風呂なし物件でも快適に暮らせる?メリットや注意点、確認すべきポイントとは?

目次

「風呂なし物件」は、近隣の相場と比べて家賃をかなり安く抑えられるということもあり、いま若者を中心に注目されています。

家賃が安いこと以外にも、光熱費の節約や掃除にかかる手間を省けるというメリットがある一方で、注意すべきポイントもあります。風呂なし物件は築50年前後の木造アパートが多く、さまざまな点で不便さを感じる可能性があるので、実際の生活をイメージしながら慎重に選びましょう。

この記事では風呂なし物件のメリットと注意点すべきポイントについて解説します。風呂なし物件がおすすめの人と、快適に暮らすためのヒントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

風呂なし物件とは

風呂なし物件とは、室内に浴室がついていない物件のことです。シャワールームだけがついている物件を風呂なし物件と紹介していることもありますが、基本的にはキッチンとトイレだけがついている物件を風呂なし物件と呼びます。

室内にトイレがなく共同トイレを利用する物件や、共同のシャワールームがある場合もあるのですが、事前に間取り図をしっかり見て確認しましょう。

風呂なし物件のメリット

まずは、風呂なし物件の代表的なメリットを3つ紹介します。

家賃が近隣相場に比べてかなり安い

築年数や構造にこだわらなければ、東京23区内でも1Rタイプは3万円前後から見つけることができます。風呂なし物件には築年数が古い物件が多く、風呂あり物件の家賃と比較するのは難しいですが、条件やエリアによっては相場の半額程度で見つかる可能性があります。

とにかく家賃を安く抑えたい人や、憧れの街に住みたいけれど家賃が高くて予算が合わない人におすすめです。

水道光熱費が節約できる

生活用水のうち、お風呂で使う量は全体の40%といわれています。基本的に給湯器で温めて利用するため、使う量に応じてガス代(または電気代)がかかります。風呂なし物件であれば、必然的に入浴にともなう水道代と光熱費を節約することが可能です。

なお、3分間シャワーを出しっぱなしにした場合、約36リットルのお湯を使うといわれています。

※参考:国土交通省「水資源:水資源の利用状況

※参考:東京ガス「東京ガス ウルトラ省エネブック

お風呂場の掃除をする必要がない

お風呂の掃除は水垢やカビの問題などがあり、室内の中でもとくに掃除に手間がかかる場所です。当然ですが、風呂なし物件であればお風呂掃除の手間がかかりません。

お風呂掃除が面倒でシャワー派という人は、風呂なし物件を検討してみてはいかがでしょうか。

風呂なし物件のデメリット・注意点

次に風呂なし物件のデメリットや注意すべきポイントを紹介します。

銭湯代がかかる

原油価格の高騰などを理由に、東京都内の公衆浴場の入浴料金が2022年6月1日に改定され、大人は500円(都内共通入浴券10枚4,500円)に引き上げられました。

毎日入浴した場合、1ヶ月(30日計算)の銭湯代は、入浴券を利用しても13,500円かかります。出費になることは分かっていても、毎日の積み重ねになると負担に感じる可能性があります。

※参考:東京都浴場組「入浴料金改定のお知らせとご理解を | 【公式】東京銭湯/東京都浴場組合

お風呂に入りたいと思ってもすぐに入浴できない

風呂なし物件は、部屋にお風呂がないので入りたいと思ったときにすぐに入浴できません。そのため、夏の暑い日や雨の日、雪が降るような寒い日などは不便を感じることになりそうです。

銭湯の営業時間は23~24時までとなっているところが多いため、帰宅が深夜になることが多い人は入浴できない可能性があります。ライフスタイルによっては、銭湯利用が難しいかもしれません。

断水した際に浴槽に水をためておくことができない

地震や台風など、災害時の備えとして「浴槽に水をためておく」ことは一般的に推奨されていますが、風呂なし物件の場合は残念ながらできません。

しかし、国土交通省によると地震後は水道管が破損していることもあるので、トイレに浴槽などにためた水を流さないように呼び掛けています。共同住宅の場合は、階下のトイレに逆流することもあるため、注意する必要があります。

このように、浴槽に溜めた水が必ず使えるとは限らないので、災害対策としては保存水用のポリタンクや洗浄済みのペットボトルなどに水をためておくとよいでしょう。トイレは、簡易トイレなどを準備しておくと安心です。

※参考:国土交通省「災害時のトイレ、どうする?

風呂なし物件がおすすめの人

風呂なし物件はどのような人に向いているのでしょうか。ここでは風呂なし物件をおすすめしたい3タイプの人をご紹介します。

とにかく節約したい人

とにかく節約したい人には、風呂なし物件がおすすめです。築年数や立地にこだわらなければ、東京23区内でも3万円台から見つけられます。銭湯代を加味しても、出費金額としては安いです。

物件によっては、水道光熱費込みの家賃の物件や室内にトイレがなく共同のトイレを利用するタイプもあり、水道光熱費をさらに節約できる可能性があります。

住みたい街やエリアにお手頃な家賃で住みたい人

住みたい街ランキング常連の街は人気があり、その他の地域に比べて家賃が高い傾向にあります。

それでも憧れの街に一度は住みたいと思う人は、風呂なし物件も視野に入れてみてはいかがでしょうか。「お風呂がある」ことを条件から外せば、かなり安い物件が見つかるでしょう。

風呂なし物件というと、一般的に築古の木造アパートをイメージされることが多いですが、「シェアハウス」という選択肢もあります。部屋自体は狭い傾向がありますが、共用スペースが充実している物件を選択すれば生活で不便を感じることはないでしょう。

