できます。家事や在宅ワークのちょっとした合間に刺繍を楽しめて、作業後にデスクの上を片付ける必要もありません。

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リラックスして作業できるお部屋

集中して刺繍をしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。ふと顔を上げたときに、窓の外の景色を楽しんだり、庭やバルコニーに出て一休みしたりできる環境なら、作業効率が上がります。

完成した刺繍作品を飾れるお部屋

頑張ってつくった刺繍作品を飾れるスペースがあると、お部屋にあたたかみが生まれて、刺繍がもっと楽しくなります。

ただし、賃貸物件の場合は、画鋲などで壁に穴を開けると、退去の際に原状回復費を請求される場合があります。壁に作品を掛ける際は壁の穴が目立たないグッズを使い、出窓なども活用して作品を飾りましょう。

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刺繍のやり方に関するよくある質問

刺繍をはじめたばかりのときは、さまざまな疑問が出てきます。初心者の方からよく寄せられる質問にお答えします。

手元が不器用でも刺繍をはじめられますか?

A.刺繍は自分のペースで一針ずつゆっくり進められる手仕事です。最初は針目が不揃いでも、回数を重ねるごとに少しずつ上達していきます。まずは簡単なステッチを繰り返し練習するところからはじめてみましょう。

糸の本数どり(2本どり、3本どり)とは何ですか?

A.刺繍糸(25番糸)は、6本の細い糸が1束に合わさってできています。この束から、必要な本数だけを引き抜いて使うことを、本数どりといいます。2本どりは糸が2本、3本どりは糸を3本使うという意味です。

最初はどのような布を選べばよいですか?

A.最初は、織り目が詰まっていて、収縮性が少ない生地が適しています。綿素材はほどよいやわらかさがあるため針が刺しやすく、カラーも豊富にあるのでおすすめです。

布に描いた刺繍の下書きの消し方を教えてください

A.下書きの消し方は、使用したペンの種類によって異なります。便利なのは、水で消えるチャコペンです。刺繍が完成した後に水で濡らすと、簡単に消すことができます。消す前にアイロンをかけると消えなくなることがあるため注意しましょう。

刺繍の裏側が見える作品は難易度が高いですか?

A.刺繍は、裏側も美しく刺せているのが理想です。上達すると、裏側も自然にきれいに整います。とはいえ、これから刺繍をはじめる初心者の方にとって、裏側まで完璧にコントロールして刺すのは簡単ではありません。慣れないうちは、どうしても糸が絡まったり、糸が不格好に渡ってしまったりすることはよくあります。

そのため、最初のうちは、裏側が隠れるアイテムから挑戦してみましょう。ワッペンや刺繍パネル、ポーチなど、裏側がパッと見えないものなら、多少糸が不揃いでも気になりません。

新たな趣味として刺繍をはじめてみませんか?

刺繍は誰でも手軽にはじめられて、費用も比較的かからずにスタートできるのが魅力です。一針一針刺し進めるごとに、糸が形になっていく時間は、忙しい毎日に安らぎをもたらしてくれます。

刺繍のステッチの種類は豊富にあり、コツもまだまだたくさんありますが、今回お伝えした基本のステッチをマスターすれば十分素敵な作品を作れます。

この機会に、ぜひ刺繍を楽しんでみてくださいね。きっと新しい世界が広がります。