最近では需要が増加していることから、住みたい街でも候補がいくつか見つかる可能性があります。

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昭和レトロな物件に住みたい人

昭和レトロブームで純喫茶や古い街並みを「エモい」と表現する昨今、あえて古いアパートを選ぶ人もいます。昭和レトロを新鮮と感じる若者だけでなく、昔の風情を懐かしむ世代にも人気があり、築年数にかかわらず一定の人気があります。

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大きいお風呂に浸かりたい人

大きなお風呂が好きで銭湯巡りが趣味の人には、風呂なし物件をおすすめします。家にお風呂がないので必然的に銭湯に行くことになりますが、家賃を安く抑えることができているため、銭湯代を負担に感じないで済むのではないでしょうか。

風呂なし物件の近くには、銭湯が集まっている可能性が高く、銭湯好きが住むエリアとしてもおすすめです。

ジムの会員になっている人

ジェットバスやサウナなど、温浴施設が充実しているジムもあります。日常的にジムやプールを利用している人は、家のお風呂にはほとんど入らないかもしれません。

入浴施設があるジムにはボディソープやシャンプーが備え付けているケースが多いため、生活費のコストも下げることができます。ジムは一般的に駅の近くにあるケースが多いため、ジムの利用を検討する場合は最寄り駅から徒歩5分程度が便利です。

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セカンドハウスとして利用する人

趣味の部屋や衣裳部屋など、セカンドハウスとして利用を検討している場合は、風呂なし物件から探してみましょう。広さによっては、一般的なトランクルームよりも風呂なし物件の方が安く借りられる可能性があります。立地や条件に応じてご検討ください。

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風呂なし物件を選ぶ際に確認すべきポイント

風呂なし物件は近隣相場よりも家賃が安く、借りやすいところがメリットです。しかし「安易に決めて後悔した」という人も少なくありません。ここからは住んでから後悔しないために、選ぶときに確認すべきポイントを紹介します。

築年数

風呂なし物件には築50年前後の木造アパートが多く、耐震強度が低い物件もあります。耐震性が気になる場合は、耐震基準が強化された1981年以降の建物を選ぶ方法が1つの基準となります。

生活音の響きやすさ

木造建築は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物に比べて生活音が響きやすいという特徴があります。

隣家の生活音が気になるかどうかは個人差があり、部屋の配置なども関係するため一概には判断できません。住む人の生活リズムが異なる場合は、とくに気になってしまうこともあります。

内覧の際はある程度滞在し、隣家や上階の音が気になるか確認してみましょう。外階段がある物件は、階段や廊下を歩く足音が気になることがあります。実際に不動産会社の人に歩いてみてもらうなどし、自分の耳で確認することをおすすめします。

外からの音が聞こえるということは、自分が発した音が他の人にも聞こえるということです。生活音が響きやすい物件に住む場合は、自分が出す音にもある程度注意が必要になります。

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キッチンの広さ

節約のために自炊するつもりであれば、キッチンの広さや使い勝手を確認しておきましょう。風呂なし物件は部屋自体が狭く、キッチンも小さい傾向があります。作業スペースや収納スペースは、実際に生活するイメージをしながら確認しておくことが重要です。

自炊をする場合は、2品を並行して調理できるように、2口以上のコンロがあると便利です。

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風呂なし物件でも快適な生活を送るためのポイント

最後に風呂なし物件で、快適な生活を送るためのポイントを紹介します。

①足湯で足を温める

温泉地などで見かける足湯ですが、実は温泉水でなくとも入浴に匹敵するような効果を得られます。

末端である足を温めることで全身の血流がよくなり、酸素が体中にいきわたるため、疲労回復効果を期待できます。冷えやむくみにも効果があるので、冷え性の人にはとくにおすすめです。

足湯専用の商品も2,000円前後からネットなどで販売されていますが、大きめの洗面器やバケツでも代用できます。椅子などに腰掛け、40度程度のお湯を入れた容器に足を入れて、15~20分温めます。

温度や時間はお好みで調節してください。途中で温度を下げないようにお湯を足すのがポイントです。アロマオイルなどを数滴たらすのもおすすめです。

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②ドライシャンプーやボディシートを用意する

体調が悪い日や忙しいときなどは、銭湯へ行きたくてもいけない日があるでしょう。そのようなときに用意しておくと便利なのが、ドライシャンプーやボディシートです。銭湯で入浴する爽快感は味わえませんが、体を清潔に保つことができます。

もちろん熱湯に浸したタオルを絞って体を拭くという方法も有効です。電子レンジがある場合は、濡らしたタオルを500Wで1分30秒ほど加熱すれば、簡単に蒸しタオルを作れます。ただし、表面温度は100度ぐらいになりますので、火傷にはご注意ください。

③銭湯でのコミュニケーションを大事にする

裸の付き合いとはよくいったもので、銭湯で毎日のように顔を合わせることで自然とコミュニケーションが生まれます。

とくに都市部では近所同士のコミュニケーションが希薄だといわれていますが、銭湯に限っては異なるようです。いろいろな世代や職種などが交錯する空間で、他では味わえないコミュニケーションができるのが魅力です。

風呂なし物件も検討してみては?

風呂なし物件は家賃が安く、光熱費などのコストダウンもできるため、節約したい人におすすめです。何か目的を持って節約している人やミニマリスト、出張などで不在にすることが多い人にとっては、風呂なし物件のほうが合理的に感じられるのではないでしょうか。

しかし家賃の安さやレトロな雰囲気への憧れだけで決めてしまうと後悔する可能性もあります。内覧の際は実際の生活をイメージし、自分に合っているのか入念に確認しましょう。